およそ10月ぶりの投稿……
見ている方がいるか不安ですが
番外編を先にお届けいたします
本編は明日の投稿を予定しております
予想よりだいぶ空いてしまい申し訳ありません
また名無し……再開させていただきます
どうかお付き合いください
『 Trick or Treat 』
秋と冬の境……10月の終わり
子供達は各々[ 魔女 ]や[ ゾンビ ]、オバケに扮して街を練り歩き
適当な家の扉を叩いて こう言うのだ
『 Triick or Treat! (お菓子くれなきゃ
可愛らしいオバケ達にキャンディーやチョコレートなどのお菓子を与える
そうした後、子供らはまた別の家に向かって行くのだ
コレがおそらく本来の[ ハロウィン ]と言うものなのだろう
だが、今ではただの仮装イベントになっている気がしなくもないが………
どちらにせよ大人も子供もオバケの格好をして多いに騒ぎ、踊り、楽しむ祭りである事に相違ないのだろう
そして本日、10月31日こそがその祭りの日となっていた
……と、言うワケで
「仮装して街を練り歩きなさい」
ここ、シュテルンビルトの一角に構えるアポロンメディア社………
その内部にある一室に集めた彼らに
何の前触れもなく唐突に言い出したのは
HERO TV 主任プロデューサー アニエス・ジュペールであった
「……………」
暫しの沈黙……
「ハァ⁉︎ 」
例の如く『 正義の壊し屋 』ことワイルドタイガーである鏑木・T・虎徹
彼がこの沈黙を破る
「何か問題でも? 」
「いや、唐突にそんなこと言われても仮装ってお前………」
普段の彼らはヒーローとして、各々能力や個の特徴を活かすためのスーツを着用している
そしてそれは、バーナビーという例外を除いて
ヒーローと言うイメージを市民にアピールするためのものであったり、スカイハイのジェットパックのように彼らの能力の補助のために存在し
そして彼らの正体を隠すためのものであるのだから
それを突然、今日は仮装して現場に出ろなどと言われて
正体がバレるコトは仮装でおそらく無いにせよ
それでも虎徹は多少なりとも不満があった
「今日は『 Halloween 』……今、シュテルンビルトは仮装した市民で溢れているわ 」
「だからって何で俺達まで仮装する必要がある! 」
「ハロウィンだからに決まってるでしょ? 」
さも当然という感じに返すアニエス
彼らにっとて上司のようなものであるから逆らえないため
今回の案は実行される運びとなった
「…………アレ? 仮装って用意されてるの? 」
実行日は今日、発表されたのも今日
夜に始めるにしても今からスーツ兼仮装を用意するのも時間がない
「当然でしょ? 普段のスーツまでとはいかないけれど
機能性バッチリで全員のイメージに極力合わせたものよ? 」
そう言ってアニエスは資料を配る
それにはマネキンに着せたスーツと名前が割り振られたものだった
「え……と」
ブルーローズが読み上げる
「私が魔女? 」
「僕はカボチャのオバケ? 」
「『ジャック・オ・ランタン』だよ。リンちゃん」
「ふぇ? 」
「んで、あんたが………私と一緒で魔女ね」
「(白)って書いてあるね」
「私は?………魔女じゃないの? 」
残念ながらファイヤーエンブレムはゾンビ………
「……俺は狼男か………」
「僕はドラキュラですか………」
俺はタイガーだぞ……。っとボヤく虎徹と
どうなんだろうと若干悩むバーナビー
結構はまり役だと思われるが……
「俺はフランケンか」
「僕は……」
[ ミイラ男兼透明人間 ]
「………………」
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「それじゃあ、そういう事だから良いわね? しっかり視聴率稼いでちょうだいね」
そう言って部屋から出て行った
「……しっかしなぁ……………」
「まだ渋ってるんですか?おじさん」
元々
