『小説は一週間に1話のペースでいけたらいいと思います』
早速守れず前回から2週間経っての投稿誠に申し訳ありませんでした
その分今回は長めです
ー教訓ー
2度と慣れてないのに次回予告なんてするものか
-次の日の朝 アポロンメディア社-
「おはようございます」
昨日は軽い説明だけだったので細かい内容を聞くためにマーベリックの元に訪れた
「実は今日は、シュテルンビルトの7大企業と市長それに司法局の方とで集まりがあってね
昼食を此処で取ることになってしかも企業の1人が和食が食べたいと言ってね
あいにく作れる店がこの都市にはなくて君は日本食も作れるのかい?」
一緒にいたロイズがたずねてきた
「もちろん作れます。時間がありますので先に時間のかかるものの仕込みをしておきますね。
食堂のものを好きに使っていいんですよね?」
「構わないよ食堂には既に昨日指定された材料は届いているはずだから足りないものは言ってください」
「…ところでそれは何かな?」
さっきまで黙っていたマーベリックが少女の横に置いてある物が何なのかたづねてきた
「これは今朝買ってきた魚です。ちなみにこちらの段ボールには朝採れた野菜が入っています」
「頼めば良かったのにどうしてかな」
「新鮮な方が美味しいですから」
質問に答え部屋から出て食堂に向かった
-同時刻ヒーロー達-
「…と言う訳で俺らが本人なり手がかりなりを探すはめになったんだ」
昨日の事を他のヒーロー達に話していた
するとファイヤーエンブレムがある事に気がついた
「今ふと思ったんだけどなんでペイントボールを持ってたのかしら?それに固まるなんて珍しい物を…」
「僕も思いました。固まるペイントボールを売っているところなんて少ないでしょうし
そもそもペイントボール自体有るとすれば強盗とかの為にコンビニとかに置いてあるぐらいでしょうし」
「なら尚のことそんな物を持っていたのかしら」
「コンビニで貰ったとか!」
「いくら何でもペイントボールをくれるところなんて」
「ま、とにかく遊園地に行くのとペイントボールの出処探さなきゃね」
「じゃあ僕遊園地がいい!」
ドラゴンキッドが子供ぽくはしゃぐ
「なら僕はペイントボール探しで…」
「ならこうしましょう」
・ペイントボール探し:ファイヤーエンブレム・スカイハイ・折紙サイクロン
・遊園地:ワイルドタイガー・バーナビー・ドラゴンキッド・ロックバイソン
・仕事:ブルーローズ
「ブルーローズは仕事か…大変だな」
「ではこっちは聞き込み等終わったら合流しますので」
はなしが纏まった所で各々退室していく
階段を下りてると少女が通っていくのが見えた
「あり?あんな子いたっけか?」
「バイト…ですかね」
「でもダンボールとクーラーボックスなんか担いでどこ行くのかしら?」
「あっちは食堂だな」
「じゃあバイトだろ食材でも届けてんだろ」
流石のヒーロー達もこれから有る会議出る重役達の昼食をあんな若い娘が作ろうとしてるとは
しかもあの少女が自分達が捜している人物とは夢にも思はないだろう
「」
「?どうしたの折紙さん?」
折紙サイクロンが口を開け固まっていた
その顔は仄かに紅く染まっていた
「お〜い。大丈夫か?」
虎徹が肩を叩く
「は⁉︎な、何もないです大丈夫です」
ものすごく慌てている
この様子にファイヤーエンブレムは
「あら、まさかあの子に……かしら?」
小指を立てる
「い、い、いや。ちが、違いますよ!?」
やはり慌てている
勘の鈍い虎徹とドラゴンキッド以外は気づいているがあえて追求はしなかった
『(あんなにストレートに言ってるのに…)』テカ、フルッ
さっ。早く行きましょうなどと言って逃げるように出て行った
-シュテルンビルトの駅前-
「わーい!」
「楓走ったら転ぶよ」
駅前に小学生ぐらいの女の子とおそらくその祖母であろう人間が歩いていた
「遊園地なんて久しぶりだしもしかしたらバーナビーに会えるかもしれないでしょ!」
「ははは…そうね」
「お父さんは仕事で帰ってこないし…」
