Side:花
彩芽に魔法少女の事、コーリナーの事を打ち明けた日の翌日の放課後。花は彩芽と一緒に町へ遊びに出ていた。
「そう言えば、異世界の妖精って地球の人間の食べ物を食べれるんだね」
公園のベンチに座り、キッチンカーで買ったクレープを食べていた彩芽は、花の陰に隠れてクレープに齧り付いていたジャックに向けてそう尋ねた。
「ん?まあ、異世界だとか言っても世界を構成する物質……こちらでは原子?とか言うものは殆ど同じだからなぁ」
「「へぇー。そうなんだ」」
思い掛けずに異世界事情を知った花と彩芽は声を揃えて感心する。
それに対して、頬にベッタリとクリームが付いたままのジャックはさらに説明をする。
「分かりやすく異世界って言っているが、実のところ、正確に表すなら異世界では無くて『異宇宙』ってのが正しいだろうな。正確にはマルチバース……多元宇宙だが。それで……」
「……?」
「あの、ジャック?貴方がなに言ってるのか、さっぱりなのだけれど……」
頭にハテナを浮かべてポカーンとしている花を置いておいて、彩芽は申し訳なさそうにジャックへ告げる。すると……
「あー、まあ中学生には難しい話だよな。まあ、ざっくり言えば宇宙は無数に存在していて、それぞれの宇宙はほぼ同じ物質で出来ている……。とでも思ってくれたら良いぞ」
「それでもまだよく分からないのだけど……。まあ、そういうものだと思えばいいのね」
「おう。取り敢えずはそれでいい。……おい、花。いい加減しっかりしろ」
「……っは!?」
話しについていけずに呆けていた花をつついて元に戻すと、ジャックは残りのクレープを一度に頬張る。
「ジャックの話、難し過ぎだよぉ」
「花は体を動かすほうが好きだもんね」
深くため息を吐く花に、彩芽は苦笑いする。それに気付かずに、花は勢いよく立ち上がると、
「よし、今度はあそこ行こうよ、グラウンドワン*1!頭を使った分、体を動かさないと!」
「どういう理屈なの……?」
「というか、花は頭使ってないだろ」
「ゔっ……」
容赦ない一人と一匹の言葉に大げさに胸を押さえて怯む花。その流れを変えようと、「い、良いから早く行こうよ!」と声を張り上げる。
「もう、花ちゃんは仕方ないんだから。それじゃあ、行こっか」
「わーい!流石彩芽ちゃん!話が分かるー!」
(なんか花が子供で彩芽が母親のように見えるんだが……気にしたら負けか)
無邪気にはしゃぐ花と穏やかに笑う彩芽の二人を見て、ジャックはそんな感想を抱くのだが、心の中だけに留めたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
複合スポーツ施設グラウンドワンは若者からお年寄り、様々な年代の人々が集まり、主に運動を楽しむことが出来るレジャー施設である。
そんなグラウンドワンのボウリングコーナーにやって来た花達は、花と彩芽が勝負をする事になっていた。ジャックはその応援である。が……
「彩芽は何回かスペアを出しているけども……。花、流石にこれは……」
「相変わらず、凄いよね……」
「えへっ、私何かやっちゃいましたー?」
テヘペロッ☆という言葉が似合う表情をする花を前に、ジャックはモニターに表示されている記録を見て、驚きと同時に呆れを感じていた。
「全部ストライクとか、もうその道で食っていけるんじゃないのか?」
「花ちゃん、身体能力昔からおかしいもんね。何度か人間辞めてるんじゃって思っちゃったもん」
「ちょっと、彩芽ちゃん!やめてよね、その言い方だと私がゴリラみたいじゃん!」
「なんでゴリラ限定なんだよ……」
彩芽の冗談混じりの言葉に、花は頬を膨らませて文句を言う。そんな花の言葉にジャックは呆れつつツッコミを入れた。
「まあ、もう結果も見えちゃってるし、日も暮れる。そろそろ帰った方が良いだろ」
ジャックは備え付けの時計に視線をやってそう言うと、
「あー……確かに」
「それじゃあ、今日は解散ってことで!それじゃ、また明日ー」
花と彩芽は特に反抗する事なく、テキパキと荷物をまとめて帰った。
日常ターンですね、はい。
それと今、YouTubeの方でフレッシュプリキュア!を見てるんですが、「ウエスター、良いキャラしてんなぁ」と思って見ています。あれは人気があるのも納得ですわ。悪役サイドなのにお茶目なところや仲間意識があるところは良いね。マジで。