IS《インフィニットストラトス》ゴーストバレッド   作:コードα

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セシリアアンチの回、カズの特技初披露


勝手に組まれたエキシビジョン(後)

第三アリーナの控え室で俺こと一光は改めてシルバーバレットの装備を見直している。

 

一夏の奴、IS教えろって言っといて専用機が来たのがさっきだ。

 

事もあろうか実戦で第一シフト、フィッテイングを行うらしい。

 

千冬さん、鬼だね。実の弟にもこの仕打ちである。

 

教員にあってはならない単語「出来なければ死ね」とか言ってたよ。

 

「可奈、朝田先生。モニターしているシルバーバレットの調子は?」

 

何だかんだでオペレート役は可奈にお願いした。

 

因みに観覧席は一杯だ、期待のIS操縦男子の試合が二試合。

 

一夏がかませ犬みたいだが致し方ない、セシリアとは経験の差で一方的な試合運びだろうが。

 

「うん、予め教えてもらった基準データと大差ないわ。その髑髏以外」

 

「コイツは威嚇用の装飾だ、大した意味はないよ。飾りだ、飾り!」

 

と和気藹々と部屋からの会話の延長で話している俺と可奈。

 

「細波く・・・・!?」

 

入ってきた朝田先生が固まった。

 

「先生、どうしたんですか?」

 

可奈が尋ねると硬直を解除された朝田先生は我に帰り、じっと俺を見る。

 

と言ってもシルバーバレット展開中なので上目遣いのようになっているのは余談だ。

 

「髑髏で銀!渋いですね?」

 

「駄目だ、この先生ずれてるよ!!」

 

思わず叫んでしまったのは仕方ないだろう。本来の用件よりコレだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言おう、織斑一夏は敗北した。

 

単一技能(ワンオフアビリティー)の使用を確認せずに使うからこうなる。

 

セシリアの補給後、と言っても破損したビットの補充が済み次第再戦となる。

 

さて、イギリスには大盤振る舞いだ。

 

今は秘密とされている第四世代二機との交戦データが得られるのだ。

 

白式も不憫だ、もう少し一夏を鍛えよう。

 

さて、ココからは海賊(ショー)タイムだ。男子に負けるわけがないなんて高をくくるお嬢さんを負かしてやろう。

 

『頑張ってね!』

 

通信越しに激を飛ばす可奈と朝田先生を意識するとハイパーセンサーが眼前に表示した。三百六十度見せているのだから意識を向けるだけで良い。

 

「シルバーバレット、細波一光。出る!」

 

一度は言ってみたかった台詞を入ってバレルロールして止まる。

 

セシリアよりは早くフィールドに出ていたほうが良いだろう、如何せんスロットルを全

開にした速度を操るにはもう少し経験が必要だ。

 

“奴ら”も刺激されるだろうし、少し経験値になってもらうか。

 

アリーナは直径200メートル、ビッドから発進すれば0.4秒でエンカウントする距離だ。

 

「貴方、馬鹿にしてますの?」

 

出てきたセシリアの第一声が、不機嫌そうにそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良くもまぁ、持ち上げるだけ持ち上げてくれたな馬鹿者」

 

一夏はビッドに戻るなり、千冬の説教が待っていた。

 

「武器の特性も考えずに使うからああなるのだ。明日から訓練に励め、暇があるならISを起動しろ、それと今の試合をよく見ておけ。参考になる」

 

千冬は其処まで言うと山田先生がモニターを捜査する。

 

「今の試合?ああ、カズの試合か。結局教われなかったしなぁ」

 

一夏も目の付け所は悪くない。が、機体がなかった。

 

「オルコットにはやはり荷が重いな。相手にならん」

 

千冬は結果が見えているような事を言う。モニターの中ではセシリアの一方的な射撃を何もせずに受けるボロマントを纏ったIS・シルバーバレットが映し出されている。

 

「アレは、わざと受けて居るのか?」

 

「装備の違いだ。それでなくとも対人経験さえ解消すれば、全盛期の私と良い勝負が出来るくらいの実力者だ。細波はな」

 

千冬の言う事が今一の見込めていない一夏、モニター内のセシリアの焦りは次第に濃くなっていく。

 

「千冬姉、それってつまり・・・」

 

「織斑先生だ、大馬鹿者。そうだ、オルコットなど相手にならん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故ですの!?レーザーは当たっていますのに!」

 

セシリアは狙撃銃、スターライトMkⅢを只管放った。

 

ビットを放ち、四方からレーザーを見舞うが、目の前の男は徒歩で前進する。敵のISは

破損はおろか、シールドエネルギーすら削れて居ない。

 

「なぁ、もう良いか?レーザー撃ち過ぎてエネルギー切れなんて負けなんて詰まらん。」

 

有り得ない、通常なら既に自分が勝利しても可笑しくはない被弾をしている俺にセシリアが悔しげに舌打ちする。

 