バーナビーとコンビを組むにあたって支給された現在のスーツだって
当時のスーツを変えるのを心底嫌がっていた事もあった
それ故か、たった1日とはいえスーツの変更に未だに難色を示していた
「何で俺が狼男何だよ………」ブツブツ
……訂正、ただ単に役が気に入らなかっただけのもよう
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「ねぇ、ライム〜? 」
何やら甘えた声でものを聞くパオリン
「ジャック・オ・ランタンって? 」
「何言ってんのよ。これの事でしょう? 」
そう言ってブルーローズは西洋カボチャに顔を彫ったものを見せる
コレに蝋燭などの灯りを入れたものやカボチャの被り物の事を言うのだろう
「ローズちゃん、確か当たってるけど。正確には違うものだよ」
するとどっから見つけてきたのかプラスチックのレンズの入った伊達眼鏡
スーツを着込んでホワイトボードの前に立つ葵
その姿に全員唖然としていた
「ハロウィンの事やジャック・オ・ランタンについて時間になるまで
軽く説明しようか」
「……結構形から入るわね……」
「じゃあ、始めるよ」
「まず、[ ジャック・オ・ランタン ]についてだけど……
コレは元々人の名前だね」
「人の名前? 」
「そうだよ? ジャックって言う怠け者の鍛冶屋さんの事だね」
「それがどうしてカボチャなの? 」
「それはね………」
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ー昔々、怠け者の鍛冶屋のジャックと言う男がいました
彼はとてもずる賢く……
いつも人を騙してお酒を飲んでいました
ある晩、いつものように酒場で飲んでいた時
酔っ払ったジャックの前に地獄から来たという悪魔が現れました
そして彼はジャックにこう言ったのですー
「冥界よりやって来た者だが………貴様の魂を貰いに来た」
ーストレートに変な事を抜かす悪魔に最初は笑っていたジャックも
彼が放つ禍々しさや表情から次第に本気であると悟ります
悪魔曰く、今日は(10月31日)は、冥界……つまりあの世とこの世が繋がり
彼のような悪魔や死者の魂などが訪れ人間達の前に姿を現わすのだそう……
彼は、ここらで噂のジャックに興味を持ち
こうして彼の前に現れたと言うのでした
ジャックは年に一度、この日に不思議な事件が起こる事を度々耳にしていて
ますます彼の言葉が真実であると感じるのでしたー
「わかった!良いだろう。俺の魂をくれてやる! だが最後に一杯酒を飲ませてくれ! 」
ー何を思ったのかジャックは悪魔に酒を求めましたー
「良いだろう。金はあるのか? 何、ない? わかった」
ーそう言って彼は酒代相当のコインに化けます
ニヤリ、これを見てジャックは笑みを浮かべますー
「かかったな! 」
ージャックはコインになった悪魔を悪魔の苦手な銀の十字架で押さえつけ
財布の中へと押し込んでしまいました
必死に抵抗する悪魔
それを見てジャックは悪魔に囁きましたー
「10年……そう、10年! 俺の魂をとりに来ないと誓うならば
解放してやろう」
「悪魔にゃ十字架は苦しいらしいな……」
ーヒッヒッヒ……不気味な嗤い
そう、ジャックはついに悪魔をも謀ったのでした
苦しむ悪魔は彼の要求をのみ、解放され
そして冥界へと帰っていくのでしたー
ーそして月日は流れ、約束の時がやってきましたー
「さぁ、約束の時だ……お前の魂をいただこう」
ーしかし、魂をとられたくないジャックは10年前のようにー
「わかった……俺の魂をくれてやるからそこの木に実っている林檎をくれ」
ージャックの要求に『どうせ最期だ』っと思って木に登って林檎をとります
ですが、あれ? 悪魔は自分が木から降りられないのに気がつきました
能力的なものではりません
『木から降りられない』のですー
「ハッハハハハ!この木に十字架を刻んだ!
