IS《インフィニットストラトス》ゴーストバレッド   作:コードα

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殆どリンの出番はない


心の確認、返って来たセカンド幼馴染

さて、俺こと細波一光は『二度目』の人生を謳歌している。

 

自ら設計したIS・シルバーバレットを駆り、恩人である篠ノ之束の依頼で幼馴染・織斑一夏と同じIS学園に通っている。

 

世界でISを動かせるたった二人の男子といえば聞こえは良いだろうな。

 

ああ、特に五反田辺りが「楽園だろ!?」とか言いそうだよね?

 

でもよぉ・・・・・。

 

実際は違うんだよね?だってほら、女子っていろいろ面倒な事ってあるじゃん?

 

 

 

 

 

 

 

「あ、お邪魔してるわ」

 

「しま~す」

 

ドアの先は男の居るスペースではなくなっていた。と言っても俺は気にしない、箒のように襲ってくるわけでもないし、一夏程の気苦労はしないだろうと高をくくっていた。

 

みやびと瑠璃が入り浸るのはしょっちゅうだったので慣れてしまった感がある。

 

「ああ、あんまり遅くなる前に自分の部屋帰れよぉ~」

 

半分以上頭が死んでいた、というよりもISの規則辞典と格闘してきた俺は、らしからぬミスを犯す事になった。

 

だってさ、肝心の可奈が居ないのに気がつかずに脱衣所兼洗面台のドアに手を掛けてしまったのだ。

 

ガラッ。

 

「い・・・っ!?」

 

洗面所には可奈が居た。

 

「あ、シャワー浴びてたの・・・・?」

 

シャワー上がりなのか濡れた髪を拭いている格好で硬直、パンツだけを穿いた、ブラさえ付けていない状態の可奈がいたのだ。

 

「わぉ、カズくん大胆!」

 

「フラグゲットって奴だね。」

 

この二人は止めるどころか次に起きるであろう事態を面白がっていた。

 

「きっ」

 

思考がマッハで駆け巡る。

 

この後起きるであろう制裁イベントをどう切り抜けるべきか?いや、自分の打撃耐性を信じて甘んじるべきか、土下座?この間僅か0.1秒。

 

「きゃあああっ!何時まで見てるのぉっ!!?」

 

「シールドピアーズ!?」

 

羞恥で顔を真っ赤にしたかなが繰り出したパンチは、恐らく世界を狙えるのではないのだろうかと思えるほど鋭く重い、破壊力のあるパンチだった。

 

顎にクリーンヒットを貰った俺はそのま意識を手放し、崩れ落ちた。

 

「可奈ってホントどうでもいい時に動きの切れよくなるわよね?」

 

「みやびっ私がシャワー浴びてたの知ってたよね!?」

 

「え~!せっかく男子と相部屋よ?こう言うイベントはあって然るべきだよ」

 

「何ソレ!?私だって、その・・・見てもらうんだったら、ハッ!」

 

「はい、デレはいりました~」

 

「瑠璃っ!」

 

「それよりさ?」

 

「私の身体はそれ以下か!」

 

「カズどうする?」

 

「「あ~」」

 

可奈はみやびと言い会う内にこぼし、瑠璃が拾ってからかう。

 

最終的に意識を手放して伸びている俺の後処理で話は一時の収束を終えたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日:食堂

 

「一夏、昨日帰ってからの記憶がないんだが」

 

「は?」

 

朝食をとりながら横で食べる一夏に言って見ると案の定「コイツ何言ってんだ?」みたいな顔をしやがった。

 

「お前にもあるだろう?ホラ、とある幼馴染に叩きのめされたり」

 

「あ~、でも篠宮さんとお前ってそんなに親密だったか?」

 

「んっ!んん。」

 

一夏に例えを言えば、納得して聞き返してきた。すると後ろから比較的大きな咳払いが聞こえ、ファースト幼馴染こと箒が姿を現す。

 

