大まかなネタはあっても
どういう風に書けばいいのか悩んで
3.4週間も空けてしまった
さて、どうしたものか……
どうやって、この状況を切り抜けたらいいものか……
葵は悩んでいた
自分が悪いのはわかっている
今まで、悩みなどなかったのだが ……
「どうしたの〜? 」
自分に抱きついて、惚けてる少女がたずねる
「退いてくれる? 」
「えぇ〜。いいでしょ? ライム 気持いいんだもん」
幸せそうな顔をして抱きついている少女
「………どうしたらいいだろうか………」
事は、数時間前に遡る
-3時間前-
葵は1人、読書をしていた
『ライム〜。何してるの? 」
ドラゴンキッドこと、
『本読んでるの………小説』
『何、読んでるの? ……『相棒 杉下 右京の冒険』? 』
何も言わず 読み続ける葵
『面白い? 』
『面白いよ』
『ふ〜ん』
すると、葵がパオリンの頭を撫でる
これがいけなかった
『ん〜♡ 』
気持ち良さそうな顔をしている
『ねぇ? ライム〜』
腕のなかに入ってくる
とりあえず 撫でていた
『ライム〜♡ 』
抱きついてくる
こんな事が続いていたのだ
-現在-
「いい加減離れてくれる? 」
「やだよ〜。すっごく、癒されるんだもん」
「………」
原因は、わかっている
自分の能力の所為だろう
「ライムは………僕のこと………嫌い? 」
「嫌いでは ないけど……」
「なら、いいでしょ? 」
依存症に近い状態だ
「仕方ない………」
葵は、パオリンの首筋に指をかるく当てる
すると、
「あばばばばばb ⁉︎」
パオリンは、変な声を出して痙攣をおこし
「クギュ〜……」
急にグッタリして、気絶する
「ふう………」
「ちょ⁉︎ あ、あんた! 何やったの⁉︎ 」
ブルーローズがやってくる
大体の光景は目にしていたらしい
「あ、ローズちゃん。いたの? 」
「いたの? じゃない!」
「気絶させただけじゃない……」
「何したか知らないけど。やり過ぎ! 」
「そう? 」
「そうよ! だいたい、あんた 何したの」
「何って、能力で気絶させ……」
そんな時、大きな音が鳴り響く
『ボンジュール。ヒーロー達、出番よ』
腕につけたものからアニエスの映像が映し出される
何かあると これでお呼だしがかかる
「リンちゃん、起きて! お仕事」
「ふぇ………僕、何を? 」
「ほら、行くよ」
「待ってよ! 」
-1時間後-
「流石ね〜。あっ、と言う間に終わらせちゃうんだから。私達………最近、良いとこなしよ〜」
「若手が活躍してるから老兵はいらねぇってか? 」
「あんただって最近、活躍してるじゃない………ハンサムのおかげで」
「後半、余計だ! 」
「しかし………マジでどうにかしないとな……」
「引退………の時かもね……」
「まったく………どうすんだよ」
「特にあんたは………」
「やめてくれ………」
キース除く おっさんどもは、悩んでいた
新人が活躍するのはいい
目立つことが、目的で始めたわけでは ないのだから
おっさんどもはため息を吐くしか無かった
-葵、カリーナ、アニエス-
葵は、椅子に座らせられていた
若手のホープ
人気は、すでにバーナビーすら超えた
ヒーロー活動以外の仕事もたくさん来ている
そんな葵が椅子に座らせられて
机を挟んでブルーローズとアニエスに睨まれていた
ブルーローズなら ともかく
アニエスに睨まれるような事はしていないつもりだ
「何ですか? 」
葵は、至って冷静だった
「何か、お話でも………」
「わからない? 」
「あ、あれですか? グラビアとかの仕事を断りまくっていることですか? 」
「違うわよ……」
「あんた……もう、ヒーローになってから、1ヶ月以上 経つけど………」
「NEXT 能力、一切 使ってないじゃない! その事でいろいろクレームがきてんのよ! 」