楓と言う少女がボソボソっと呟いていた
祖母にはその呟きがしっかりと聞こえていた
「遊園地行く前に銀行行こうか。帰りにおもちゃ買ってあげるから」
「本当に!?」
やはり子供だ 目を輝かせている
「じゃあ行こうか」
「うん」
そう言って2人は歩き出した
-アポロンメディア社食堂-
少女は魚を綺麗に切っていた
米はすでに炊いているし
味噌汁は現在出汁を取っている最中だ
現在の時刻は[11:05]丁度良いくらいだろう
魚の内臓を取って中の小骨を丁寧に取っていたら時間がかかった
「むしろ取らない方が良かったかな…」
味噌汁の具を切って鍋に入れ他の料理の仕上げを始めた
なかなか凝った切り方をしている
自分は料理を作り終えたら掃除をしようと考えていた
料理の配膳はすでに頼んであったのだ
そうこうしているうちに時間は経ち料理は完成し皿に盛り付けをし終わったタイミングでロイズと数人の職員がやって来た
「美味しそうな匂いだ。それを君1人で作ったのかい?」
お昼頃なので他の調理師達はそれどこれでは無かったし
「大勢でやる事でも無いですしね」
そう言っても齢16の少女が作る物にしては見事なものだった
専門の店が作ったと言っても疑う者がいないだろう
その出来はダメだとわかっていても職員の何人かがつまみ食いをしようとしたぐらいだ
実際ロイズ自身も我慢していた
「じゃあ私は次のしごとに行きますので失礼します」
「あ、待ちなさい」
廊下に出た時にロイズに呼び止められた
「履歴書に君の名前がなかったのだけれどどうしてかな」
その問いに少女は思いもよらぬことを口にする
ー自分には名前がない だから履歴書に名前が書けないー
彼女は確かにそう答えた
ロイズは驚いていた
それと同時に疑問があった
その疑問を口にする前に目の前の少女が先に口を開いた
「産まれてすぐ親もいなくて自分の名前なんて知りようがありませんでしたし
自分の考えた名前は何か違うから」
目の前の少女はそんな事を顔色一つ変えずに言った
孤児などもっと他の街…もっと言えばこの国にはいないだろうそう思っていた
豊かなこの都市のせいで
周りに親子が仲良くしているのをよく見かけるからか
そんな事を考えた事もなかった
目の前の少女は今までどのような人生を歩んで来たのだろうか……
自分には関係ないそう思ってきた
否、これからもそう思ってしまうだろう
実際聞いたからと言って自分には何もできないのだ
少女はそれ以上のことは言わなかったがロイズはただ歩いていく彼女の背中を見つめるしかなかった
-遊園地スタッフ控え-
「……そうですかどうもありがとうございました」
スタッフ控えから出てきたバーナビーは昨日の事についてスタッフ達に聞いていた
「どうだった?」
「少し考えすぎかもしれませんが…」
そういったのち聞いてきたことと自分の考えを話す
「昨日はバイトの女の子が居たそうです」
「それが?」
「帰ったタイミングが丁度昨日の脱走犯がここに着くぐらいの時間でバイトを転々としているそうです」
バーナビーがそう言うと今朝見かけた少女を思い出す
「バイトを転々としているならコンビニでペイントボールぐらい貰えるんじゃないのか?」
「そんなコンビニあんのか?」
「でもその女の子が犯人を捕まえた人かもしれないんでしょう?」
「多分…とにかく他の人達と合流しましょう」
そんな時虎徹の携帯が鳴った
「誰だ?もしもし」
その相手は鏑木虎徹の母の鏑木安寿だった
「え⁉︎来てんの?楓も⁉︎」
バーナビーは面倒くさそうな顔をしている
長い付き合いのロックバイソンは笑みを浮かべている
何もわからないドラゴンキッドは楽しそうにアトラクションを眺めていた
少しして電話が終わった
「なんだ虎徹。どうしたんだ?楓ちゃんがどうとか言ってたが」
虎徹はバツが悪そうに
「なんかこの街に楓と母さんが来てんだと」
「行ってきたらどうです?僕らで十分ですから」
暗にお前は必要ないと皮肉られていたのだがありがたくお言葉に甘えた
