激重感情短編集   作:五足歩行

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こういう関係もありだと思います

実在する物が色々出てきますが批判や攻撃の意図はありません。


悪友

 

 幼い頃に祖父の家の大きな蔵にて怪しげな本を見つけた。他にも目を惹かれるものは視界いっぱいにあったが、丁寧な革の装丁で表紙には金色の英語のタイトル。手に取らない訳がなかった。

 

 庭で芝刈りをしていた祖父にこれは何だと聞いても

 

「わしのジジイからよぉ、先祖の代からある物を守れとしか言われてないからわしにも分からん。そもそも中身に興味無ぇんだわ。」

 

 と言われ、俄然興味が出てきた俺は祖父に孫パワーをこれでもかと発揮し許可を貰って持ち帰った。

 

 図書館で借りてきた英語辞典とにらめっこしながら翻訳すると

 

 

『悪魔と友達になる方法』

 

 

 と表紙に書かれていることが分かった。ドラゴンの飼い方とかそういった類のジョーク本だろうと思い落胆した思い出がある。

 

 いざ読もうとしたが小説かと見紛うくらいの長文に嫌気がさし、結局読めずじまいでどっかに放り投げたまま忘れてしまっていたのだが、先日実家に帰った時に自室の押入れからこれを見つけた。懐かしい気分に浸ると共にペラペラと数ページ捲る。

 

「そういえば、あんたちっちゃい頃それに夢中だったわね。」

「んー、だって和紙でできた草書とかの中に一つだけ革の本があったんだもん。特別感が凄かったし。」

 

 今ならスマホもあるし読めるだろう。えーと…このページは召喚に必要な素材か。サソリのシッポに100o(約2.8kg)zの牛肉、召喚者の爪と髪の毛…いかにも悪魔らしい素材だ。100オンスってkg換算にするとどれくらいなんだ?

 

 自分の家に帰ってからやってみた。サソリは手に入りづらいしそれだけの為に買うのも気が引けたのでガチャガチャから出たやつで代用。肉が高かった…

 

 魔法陣は…白紙に書けばいいのか。思ったより簡素だな…よし、これでいいのか?後は素材をこの上に置いてと。

 

「えーと…応えよ、私は望む。貴き世界の顕現を…つってな。」

 

 特に変化は無い。遠くで子供が遊んでいる声が聞こえるくらい静かだ。ちょっと羞恥心。

 

「まぁ何も起こらんわな。この肉どうすっかな…ん?」

 

 突如魔法陣から眩い光が発し、目の前が真っ白になった。

 

「うわぁぁ!?」

 

 光が収まると、そこには女性の推定悪魔が立っていた。肌は病的なまでに白く、山羊のような角、瞳孔は水平に長い。コウモリの翼と矢のように鋭い尻尾も生えている。100悪魔だコレ。…ほんとに喚べちゃった…どうしよう。

 

「おっ!外に出れたのは何世紀ぶりだろ。私はバフォメット、君が今回の召喚者だね?」

「まずいな…送還の方法が書いてるページってどこだ…」

「ちょいちょいちょい!勝手に悪魔喚んどいてそりゃないでしょ!」

 

 この本を見つけて興味本位でやってみたら出来ちゃったんですと説明した。

 

「なるほどね…てかオイ儀式素材サボったろ?このシッポ本物じゃねーな?」

「結果的に喚べたから良いのでは…?」

「良くねーよ!悪魔としての沽券に関わる大問題じゃい!」

「使った素材あげるので…」

「肉はいいとしてそれ以外いると思う?誰が初対面の君の爪と毛喜んで持ち帰るのさ。」

 

 ごもっともです。

 

「まぁいいや。喚ばれた事だしそんじゃあ君の願いを言ってみせよフェーズに移行!世界一の億万長者?絶世の美女とお付き合い?それとも世界征服で国旗を一つだけにする?」

「うーん………保留って願いはいける?」

「ダメに決まってんでしょ。これだからZ世代は…」

 

 インターネット老害のようにくどくど説教された。悪魔と友達になる方法って書いてたからそういうものだとは思わないじゃん!てか封印されてたくせに妙に流行語に詳しいな!

 

 あっそうだ友達になってもらったら解決か。

 

「っじゃあさ、バフォメット、俺と友達になってくれ!」

「いいよん。」

「っしゃ!」

 

 これで帰ってもらって万事解決!