「あ……いや、私生活で少しは、使ってますから」
「私生活だけじゃ、ダメなの! 私ですら知らないのよ⁉︎ あんたの能力! 」
アニエス達が怒鳴っている時だった
それは、起こった
アニエスの携帯がうるさく鳴り
彼女に驚くべき知らせを届ける
「………本日、2度目の出番よ! まったく、やってくれるわ……」
道の真ん中
犯人達は、堂々と立っていた
全員が銃を装備し、背後には、大きな装甲車のようなのが あった
葵を除くヒーローらは、酷く驚いていた
「な、何で⁉︎ 冗談じゃないわ! 」
ファイヤーエンブレムが叫ぶ
何故なら、今、目の前にいる 犯人達は
ほんの1時間前に捕まえた連中なのだから
奴らが装備している銃は 今まで見たことがないもの
それに、背後の装甲車なんて、SF映画に出てきそうな感じだ
何がどうなっているのか さっぱりわからなかった
すると葵が
「さっきは、『わざと』捕まったみたいだね〜」
ヒーロー達は、一斉に葵を見る
「何故わかる? 」
犯人の1人が たずねる
「数が最初の倍ぐらいになってるね。しかも、何人かは、服役中でしょ? 細かい事は わかんないけど『一旦、捕まる必要があった』って事でしょ? 」
「ふふふっ………いや〜、見事、見事。結構 賢いね〜。お嬢ちゃん」
「お世辞は、いいから。ここからが、本番でしょ? 」
その言葉を皮切りに
戦闘がはじまった
それぞれが応戦するが、相手が多い上に 先程とは、うって変わって1人1人が手強かった
更に悪い事に、装甲車がヒーロー達の邪魔をする
「………先に あの変なやつ壊した方がいいな」
「そうですね。ですが、犯人達が邪魔になる………」
虎徹の提案にバーナビーが返す
そこにファイヤーエンブレムが
「あいつらを足止めしようとすると、あれも攻撃してくるし やってらんないわよ! 」
確かに、犯人は先程の倍近くの 14人
しかも、それぞれが、今迄 見たことのない武器を所持している
そのうえ、あの装甲車が厄介だ
ふと、虎徹は葵がまだ、何もしていない事にきづいた
何時もなら、むしろ、先程だって
速攻で犯人捕まえたのに 未だ、何も行動を起こしていない
いや、そもそも 自分とバニー、エンブレムとブルーローズしか いない
バイソンも スカイハイもいない
何処に行った?
「おじさん! あれ! 」
突然、バーナビーが大声で叫ぶ
「は? ……………え、えぇぇぇぇええええ⁉︎ 」
何故、驚いているか
それは
「あああぁぁぁぁああああ‼︎‼︎ 助けて‼︎ 」
上空からロックバイソンがもの凄い勢いで落下しているからだ
「ちょっ⁉︎ え⁉︎ 何やってんの⁉︎ あいつ! 」
そして、もの凄い勢いで落下しているロックバイソンは、装甲車にぶつかる
相当な勢いでぶつかったのと、肩のドリルを回転させていた為
装甲車に大きな穴が開いき 機能停止状態となった
突然、ビルから落とされ 高所恐怖症だったバイソンは、気絶していた
上を見ると、バイソンを落下させた犯人達がいた
葵とスカイハイだ
ドラゴンキッドもいたが あまりの事に唖然としていた
「あ、あいつら………マジでやったの………」
ブルーローズも呆れていた
言葉からして この事をやると知っていたらしい
しかし………なんとも大胆な作戦だろうか……
ロックバイソンならば
スーツの性能と自身の能力の《頑丈な皮膚》で無傷で済むだろうが
「ひっで………」
我が娘ながら とんでも無い事をするものだ
結果としては、厄介な装甲車が壊れて良かったが………
なんだかなぁ…………
もう、犯人達も唖然としちゃってるし……
てか、何? あの2人………ハイタッチしてるし………
(いいのか?………まあ……… 後は、犯人達をとっ捕まえるだけだし……あいつもなんとも無いだろうし………これでいいか)
「いや、よかないでしょ」
どうやら 心の声が漏れていたようだ