走っていく相方にバーナビーはため息を禁じ得なかった
-アポロンメディア社-
「あれ?誰もいない」
意外と早く仕事の終わったブルーローズが廊下を歩いていた
「此処にもいない…どこ行ったのかしら?」
すると向こうから作業服を着た見慣れぬ自分と同い年ぐらいの少女が掃除道具が載せられている台車をひいて歩いていた
「業者?ねえ、ちょっと待って!」
「?」
いきなり声をかけられたため少女は立ち止まった
「ねえあなたバイトの人?」
「そうですよ」
「えっと…変な髭して帽子を被ってるおじさん知らない?」
虎徹のことを言っているのだ
「いえ…知りません」
「そうだよね…他の人に聞いてみるか…」
そんな時アニエスがやって来た
「あら…もしかしてあなたが市長達に料理を振る舞った子?」
少女を見て問いかける
ブルーローズは意味がわからないと言った顔だ
「そう言えば他の連中は?」
「仕事で居なかったのね…他のヒーロー達は例の人物の足取りを追ってもらってるわ」
「昨日の脱走犯捕まえた奴?」
「そうよ。視聴率の為にね」
「ああ〜」
「どうしたのあんた?」
ブルーローズが聞いてくる
「なんでもないです」
下手に騒がれるのも嫌なのでその人物が自分であると言わなかった
「掃除は終わったので失礼します」
作り笑いを浮かべてその場から離れた
少女はいつもの黒色の動きやすそうな服に着替えた
そこに先ほどのブルーローズが走ってきた
「あなたこれから暇?」
いきなりの問いに対して「はい」としか言えなかった
実際暇だったが
「私あんまり時間があるわけじゃないからちょっと今からやる事を手伝ってくれない?お礼はするから」
ブルーローズは初対面である少女に対して頼みごとをしてきた
それは、先ほどの行動がどうも怪しいと思ったからだ
「いいですよ」
その言葉にブルーローズは顔を輝かせていた
実際彼女は自分と同い年ぐらいの少女が欲しかったのだ
友達ぐらいはいるがこの時だけの間でも喋る相手が欲しかった
仕事で余り友達と過ごせなかったからこうして目の前の少女が手伝ってくれると言ったことが素直に嬉しかった
「ところであなた名前は?私は カリーナ・ライル よ」
「先ほどもロイズという方の言いましたが自分の名前を持っていません」
「へ!?名前ない?嘘でしょ⁉︎じゃあなんて呼べばいいの?」
「昨日は遊園地のバイトでライムミントのガムを噛んでたので ライム と名乗っていたんですが」
「とりあえずでもなんでそれ使わないの?」
「違うから。それは私の名前ではない。名とは親が初めて子供に贈るものだと思っているので」
やはり少女は無表情で言った
カリーナは何も言えなかった
少女が昨日遊園地でバイトをしていた事を聞いていたにもかかわらず何も言えなかった
その言葉で頭の中がいっぱいだったからだ
少女は歩き出す
後を追うようにカリーナも歩き出した
-その頃楓&安寿-
「え〜 お父さん来るの〜?」
ワイルドタイガーこと鏑木虎徹の実子である楓が目の前の祖母にたずねた
その言い方から不満といった感じであるが実際にはうれしかった
「楓がここに来てるって言ったら『すぐ行く』って」
「お仕事は?」
「そんなの大丈夫よ」
なかなか大胆な人だ
銀行でお金をおろした2人はアポロンメディアの近くの道を歩いていた
すると後ろの方が騒がしくなってきた
振り向くと何人かの男が走ってこっちに向かってくる
その男達の後ろから警察が走ってきた
それを見て男の1人が安寿を突き飛ばし楓をさらって走り出した
安寿は叫び助けを求めるが男が凶器を所持している為に手が出せなかった
男達は立ち止まって警察に向かって逃走用の車を要求してきた
楓は助けを求める
その目には涙が浮かんでいた
周りの人間達は皆この街にいるヒーロー達が来ることを願った
安寿は今、ここに向かっている息子の到着を願っていた
すると突然悲鳴が聞こえる
その声に驚き勢いよく顔を上げ声のした方を見る
その声は可愛い孫の声ではなかった
