●誰もいないセカイ(同日・深夜)
絵名「瑞希、なの……?」
瑞希「……っ」
〔SE:ダッと飛び出す〕
〔SE:鋭い斬撃音〕
奏「これ、どういうこと……?」
ミク「分からない……。けど、瑞希が助けてくれてる……?」
カイト「ぐあっ……!」
〔SE:ドサッと地面に倒れる〕
〔SE:タッタッタと足音〕
ルカ「カイト!」
メイコ「平気……!?」
カイト「……あぁ」
レン「みんな……!」
リン「カイトも、戦ってたんだ」
カイト「ミク、何なんだ、あいつらは……」
ミク「分からない……」
瑞希「……そっちもか」
〔SE:鋭い斬撃音〕
カイト「あれは……、暁山瑞希、なのか……?」
奏「多分……」
絵名「もう、何が何だか……」
レン「あの可愛い服は、瑞希ちゃんっぽい」
リン「確かに」
まふゆ「でも、苦しそう」
レン「え?」
まふゆ「見たくない現実から目を背けてる……、そんな感じがする」
絵名「瑞希……」
〔SE:鋭い斬撃音〕
〔SE:スタッと着地〕
瑞希「はぁ……、はぁ……、はぁ……」
〔SE:タッタッタと足音〕
絵名「瑞希……!」
瑞希「……や、やっほ~、みんな。久しぶりだね~」
絵名「久しぶりじゃないわよ、心配したんだから!家にも、セカイにもいなくて……」
瑞希「あはは、ごめんね……」
絵名「それに、その格好……」
瑞希「あ~、これ?似合うでしょ~」
レン「うん、瑞希ちゃん可愛い」
瑞希「へへへ~」
絵名「どうして、戦ってるの?」
瑞希「その~……、魔法少女、的なのになったんだよね~」
絵名「はぁ?」
瑞希「今のボクは、アクイからセカイを守る、正義のヒーローだよ!」
奏「アクイ……、戦う……?」
まふゆ「意味が分からない……」
??「それは、私から説明するよ!」
〔SE:キラキラと羽ばたく〕
奏「あなたは……」
まふゆ「ミク……?」
ミク「私?」
絵名「でも、姿が全然違う……」
幻妖「私は、想いの欠片から生まれたもう一人のミク。『幻妖のミク』だよ」
ミク「幻妖の、ミク……」
幻妖「今は、瑞希と契約して一緒にいるんだ」
絵名「契約?」
幻妖「セカイ少女になって、このセカイをアクイから守る契約だよ!」
カイト「おい、アクイとはなんだ。さっき見つけた想いの欠片から、あれが飛び出してきた。このセカイは、一体どうなっている?」
幻妖「そうだね、じゃあ詳しく説明するよ!まず、みんなが見つけた想いの欠片だけど、あれはただの想いの欠片じゃない」
ミク「ただの、欠片じゃない?」
幻妖「あれには、想い主の悪意が込められているんだ。それがどういうわけか、このセカイに散らばってしまった。そこから生まれるのが、アクイだよ」
レン「さっき、瑞希ちゃんが戦ってた……」
幻妖「このまま放置すれば、事はこの誰もいないセカイだけに留まらず、他のセカイにも影響を与えちゃう。だから瑞希には、アクイを倒して浄化してもらってるんだ!」
カイト「浄化……。想いとアクイには、どんな関係がある?」
幻妖「想いと悪意は、表裏一体。最初は純粋だった願いが、ふとした時に誰かの不幸を願ってるってこと、よくあるよね。自分の想いを叶えることは、時として誰かの想いを踏みにじるってことなんだ。それを、元の純粋な想いに戻すことが、私と瑞希の使命だよ」
絵名「瑞希……」
瑞希「まぁ、そういうこと。心配しないで、ボク超強いんだから!さっきも見てたでしょ?今のところ全勝無敗!」
幻妖「だから、少しの間、瑞希を私に貸してほしいんだ。いいかな?」
絵名「瑞希は、それでいいの……?」
瑞希「……もちろん。みんなのことは、ボクが守るからね!」
絵名「……」
瑞希「ニーゴの活動は少し休むことになっちゃうけど……。これが終わったら戻るから、必ず。だから今は、ボク抜きで曲作っててよ!」
奏「瑞希……」
幻妖「瑞希、アクイが出たよ、行こう」
瑞希「じゃあね、絵名、みんな!」
〔SE:ダッと飛び立つ〕
カイト「おい、ミク、まふゆ。お前らは気づかなかったのか?このセカイの異常に」
ミク「えっと……」
まふゆ「私は気づかなかった」
カイト「このセカイは、お前らのセカイだ。気配や力を察知できてもおかしくないはずだ」
メイコ「ちょっと、二人を責めても仕方ないでしょ?」
カイト「……ちっ」
〔SE:不機嫌な強い足音〕
ルカ「気、立ってるわね」
メイコ「でも、あなたたちもしばらくこのセカイには来ない方が良いかもしれないわね」
奏「え?」
メイコ「あいつら、カイトでさえ防戦一方だった……」
ルカ「私たちは、自分の身を守るので精一杯になるわ。あなたたちまで守る余裕、ないと思うの」
リン「レン、私のこと守ってね」
レン「え?えっと……、う、うん……」
まふゆ「そうだね。私たちは、現実世界にいた方がいいかもしれない」
奏「そうだね。みんな、気を付けてね」
ミク「うん」
絵名「……」