「お、おはよっ」

 

「おはよう。カズ、顎でも打ったか?赤いぞ」

 

「さぁ?」

 

一夏の左横に座り、食事を取り始める箒。因みに右は俺だ。

 

すると珍しく無言で食事していた可奈がビクッと肩を震わせた。

 

「ん?どした、喉にでも詰まらせたか?」

 

「んふっ!大丈夫大丈夫」

 

「じゃないわよね、カズ?」

 

其処に現れるみづき、その意味ありげなニュアンスに一夏と箒、加わりたいがモンスターがいるので離れているセシリアも聞き耳を立てる。

 

「みやびっ!?」

 

「みやび、おはよさん」

 

「流石、無限軌道なんて無茶苦茶するだけあってタフよねぇ。一日で復活だもの」

 

「いやいやいや!無限軌道すると身体の節々が痛んだぜ。アレ、とある代表候補生の鼻を折ってやりたくてな。あ、一夏。放課後に第二アリーナ、可奈達も訓練機の申請しとけよ。操縦について教えたる」

 

「マジ!?やったぁ、皆よりリードだよ!ね、可奈?」

 

「皆より、リード・・・・私が、はぅ!」

 

「こりゃ駄目ね、トリップしているわ・・・・」

 

みづきが可奈を揺するが戻ってくる気配がなく、諦める。

 

訓練機は限りがあって人数分貸し出しなんてされるケースがレアだ。

 

「その訓練、私もご一緒してよろしくて?」

 

「おぉ、セシリアか。良いぞ、それと済まん」

 

「な、何ですの?いきなり」

 

「前の勝負、一方的過ぎたかなっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私こと篠宮可奈は昨晩の出来事で改めて考えた。

 

世界で二人しか居ない男子IS操縦者、その片方と同室であることに浮かれ、異性と意識

せずに接してきた事。

 

彼の反応は最もだ。

 

行き成り飛び乗ったり、乗っかるみたいな起し方をしたり。

 

過剰な反応でクラスのムードメーカーになっている彼は、時々酷く寂しそうな目をして空を見上げている。

 

「はぅ、思い直すだけで恥ずかしい・・・」

 

机に突っ伏して私は呟く。

 

「そりゃ、一目惚れなんでしょ?」

 

「きゃうわ!」

 

「また奇妙な悲鳴を上げるわね?」

 

正面に座る幼馴染は悪戯っ子のような微笑で、目を真剣にして言う。

 

みやびとは長い付き合いだ。

 

小学校からIS学園まで学校もクラスも一緒、何と言うか腐れ縁みたいな感じ。

 

「それはみやびが!」

 

「昨日、“見られ”て改めて意識した?」

 

「それは・・・・みやび達のせい」

 

「可奈を見てれば分かるわよ、分かりやすいんだもの。」

 

「わ、悪かったわね!」

 

私は必死に講義する。

 

親を除いたら次に長い時間を共にした幼馴染に。そして、親友に。

 

「頑張れ、私達は応援しているわよ。」

 

「ありがと。あー!うじうじしていないで行ってくるわ、私っ」

 

そう言って私は立ち上がる。

 

でも、教室には彼の姿がない。

 

「で、何処いったの?アイツ」

 

「ああ、整備室だって。瑠璃も居るし居場所は完璧」

 

「サンキュ、みやび!」

 

こうして私はまた歩き出す。

 

うじうじ悩む暇があったら行動!