楓を掴んでいた犯人の声だった
周りの人間達はヒーローが来たのかと思ったが違う
目の前にいたのは、黒い服に身を包んだ少女だった
その後方には同じぐらいの年齢であろう少女が助けを呼ぶために電話をかけていた
この電話をかけている少女こそがヒーローだ
自分は何も装備がないので助けを求めることしかできなかった
-ブルーローズ視点-
ほんの数分前いきなり隣にいた少女が走り出した
その先には思いもよらぬ事が起きていた
少女は走り女の子を捕まえている男の肩を蹴る
痛みの余り女の子を離す
その瞬間女の子を連れ集団の中に引き渡す
男達は突然の出来事に呆然としていた
その光景を自分はただ眺めているしかなかった
自分はヒーローであるはずなのに
ヒーローである事を望んでいたわけではなかったが
それでも自分はヒーローである
そのはずが自分の隣にいた 何でもない知り合ったばかりの少女が
ヒーローでない少女が
見惚れるほどカッコよかった
今、自分には装備がない
だから他のヒーロー達に助けを呼ぶしかなかった
目の前の少女は男達の前に立っている
あまりにも危険だ
たった1人で複数のそれも凶器を持った男達を相手にしょうなんて自分には無謀に見えた
状況を理解した男達は少女に向かって襲いかかった
それを見て装備がなくても自分の力で助けようとした
だが次の瞬間ありえない光景を目にした
少女は襲いかかってくる男達に怯みもせず一番初めにきた男の喉の辺りに思いっきり拳を入れる
その男を地面に倒し鳩尾を蹴り気絶させた
2番目にきた男は銃を取り出す
しかし引き金を引くことはできなかった
右足に強い痛みがあった
そこにはナイフが浅目に刺さっていた
最初の時女の子を助けると同時に落ちたナイフを拾っていた
少女はナイフを抜き男の顎を殴る
続いて最後の男に向かって走る
男は逃げ出そうとするがすでに遅かった
そこそこ距離があったにもかかわらず少女は一瞬で男の後頭部にナイフの底を叩きつけ気絶させる
念のため凶器は全て男達から離れたとこに転がしていた
あっという間の出来事だった
目の前の少女は顔色一つ変えずに今の動作をこなしたのだ
ありえない
少女の行動に迷いが一切なかった
躊躇いもなく人を刺した
少女にも人質にされていた女の子にも怪我はない
あまりの出来事に自分も周りの人間達も呆然と立ち尽くしかなかった……
少女は怪我をした男の止血をし
念のために男達の上着を使って手首を締めておいた
少女は人質にされていた女の子に怪我がないか確認する
あまりの出来事に脳の処理が追いついていない様子だったが自分には怪我がないという事を首を振ることによって答えた
それを聞いて少女はこちらにやって来て私の手を引き歩き出した
警察が民衆を掻き分け気絶している男達の元に着いたのは少女が去ってからだった
-安寿視点-
「楓⁉︎大丈夫かい⁉︎」
やっと出た言葉がそれだった
「う、うん」
「よかった…」
「あのおねぇちゃん…バーナビーみたいでカッコ良かった!ヒーローみたい」
ヒーローにしては過激すぎるだろう
「お礼…できなかったね……」
「うん…」
後ろの人混みを無理矢理掻き分けて虎徹がやってきた
汗が滴っていたところを見ると相当急いで来たようだ
それもそのはずものの10数分前まで1人娘の命の危機だったのだから
楓を抱きしめる
「お、お父さん⁉︎」
虎徹は娘を強く抱きしめた時折『良かった』と何回もつぶやいていた
その時警察がやって来た
事情を聞き虎徹は少女の事を知った
今日はショックな出来事が起きたからと言って2人を虎徹の家に泊めた
警察の事情聴取もあったからだ
怪我を負った男を運ぶために救急車が来た
救急隊員の1人があることに気づいた
それは血は出ているのに男に傷がなかったのだ
周りの人達は確かに少女が男の足をナイフで刺したのを見ていた
とにかく男を救急車に乗せ走り出した
-その日の夜 アポロンメディア社-
人がいなくなった後2人をタクシーに乗せた虎徹はアポロンメディア社に来ていた
