IS《インフィニットストラトス》ゴーストバレッド   作:コードα

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恋は先手必勝っていうよね!?

俺こと細波一光は、俗に良いう転生を体験している。

 

女性しか扱えないマルチフォームスーツ、インフィニット・ストラトス・・・通称ISの存在する世界で今は生きているわけだ。

 

んでIS学園なんてISのパイロット育成学校に通う破目になって懐かしい顔ぶれと再開。

世間的には「世界でISを動かせる二人目の男子」らしいが俺からすれば自身で設計した

機体に乗れるのは機械系として至極の喜びである。

 

が、勿論そこには問題がある。

 

シルバーバレットはとある天災との共同開発、しかもコアは新調されたものだからノンナンバー。

 

誰かにメンテを頼めないから自分でやるしかないし、更に言えば一緒に開発した武器しか受け付けないのだ。

 

で、今は新たに設計した武器・クジャクの製作過程なんですけど・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ~・・・・」

 

整備室で盛大なため息をついてみる。

 

「となりでため息つくの、やめて」

 

四組の代表候補、更識簪さんに何時か言った事をそっくり返された。

 

整備室常連として簪とは話すくらいまでになった、互いにISの事で情報を交換したり、簪のIS“打鉄・零式”の改良の相談も受けている。

 

何でか?そりゃあ俺が提案したデータを取り入れてくれたからだ。

 

てかさ、完成度高すぎ。

 

マルチロックオン式四十七連ミサイルとか、絶対に相手にとりたくないっつうの!

 

「と申しましても、簪さん。何処か都合よくジェネレータ売ってくれる企業ってあります?」

 

「・・・・あるわけ、ない」

 

即答され、頭を抱える俺。

 

悩みの種は何もジェネレータだけじゃないんです。

 

同室の篠宮可奈さん、整備室に行くと知るとめっさ機嫌悪くなるんですよ。

 

「ですよね~・・・」

 

苦笑しつつ、事実を受け入れる。

 

仕方にない。先ずはジェネレータから作るか。

 

そして、可奈の機嫌取りからか・・・・無駄な出費は抑えたいんだけどねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

「うふふ、カズくん。今度の日曜、暇?」

 

部屋に帰ると何時もなら不貞腐れていて刺々しい可奈は上機嫌だった。

 

はて?

 

「特に用事はないよ」

 

「そっか、ねぇ何処か外の施設に遊びに行かない?」

 

これは所謂デートのお誘いだ、可奈は思い切って見たのだ。

 

整備室に居る簪との二人だけの時間に危惧して。まぁ、実際は簪とは何も起きていないし、互いに自作ISを操る者同士という共通点で話が弾んでいるだけだ。

 

「可奈、どうしたんだ?行き成り」

 

「えへへ、実はコレなんだ」

 

差し出される封筒には映画のチケットが二枚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週末、外出許可が受理され、ちょっとおしゃれなワンピース姿の可奈と半袖に無地の黒いジャケットを羽織り、ジーパン姿の俺は映画館がある遊園地に来ている。

 

(何でこうなった?)

 

と俺は考える。

 

息抜きのつもりで映画を見に行く、その程度の考えだったが甘かった。

 

女尊男卑が確立されてしまっている世界だけあって無駄に他の女性は威圧的、カップル

も見かけるが、見たのはホラー映画。

 

俺なんて寝てただけなのに可奈がバンバン肩叩くんだもん、寝れないわ。しかも無駄に絶叫系に耐性があるらしく、絶叫マシンばっか乗るのだ。

 

幾らISで多少耐性が付いていても流石に全絶叫マシン制覇したらもたない。

 

「だらしないよ、カズくん。ほらっ!急いで」

 

「おい、手を引っ張るなって!」

 

テンションがうなぎのぼりの可奈に対し、俺は疲れきっていた。

 

いやね?後、上って堕ちる絶叫マシンと園内一周ジェットコースターに乗ると言うのだ。

 

「少し落ち着こうか?焦んなくてもなくならないからっほら、丁度屋台あるぜ?」

 

丁度、キャンピングカーの改造屋台があって無理やり俺は可奈を止めて買い物へ。

 

「ほれ」

 

「え、私の分・・・?」

 

「そ、一人で食べるのもアレだからな」

 

「それじゃお金を・・・」

 

「良いよ、おごり。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勿論、IS学園近郊の複合レジャー施設だけあって学園生徒も居る。

 

そして、この光景を見て勘違いしない十代女子は居るだろうか?居ないだろうな。

 

「どしたのよ、さゆか・・・・・」

 

その光景に一組、一夏にアタックしたいが箒やセシリアに阻まれている谷本癒子と夜竹さゆかは絶句する。

 

三組の篠宮可奈、三組の専用機持ちで第二の男子・細波一光のツーショット。しかもアイスを舐めながら二人がアトラクションに向かっている様子、手・・・繋いでるし。

 

「見た?」

 

「私の見間違い?そうだよね、あの子に限って・・・」

 

「篠宮さんとは良い友達になりたかったけど・・・」

 

さゆかの問い掛けに、癒子は話し仲間に先を越されたのかと頭を振る。さゆかはぐしゃりとジュースカップを握りつぶした。

 

女子高校生にとって彼氏の居る高校生活とは高いステータスでもあるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(よしっ!これで私はカズ君の大切な存在って事に!)