然し乍らも葵とスカイハイがロックバイソンを落とした おかげでヒーロー達は優位に立った
未だに敵は狼狽えている
今のうちに全員 捕まえよう
ヒーロー達が走り出す
そんな時だった
突然、ビルなどに設置されているモニターに映像が映し出された
そこには、男が映っていた
顔は暗くてわからないが 間違いなく男だ
スクリーンを介して謎の男が喋り出す
『やあ、初めまして、ヒーロー諸君。そして……』
「! 」
葵は驚いた
聞き覚えのある声だ
葵は、思い出した
自分は、この人物を知っている
『《コード S 01》 』
あの研究所の人間だ
思わぬ人物がこの男の声に反応した
「あ、あんた! あんたが出てきたって事は………ま、まさか! 」
犯人達のリーダー格と思われる人物が反応したのだ
「え? 」
なるほど、やはり雇われているだけの連中か………
葵は、この男の登場から 何となく繋がりみたいなのを感じていた為、さほど驚きはしなかったが
他のヒーロー達は、少なからず驚きを示していた
『ああ………もう、十分だよ………君達はお払い箱さ。君達のおかげで《準備》が整った』
言い終わると同時に空を覆い尽くすほどの何かが現れた
ぱっと見だが、500近くは、あるだろう
月明かりの下
黒く光るそれは、空を飛びながら
確実にこちらに向かって攻撃をしようとしていた
一体一体は、さほど大きくはないものの
何をしでかすか わかったものではない
この事態に民衆は、怯え
中には街から避難しようとする者いる
そして、他の連中も同じ様に逃げ出そうとする
その所為で渋滞や事故が起こる
民衆が怯えるのも無理もない
だが、この事に誰よりも怯えていたのは、他でもない 犯人達だ
これから何が起こるか
私達より知っているのだ
だからその場に立つ事しかできない
『さあ! ここからが本当の始まりだよ! 諸君! 』
その言葉と共に葵達の周りにいる謎の兵器が攻撃を始めた
雇った犯人達ごと
謎の兵器は、機関銃や火炎放射器など使ってくる
棒立ち状態の犯人達を庇いながら
安全なところに連れて行く
数が多く逃げるだけでも体力を消耗する
小柄なパオリンや運動神経があまり良くないブルーローズはそれが顕著にでている
あんなに派手にやっているにも関わらず、今のところ街に被害はない
(目的は何だ? それに準備とは一体何だ? )
バーナビーは、考える
だが、1番気になったのは、《S 01》と言う言葉が気にかかった
ビルを背に
自分、虎徹、ブルーローズ、ドラゴンキッド
向かいに
ロックバイソン、ファイヤーエンブレム、スカイハイ
視界に映る中での仲間達の位置
どこにも葵と折紙サイクロンがいない
とにかく、この状況をどうにかしようとバーナビーは、考えていた
すると、犯人の1人が自分に向けて何か喋っていたのに気づいた
「何だ。何を言ってる」
「お………終わりだ。俺達が依頼を達成できなかったから、一緒に消される………」
「何の事だ! 」
続ける
「力を使わせる事が、俺達の課せられた仕事だった。その為に服役中の仲間や最新の銃器を得る為にあの男の手引きで事は運ぶ筈だった! 」
「あの男は、準備が終わるまでに あの女、白虎の力を使わせなければいけなかったんだ!」
もう1人の犯人も泣きながら話す
「葵さんの………力? ……… NEXT 能力か! 」
確かに、葵がヒーローになってから1度として使った姿を見ていない
「………まさか! コードS 01って………葵さん……」
「………葵がどうした」
「いえ………まだ確証がないので………それで、何故、お前達まで攻撃されているんだ! 」
バーナビーが続きを促す
「詳しくは、わからねぇ………ただ、成長がどうとか……」
「成長? それとどう関係があるんだ」
「準備ってのは、アレの事だ! 仕事をこなせなかった俺達ごと殺るんだよ! 」