今日はあの事件以外は何も起きなかった
何時もの部屋に行くと他の連中とアニエスがいた
自分が来たことに気づくとアニエスが
「タイガー 娘さんは大丈夫だった?」
と聞いてきたので
「無事だったよ」
と答えた
「ところで男達をのしたっていう女の子を見なかった?」
「いや…俺がついた時にはもう…」
「そう…」
「で、それが?」
その問いにバーナビーが答えた
「一致したんですよ。僕らの捜している人物とその少女の特徴が」
「え…」
「その時いた人達の話だと僕らが捜している少女の特徴が全く同じらしいそうです」
「その子…もしかしたらブルーローズと一緒にいたかもしれないの…。そうだとするとその少女は今日ここでアルバイトしていた子なの」
それを聞いてあの時食堂に向かっていった少女を思い出す
「迂闊だったわ……あんな近くに視聴率を上げるネタがいたなんて…」
アニエスがそんなことを言った時ドアが開いた
そこにはブルーローズが立っていた
何か思いつめた表情をしていた
アニエスが問い詰めるが
あの時あの場に居たことと
確かにあの少女がやったという事だけ話してまた思いつめた表情をしだした
重要な事は聞けたし人物の特定もできたために解散という運びになった
虎徹はロックバイソンに飲みに行くことを誘われたが断った
その帰り道に公園の前に
街灯の灯りの下
少女が立っていた
それが例の少女であるとすぐに分かった
黒い服を着ていて肩にかからない程度に伸ばした黒い髪
もう少し暗かったら街灯の下にいなければわかりずらい格好の少女が
今、目の前に居た
少女は歩き出す
引き止めようと少女を追う
「ちょっと、待ってくれ!」
その言葉に少女は立ち止まり振り返る
声をかけたものの少女にかける言葉がすぐには出なかった
「何か御用で?」
先に彼女の方が話しかける
「え…っと…。娘助けてくれたんだって?」
「…?おばあさんと一緒にいた?」
「そう!んで…そのだな…。お礼したいんだ。俺も娘も」
「いりません。気まぐれでやったことです」
「でもおかげで娘に怪我ひとつなかったんだありがとう」
ーありがとうー
その言葉が胸に刺さる
バイトで言われることもあった……しかし
今、言われた『ありがとう』という言葉は何故か心に響いた
この街に来て出来上がってく自分の心に響いた
「あれ?お父さん?」
コンビニの袋を持った楓が立っていた
「えっ?」
「あ!あの時のおねぇちゃん!」
楓は少女の方へ歩みよる
「え!?なんでいんの?」
「何でって…コンビニ行ってたから」
「こんな時間にコンビニって……1人で危ないだろ!」
「おばあちゃんもいるよ?」
「なら良かったのか?」
「楓?帰るよ」
安寿が来る
「……最近…図ったかのようにタイミングよく何か起こるな…」
思わずそうこぼしてしまった
「そうだ!おねぇちゃん!」
「何か?」
「うちに来てよ!お礼してないから」
「いや…パパの家なんだけど……」
「すぐ近くだから」
父親の呟きを無視して少女の手を引っ張るが
「楓 こんな時間に迷惑でしょう」
安寿がたしなめる
「いえ、別に宿探してるだけですし」
「じゃあうちに泊まればいいよ!」
「は?」
父親の家だけど
「構わないでしょ?」
「そうだな。うち来いよ」
「え?」
少女にとって余りにも予想外なことだったが手を引っ張られ答えないうちに連れてかれた
「お邪魔します」
「座れよ」
ソファーを勧られたので座る
横に楓が座った
「そういや名前なんて言うんだ?」
「ありません」
これを聞いて3人はロイズやブルーローズ同様目を見開いていた
最初に口を開いたのは安寿だった
「名前がないって何で……」
ロイズ達に言った事と同じ事を聞かせた
「………」
それを聞いて考えてる
他の人達とは違った考えをしていた
因みに難しかったのか安寿の膝を枕にして楓は寝ていた
その時安寿がとんでも無いことを言い出した
「うちに養子に来るかい?」
「………は?」
(え、いきなり何でそんな答えが出た?)
