セカイ少女; 荊棘∞瑞希   作:であであ

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第6話 最優先の二人

●宮益坂(同日・夜)

 

絵名「好きって……、瑞希を……?」

 

優李「う、うん、実は……。あ、暁山さんには言わないでね……?」

 

絵名「いや、それは言わないけど……。え、いつから……?」

 

優李「一年の頃かな……。実は俺、元々は全日制の高校に通ってたんだけど、神山の定時制に編入してきたんだ」

 

絵名「あ、そうだったんだ……」

 

優李「俺、見た目通りオタクでさ、ずっと一人で……。ここに来て変わろうって思ったけど、何も成長してなくて……。そんな時に、暁山さんが声をかけてくれたんだ。こんな俺のことも、受け入れてくれて……。それからずっと、暁山さんのこと見てた。さすがに、男の子だったとは思わなかったけどね、あはは」

 

絵名「……私がこんなこと言うのもどうかと思うけど……。男だよ?瑞希。景谷くん、同性に恋してるんだよ?それでも、いいの……?」

 

優李「さっきも言ったでしょ?俺は、暁山さんが男でも女でもどっちでもいいと思ってる。暁山さんは、暁山さんだから。あの時、俺に声をかけてくれて、受け入れてくれた暁山さんが、性別の一つや二つでいなくなるわけじゃない……。これってさ、人間は顔じゃなくて中身だよ、の最たるものじゃない?」

 

絵名M「瑞希が男でも、女でも良い……。それは私も、受け入れてる。その上で、なんだ……。そっか……」

 

絵名「ありがとう、景谷くん。ちょっと、分かったかもしれない」

 

優李「そっか。で、暁山さんが大変なことになってるっていうのはなに?」

 

絵名「うん、景谷くんにも手伝ってほしい」

 

優李「もちろん、俺に出来ることなら何だってするよ。それで―」

 

絵名「でもごめん。その前に、話さなきゃいけない人がいるの」

 

優李「え?」

 

絵名「景谷くんの前に、話さなきゃ……、伝えなきゃいけない人が二人、いるの……」

 

●絵名の部屋(翌日・25時)

 

〔SE:ナイトコード、ログイン〕

 

絵名「二人とも、いる?」

 

まふゆ「いるよ」

 

奏「えななん、大丈夫?」

 

絵名「……うん、私は平気。やっぱり、ずっとこのまま黙ってるわけにはいかないから」

 

奏「そうだね。私たちも、えななんが何を知ってるのか、瑞希から何を聞いたのか知りたいよ」

 

絵名M「これはきっと、瑞希から言わなきゃいけないこと」

 

  〔回想〕

  ・男子高生A「君も男だったりする感じ?」

 

絵名M「それに、下手したら私もあいつらみたいになりかねない……。そう思って、言うのを躊躇ってた。でもこれで、瑞希をあのセカイから……、戦いから救うことができるなら―」

 

絵名「実はね……、瑞希は、男の子なの」

 

奏「……え?」

 

まふゆ「……」

 

絵名「見た目は完全に女の子なんだけど、中身は男の子で、本人もその自覚はあるみたい……」

 

奏「……そう、だったんだ。私たちが、初めて会った時から、ずっと……」

 

絵名「うん。瑞希もずっと言おうとしてたけど言えなくて、苦しんで……。それでこの前の文化祭の日、やっと私に話してくれたの。いずれは、二人にも話そうとしてたみたい」

 

奏「あ……」

 

  〔回想〕

  ・瑞希「今度また会って話せないかな?……ふたりに、話したいことがあるんだ」

 

奏「そっか……」

 

絵名「決して、騙そうとかそういうことじゃないの。だから、瑞希を責めないであげて」

 

奏「それは、もちろん。少し驚いたけど、でも私にとって瑞希は瑞希だから……。それは、性別で変わったりはしないよ」

 

絵名「奏……」

 

まふゆ「……」

 

奏「まふゆ……?」

 

まふゆ「……」

 

絵名「……気持ちは分かるよ。ずっと、女の子だと思って接してたもんね。私だって、今考えたら結構セクハラチックな発言されて―」

 

まふゆ「知ってた」

 

絵名「……え?」

 

まふゆ「知ってた」

 

奏「まふゆ……」

 

絵名「え、知ってたって……、えぇ!?い、いつから!?」

 

まふゆ「私が、初めてセカイに閉じこもった時。瑞希も、人には言えない、何か大きな悩みを抱えてるって思った。それから、いろいろ関わっていく中で、もしかしたらそうなのかもって思うようになった。それで、今のえななんの話しを聞いて、確証に変わった」

 

絵名「何だ……、そうだったんだ~……。もう、知ってるなら知ってるって先に言いなさいよ」

 

まふゆ「それはどうなの?」

 

奏「この中で最後まで知らなかったの、私だけだった……」

 

まふゆ「それで、どうして急に話そうと思ったの?」

 

絵名「……実は、瑞希の秘密を知ってて、瑞希を気にかけてくれてる人がいるの」

 

奏「気にかけてくれてる人?」

 

絵名「うん、クラスメイトなんだけど。その人を、私たちのところに……、セカイに招待したい」

 

まふゆ「セカイに……」

 

絵名「瑞希を救おう……、今度こそ、みんなで……!」

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