どうだ!降りてはこれまい」
ーそうです。ジャックは10年前と同様に悪魔を罠にかけたのです
そして彼は悪魔に言います
今後一切自分の魂をとりに来ないと誓うなら解放する……っと
悪魔は渋々これを了承しまた冥界へと帰っていくのでしたー
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「……………」
「へぇ、すごいんだね。ジャックは……」
「でも、そいつとカボチャがどう関係してくんのよ」
ブルーローズの問いに並んだ椅子に座っていた
ヒーローといつの間にかいた斎藤さんとアレクサンダー・ロイズが同調する
「それは続きにつながるんだけど………」
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ー再び月日が流れ……
ついに悪魔をも騙す詐欺師ジャックも天寿をまっとうし
あの世へと辿り着くのでした
ですが………ー
「生前の行いが悪かったようだな……」
「貴様は天の国には立ち入れん! 」
ー今まで人々を騙して暮らしていたジャック
彼は天国の門前で天国に入るのを断られ
文字通り門前払いを受けるのでした
そこでジャックは仕方なく地獄へと降りていくのですが
そこで2度、ジャックの魂をとりに来た悪魔と再会しましたー
「天国に俺の居場所はないんだと……」
ー彼は不貞腐れながら吐き棄てます
そして悪魔に地獄に入れてくれと頼みますが……ー
「私にはお前の魂をとることはできない
だからお前は地獄にも入ることはできない」
ーその言葉にジャックは絶望します
『ならば俺は何処へと行けば良いんだ』
悪魔に泣きつくジャックに悪魔は言いましたー
「お前は元の世界を永遠に彷徨い続けるのだな
コレはお前が望んでなった結果なのだ」
ー悪魔は絶望するジャックを可哀想と思ったのか
ジャックに灯りを渡しますー
「ジャック、暗闇の中は寂しいだろう
せめてこれで自分の足元は照らしておくんだな」
ーそう言って灯りを……[ ランタン ]を渡し
悪魔はジャックを見送りました……
永遠に続く永い放浪に………ー
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「……ジャックとランタン…………
これが『ジャック・オー・ランタン』
または、ジャック・オ・ランタン、ジャッコウランタンと呼ばれる由来だね」
「それでジャックのランタンが死者の魂の象徴としてランタンが
カボチャはランタンとして使ったくり抜いたカブよりも豊作をイメージしやすいから
そうなったんだよね」
「え、最初はカブなの⁉︎ 」
「日本なんかだと外国が西洋カボチャに変えてから
そっちの方が見た目にも良いからそうなってるね」
「ハロウィンは始めに悪魔が言った死者の魂が現世に現れる日の事で
だからみんなオバケに仮装しているわけなんだよ」
「悪魔や魔女はイギリス方面のイメージが定着したものだろうね
まぁ、最も今じゃオバケとかっていうか、ただの仮装パーティーだものね」
「……へぇ〜」
「それじゃ、時間みたいだし着替えて街に行こう」
「「「お〜! 」」」
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ーシュテルンビルトー
街はハロウィンを祝い
仮装した市民で溢れかえり
各々楽しそうに騒いでいた
「ライム〜こっち行こう! 」
大きなカボチャの被り物とカボチャのドレスを着たパオリン
それを見つめる2人の可憐な魔女がいた
「祭りを楽しんでて仕事しないの? 」
「良いんじゃない? 今日はハロウィンだよ? 犯罪者も楽しんでるよ」
「それはそれでどうなの? 」
「市民との触れ合いも大事だって言ってたよ? 」
白に紫のラインの入ったドレスと帽子を被った葵が
色がブルーに白のラインの入ったブルーローズ……カリーナに
囲われている狼男に扮した虎徹やドラキュラバーナビー
他のヒーロー達の方を指差す
「みんなお祭りを楽しんでるから良いでしょ? 」
「………」
「………」ギュ
「⁉︎な………」///
突然葵はカリーナの手を握りしめパオリンの元へと走り出した
その顔には作った笑いじゃないイタズラな笑みが浮かんでいた
それを見てカリーナも葵の手を握りしめる
こういうのも良いなぁと思った
大事な友達とこうやって騒げること
ヒーローをやっていて彼女は今、心から幸せを感じているのであった
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「あ! やっぱりブルーローズ! 」
繋がれた手を見て嫉妬の炎を燃やすパオリン
そしてそれを何者かがビルの上から覗いていた
「………」
マントを風に靡かせ
掌のような模様のマスクを被り
その人物は空に浮かぶ月を見上げ呟いた
「タナトスの声を聴け…………」