これで2章が終わり
第3章のジェイク編が始まります
予定としては
原作通りに事を運ぶつもりはありませんので
それでは、後編です
激しい轟音と共に それは、姿を現した
白い稲妻をその身に纏い
今迄、雲に隠れていた 月の光が照らす中
彼女は、立っていた
そして………、彼女は、新しい感情を
そう、《 怒り 》を感じていた
その瞳は、彼女の気持ちを 代弁するかの如く
赤く、紅く、緋く ……… 染まっていた
すると、彼女は、一歩、また一歩 と 歩きだす
足を地に踏みしめるたび、白い稲妻が足跡の様に残り そして消える
月に照らされた彼女の姿は、まさしく中国の四神
《白虎》
もし、彼女を何かに例えるならば、それ以外の言葉があるのなら《女神》と 讃えよう
それ以外の言葉は見つからない
老若男女 、誰一人とて 彼女の姿に見惚れぬ者はいなかった
それほどまでに彼女の、葵の姿は、美しかった
人々は、そう感じたが そんな事とは裏腹に
今にも 全てを壊しそうな彼女を見て、その男は、笑った
何故なら、今の葵のこそが、自分の研究の最終地点であり、自らの考えの証明なのだから
男は笑うのをやめ、そして言った
『さあ! その力を! 《 NEXT を超えた力 》を! 私に見せてくれ‼︎ 』
その言葉と共に 無数の兵器達が、葵に襲い掛かる
しかし、この襲い掛かる無数の兵器達の事を葵は、全く気にしていない、眼中に無いのだ
その緋色に染まった瞳は、ただ、真っ直ぐ、初老の男を映すスクリーンを見ていた
「葵! 何をしている! 避けろ! 」
虎徹の叫びは届かない
もう既に、葵のすぐ側に 兵器達が迫っていた
楓の時の様に誰かが助けに入れない
今、自分を含め、走ることは、おろか 立ち上がる事も、起き上がる事さえ出来ない
虎徹は、悔やんだ
ここぞ、という時に限って 何もしてやれない
娘の危機に ただ、指をくわえている事しか出来ない自分が腹立たしかった
もう、遅い
無防備な娘に銃口が向けられる
怖くて目を背ける
強い光と共に 雷に似た、もの凄い轟音が鳴り響く
そして、それ以上の爆発音
近くのビルや店の窓ガラスは、次々と割れ
爆発の衝撃で吹き飛ばされる
吹き飛ばされる中、虎徹達は、驚くべき光景を目にした
立ち上る煙の中
激しい雷の衣を身に纏った葵の姿
そして、次々と爆発する無数の兵器
そう、葵は、攻撃が始まる一瞬の間に
空を覆い尽くすほどの兵器の半分以上を破壊した
そして、残りの半分も瞬きを終える前に破壊し尽くす
その姿を目にしたものは、スクリーンに映し出された男とヒーローのみだった
爆風で HERO TV のヘリは、吹き飛ばされていた
いや、仮に吹き飛ばされていなくとも ヘリに搭載された通信機器や撮影機材は、全て
葵の放つ強力な電磁波の影響で使い物にならなかった
スクリーンは、特殊な加工を施してあるようで無事だが
それでも、葵が、近ずくたびに 映像が乱れた
鬼神の如き強さを誇る今の葵を観て
自分が作り出した兵器を破壊されたにも関わらず
狂った様に笑っていた
『何という強さ! 10年前、研究の途中 まさか、逃げ出すとは思わんかった。
お前が逃げ出したおかげで 研究は頓挫。だが! 私は、あえてお前を逃した! 結果としてそれで正解だったのだ!
私の考えは、正しかった‼︎
NEXT を遥かに超えた力!NEXT の次のステージ!』
「………………ネ、NEXT の 次のステージ………」
うつ伏せの状態から なんとか上体を起こしたバーナビーが呟いた
全員が満身創痍の身体で 各々何かによっかかったりしながら 男の話を聞いていた
男は、続ける
『そう! NEXT の次の段階! NEXT の真なる覚醒! 限界を超えた姿! 私は、それを!