 

そうだよね?お母さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱ受け付けないかぁ・・・・・」

 

「エラーばかり帰ってくるね、打鉄の近接ブレードは駄目、リヴァイヴのマシンガン駄目、ハンドグレネード駄目の駄目駄目尽くし」

 

俺は今、既存ISの装備を量子変換できるか試している。

 

理由は特にないが、やはり武装にヴァリエーションがあったほうが戦いやすいだろうと思ったのだ。

 

どうも、クラスメイト達はクラス代表トーナメントやらを是が非でも勝って欲しいらしい。

 

因みに優勝したクラスには食堂のデザート半年分の食券が優勝商品として出るらしい、気前のいい事だ。そして俺にはものすごっく要らん代物であるが、クラスメイトには是非とも手にしたいものらしい。

 

「やっぱ今まで通りでやるわ。撹乱すればセンサーで補足されても反射が追い付かないだろ」

 

「でも、それやるとカズが辛いんじゃ」

 

「ま、確かにそうだけどね。でも勝たないと俺がクラスメイトに抹殺されかねない・・・」

 

時に数の暴力って恐ろしいよね。

 

「ハァ・・・・」

 

「で、更識さんは解決しそうか?」

 

「貴方には、関係ない」

 

「いや、あんまり横でため息吐かれると何と言うか・・・・」

 

悪戦苦闘している簪に衝立から顔を覗かせて尋ねると睨まれた。

 

「おお、カズはたらしだった」

 

「瑠璃さん?それは誤解だ。」

 

後ろから手で口を覆い「にしし」と笑う瑠璃に弁解しておく俺。

 

アレ?何だ、この構図。

 

「ほぉ、カズくんがナンパ?しかも更識さんに?ほうほう!?」

 

「よし可奈、落ち着こうか。何で超不機嫌になってるか知らんが彼女も機体がないとクラス代表戦に出れんだ・・・」

 

「で、機体データを提供する次いでにナンパ?この後、食堂でお茶しないとか!?」

 

「最後まで聞いてお願いします!」

 

結局、シルバーバレットは既存ISの装備を受け付けずって結果だけ分かった。

 

可奈が何故か不機嫌で、先にアリーナへ消えて行く。俺も一夏の特訓の為に向かうとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どういう状況だ?一夏」

 

「俺が知るか!」

 

「一夏っ!覚悟しろ」

 

「一夏さん!」

 

「カズ、往生しないさい!」

 

アリーナに着くと既にIS戦闘に入っていた一夏と箒&セシリア。仲裁に入った可奈は箒と同じ訓練機・打鉄を使っているが、遅れて着いた俺は男子VS女子変則戦になっていて、一夏に尋ねると即答された。

 

因みに、箒、セシリア、可奈の順で言いながら攻めてきた。

 

咄嗟にISを展開し、箒と可奈の近接ブレードをメリケン運用可能シールド・ブランドマーカーと隠しヒートダガーで捌いて行く。

 

「ちょっ、まっ!?」

 

「ええい!大人しく斬られろっ」

 

上段から振り下ろされた箒のブレードをサマーサルトキックの要領で一回転しながら土踏まず辺りから飛び出したダガーで受け、挟み撃ちとばかりに攻めてくる可奈のブレードはブランドマーカーでビームシールドを張り、防ぐ。

 

「何!?箒も何カッカッしてんだよ?アレか!?い・・・」

 

「わぁぁ!!」

 

「打鉄はブレードだけじゃないのよん!」

 

「ちょぉー・・・!?」

 

可奈が身動きの取れない俺のシールド内側にピンを抜いたパイナップル形状の起爆物を渡そうとして、咄嗟に身を引く。

 

「やらせるか!」

 

一夏が雪片ニ型を振り下ろしてカウンター。でもハンドグレネードは宙を舞う。

 

「「ヤベッ!」」

 

「貰いましてよ!」

 

拘束から逃れた俺とソレを斬りおとそうとする幼馴染の装甲を掴んで離脱しようとした時、蒼穹の狙撃手はソレを良しとはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ、何であんなチームワーク良い訳?」

 

「恋する乙女は強いのさ」

 

打鉄を掻っ攫われたみやびと瑠璃は遠目にその戦いっぷりを見る。

 

可奈の心情と箒とセシリアから察せられる乙女心、それに敏感な十代女子なら気づける。

 

瑠璃の言ったことは当たっている。

 

