セカイ少女; 荊棘∞瑞希   作:であであ

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第11話 荊棘の道の果てに

●セカイの狭間(同日・25時)

 

優李「……ここは」

 

〔SE:コトコトと足音、響く〕

 

??「ラーラララーラーラー……♪」

 

優李「……綺麗な歌声。って、あれは―」

 

ミク「初めまして、景谷優李くん」

 

優李「ミ、ミクだ。三人目のミク……」

 

ミク「ありがとう、彼女の心を救ってくれて。ずっと、ここから見ていたよ」

 

優李「え……?」

 

ミク「もし君がいなかったら、彼女は永遠に心を閉ざしたまま、あのセカイで朽ち果てていた」

 

優李「……俺は、何もしてないよ。暁山さんを励ましたのは、東雲さんたちだし……」

 

ミク「でも、そのきっかけを……、答えの足掛かりを示したのは君だよ。だから、ありがとう」

 

優李「……そっか。まぁ、暁山さんが無事なら、良かったよ」

 

ミク「ねぇ、ここで私と一緒に、セカイを見守ろうよ」

 

優李「え?」

 

ミク「君は、君の想いによってもう元の世界に戻ることはできない。でも、ここならみんなを見守ることができる。君の恋い慕う、彼女のことも。ずっと、永遠に……」

 

優李「永遠に、か……」

 

ミク「……」

 

優李「……それも、悪くないかな」

 

ミク「うん!」

 

●瑞希の部屋(同日・深夜)

 

〔SE:時計の針がカチカチ〕

 

瑞希「戻って、きた……」

 

瑞希M「この匂い、懐かしい……。ボク、本当にずっと、あのセカイにいたんだな。もう、力もない、変身もできない……。する必要もないんだけど」

 

  〔回想〕

  ・優李「暁山さんが俺の心を救ってくれたみたいに、今度は俺が、暁山さんを永遠に守ります……」

 

瑞希「景谷くん……」

 

●瑞希の部屋(数日後・25時)

 

〔SE:パソコンをカタカタ〕

 

奏「あとは、AmiaのMVが完成すれば、曲をアップできるね」

 

絵名「Amiaがいなかったから、MVだけ完成してないのよ」

 

まふゆ「ずっと歌詞、作り溜めてた」

 

瑞希「あはは、ごめんごめん……」

 

絵名「……Amia、なんか元気ない?」

 

瑞希「え?」

 

絵名「もしかして、まだ体の調子がよくないとか……?」

 

奏「戻って来たばっかりだし、無理して作業しなくても大丈夫だよ?」

 

瑞希「ち、違う違う……!体は大丈夫だよ。前までのが嘘みたいに絶好調!」

 

絵名「そう、ならいいけど……」

 

瑞希「……」

 

〔SE:ミク、スマホに現れる〕

 

奏「あ、ミク」

 

ミク「みんな、こんばんは」

 

絵名「どうしたの?セカイで、何かあった?」

 

ミク「ううん。ちょっと、瑞希に頼まれごとしてて」

 

まふゆ「頼まれごと?」

 

瑞希「ミク、見つかった?」

 

ミク「……ううん」

 

瑞希「そっか……」

 

絵名「……あ、もしかして、景谷くんのこと?」

 

ミク「あの日、新しく生まれたセカイに、アクイと一緒に消えていった。それ以来、セカイでは見てない」

 

絵名「確かに、学校にも来てないかも……」

 

まふゆ「じゃあ、景谷くんはもう……」

 

奏「……」

 

瑞希「……ボクのせいだ」

 

絵名「え……?」

 

瑞希「ボクが、景谷くんを巻き込んだから……。景谷くんにだって、もっと他にやりたいこと……、叶えたい想いがあったはずだ……。それなのに、ボクを庇って、アクイと一緒に……。結局、景谷くんの気持ちにも答えることができなかった……、アニメの話ししようって約束だって……。ボクは、景谷くんの気持ちを……、想いを蔑ろにしたんだ……!」

 

ミク「瑞希……」

 

絵名「それは、違うと思う」

 

瑞希「……え?」

 

絵名「景谷くんね、Amia……、瑞希の話しする時、凄く楽しそうで……。瑞希が好きで、瑞希を永遠に守りたいって想いは、景谷くんの心からの想いだったと思う。そうじゃなかったら、新しいセカイを作るなんて、きっとできない。だよね、ミク?」

 

ミク「うん。それができちゃうほど、あの子は瑞希が好きで、守りたいって思ったんだと思う」

 

絵名「景谷くんは、自分の想いを叶えることができたんだよ」

 

瑞希M「そっか……、景谷くんがボクを守ってくれたのは、自分で望んだことだったんだ。だったら、ボクが出来るのはその想いに応えることだ……、今度こそ。景谷くんの分も、ボクが今を生きなくちゃ。一人でセカイに閉じこもってるんじゃなくて、みんなと一緒に……!みんなにも、たくさん迷惑かけちゃったからな」

 

瑞希「ふふっ」

 

絵名「……さっきまで落ち込んでたのに、今度は笑ってる」

 

まふゆ「忙しいね」

 

瑞希「いつまでも、クヨクヨしていられないなって思ってね」

 

奏「うん、そうだね」

 

瑞希「よ~し!というわけで、今週末ニーゴのみんなで打ち上げやりたいと思いま~す!」

 

絵名「ちょ、いきなりすぎるでしょ!」

 

瑞希「久しぶりの4人での活動だから、気合入れて行かなくちゃね!」

 

奏「よかった。いつものAmiaに戻ったね」

 

まふゆ「この感じ、懐かしい気がする」

 

絵名「じゃあ今回は、Amiaの奢りってことでいいのかしら?」

 

瑞希「もちろん!みんな、好きなものいっぱい食べてよ!」

 

《了》

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