「何なんですの!貴方は!!」

 

「お前が馬鹿にした男だ。」

 

刹那、セシリアの視界からシルバーバレットが消えた。

 

ブルーティアーズが右から攻撃に対する警告を発した時、セシリアが反応する時には遅い、セシリアは右から衝撃を受けて吹っ飛んだ。

 

シルバーバレットの特徴とも言えるX字のマルチブルスラスター。

 

一つにつき、マッハの世界に踏み込む事が可能な出力を計算に入れられ設計された強襲使用の機体。

 

俺は束さんに異常なシュミレーション訓練を受けた。唯一出来るスキルは無限軌道なんて馬鹿げた芸当だ。

 

シルバーバレットが維持する最大速度はマッハ4、ブルーティアーズがイカに早く補足しようとセシリアの反射神経が追いつかない。

 

ビットを展開したセシリアは、ビットを分離した直後から撃ち落されると言う事態に襲われる、次いでスターライトMkⅢがシルバーバレットの踵落としによって銃身を真っ二つに切断されて破壊される。

 

次いで左、右下、斜め左上、殆ど一方的にセシリアが被弾し、ISにもダメージが蓄積していく。

 

(大体、流れは掴めましてよ・・・っ!)

 

セシリアはイギリス代表候補生、プライドもある。こんな一方的な蹂躙を良しとしない。

 

ブルーティアーズが予測する次の動きに合わせて最低限の挙動でダメージを軽減、残存シールドエネルギー45パーセント。まだ、勝てないと決まったわけじゃない。

 

「ブルーティアーズは六基ありましてよっ」

 

起死回生の一撃は音速でつっ込んでくる相手にミサイルを撃ち込むものだった。が、放たれたミサイルは一閃の元に沈む。

 

「相手の油断を誘うのは良いがもっと腕を磨けよ代表候補生」

 

シルバーバレットはビームガンとビームザンパーを持って酷くつまらなそうに告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弱い。

 

それが、俺の第一の感想だ。

 

実物で見るセシリア・オルコットは確かに可愛い。が、俺はオルコッ党ではないし、高飛車な態度がどうしても気に食わなかった。

 

一夏が負ける、これは予想が付いたし『一回目』で知っていた事だ。

 

因みにセシリアへは蹴りしか見舞っていない、ISに過度なダメージを与えるわけには行かないし、マッハ4の速度で確実に急所を外す自信はない。ISには絶対防御があるが、それはあくまで死なないだけだ。

 

ミサイルが来る、発射されたミサイルは酷く遅く感じた。

 

コレなら、ビームザンパーで十分対処可能だ。

 

「ブルーティアーズは六基ありましてよっ」

 

遅れてセシリアがダメージを与えたれる核心を持って放った弾道ミサイルをビームザンパーで斬りおとす。

 

「相手の油断を誘うのは良いがもっと腕を磨けよ代表候補生」

 

実際に戦ってみて分かった。

 

一夏はいい、今日始めて白式に触れたのだから。が、セシリアは弱い。

 

いや、俺がイレギュラーなだけか?ま、対人訓練の経験は美味しく頂戴するが。

 

「なっ!?」

 

呆気にとられるセシリアをABCマントで絡めとり、振り回す。

 

「きゃあああっ!?」

 

「ほれっ」

 

マントから開放するとセシリアは乱回転しながら飛んでいく、これならアリーナの防壁にぶつかるだろう。せめてもの情けだ、その前にシールドエネルギーを刈取ろう。

 

スロットルを全開に、フェイスマスクが開き、廃熱と共に最大加速をキープするシルバーバレット。

 

「やりすぎだ、馬鹿者」

 

肩を竦めて千冬はそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は一体何処までやれば気が済んだ?」

 

俺を待っていたのはありがたいお説教タイム、何故?ブルーティアーズはダメージレベルを低く抑えた筈だが。

 

「何か問題でも?」

 

「やりすぎだ、馬鹿者。」

 

即答された。

 

「カズくん圧倒してたもんねぇ」

 

「いや、アレ圧倒って言うより一方的だろ?」

 

「セシリアが弱いからだ!」

 

「お、珍しく意見が合うな。箒」

 

「ふんっ!」

 

可奈は驚き、一夏は昔の喧嘩を思い出したという。

 

箒の意見は最もだ、競技なら良いセンにいるだろうセシリアは実戦を知らないし、俺が経験した訓練プログラムも知らない。

 

恐らく可奈は「三組の代表はとっても強い」と今は思っているだろう。

 

一夏の様にスイッチの入った俺を知らないのだから。

 

規則帖と渡された無駄に分厚い本、居ページが無駄にペラペラで何ページあるのやら。

 

「一夏、コレを読みきる自信はあるか?」

 

「いやない」

 

「覚えろ馬鹿者共!」

 

最後に絞まらず、千冬さんのツッコミをもらう事になろうとは。

 

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