一夏に惚れた二人と彼に惚れた可奈、三人は共通して気がつかない二人に共感でもしたのだろう・・・・。

 

「そんなことよりさ、カズ・・・・至近距離で貰ったわよ?」

 

「ISには絶対防御あるから大丈夫。」

 

「そうじゃなくて、カズはどうして押されてるのかな?三人でも圧倒できるよね多分」

 

「あー・・・もしや敷かれるタイプ?」

 

二人が談義しているとドアが開いた。

 

「ふぅーん、アレが噂の銀色か」

 

「「誰?」」

 

入ってきた生徒にみやびと瑠璃は首をかしげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はこのくらいにして差し上げますわ」

 

「おぅ~・・・・」

 

セシリアに感謝と言いたげな、疲労困憊の一夏。

 

「やっぱり凄いねぇ、全部避けられちゃったっ」

 

「一夏もカズくらいにならないと駄目だぞ」

 

「いや、お二人とも割とガチで殺しに掛ってたよね!?」

 

実力を知る為、と称したボコりに耐えた俺。

 

半分以上飛び火だが、最初の一幕は割と上段で済まない一撃だった。

 

「ま、白式の性能を引き出せるように鍛えてやるよ。流石に今日はなぁ」

 

ゴキッと首を回すと音が鳴る俺、ソレを見て微笑みながら可奈が後についていく。

 

「なぁ、先に帰っても」

 

「良いじゃん♪」

 

ビットに消えていく二人を見ていたセシリアと箒、そして一夏は同じ疑問が口をつく。

 

「「「あの二人、付き合ってる(ますの)のか)か?」」」

 

そして、ビットで赤面しグーパンを握る女子とみやびと瑠璃は顔を見合わせるや互いに笑う。

 

「カズと可奈、何だかんだで良い感じじゃない?」

 

「もうカップル成立まで時間の問題」

 

「てかカズも自覚あるのかな?」

 

「ねぇ、もしかして細波のこと?」

 

「ん?そうよ、てか貴方は二組の転校生の?」

 

「何でもクラス代表を譲ってもらったとか」

 

「あら?情報遅くな・・・・」

 

「ごめんね、二人共!白熱しちゃってって何してんの?」

 

転校生にみやびと瑠璃が尋ねて数秒とせずに俺と可奈がビットに戻ってきた。

 

そこには見慣れた二人と言い合う懐かしい顔、実に一年ぶりで唖然としてしまった。

 

「リン!?」

 

「アンタ、何時の間に彼女もちになってんの!?」

 

「か、彼女!?」

 

俺が驚くや否や一夏も疑問に思ったであろう一言、ソレを聞いた可奈が瞬時にゆでたこへ変化するが放っておこう。

 

「リン、それは誤解だ。後な、俺がどんだけお前にチャンス作ってやったか・・・・それにしても変わらないな」

 

「アンタもね、一年姿眩ませてた割には元気そうじゃない?」

 

「うっさい、早いとこ一夏をものにしろよ?」

 

「「姿をくらませたぁ!?」」

 

「何故其処に食いつくか、キミらは」

 

事情ありと察して欲しいものだ。目を爛々と輝かせるみやびと瑠璃、その抑止力たる可奈はなんか「彼女、私が彼女・・・」と呟いていて機能不全の様子。

 

「ま、ウサギとIS作ってたしな」

 

「「なにそれ?」」「はぁ?」

 

「リン、急がんと一夏も彼女持ちになるかもだぞ?」

 

「ちょっと!ソレを早く言いなさいよ!!」

 

少し脅かすと俺を押し退けて行くリン。

 

まぁあの一夏だ、万に一つもありえないだろうが、面倒な会話をせずに済む。

 

「で、ウサギとISって?」

 

「瑠璃さん、忘れてないのね?」

 

どうも話すことには変わりないようだ、面倒だなぁ。

 

ま、信じないだろうな。

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