「まんまだな………」
ふいに、虎徹が呟く
『私の理論では、そもそも NEXT 自体が覚醒した人間の姿だと考えた。
組織は、NEXT の力を利用して何かを成そうとしてたが そんなものに興味は無い!
私は、組織に役に立つNEXT 能力の研究をしていた。NEXT 能力を応用した道具や兵器を開発する為に!
その研究の中、偶然にも様々な可能性を秘めた赤子を見つけた、それが、お前だ! コード S 01!
いや………今は、白虎っと言うべきだったか………』
全員の視線が葵に向く
葵は、ただ、静かに聞いていた
再び、男は話しだす
『お前のその能力は! 様々な使い方ができる! 先程の テトラスの破壊に使用した《
そして、雷と同等の速度で移動し、たとえ大怪我をしても 不死身ともとれるその、《
確かに 服に血は付いていても 傷が無い まるで《怪我など 負わなかったかのように》傷跡も存在してはいなかった
『自らの肉体を電子に変え、傷を治し、更には、自分以外でも傷に直接触れれば、触れた箇所が一時的に電子化し傷を癒す事も可能!
今現在、解っているだけのお前の力だ……』
すると、今迄 黙っていた葵が口を開く
「………よく………
『誰が今迄 お前の研究を担当していたと思っているんだい? 先程の戦闘だけでも お前の成長ぶりが、はっきりとわかったよ』
「仲間の傷を癒した覚えは無いよ?」
『気付いているのだろう? ずっと見ていた事を……』
その問いについて葵は何も答えようとはしなかった
『しかし………予想以上に成長していたな………せっかくのテトラスが全て破壊されるとはな〜』
わざとらしい言い方だ
まだ、策は残っている
顔は、見えないが
笑っている
葵はそう感じた
この程度で止まるわけがない
あんなものは、ただの捨て駒に過ぎない
そんな時だった
再び、空にそれは、現れた
葵が全滅させたのとは違う
恐ろしい大きさだ
空母ぐらいは、あるかもしれない
それだけではない
先程、破壊したはずのテトラスなる兵器が
壊れた部品を他の機体から奪い
修復している
葵は焦りを感じた
さほど大きくないテトラスならば
破片が街中に散らばる前に 破片ごと消滅させる事が出来た
だが、あの大きさのものを 破片が街中に散らばる前に完全破壊するのは不可能に近い
後ろにいる 仲間達が動けるなら………
………いや………それでも無理だろう
あれを壊す事は、簡単だ
その気になれば破片も飛び散る事はないぐらいに
ただ、それをするには、レールガンに使う電力をチャージする必要があった
チャージには、時間がかかるし
「そんな事したら守れないな……」
だからと言って、テトラスの時みたいに チャージ無しで連射するにも限界がある
密集していたテトラスなら レールガンで貫かれたやつの爆風などで壊れるが
あの大きさでは そうはいかない
最大火力の一撃を放つ
ただ、そんな事をすれば
チャージの間、無防備になる上
動けない仲間と使い捨てにされた犯人達を守る事が出来ない
それがわかっていてやっているのだ
そう、思った時 疑問がわいてきた
(………あれ、おかしいな………何で、
連中は、自分の事を人形だと思っていたはず
実際、葵自身 ここに来るまで そう 思っていた
なのに………
「何故、気を遣ってるのがわかるの? 」
たずねると
思わぬ言葉がかえってきた
『その事か………。何、大した事ではない。どう言う訳か………お前がヒーローなる 馬鹿げた事をしているのでな……。
それに、1月程前にお前を見つけ、その姿を観ていれば……お前が、全力を出す事はおろか、能力を1度として、使っていないではないか』
少し間を空け 続けた
『まさか と思ったが、よもや人形のお前が気遣いを覚えるとはな……。逃亡生活を送っていくうちに覚えたか? 生きる為にか? 』
お前の力ならば、そんな事を覚えずとも生きられように