 

「よし、肉はあげるからもう帰っても…」

「んじゃ同級生になっとくんで明日からヨロピクー」

「え?」

 

 あいつはそう言って煙に包まれて消えた。同級生?…まさか…

 

  その翌日、胸中に渦巻く嫌な予感はバッチリ的中するのだった。

 

「はいみんなおはよう。ホームルームの前に、いきなりですが転校生を紹介します。」

「……」

 

 クラス中が色めき立つ。イケメンかカワイイ子どっちかなとテンションが絶頂を迎えている中、俺は昨日のことを思い出して渋い顔をした。

 

「なんだよその顔wお前も気になるあの子がぽっと出のイケメン君に取られちゃうとかでも思ってんのか?」

「…違う…胃が痛ェ…」

「シンプルに腹痛かよ。かわいそう。」

 

 黙れ…胃に響く…

 

「はいはい気持ちは分かるが静かに、…よし、入ってきてくれ。」

 

 ドアを開き入ってきたのは…いかにも清楚という言葉が似合う美しい女子。でも悪魔なんだよなぁ。

 

「自己紹介、できるか?」

「はい。ルテア・ベルフォメルトです。皆さん、どうか仲良くしてくれると嬉しいです。」

「席は空いてるあそこに座ってくれ。」

 

 ハーフだ!と一気に盛り上がり、俺の隣(ここ重要)の席に着く彼女を全員が注視していると、彼女は俺に向かってバチコン☆とウインクをしてきた。全員の視線が俺に集まる。て、テメェ…

 

「ルテアさん…こいつとど、どんな関係だったの…?」

「んー、最高の友達、かな?」

 

 窓ガラスが割れるんじゃないかと錯覚してしまうくらいの大声量が教室に響いた。うるせぇぇぇ!

 

「ふざけんなよ…この感情はどこにぶつけりゃあ…!」

「知らねーよ!どうせ俺に当てる気満々のくせに…」

「よろしくね。」

「うッス_________」

 

 一瞬で絆されて浄化された。なんと単純なやつめ。 

 

 あれから授業中でも皆ソワソワ浮き足立っている。休み時間には色々聞こうと人だかりができている程だ。

 

「ねぇ一緒にご飯食べない?購買の場所分かんないから案内してよ。」

「げ。」

 

 昼ご飯に誘われた。周囲からはなんか微笑ましい目で見られている。数年ぶりに会えた昔馴染みの友人という設定がもう浸透しているようだ。早すぎない?もはや集団洗脳だろ。

 

 購買で適当なパンを2つ買い屋上に移動する。移動中もだいぶ好奇の視線が集まっていたし、こいつを狙う万年発情期野郎が着いて来ているかもしれないがドアになんか呪文を掛けてたし多分誰も来れないだろう。

 

「ふぁーしんどかった、あんな八方美人なんて私のキャラじゃないやい。」

「ならやめたらいいじゃんか。」

 

 柵にぐでーんと寄りかかりため息をついている。角とか隠してたものが全部出てるぞ。きっとこれを見てしまったらアイドルが裏でヤンキー座りで葉巻ふかしてたのを目撃して数日寝込むくらいのショックに襲われることだろう。

 

「うんにゃ続けるよ。皆の反応面白いから。やっぱいいねぇハーフの転校生っていうステータスはよぉ。チヤホヤされていい気分っ。」

「ハーフなら英語喋れんのって聞かれない?」

「もう聞かれたさ、私ら悪魔の第一言語は古代ギリシア語だから英語はその延長線上。つまりペラペラってコト。」

「普通にすげーじゃん。」

「へへん、悪魔ですので!」

 

 こいつ一般以上の教養があるのが凄いんだよな。日本語も話せてるしどこで学んだんだ?

 

「それに、君だけが本来の私を知っているっつー悦に浸れて良いんじゃない?」

「そうだな、誰がこのピエロを悪魔だなんて見抜けるんだか。」

「誰がピエロじゃい!私まだバルーンアートした事ないから!」

「ピエロの基準そこ?」

 

 ここで予鈴が鳴った。あぁきっとクラス中から質問攻めに遭うに違いない…うお男子の眼力が揃いも揃って直視できねぇほどヤバい。

 

「よぉ…待ちわびたぜ…青春ヤロー…」

「…放課後まねきねこ行こーぜ。あいつも誘うから。」

「やはりカラオケか……いつ出発する?私も同行する。」

 

 だから放課後だっつってんだろ。

 