謎の兵器を指差す
「なら、何故、最初からアレを使わない」
「アレは、元々 力を試すものらしい。それにアレは、できたばかりなんだ」
「できたばかり? なら、破壊するチャンスも………」
ビルの陰から覗くがやはり数が多い
全てを破壊するのはキツイだろう
「俺達で力を出させればあそこ迄の数が来るはずは無かったんだ」
タイムオーバーと言うわけらしい
必要以上の戦力を出したってわけか
「今の………アレの目標は、お前らだ。それをあの女が守ろうとする事で真の力がどうとか言っていたのを聞いた! 」
「真の力? 何だ それは」
「それ以上は、知らない! なあ! 助けてくれよ! お願いだ! 」
必死で救いを乞う
しかし、バーナビーは
「ああ、いいともさ。ただし! 次に目を覚ます時は、牢獄の中だ! 」
2人を殴り、気絶させる
「!? バニー! 来るぞ! 」
様子を伺っていた虎徹が叫ぶ
「な⁉︎ このタイミングで! 」
気絶させた2人を担ぎ 急いでその場から離れる
「な、何よ! アレ〜! あんなに密集してて、こっちの攻撃が当たらないじゃないの! 」
ブルーローズの氷も 装備された火炎放射器で溶かされる
よく見ると ファイヤーエンブレム達も残りの何人かの犯人を担いで逃げ回っていた
「あれ? ひい、ふー、みー………。ねぇ? 犯人って、6人だけだっけ? 」
確かに、こちらに2人、ファイヤーエンブレム達の方は4人、合計して6人だけだった
残りの8人はどこに行ったのだろうか
逃げていればいいが、棒立ち状態のままなら危ない
何より葵と折紙が見当たらないのが気がかりだった
そんな時だ
100mほど先で手を振っている人物がいた
どうやら折紙サイクロンのようだ
ファイヤーエンブレム達も気づいたようで
一斉に折紙の方へと走り出す
「だ、大丈夫ですか? 」
「あ、ああ………葵は? 」
虎徹は葵の所在をたずねる
「むこうで犯人達を HERO TV のヘリとかに渡してます」
「そうか………」
一先ず安心した
「? ヘリが来てるんですか? 」
疑問を投げかける
「葵さんが言うには、『アレは、私達以外は、狙ってないみたい。私達を見つけ次第、攻撃してくる仕様らしいね。あんなにいるのにほとんど探そうとしてないしね〜。見つかる前に運べるだけこの人達を運んでもらうから〜。お父さん達も呼んどいてくれる〜? あそこに来てもらってるから』………だそうです」
「もうちょっと簡潔に言えねぇの? 」
バイソンが文句を言う
するとパオリンが
「重要な事だよ! ライムは無事なんだね? 僕、ライムのとこに行ってくるよ! 」
言い終わる前に走り出す
「それで? 何人運んでる? 」
「えっと………皆さんが連れてきたので、14人、全員です」
「そうか………よっし! こいつら運んでもらって、アレをぶっ壊すぞ! 」
そんな時だった
「うわぁぁぁぁああ‼︎」
ドラゴンキッドの悲鳴だ
急いで声がした方に行くと
そこには、《絶望》が待っていた
ドラゴンキッドの周りに あの兵器達が囲っていた
そして、今にも その銃口から弾丸が発射されようとしている
虎徹とバーナビーが走り出す
すでに NEXT 能力の『
能力が切れてから まだ、1時間 経っていない
他のヒーローも各々の能力を使って、助け出そうとする
そんな事をしても謎の兵器が邪魔をする
数が多い この兵器は
まるで、
そして、遂に銃口から弾丸が発射された
弾丸が自分に迫っている
もうダメだ………
葵や他のヒーロー達、そして両親の姿が走馬灯のように流れてく
迂闊にも単独で動いていた自分が悪い
ただ、会いたい人に会いに行こうとしたのに
少女の想いとは裏腹に、現実はあまりにも非情で
(ライム………助けて………)
そして、温かくもある
「大丈夫? 」
遠く離れたビルの上……