男は、ついでにそう答えた
その言葉を聴き、立ち上がるものがいた
「テッメェ………うちの娘が人形だってぇ………? 」
「! 」
壁に寄りかかりながらも………立ち上がろうとする
「んで、
「………ヒーローを………バカにする…なよ! 」
「あんた…ヒーロー………舐めてんじゃ無いわよ……」
「僕達は、まだ…負けてない! 」
虎徹、バーナビー、ファイヤーエンブレム
それにパオリン
他のヒーロー達も次々と立ち上がろうとする
「………お父さん……リンちゃん達まで……」
「な〜にボケっとしてんのよ。私らが、ここで終わるとでも思った? 舐めないでよね」
強がりだ……
みんな、立ち上がるのが精一杯の筈なのに………
何で、こうも《嬉しい》んだろう
頼もしく見えるんだろう
「僕らに気を遣う事はないんだよ………葵さんが思ってるほど、あいつが思ってるほど、僕らは弱くなんかないから」
折紙が言う
「私達だって、まだやれる! 」
スカイハイが言う
「さっきみてぇに一発決めてやれよ」
ロックバイソンが言う
「………私が間違ってたな………。そうだよね………守られるより…守ろうとする人達だものね…」
モニターに映し出されている男を見る
誰一人として 逃げ出そうと思う者はいない
負けず嫌いで、単純で、お人好しの集団が
「「「俺(私)達を! 舐めてんじゃねぇーよ‼︎‼︎ 」」」
「行くぞ! オラッ! 」
虎徹………
いや、ワイルドタイガーが走り出す
次々と復活した テトラスに攻撃を始める
テトラス自体 葵が破壊した為
復活しても脆く そして、数も数えられるほどしか無い
だが、それよりもはるかに ヒーロー達も消耗していた
本当に立っているのもやっとの筈なのに
必死に葵のやろうとしている事を邪魔させまいと闘っている
なら、自分は、どうするべきか?
「行動で示さなきゃね! 」
葵から無数の光る球体があらわれる
その1つ1つに かなりの電力を所有している
そして、無数の球体は、葵の周りをもの凄い勢いで回り始める
それらは、葵に向けて電気を流していた
その全てを腕に集中させる
時間が経過するごとにその力は強くなる
他のヒーローがテトラスを破壊し終わるのと同時に
葵の方もチャージが終わった
葵は、まるで 弓を構えるようなポーズをとる
すると、本当に電気の弓矢ができる
電気の矢を目標に向ける
「さあ、これで終わりだ」
最後の一滴まで溜めた力を矢に込める
そして、次の瞬間
全てが、終わった
彼女の全身全霊の一撃は
仲間や民衆の雄叫びと共に放たれた
それは、あの巨大な物体の欠片も残さず消滅させて見せた
歓喜で溢れる中
1人の少年が、ある事に気付いた
「あれ? 葵さんは? 」
「ん? ………あら、ホント、どこにもいないわね」
辺りを見回してもどこにもそれらしき姿が見られない
「一体、どこに行ったんだろう……」
「帰ったんじゃねぇの? それより、残った犯人を連れてかねぇと」
「大きいのは、彼女が消滅させたが、小さいやつの後処理もあるし
早いとこ済まさなければ邪魔だからな」
「…………」
「心配? 」
折紙にたずねる
「いえ…そういうわけでは……」
「あの娘には、まだ、やらなきゃいけない事があるってだけよ」
「そうですかね……」
そう言って少年は、それを見上げる
いろいろな感情がゴチャゴチャしている
少年は想い人の事を考え
仲間の元へと向かった
葵は、ある場所に来ていた
忘れる事などけして無かった この場所に
葵の、始まりの場所である
この研究所に………自分の為だけに建てられた施設
人の気配なく
研究所には植物の蔓などが蔓延っていた
パスワードを入力する事で開くはずの扉も壊れており
簡単に中へと入ることができた
灯りのない 真っ暗な室内
かつての面影は何処にもない
葵は、迷うことなく
ゆっくりとした足取りで
目的の部屋へ向かう