「はーい古文の時間だぞーい席に着けー。」

「あ、ごめん教科書見せて。」

「んー。」

 

 こいつは急な編入のため、教科書類は持っていない…ということになっている。当然机をくっつけて教科書を見せ合うので周囲の殺気が凄い。なんなら教師(古文)からも飛ばされている気がする。

 

「今日はお前だけにずっと当ててやるからな…」

 

 私怨と負のオーラが酷すぎる。きっと先生の高校時代は灰色だったのだろう。こら、正岡子規の鼻に鼻水を付け足すな。…ふっw

 

「仲睦まじそうで羨ましいなぁ!年齢=独身歴の私に見せつけちゃってさぁ!あーもういいもんね、今日は自習しとけオマエら。」

「センセーこれ俺のせいっすか?」

咲くほどに 散るを知らずや 若き花(青春してられるのも今のうちだぞテメー)。」

 

 返事の皮肉が高度すぎる。

 

 たった一人(一柱?)によって非日常と化した学校生活。それも次第に馴染んで溶け込んで、ほとぼりが冷めてきたある日。…別に他の悪魔が出るとかそういう漫画のような転機も何も無い普通の日曜日なんだけど。

 

 ベル(そう呼べと半ば脅された)と一緒に『悪魔と友達になる方法』を読み解き、ちゃんとした中身を調べていく。

 

「今一度この本を確認していくぞ。」

「翻訳は任せて。」

「じゃあまずは著者コメントから行こうか。」

「今1番いらないとこぉ!」

 

 英語が堪能なベルによってすらすらと本の中身が次々と訳されていく。

 

 初めに書かれていた事は、悪魔とは願いを叶える代償に対価をいただく恐ろしい生物だと…ここは概ね思った通りだ。

 

「上下関係のイニシチアブは必ず握っておきましょうだって。従うかどうかも悪魔次第なのにね。」

「じゃあそこは間違いか。」

 

 今んとこ正確な情報と不確かな情報はそれぞれ半々。うーん…わざと正誤を散らしているのか?

 

「ここ、エサは犬用ペットフードでも可って書いてるけど。」

「ケルベロスでも喚ばない限りキレられて殺されるんじゃない?」

 

 あのケルベロスはペットフードでもいいのか…

地獄の番犬がなんかかわいく思えてきた。

 

「あ、これ重要なとこだね。願いとその対価について。ここはちょい細かく説明しようか。」

「うん。」

「悪魔って願いのレベルにもよるけど基本負の方向の願いを叶えたがるのよね。で、対価もそれに比例したものかそれ以上を要求する。ここは大体ゲームとかでも同じじゃない?」

「そうだね。」

「逆にプラスの願いを叶えてもらうには更に大きい対価を要求されるの。例えば…五千兆円欲しいっ!って言ったら何遍も大統領クラスに輪廻転生しないと稼げない程のレベルだから、悪魔の奴隷になったりする。」

 

 それは頼むやつが愚かすぎる。

 

「ま、嫌いな人をコケさせるとかスイッチ2当選させてくれとか簡単なやつだったらバイキングとか焼肉奢るくらいで済むんじゃない?」

「急に適当…」

「その点私はスーパーベリーホワイト。楽しくさせてくれたら何でも叶えたげるよん。」

 

 ベルは何故か対価の度合いは願いの重さと比例せず、彼女の気分でどうするか決めるらしい。極端な話、殺人の対価がクッキー1枚となる事だってある。もちろん逆も然り。

 

「あ、そこちょっと違うかな。」

「あれ、そうなの?」

「クッキーじゃなくてチョコチップクッキー。できればしっとりしたやつがいいな。」

「至極どうでもいい。」

「は?チョコチップさんを舐めるなよ。セブンのチョコチップ&クッキー最高なんだからな。」

 

 まぁこんな風に悪魔への対価が決まるので、なるべく逆鱗を刺激しない事を勧める。バフォメットの好物はチョコチップクッキーだからみんな覚えておこうね。だから学校の帰りにセブン寄って毎回買ってたのかよ。

 

「そうだ、他の悪魔ってどうなの?」

「基本は皆悪魔の世界に引き籠ってるね。たまに地球に下りてきては誰かを唆したり誘惑したり、ピンポンダッシュ感覚でやってるね。」

 

 イタズラ並の気軽さに対してこちらが被る害がデカすぎる。

 

「で、勝手に喚ぶのは自己責任だから良いけど誰が出るかは完全ランダムなの。運良くベルゼブブとか最高クラスの悪魔を引いたらここら一帯吹き飛んでたね。」

「じゃあ俺最悪死んでたかもしれないの?」

「そそ。仮に助かったとしても私じゃなかったら多分召喚の対価で地獄に連れてかれてたかもだから運が良かったねぇ。」

「か、肩でも揉みましょうか…?」

「きひひっ!今更取って食おうだなんて思ってないから怯えなくてもいいんだよ。」

 

 貴様、この俺様を勝手に喚んだな?じゃあ今からお前の住所コキュートスな。

 

 そうなってたかも…ってコト!?