 

可奈は、ぶっきらぼうに手を繋いでいる一光の突飛なアイスを奢ると言うアクションに驚きこそしたが嬉しく、跳ね上がった心臓を鎮めて歩き出す頃にはクラスメイト、否。

 

IS学園生徒より先を歩いている気分だった。

 

「おーい、顔真っ赤だけど大丈夫か?」

 

その一言で現実に引き戻された。

 

「あ!うん、大丈夫。」

 

「そっか、なら最後くらい思いっきり楽しまないとな」

 

と言って可奈の手を引く、どうも同居人にも気を使わせていたらしい。

 

俺は取り合えず、可奈の期限を最優先に考えたわけで絶叫マシンを制覇してしまうのに三十分と掛らず、可奈のテンションは最高潮のままとあるアトラクションに並んでいる。

 

やばい、逆流してきた。

 

「でさ、このアトラクションを〆に選んだ理由分かる?」

 

「時間が迫ってて丁度良かったからじゃないのか?」

 

そう、時間は19時を回っているのだ。

 

IS学園までの時間を逆算してもコレで終わりにしないと鬼寮長に睨まれてしまう、後の学園生活を安泰に過ごしたければ避けなければならない事態である。

 

この時、俺は失念していた。

 

このアトラクション内容、可奈が最後に選んで恋する乙女には決定的な“理由”があるアトラクションだった。

 

 

 

 

 

 

「何々?彼女と抱き合ってゴールを目指せ・・・・ハァ!?」

 

並んでいたのがカップルだけだったのが合点がいった。

 

このアトラクションはカップル専用で、基本は彼氏と彼女の二人三脚。

 

「えへへ、改めて見ると恥ずかしいね?」

 

説明映像に思わず声をもらす俺に対し、可奈は気恥ずかしそうに頬を掻いた。

 

「・・・・何アレ?」

 

俺が目にしたのは、海に偽装されたコンベアの上を二人三脚で走り、後でパクパクとするモンスター(多分巨大サメ)から逃げ切れば挑戦者側の勝利というアトラクション。

 

何組か喰われてんだけど、俺はサメに食われたかない。

 

「がんばろっ!」

 

可奈には悪いが、構っている余裕はなさそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日:IS学園

 

「カズ、昨日デートしたんだって?」

 

「ぶほぉ!?」

 

昼食、何事もない午前中を過ごした俺は安堵していた。

 

ああ、そうとも。怖かったのは質問攻めだ!だって皆目が笑わないんだもん!!

 

食堂でその静寂を破ったのは主人公・織斑一夏。

 

「い、一夏?何の事だ」

 

「いや、谷川さん達が騒いでたからさ。」

 

「細波さん、昨日の事を詳しくお聞かせ願えないかしら!?」

 

「おおぅ!セシリア?」

 

「ちょっと、カズ。篠宮さんと何処まで行ったか聞かせなさいよ?」

 

「リンもか!?」

 

「私も興味がある。」

 

「箒までぇ・・・!?」

 

俺は項垂れる。これだから恋話になると嫌なのだ。

 

 

 

 

 

 

可奈は不覚をとった。

 

それは先日のデートを目撃されていた事だ。

 

「で、どうやって誘ったの?」

 

目が笑っていない友人、谷本癒子がずぃっと身を乗り出して尋ねてくる。

 

こ、怖いよ・・・。

 

「い、いや!その、何の事?」

 

「惚けても無駄、証拠あるから」

 

夜竹さゆりがスマフォを操作してある画像を表示する。するとフォローに回っていたみやびと瑠璃はお手上げと言わんばかりに言った。

 

「あ~、アタシらが黙ってても・・・・ねぇ」

 

「可奈、ドンマイ。皆よりリードできたよ」

 

「「二人とも知ってたの!?」」

 

一夏を専用機持ちに独占されているので、片方でもと躍起なメンバーの殺気はみづきと瑠璃に向く。因みに瑠璃の一言が油に火をつけたのは言うまでもない。

 

(この隙に逃げよう!)

 

そう思った可奈は残っていた紅茶を一気に飲み干して食堂を後にした。

 

 

 

「ん?」「あ?」

 

考えることは俺も可奈も一緒でドアの前で鉢合わせた。

 

「カズ君・・・も?」

 

「ああ、可奈も質問攻めから逃げてきたのか?」

 

「うん、まぁそんな所。」

 

ドアを潜り、ベッドヘ腰掛ける可奈にお茶を入れる俺。

 

何時もの構図が短時間出来上がる。

 

「しかし参ったね、昨日の見られてたなんて。あはは・・・」

 

乾いた笑いを漏らす可奈。

 

「確かに、せっかく可奈が気を利かせてくれたのにな」

 

「え?」

 

「行き詰ってたから、息抜きに誘ってくれたんだろ?さんきゅ」

 

湯のみを差し出しす俺に、可奈は一瞬呆気に取られた後で湯飲みを受け取ると頬を紅葉させながら「えへへ」と笑うのだった。

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