何度も階段を降り
今はもう機能していないセキュリティゲートをくぐり
葵は、目的の部屋の前に辿り着いた
ノックをする
すると、『入りたまえ』と、返事が返ってくる
扉を静かに開け、中に入る
本来ならば、誰一人としているはずのない この研究所にたった1人だけ残った人物
その人物こそ、葵の目的の人物だった
「そろそろ来ると思っていたよ」
男は、机に向かった姿勢のまま 静かに言う
「………」
葵は何もせずに黙っていた
「………テトラス破壊と同時に………あの時 すでに私の居場所を探させていたのか………いや、
返事をする事もしない
男は、続けた
「私を捕まえに来たか……」
「………うん」
「………そうか…」
そう言うと葵の方に向き直る
その姿は、10年前より痩せ
顔には皺ができ、実際の年齢よりも老けて見えた
「聞きたい事があるの……」
その事に男は、驚く事もなく
まるで想定していたかの様に静かだった
聞きたい事を話そうとすると手を出した
「わかっている………お前の聞きたい事も全部な……」
「………」
葵は、静かにしている
相変わらずの無表情の為、何を考えているのかはわからない
少しの間を空け
男は、話し始めた
「………お前の聞きたい事は、2つだろう? 順を追って話そう……
まず、事の始まりは、10年前の事だ……」
そう、葵が逃亡した後の話……
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10年前………お前が逃げ出し 研究所内は、大騒ぎだった
何たって、恐ろしいまでの可能性を秘めた金の卵………いや、それ以上の存在だったからな
まさか、たった6歳の少女が あのセキュリティを抜け出す事が出来ようなど 誰が思った
ただ、実験室の水槽の中で殆ど過ごしていたお前がだ
意思疎通の為に言葉や文字、ある程度の数学を教えただけなのにな………
…………前置きが長くなったか………
あの後、私は、必死でお前を捜した………
お前は、私の存在の証になり得る存在だった
何より………
……いや、やめよう………
数時間後………私は、お前が入っていた水槽の前に立っていたんだ
『………見つかったか? 』
『いえ………残念ながら……どこにも………』
若い職員が報告する
もう1人の職員がやって来た
内容は、この研究所の敷地内にはいない との事だった
『如何致なされますか? 』
『もういい………サイレンを止めろ………お前達は、それぞれの持ち場に戻りたまえ』
若い職員は去り、水槽の前で私は、1人でいた
仮にも私は、所長だったからな
何かしら責任が問われるだろう……
外の職員達がそんな事を話していたのが聴こえた
『責任………そんなものがどうした! そんなもの………うっ………何故、何故、私の前から消えたのだ………』
私は泣き崩れた
そんな時だ
私の頭の中に ある事がよぎった
なに、大した事ではない
水槽から出て、私の横を歩く お前の姿が浮かんだのだよ
……ふふふ…
無表情で、周りからも人形呼ばわりされていたが
それでも………大人しく学ぶお前の姿を思い出したんだよ
……そうしたらな……見たくなったのだよ………未来のお前の姿がな………
成長したお前の姿を………
そこで私は、ある事をした
お前の成長の為に外へと放つ
それを邪魔する者の排除だ
とは、言ったものの………私にそんな事はできん
だから提案したのだ………上層部相手にな
『………それで? それが、君の考えかね? 」
『はい。ここでの環境では、被験体の眠っている力を目覚めさせる事ができないかと……』
『それで、外の世界で、その眠っている力を目覚めさせる事が出来るのかね? 』
『たった1人の子供がそう簡単には、生きてはいけません』
『ならば、尚の事 連れ戻さねば! 』
