セカイ少女; 荊棘∞瑞希   作:であであ

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第4話 悲劇のヒロイン

 

●奏の部屋(数日後・25時)

 

〔SE:パソコンをカタカタ〕

 

奏「とりあえず、イラストの方はそれで問題ないかな」

 

絵名「……」

 

奏「えななん?」

 

絵名「……え?あぁ、うん、ごめん」

 

奏「ううん、大丈夫。私も、そんなに捗ってないから」

 

まふゆ「あんなの見せられた後だからね」

 

絵名M「瑞希、何を考えてるの……?」

 

  〔回想〕

  ・瑞希「……もちろん。みんなのことは、ボクが守るからね!」

 

絵名M「あんたは、本当にそれでいいの……?」

 

〔SE:スマホにミクが現れる〕

 

奏「あ、ミク」

 

まふゆ「無事だったんだ」

 

ミク「うん、私たちは大丈夫。きっと、瑞希のおかげ」

 

絵名「……」

 

奏「それで、どうしたの?」

 

ミク「あのね……、瑞希の体がおかしいんだ」

 

絵名「え、おかしいって……?」

 

ミク「勘違いかもしれない……。けど、黒く淀んでて……、あの時見つけた欠片みたいに」

 

まふゆ「どういうことだろう……」

 

ミク「嫌な予感がする……。このままだと、まずいことになるかもしれない……」

 

絵名「そんなの、助けなきゃ……!」

 

●誰もいないセカイ(同日・深夜)

 

絵名「瑞希ーっ!瑞希ーっ!」

 

奏「いないね……」

 

絵名「ていうか、こんな広いところで闇雲に探したって……」

 

??「あれ、君たちは―」

 

〔SE:キラキラと羽ばたく〕

 

幻妖「確か、瑞希のお友達、だったよね」

 

ミク「あ、もう一人の私」

 

絵名「ねぇ、瑞希はどこ?ちょっと話したいんだけど」

 

幻妖「瑞希は今、アクイと戦ってる最中だよ。邪魔、しないであげて」

 

絵名「邪魔って……、あんた瑞希の体に起きてる異変、知ってるの?」

 

幻妖「異変?」

 

絵名「契約してるんだったら、そのくらい把握しときなさいよ」

 

幻妖「……まぁ、最近は毎日のようにアクイと戦っているからね」

 

ミク「瑞希の体が、私たちがあの時見つけた欠片みたいになってる。このまま戦い続けたら、瑞希はどうなるの?」

 

幻妖「……知らないよ、そんなの」

 

絵名「知らないって……!」

 

幻妖「セカイには、日々いろいろな想いが生まれている。そして、それと同じくらい悪意も芽生えている。一体、何をそんなに憎んで、嫌って、妬んで、恨んでいるの?これは全部、君たち人間のせいだよ。それを、瑞希は自ら戦ってくれているんだ」

 

絵名「それは……」

 

??「なら、人間じゃない俺の言葉なら、お前は聞くか?」

 

〔SE:静かな足音〕

 

奏「カイト」

 

幻妖「ボーカロイドだって、セカイの住人だって、悪意を生むことはあるよ」

 

カイト「なら、それはお前も一緒だ。むしろ、悪意に塗れているように、俺には見える」

 

幻妖「……言いがかりはやめてほしいなぁ、あはは」

 

カイト「瑞希に会わせろ。お前では話しにならない」

 

幻妖「……分かった、着いてきて」

 

× × × × ×

 

〔SE:鋭い斬撃〕

 

瑞希「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

絵名「瑞希……!」

 

瑞希「え、絵名……!?それにみんなも……!」

 

絵名「ねぇ瑞希、体は平気なの?どこかおかしいところとか……」

 

瑞希「大丈夫、この通りピンピンしてるよ!最近ずっと戦ってたから、ちょっとお疲れ気味だけど」

 

絵名「もういいじゃない。どうして瑞希は戦ってるの?」

 

瑞希「どうしてって……、ミクと契約してみんなを守るために……」

 

絵名「でも、あの時の瑞希、苦しそうだった……」

 

  〔回想〕

  ・瑞希「……もちろん。みんなのことは、ボクが守るからね!」

 

絵名「本当は、何を考えてるの……?」

 

瑞希「……セカイがこうなったのは、ボクのせいだから。だから―」

 

カイト「正義のヒーロー……、いや、悲劇のヒロイン気取りか?」

 

瑞希「え……?」

 

カイト「全てを一人で背負い込むことが正しいと思っているなら、それは大きな間違いだ。そんなことをしたって、このセカイは―」

 

瑞希「ボクがやらなきゃいけないんだっ!」

 

絵名「瑞希……」

 

瑞希「ボクのせいなんだ……、ボクが最後に悪意を生み出したから……!何もかもから逃げた挙句、みんなに酷いこと考えて……、それでボクがセカイを壊しちゃうなんて、そんなの耐えられない……!もしみんなが消えちゃったら、ボクだって本当に……」

 

まふゆ「酷いこと……?」

 

瑞希「……大丈夫、この戦いが終われば、またみんなと一緒にいられるから。全部話せて、優しさもなくなって……、そしたらボクは―」

 

絵名「瑞希、それって―」

 

幻妖「アクイだ、瑞希」

 

〔SE:不気味な笑い声、迫る〕

 

瑞希「……っ!」

 

〔SE:鋭い斬撃〕

 

瑞希「だから今は、戦わなきゃいけないんだ……」

 

絵名「瑞希……」

 

奏「絵名、危ないから一旦元の世界に帰ろう」

 

絵名「……うん」

 

まふゆ「ミクとカイトも、気を付けて」

 

ミク「うん」

 

カイト「……」

 

●絵名の部屋(同日・深夜)

 

絵名「……」

 

  〔回想〕

  ・瑞希「……大丈夫、この戦いが終われば、またみんなと一緒にいられるから。全部話せて、優しさもなくなって……、そしたらボクは―」

 

絵名「瑞希……、あれって……」

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