そこにドラゴンキッドを抱いた 葵が立っている
「ラ…イム…? 」
「他の誰に見える? 」
何百mも離れた場所に立っていた
「な………い、一瞬であんな遠くへ………一体、どうやって………」
『音速移動か……』
再び、謎の男が口を開く
「音速移動? 音と同じ速さで動いたって事⁉︎ 嘘でしょ⁉︎ 」
「現にあんな遠くにいるんだ! 他に納得が行く説明があるのか⁉︎ 」
「あれ? 」
「如何したんですか? 」
虎徹がある事を思い出し
そして疑問に思う
「あいつ………あんな能力だっけ? 」
「何ですって? あんた、あの子の能力、知ってたの? 」
虎徹にファイヤーエンブレムがせまる
虎徹が何かを言おうとした時、葵に向けて男が問いかける
『とっさの事で、
何を言っているのかわからない
葵を見る
すると、突然、ツーという音とともに葵の頰に線があらわれる
そして次の瞬間、血が吹き出す
それも一箇所ではない
一斉に身体中から血が出ていた
「⁉︎ 」
何が起きているのかわからない
身体中から血が吹き出ているにもかかわらず
葵は、スクリーンに映し出された男を見ていた
その表情は、少し怒っているようにみえた
『………何も答えないか…………』
「お、お前! 一体、何者なんだ⁉︎ 」
自分の知らない葵を知っている
それが嫌だった
『 しかし………やはり、音速での移動が可能か………次は、一体 何を見せてくれるのかな? 』
ドラゴンキッドの事を無視している
「質問に答えろ‼︎ 」
男は、さすがに鬱陶しくなったのか、ドラゴンキッドを見る
『………君は………確か、電気を放つ能力だったか? 』
謎の問いを投げかける
先ほどの質問と何か関係があるのだろうか
「そ、それがどうした! 」
『いや? どうもしないよ………。所詮、君は、その娘の足元にも及ばぬ存在なのだからね』
男は笑う
さっきから訳がわからない
一体、何を言っているのか
『わからないか? 』
「………」
黙る
それを肯定と見たようすだ
『では、ヒントをやろう』
男は嬉しそうに喋る
「ヒント?」
『そうだ、ヒントだよ。………君は、その娘の側にいて………癒されるかい? 』
ヒントと言うが意味が分からなかった
とりあえず、頷いた
『側にいるだけで調子がすこぶる良くなるだろう? 』
確かに、心当たりがあった
今日みたいに抱きついたりした事は無かったが
側にいるだけで いつもより強い力が出せた
側にいるだけで いつの間にか元気になってた
側にいるだけで………
そうだ、だからいつの間にか側にいたいと思っていたんだ
それに自分に優しく、一緒にいて心地がいい
そんな事を考えていると、男は
『心当たりがあるようだね。そうだろうとも、何せ、君は、彼女が無意識に発している力を吸収しているのだからね』
「! 」
つまり、その意味がさすことは………
「………私の能力は、《電気》……」
葵が言う
身体中から未だ血が流れている
虎徹達が騒がないのは、辺りが暗く葵の事が、よく見えていないからだろう
「僕と………同じ、力………」
その言葉に男が反応する
『同じではない。君の能力など、微弱な静電気だよ』
「ば、バカにするな! 」
そう言うと全身から電気を生み出す
『………ふ、その程度か……』
完全にバカにしていた
男は、葵を見て言う
『いつ迄も本気を出さないのであれば………出さざるを得ない状況を作ろうでは、ないか‼︎ 』
すると、虎徹達のところにある
無数の兵器が再び動き出す
「! 」
能力が切れている虎徹とバーナビー
そうでなくとも、この数を相手に他のヒーローもなす術は、ないに等しい
ヒーロー達が一方的に嬲られるのも時間の問題だった
「! ライム! 降ろして! 僕も行くよ! 」
そう言ってドラゴンキッドは、仲間の元へと駆け出す
『! ………フハハハハ! いいぞ!