『普通の同年代の子供………ならば………の話です。アレは、頭がまわります………。きっと、生きて、…我々の前に姿を現わすでしょう……』
『何を根拠に……』
正直、これは賭けだった
自分でも馬鹿げた事を言っている自覚は、あった
だが、奇跡は起こったのだ
上層部がお前の事、全てを 私に任せると言ったのだ
その代わりに 私だけ研究しろ との事だった
私は、すぐさま、その条件をのみ
この研究所に1人残ったのだ
「そして、10年の月日が流れ………テレビに映ったお前を見つけたんだ」
「…………」
葵は、終始 静かだった
疑問に思わなかったわけではない
しかし…………この男が、自分のためにそんな事をしていたとは思わなかった
男は、机の引き出しから何かを取り出した
「! 」
拳銃………
それを葵に向ける
「…………全てが終わった。お前のおかげでな………。私は、私の証を残せた事を見届けた………」
そして、銃口を自分の頭に向ける
「…満足だ………もう、私は、役目を終えた」
引き金に指をかけ
「さらばだ………S 01………いや、我が娘 よ………本当の娘の様に………」
引き金を引いた
「…………」
「はぁ、はぁ、はぁ…………」
「……どういうつもりだ? 」
拳銃と頭の間
ほんの5cmほどの隙間
葵は、拳銃から放たれた弾丸を掴んでいた
「はぁ、はぁ………どういうつもりだろうね」
憎い………そんな事すらあの頃の自分は思わなかった
ただ機械の様に何も考えず生きてきた
「逃げ出した理由もわからないんだよ」
(自分の事なのに)
拳銃を奪い
隅っこに投げ捨てる
「私ね、自分に感情があるなんて 初めって知ったんだ」
「感情………か……」
葵は笑って見せた
この街に来て得た 初めてのもの
最初の感情
男は、これを意外そうに見ていた
「人形と言った事を撤回しよう」
葵の頬に手を伸ばす
「人形は、笑わないし………涙も流さんからなぁ………………」
知らないうちに葵は、涙を流していた
人生で2度目の《涙》
一応、この男も育ての親には違いない
葵は涙を拭いて男を見る
いつの間にか男も涙を流していた
男は、立ち上がり 歩き出す
葵は、男の手を何気なく握る
その瞬間、男は思い出した
小さな少女の手を 今のように握って歩いていた時を……
男は葵の手を優しく握り返す
ここにも 父娘 の姿はあったのだ
未だ、跡片付けの終わっていない現場
仲間の元へ着くまで
2人は、手を離す事は無かった
護送車が着く
葵と男の最後の会話
「………お前に伝えなければならない事がある」
「……」
「組織が動き出すだろう……お前を狙ってな。これを持っていけ」
男は、葵に手帳とメモリーカードを渡す
「それがあればあの施設以外の組織の研究所に忍びこめる………私からの最初で最期の贈り物だ……」
「! 」
「おそらく、私は組織からの刺客に消されるだろう。最期にそれをお前に………」
「そう……《託した》って事? 」
「理解が早いな……その通りだ」
「わかった………」
手帳とメモリーカードを受け取る
「さよならだ………」
男は、護送車に乗り込む
葵は、何も言わなかった
ただ、見つめていた
護送車は男を乗せ走り出す
葵は、見えなくなるまで護送車を見送っていた
(さよなら………)
振り向くと虎徹がいた
頭部のフェイスパーツをあげているため顔が見える
「お前は、これで良かったと思ってるのか? 」
虎徹は葵にきく
「かまわないよ……嫌な思い出しかないから………」
そう言って 葵はブルーローズ達の元へと向かう
虎徹は葵の後ろ姿を眺めていた
未だに葵の事を理解できていないから
葵の事が知りたかったから
虎徹も後を追うように歩き出す
「…………」
葵の姿を男は、眺めていた
「ほら、ハンサムも手伝ってってば! 」
「あ、すいません。今、行きます」チラッ
もう一度葵を見る
それからファイヤーエンブレム達の元へと向かう
-アポロンメディア社-
