ニチアサ系魔法少女アニメの第一話は、やはり妖精と主人公キュアとなる少女の出会いが肝心である。……まあ、例外は幾つかあるが。
そして、ジャックはその出会いの演出として選んだのはラ〇ュタ方式である。所謂、『親方!空から女の子が!』である。
あまり目立たないようにして、目をつけた少女の目の前へと空から降ってきたように演じながら落っこちることにしたのだった。
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Side:花
春休み。のんびりと散歩をしていると、
「 」
「……ん?」
何か聞こえた気がして辺りを見渡してみるがどこにも何もおかしなものは無い。
「もしかして……上とか?」
冗談半分で上を向いてみると、何か点のようなものが見えた。目を凝らしてよく見てみようとすると、
「ぁぁぁぁああああああああああああっ!?」
「ええええええっ!?」
何か白い物が凄まじい声を出しながら落ちてくるのが見えた。
咄嗟に飛び退くと、ドスンッ!と白い何かが墜落した。
「えっ、ええっ!?何、何なの!!」
戸惑いつつ叫ぶと、ふらつきながらも白い何かはふよふよと浮かび上がってきた。
「うう……ひどい目に遭ったぜ」
「動物が喋った……てか、浮いてるぅっ!?」
まさか過ぎる展開に驚いていると、ふと視点があった。思わずシュワッと身構えると、白い何かは私をじっと見つめてくる。
「……人間?」
「はい、人間です」
思わず返事すると、白い何かはウンウンと腕組みをして唸り始めた。
「んー……お前、名前なんて言うんだ?」
「へ、名前?」
「そう。名前。因みに俺はジャックな」
白い何か……ジャックに名乗られ、私はつられて「私は花だけど……」と答えてしまう。
「なるほどなぁ。……因みに花は俺が何だと思う?」
「へ、えーっと……。もしかして、妖精……とか?」
つい、ジャックの魔法少女アニメに出てくるマスコットっぽい見た目につられてそんな事を口走ってしまった。
言ってから、「しまった!」と思い、慌てて取り消そうとする。
「な、なーんちゃ……」
「よく分かったな。正解だぜ」
「……って。……って、ええっ!?」
まさかの正解に驚愕する私の反応を見て、ジャックも驚いていた。
「あ、あー……。話、続けてもいいか?」
「あ、はい。どうぞどうぞ」
気を取り直して促すと、ジャックはコホンと咳払いをすると、表情を真剣なものに変えた。
「俺はジャック。トキメキングダムから来たんだ」
「トキメキングダム?」
思わず聞き返すと、ジャックは「妖精の国だよ」と簡潔に教えてくれた。
「トキメキングダムはキラキラとみんながトキメク国だったんだ」
「だった?」
「……コーリナーって名乗る侵略者達が、トキメキングダムを襲ったんだ。トキメキングダムの住人達の心から情熱を奪い、トキメキングダムの妖精たちはその殆どがコチコチの氷漬けにされて封印されてるんだ」
「そんな……」
ジャックの語るトキメキングダムの話を聞き、ショックを受ける。と、
「でもな、トキメキングダムを蘇らせる方法があるんだ。その為に俺はこの世界に来て、伝説の戦士『マギアセイヴァー』を探しに来たんだからな!」
そう言って笑うジャックを見て、私は心に決めた。
「なら、私も手伝うよ!その、マギアセイヴァーっていう人を探すの!」
私の言葉を聞いた途端、ポカンとした表情を晒すジャックに思わずクスリと笑ってしまった。
魔法少女モノの妖精を淫獣って呼ぶ風習があるけど、うちのジャック君はどうなんだろ。