セカイ少女; 荊棘∞瑞希   作:であであ

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第1話 見つからない答え

●奏の部屋(25時)

 

〔SE:パソコンをカタカタ〕

 

奏「とりあえず、作詞も作曲も絵も完成したね」

 

まふゆ「出来ることは全部やった。あとは……」

 

絵名「……」

 

奏「えななん、瑞希はセカイにいるの?」

 

絵名「……多分」

 

  〔回想〕

  ・瑞希「ずっと話せなくて……、ごめん。向き合えなくて―――、ごめん」

 

奏「何があったか、聞いてもいい?」

 

絵名「……ごめん、私からは言えない。私が言ったら、ダメだと思う」

 

奏「そっか……」

 

まふゆ「セカイに、探しに行かないの?」

 

絵名「今の私が行っても、Amiaを説得……、ううん、助けられないと思う。なんて言えばいいのか、わからないから……」

 

  〔回想〕

  ・瑞希「ボクはその優しさがみんなの中に生まれちゃうことが――どうしようもなく……、嫌なんだ……っ!!」

 

絵名M「私は、瑞希が男でも女でも、どっちでも受け入れるつもりだ。だけど、瑞希が悩んでるのは……、苦しんでるのは、そこじゃない。私はまだ、それに対しての答えを出せてない……」

 

まふゆ「Amia、消えちゃうかも」

 

絵名「え……?」

 

まふゆ「このままじゃ、セカイに閉じこもったまま、消えちゃうかも。今度こそ、本当に……」

 

絵名「あ……、それは……」

 

まふゆ「私はAmiaに、『逃げてもいい』って言ってもらった。そのおかげで、お父さんに本当の気持ちを伝えることができた。だから今度は、私がAmiaを助けたい」

 

絵名「まふゆ……」

 

絵名M「……そうだよね。ここでグズグズしてても、何も始まらない。もし本当に瑞希が消えちゃったら、それこそ言いたいこと何も言えなくなっちゃう。だったら―」

 

絵名「行こう、セカイに。瑞希を、助けに……!」

 

●誰もいないセカイ(同日・深夜)

 

〔SE:ギチギチと紐を引っ張る〕

 

レン「リン~」

 

リン「ん~、解けない……!」

 

ミク「どうしよう……」

 

〔SE:セカイにやってくる〕

 

ミク「あ、奏」

 

奏「ミク、どうしたの?」

 

ミク「レン、あやとりが体に絡まっちゃったみたいで……」

 

レン「助けて~!」

 

絵名「どんなやり方してるのよ……」

 

× × × × ×

 

リン「よかったね、レン。解けて」

 

レン「体中が痛い……」

 

ミク「ありがとう、みんな」

 

奏「ううん」

 

ミク「今日はどうしたの?」

 

奏「あ、えっと、瑞希を探しに来たんだ」

 

ミク「瑞希……」

 

絵名「どこにいるか知ってる?」

 

ミク「ううん。少し前まで、湖のところに一人で座ってたんだけど……」

 

リン「最近は、全く見ない」

 

絵名「そんな……」

 

まふゆ「どこにいったんだろう……」

 

ミク「何があったのかは話してくれなかったけど……、瑞希、すごく悲しそうだった……」

 

絵名「……」

 

まふゆ「探そう、絵名」

 

絵名「……うん、そうだね」

 

奏「もしかしたら、少し遠くまで行ってるのかも」

 

リン「じゃあ、人手が必要だね」

 

レン「僕たちも手伝うよ!」

 

絵名「ありがとう」

 

× × × × ×

 

〔SE:ザッザッザと足音〕

 

絵名「……いない。ったく、どこ行っちゃったのよ。何も、ずっとセカイに閉じこもってることないのに……」

 

絵名M「ちゃんと、ご飯とか食べてるのかな……。ちゃんと、眠れてるのかな……」

 

絵名「はぁ~、結構遠くまで来ちゃった。そろそろ戻らないと、私が迷子に―」

 

〔SE:ガリッと何かを踏む〕

 

絵名「ん、今なにか踏んだ……?なんだろう、このキラキラしたの……」

 

× × × × ×

 

まふゆ「瑞希、見つからなかった」

 

奏「私も……」

 

ミク「どこに行っちゃったんだろう……」

 

絵名「……」

 

まふゆ「そう言えば、探してる途中でこんなの見つけたんだけど」

 

奏「あ、私も」

 

絵名「私も見つけた。このキラキラしたの、何なの?」

 

ミク「それは、想いの欠片だね」

 

絵名「想いの欠片……?」

 

ミク「このセカイは、誰かの想いでできている。でも、全ての人の想いがセカイになるわけじゃない。これはそんな、まだセカイになりかけの想いの結晶」

 

まふゆ「結晶、か……」

 

〔SE:タッタッタと足音〕

 

レン「みんな~」

 

ミク「瑞希、見つけた?」

 

リン「ううん、見つけられなかった」

 

レン「ごめん……」

 

絵名「謝らないで。私たちも同じだから」

 

リン「でも、何かキラキラしたの持ってきたよ」

 

奏「リンとレンも?」

 

絵名「みんな見つけてきたんだね」

 

まふゆ「こんな偶然、あるんだ」

 

リン「これ、想いの欠片だよね」

 

ミク「うん」

 

レン「……でも、何か黒くない?」

 

ミク「え?」

 

リン「確かに、他のより黒く淀んでるような……」

 

レン「何か、悪い感じがする……」

 

〔SE:禍々しい何かが噴出する〕

 

絵名「な、何……!?」

 

ミク「これは……!」

 

〔SE:不気味な笑い声が重なる〕

 

絵名「な、何こいつら……、気味悪い……!」

 

レン「ち、近づいてくるよ……!」

 

奏「と、とりあえず―」

 

リン「逃げろーっ!」

 

〔SE:ダッダッダと慌てた足音〕

 

× × × × ×

 

〔SE:ダッダッダと慌てた足音〕

 

まふゆ「あっ……!」

 

〔SE:ドンッと転倒する〕

 

奏「まふゆ……!」

 

〔SE:不気味な笑い声、迫る〕

 

まふゆ「あ……、あ……」

 

絵名「まふゆ、立ちなさい……!」

 

まふゆ「た、助け―」

 

〔SE:鋭い斬撃〕

 

まふゆ「え……?」

 

〔SE:スタッと華麗に着地〕

〔SE:細い風が吹き抜ける〕

 

まふゆ「あ、あなたは……」

 

瑞希「……『アクイ』は、ボクが倒す」

 

絵名「瑞希……?」

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