大まかな片付けを終えたヒーロー達はアポロンメディアに集まっていた
先程の戦闘や片付けで疲労がたまっている
そんなヒーロー達をアニエスが労う
「貴女の所為でカメラが全部壊れたんだけど! 」
筈も無く………
オーバー・ドライブ状態の葵の電磁波の影響をもろに受け
ヘリに積んであったカメラ及び電子機器全ておしゃかっとなった
それよりもアニエスが怒ってている事はと言うと
「電気が貴女の能力ね……バカみたいに破壊力がある……」
葵が今までアニエスに能力を言わなかった
その上、今まで手を抜いていたのが気に食わなかったご様子
葵は、そのまま アニエスの説教を小1時間聞かされる羽目となった
だが、悪い事だけではない
「貴女、ポイントがスカイハイを超えたから後でインタビューあるからね! 」
そう、先程の兵器を復活したのを除いて全て葵が片付けた為
相当なポイントが葵に加算されたのだ
しかも、街の危機を救ったとかで記念の像が建つらしい(流石にこれは拒否した)
「とにかく! 貴女が KING OF HERO もとい QUEEN OF HERO だからね! 」
「え〜………」
「凄いじゃないか! 」
「おめでとうそしておめでとう! 」
「おめでとう」
「………あ、ありがとう……」
インタビューを受け 解放されたのは、深夜の2時過ぎだった
葵が着替えて暗くなった廊下を歩いていると
バーナビーが立っていた
「どうしたの? こんな夜中に」
「………」
「何も答えないなら退いてくれる? もう眠いんだよ」
欠伸をする
葵がバーナビーの横を通り過ぎようとした時
「………教えてくれませんか? 」
「何を? 」
「………貴女の事を研究していた組織の事を………」
それを聴いて葵は振り向く
「それを知ってどうなるの? 」
「………僕の両親は、ある組織の男に殺されたんです」
「………」
「その組織がもしかしたら貴女の事を研究していた組織かもしれないから」
「いいよ、教えてあげるよ」
「本当ですか⁉︎ 」
葵は突然、指の先を噛み切り
壁に絵を描いた
自分の尻尾を咥えてる蛇に 十字架
下に文字を書くとそれを自らの能力で照らし
バーナビーに、見せる
「! 」
バーナビーは、驚いた
やはり、自分の追っていた組織だったから
その組織の名を言う前に葵が
「ウ・ロ・ボ・ロ・ス………」
「! 」
そう言って葵は、持っていたウェットティッシュで血で描かれた絵を消す
「何か言いたげだね」
「あの絵は、両親の仇の右手に描かれていたのと同じものでした……それにウロボロス…他に何か知っている事は? 」
だが、顔を上げた時 すでにその場に葵の姿は無かった
「一体、どこに⁉︎ 」
やっと、手がかりがつかめると思ったのに
仕方がないのでバーナビーも帰る事にした
アポロンメディアの屋上
葵は星を眺めていた
『組織が動き出す』
もし、そうなったら面倒だ
「まぁ、この街から離れるつもりはないけどね」
何が来ようとも
蹴散らしてやろう
負ける気は無い
守りたいものがたくさん出来たから
流れ星とともに葵は、その場から消えた
男は、暗い牢獄の中………
何もない部屋の中にいた
鼻歌を歌いながら 壁に指をあてる
その壁には、絵が描かれていた
何もない部屋で
男は、指先一つで絵はを描いたのだ
血で描かれたわけではない
その線は焦げているようだった
焼いて描いたのだ
一体どうやって……
男は楽しそうに絵の続きを描く
その右手には、蛇と十字架のタトゥーが彫られていた
男は突然指を止めた
ニタニタと笑みを浮かべている
その壁には、なんとも言いがたい 恐ろしい絵が描かれていた
長かった……
ネタが尽きたり纏まらなかったりと大変だ
定期的に書ける人は凄いと思います
次回予告的な事ですが
第3章では、主な視点が折紙かブルーローズになり
葵がほとんど出ません
それでは、また次回