IS《インフィニットストラトス》ゴーストバレッド   作:コードα

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勝手に組まれたエキシビジョン(前)

IS学園一年寮の食堂で一人、新型装備・複合兵装クジャクの設計に精を出す俺こと一光はホログラフキーボードに走らせていた指を止めてコーヒーを飲んだ。

 

「ねぇ、ソレ何?」

 

「その内分かる」

時に諦めとは肝心で、どう足掻いても可奈だけに留まらず他の生徒の目を盗んで設計は難しく、それなら可奈に絶対の口止めを約束させた上で設計に勤しむ事にした。

 

「既存の武器に銃と剣、ないしは槍を一体にした武器はあれど、シルバーバレットで扱うには些か本体とパワーバランスが取れない・・・」

 

因みに口止め料は可奈がじゃれて来た時に逃げない事。コレ、彼女の提示した条件だ。

 

ま、案の定見せた程度では何の図面か分からず、クエスチョンマークを浮かべていた。

 

ぶつぶつ言いながらキーに指を走らせる俺を見ながら可奈は微笑んだ。

 

(好きなんだ、機械)

 

それは何かに熱中する子供を見守る親のような優しい笑顔だ。

 

因みにISでも何でも装備をつめるわけじゃない。

 

後付け武装の数は決まっているし、内臓火器が強力で容量を取っていればいるほど武装は限られてくる。

 

「となるとやはり武器自体にもジェネレータを積むか?そうなると武器自体の大型化は避けられない・・・ん~」

 

腕を組んで唸る俺に可奈は肩から覗き込みながら、言う。

 

「あんまり唸ってないで寝ない?明日も早いんだし。起してあげよっか?」

 

「・・・・可奈さん、今馬鹿にしてました?」

 

「ううん!してないよっ」

 

可奈のスキンシップが若干ホットなのは諦めた。

 

みづきさんから聞くに昔からこうなのだとか、幼馴染で苦労したのは他にも居るみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「エキシビジョンマッチ?」

翌日、最後の授業で朝田先生はサラッと言い、聞き返してしまった。

 

まてまて、誰と誰が戦うって?

 

「はい、細波君は一組のセシリア・オルコットさんと戦ってもらいます」

 

「・・・・・なんでです?」

 

戦う理由が見当たらない、一夏のように喧嘩を吹っかけたわけじゃないし。

 

出来るだけ目立ちたくないんだよなぁ。

 

「織斑先生からの指名です」

 

はい?

 

「織斑が戦う以上、細波も力を見せるべきだと。幸いな事に皆さん細波君のISを見たがっていますし、勝てば三組の株も上がります!」

 

いやいやいや、待とうか朝田先生!何で本人の意見をスルーするんだ。

 

「いいじゃん、カズくんやっちゃえ」

 

「可奈は余計なこと言うんじゃないっ」

 

「どうせなら、クラスを持ち上げてよ。クラス代表なんだし」

 

「いや、みやびさん。関係なくね?」

 

「クラス代表戦に向けて、牽制の意味もこめて狩って来て下さい」

 

「はい、瑠璃さん字が違うっ!」

 

「ホント、細波くんって何事にもコメントしてくれて面白いよね~」

 

と最後にクラスの誰かが言った。

 

「日時は明後日になります、第三アリーナの第二ビット。オペレーター志望から選んでも構いませんよ?」

 

「先生、一番乗り気なんですね」

 

もはや、俺にはがっくりと肩を落とす事しか出来なかった。

 

どうもこの流れには逆らえないようだ。

 

余談ではあるが一夏にセシリアの反応を聞いた時にはイラッと来た。

 

男に負ける筈がないとは心外だ。

 

あ、少しやる気出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

整備室で簡易メンテをするためにやってきたわけですが、未完成のIS前でホロキーボードを叩く少女が一人、

 

(あ、そういや白式の開発にシフトしたせいで打鉄二式は)

 

記憶をたどると居て当然の人物、更識簪がため息を付いていた。上手くいっていないらしい、どうせシルバーバレットの整備は直ぐ終わるし、一声掛けてみるか。

 

「どったの?上手く行ってないのか」

 

「ひゃぅ!」

 

不意打ちだったらしい、簪は弱弱しい視線は講義の色を孕んでいた。

 

「悪い、驚かせた。隣のハンガー空いてる?」

 

「・・・・空いてる」

 

「んじゃ、隣失礼」

 

とだけ言って俺もホロモニターとキーボードを出現させてシルバーバレットが現在でまともに扱える武装一覧を出してみる。

 

駆動系・出力系・センサー共に問題なし、となると近距離型であるシルバーバレットでセシリアのブルーティアーズを相手にするわけだからやはり、Bバスターを選択すべきか。

 

格納容量もABCマントを予備分含めで一杯だし、Bバスターを二基なんてとてもじゃないけど格納できない。

 

「ん~でもコレだと変形に若干隙が出来るな、となるとザンバスターで行くしかないか。アレならバスターガンで牽制効くし」

 

ぶつぶつ行って作業している俺を横から簪が見ていた。

 

というよりも簪はシルバーバレットをアニメのヒーローと被せてみていたのかも知れない。が、どっちでもいい事だ。

 

「よし、基本でやろう・・・・・見てるだけじゃ分からないよ?こういうの」

 

「ふぇっ!あ、いや、その・・・・・」

 

『一回目』の記憶どおり、おどおどした感じで内気な子だ。

 

ま、それを差し引いても可愛いから良し。映像とか本と違って実物の破壊力は高いな。

 

「手は空いてるから、その気になったら一声よろしく。」

 

とヒラヒラと手を振って整備ラボをを出る俺。

 

その背中を何故か簪が見ていたのを気がつくわけもなく、ま、俺はオールレンジ攻撃の対処法を考えるとしよう。

 

少し困った事は部屋に戻ったら可奈が機嫌を損ねていて、

 

「ねぇ、整備室で無駄に優しかったね?」

 

「・・・・何のことやら」

 

しらばっくれて見たが、どうも更識簪が昔の自分と被ったなんて言いだせず困った事態になった。

 

「妙に親しげだった・・・更識さんみたいなのがタイプなんだ?」

 

「なっ、何を言うか!?」

 

「じゃあ何で?」

 

あれ、この子こんな迫力はあっただろうか?

 

コレが世に言う重圧(プレッシャー)と言う奴らしい、でも俺は後ろめたい要素がない筈なんだが。

 

「シルバーバレット以外のISが独自に組み上げられていくのに興味を持った。コレじゃ駄目か!?」

 

「ふ~ん、そういう事にしといてあげる、わっ!」

 

「のわぁっ!」

 

何時までたってもこの子のスキンシップには慣れん。アレ?こんなキャラ他に居たよね、たしか?

 

 

 

 




オリキャラ紹介

・清水瑠璃

可奈の幼馴染でみづきと可奈の三人でよく一光を取り巻いている。

IS適正はさほど高くなく、オペレーター志望。

初めて出来た男友達として一光を認識し、三組ではシャル・ラウラの立場。

イメージはラウラを黒髪にして眼帯を外した状態。
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