虎徹は
「養子って楓の義姉って事?」
どうやら養子にする事は決定らしい
「当たり前だろ。あんたが中々帰ってこないから楓だって寂しがってるんだから
兄弟でもいたらいいと思ってたんだ」
やはり養子は決定らしい
「あの…」
「どうしたの?」
「意味が理解できないのですが…」
「簡単なことだよあなたが良ければうちの子に…この子の姉妹になって欲しいんだよ」
「姉妹……?」
「そうつまり俺の娘だな」
「娘……?」
虎徹を見る
「お前が良ければ今日から『家族だ』」
「家族……」
その言葉の意味を理解して頬を温かいものがつたってた
「これは…涙…?」
涙が止まらなかった
「……『私の居場所』……」
…彼女は思った
今、自分は『私』と言ったのかと
今まで彼女は自分の事を私とか一人称を使ったことがなかった
なぜだかわからなかったがそんな事を考えるよりも
嬉しくて涙が止まらない
そのことを伝えると
2人は微笑み
そして虎徹は突然何かを思い出した
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ー楓の生まれた日ー
『かわいいな〜。俺の娘か………』
『名前決めた?』
『いや……俺こういうの考えるの苦手だからさ…』
『ふふっ。そんな事だと思った』
『なんだよ…。お前はなんかあんのか?』
『う〜ん……。女の子ってことはわかってたから幾つか考えてたんだけどどれがいいかしら』
『どれ?』
『楓と【葵】』
『それは何でだ?』
『それはね………』
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「決めた!お前の名前は、葵だ!【鏑木 葵】!」
「鏑木…葵…」
「あぁそれってもしかして…」
安寿はその理由に気づいたようだった
「じゃあ葵姉ちゃんだ!」
何時から起きてたのか楓が言う
「そうだねお姉ちゃんだ」
ふふっと言いながら少女に抱きつく
否、少女ではなく鏑木 葵に抱きついた
楓はそのまま寝てしまった
葵は屋根の上で寝転がっていた
幸せを感じて…
家族ができて…
自分の居場所ができて…
嬉しいという感情ができて…
涙が出た
月の光に照らされ葵は夢を見ているような気がした
それまでに今、幸せだった
立ち上がり楓の…
妹が寝ている寝室の窓を開け中に入る
葵はその隣で幸せそうな顔をして眠りについた
その姿はさながら本当の姉妹に見えた
彼女にとってかけがえのない夜になった
名無しの姫は名を得て夢を見る
第1章が終わりました
今のうちに台詞の「」・『』・()・『()』について言っときます
「」は主に台詞につかい『』は【】なんかと共に強調するところだったり過去の回想だったり電話やマイクを通しての会話だったり様々です
()は心の声です。ジェイク・マルチネスの回になったら多用しそうな……
「()」は小声での会話に用いるつもりです(今んとこ使う予定はないけど)
後、キャラの性格等が若干原作と異なってる気がしますが気にしないでください
次回予告とは違いますが何話かに一話小ネタ集をやりたいと思います
ではこれで後書きは終わります
今後も宜しければお付き合いください