魔法少女の暗躍者   作:瓶詰め蜂蜜

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第二話 噂の魔法少女!?4

「ほら、あそこがコスメショップのプリティライン。良く行ってるんだ」

「……まあ、俺が行くことはなさそうだけどな」

「あははは……」

 

 ジャックへの追求を諦め、本来の予定のカンランシティの案内へと出発した花は、早速とばかりに自身の行きつけの店を紹介する。

 

「それにしても、ニュータウンって意外と発達してるんだなぁ」

「えっと、私が住んでる所がカンランシティに含まれてるニュータウン……カンランニュータウンってだけで、カンランシティ自体にはお店とかあるよ?」

「あ、そうなの?」

 

 ここで勘違いしていた事に気付くジャックは少し恥ずかしそうに頬を掻く。

 

「まあ、私も良く分かってないんだけどね。……あ、あそこがカンランスクエアっていうショッピングモールだよ。色々と揃うんだ」

「おー、大っきいなぁ」

 

 雑談を挟みながらも花のガイドにふむふむとジャックは鼻を鳴らしつつ感心する。と、その時。

 

「……!?花!」

「えっ、なに?」

「サメンダーが出た!」

「えっ!?嘘でしょ!?」

 

 目を白黒させる花に、ジャックはビシリとある方角へと指を指す。

 

「あっちの方からサメンダーの冷気を感じる。急ぐぞ!」

「ああっ。う、うん!!」

 

 ジャックに教えられて、花はすぐさま駆け出したのだった。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 花達が翠原すいはら公園に到着した時には、既にサメンダーが暴れ回っていた。

 

「グッフッフッフッ!さあ、サメンダー。暴れまくってこの世界を氷漬けにしてしまえ!」

「サメンダー!」

 

「あ、あれはグフット!!」

 

 サメンダーへ命令するグフットを目ざとく見つけた花は早速変身しようとマギアブローチとマギアクリスタル・ポジティブを取り出す。が、

 

「待て、花!」

「えっ、なんで止めるの!?」

「アレを見ろ!」

 

 変身を止めてきたジャックに促され、そちらに視線を向けると、そこには遊具の陰に隠れた彩芽と小さな男の子が居た。

 

「お姉ちゃん……。怖いよぉ」

「大丈夫、お姉ちゃんが守るからね」

 

 泣きじゃくる男の子を宥めていた彩芽が、何かに感づいたのか、顔を上げるとバッチリ花と視線が合ってしまった。

 

「ちょっ、どうしようどうしよう!?このまま変身したら彩芽ちゃんにバレちゃうよ!?」

「だから待てって言ったんだ。とにかく、あの彩芽って子から隠れられる場所を……」

「いや、下手に隠れたら怪しまれない!?」

「そうは言ってもなぁ……」

 

 茂みの中でコソコソとジャックと小声で言い合うが、いい案が思い浮かぶ事もなく、コーリナーが次第に彩芽達の隠れている遊具へと近づいていた。

 

「彩芽ちゃん!!」

「ちょっ、花!?」

 

 友達の危機を感じ、茂みから飛び出してしまう花。ジャックは慌てて止めようとするも、彩芽から隠れる為に茂みから出れなかった。

 

「もう、秘密とかどうでもいいっ!」

 

「マギアブローチ!」

 

 茂みから飛び出した花はサメンダーの前に立つと、右手に持ったマギアブローチの前面を左手で軽く押し、待機状態にする。

 

「マギアクリスタル・ポジティブ!」

 

 左手でマギアクリスタル・ポジティブを持ち、構えたままマギアブローチへセットする。

 

「トキメキ!メタモルフォーゼ!」

 

 その言葉と共に、マギアブローチの上部にあるスイッチが押し込まれ、マギアブローチからピンクの光が放たれ、次第に花の姿が変化していく。

 

「キラキラ輝く明るい未来!マギアポジティブ!」

 

 変身が完了し、決めポーズとともに名乗りを上げて花はサメンダーと睨み合いを始めた。

 

「グフフフッ!出たな、マギアポジティブ!!貴様をブッタおしてやる!」

「サメー!」

 

 グフットの指示と共にマギアポジティブへと向かっていくサメンダー。その攻撃を真っ向からマギアポジティブは迎え撃つ。

 

「花ちゃんが……変身した!?」

 

 そんな光景を、遊具の陰から目撃した彩芽は驚愕に目を見開く。

 そんな事はお構い無しに、マギアポジティブとサメンダーの戦いは更に激化していく。

 

「くうっ……!!」

「サァ……メェッ!!」

 

 サメンダーの両手から放たれる名刺の手裏剣攻撃に、マギアポジティブは吹き飛ばされてしまう。

 

「ポジティブ!マギアクリスタルを使うんだ!!」

「マギアクリスタル……。これね!」

 

 そこへ、ジャックからのアドバイスが聞こえ、ポジティブはハートの形をしたピンクのマギアクリスタルを取り出した。

 

「マギアクリスタル・ハート!」

 

 左胸に身に着けたマギアブローチへセットしてブローチ上部のスイッチを押すと、ピンクの光が放たれてポジティブの目の前でスティック状に形どった。

 

「ポジティブハートタクト!」

 

 生成されたマギアポジティブ専用のアイテム、ポジティブハートタクトを構え、サメンダーを睨むポジティブ。

 

「サメー!」

「はあああっ!!」

 

 再び放たれた名刺手裏剣をポジティブはポジティブハートタクトを使い、弾き飛ばすことで防ぎ切る。

 

「なにっ!?」「サメッ!?」

 

 グフットとサメンダーが驚くのを他所に、マギアクリスタル・ポジティブをポジティブハートタクトへとセットする。

 

「これで決めるよ!ポジティブハート・サンシャイン!!」

 

 ポジティブハートタクトの先端のクリスタルから放たれるピンクの光の奔流がサメンダーを飲み込み、浄化した。

 

「ちっ……!!ここはトンズラこかせて貰う!」

 

 グフットは忌々しそうに舌打ちをすると、捨てぜりふを残して消える。ポジティブはジャックを回収して、退散しようとすると、

 

「待って!!」

「!?」

 

 と、背後から呼び止められた。ポジティブがおそるおそる振り向けば、そこには小さな男の子の手を握った彩芽が居た。

 

「貴女……。花ちゃんだよね?一体これってどういう……!!」

「待って!!」

 

 

 彩芽の言葉を遮ると、ポジティブは苦笑いをしながら口を開く。

 

「詳しい話はまた今度ってことにして?私、本当は正体は秘密じゃないといけないし」

「……分かった」

 

 不承不承と頷く彩芽を見て、ポジティブは更に苦笑いしつつも、「それじゃあっ!」と片手を上げて退散する。その後ろからは「お姉ちゃん、ありがとー!」と元気な男の声が聞こえ、ポジティブはついニッコリと笑ってしまうのだった。




 プリキュアって大体第二話でやらかすので。……これはやらかしか?
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