男は、葵を見て狂った様に笑う
葵を見て、ある事に気付いたからだ
それが男にとって喜ばしいものだった
「………」
葵は、一歩も動こうとしない
仲間の元へと駆け出す事もない
ただ、黙って見ていた
雷が葵の身体を駆け巡る
そして、その瞳は、あかく染まっていた
「………はあ…はあ………」
虎徹達は、苦戦を強いられていた
頑丈なスーツもボロボロで
もう、他のヒーロー達も立ち上がる事さえできそうに無かった
それでも諦めようとはしない
奥歯を強く噛み
無理してでも起き上がろうとする
顔を上げ、目の前を見る
目の前に広がるのは、自分らに銃口を向ける無数の兵器達
もう、何もかも終わってしまうのだろうか
(………葵………楓………!………友恵! )
虎徹の脳裏に浮かぶのは、愛すべき2人の娘と5年前に死に別れた妻の姿だった
(………父さん達を殺した犯人を見つけられずに ここで終わるのか………)
幼い頃の両親との思い出
そして、その両親が死んだ日を思い出す
(………情けねぇ……結局、順位も下のままかよ……。 ………ちっ、何でこんな時によりにもよって虎徹のやつの結婚式を思い出すかねぇ……)
親友の結婚式を思い出す………
いろいろ、ハプニングが起こって滅茶苦茶な結婚式だった
それでも、2人はとても幸せそうな顔をしていた事もハッキリと思い出す
(あ、葵さん………葵さんに何も伝えられなかった………結局、碌に話もしていないな………)
初めて好きになった人
何か話そうとすると緊張して何も喋れなかった
ただ、遠くから見ている事しかできなかった自分
そんな自分にあの人は、笑顔を見せてくれた
(………歌手になるつもりが………どうしてこうなったんだっけ…)
瞼の裏に浮かぶのは、自分がステージに立って歌を歌っている姿
それも、ブルーローズとしてではない カリーナ・ライルとして
それと学校で友達とたわいもない話で盛り上がっている姿
そして自分を支えてくれている両親の姿だった
自分は、両親に何もしてやれていない
そう思うと涙が溢れた
(………満足な人生だっただろうか……)
思い出すは、愛犬のジョンと
スカイハイである自分と仲間の姿
今迄、過ごしてきた生活
そんな事を思い出していた
(…つまらない終わり方ね……)
ロックバイソンとバーで飲んでる時や
葵らと喋っている時
楽しい思い出が甦える
こんなところで終わっていいのだろうか?
まだまだ、やるべき事がたくさん残っているのに
こんなところで呑気に寝ていていいのだろうか
諦めていいのだろうか
「いいわけねぇだろうが………! 」
「僕には、まだやるべき事が! 残っているんだ………! 」
「そうだな………俺も独身のままじゃ寂しいしな! 」
「立ち上がる力は、残ってるんだ……! 」
「まだ、あいつと学校に行ってない! 夢も叶えてない! 」
「まだ、満足な人生とは、言えないな………」
「そうよ……まだ、やりたい事がたくさんあるんだから! 」
傷だらけの体にムチ打って
立ち上がる
それぞれが立ち上がる理由を持っているから
拳を握り、走り出す
そんな時だった
雷に似た轟音と閃光
白い稲妻を纏い
《それ》は立っていた
全てを壊する為に
あかい瞳の《それ》は立っていた
全てを守る為に
注意 : ルビタグの問題で一旦、削除して直しました
上記に述べているように 投稿し直しました
ご迷惑をおかけして申し訳ありません
確認時に気付いたため 対応が遅れました
本当に申し訳ありませんでした
後半は、さっさと仕上げるので
これからもよろしくお願いします