 

「で、これやっぱマジモンのやつだったね。多分世に二冊と無い超激レア。」

「そんな本が何であの蔵に…?」

 

 祖父の蔵宝物庫説が浮上した。でもあまりにも危なすぎるから爺ちゃん家の焼却炉にぶち込んで灰にしてやろう。

 

「これ燃やすわ、悪魔の被害者が増えちゃう前に。」

「ホントぉ〜?売ればめっちゃ金貰えるんじゃね?」

「いい。人間がどういう生き物ぐらい悪魔なんだし知ってるだろ?」

「きひっ、まぁね。」

「今週の土曜に爺ちゃん家で燃やす。来るか?」

「もち。だって友達でしょ。そして友達がする事と言えばゲームでしょ。今夜は寝かせないぜ?」

「いや明日学校…」

「いいからさっさと座ってレバー握りなっ。」

 

 手を叩くとアーケード版の北斗の拳が2つドスンと部屋に現れ、ベルは意気揚々と片方に座った。え?

 

「バスケは好きかいニュービーっ、ドリブルしてやんよ。」

 

 どうやらトキ使いのようだ。え?

 

 

 


 

 

 

「おー、程よく田舎だねぇ。」

「少し離れてるけど都心に行く駅もあるし結構憧れで住み始める人が昔からいるんだよね。」

 

 電車を降り、10分程歩くと小さい山の麓に位置する祖父の家が見えた。その横の雑木林のけもの道を少し分け行くと例の蔵がある。

 

 相変わらず入口の扉の鍵はかかってない。田舎だしよくある事だ。ここら辺は空き巣よりもヒグマが怖い。

 

「おーい?いるー?…山に行ってるのか?」

「…んー?」

「く、来るな…」

「!?じいちゃん?」

 

 居間のソファで辛そうに横になっている。頭から血が流れてる!何があった?

 

「あいつら…警察を装って蔵の中身を盗みにきやがった…」

「蔵だね!?そこから動かないで安静に!」

 

 急いで飛び出し、蔵までの道すがら救急車と本物の警察を呼び、到着すると扉を壊そうとしている6、7人の集団がいた。

 

「マジか!頼む、蔵を守ってくれ!」

「いいよん。」

 

 ベルが腕を横一直線に軽く振ったかと思いきや集団全員が口から血の泡を吹きだした。突然の事で呆気にとられている間にそのまま続々と倒れていく。

 

「うおおおあっ!!」

「なぁに驚いてんのさ。ノータイムで頼んだのは君でしょ?」

「何も殺せとは言ってない!」

「だってー、ちろっと”視た”けどあいつらだいぶワルだよ?強盗殺人は常習、イケナイ薬に人の売買。裏の実績は満貫飛んでトリプル役満のクズどもさ。」

「もう少ししたら警察が来るんだぞ!?これっ…これどうするんだよ!」

 

 友達の悪魔がやりましたと正直に言っても捕まるのは多分俺になるだろうし…

 

「そう焦りなさんな。あ、午後ティー飲む?ちな微糖ね。」

「いらないよ!」

 

 こんな状況で飲めるか!

 

「だからぁ、何のために私が着いてきたと思ってんのさ。ほいパッチーン。」

 

 指パッチンをすると目に見えるだけの白い波動が広がった。

 

「これで警察は君が正当防衛のため行ったと認識する。死体は気絶してる風に見えるから無問題って事。君の判決は…ンンン無罪ィっ!てか感謝状案件っ!」

「は…はは…なんだそりゃ…」

「とりあえず君はそこら辺の木に寄っかかって怯えてるフリしとけばいいっしょ。多分察してくれるって。」

 

 数分後、警察と救急車が到着し、搬送された祖父は打撲と額を切る軽傷を負った。あいつらは目を覚まさないので同じく救急車で搬送された後、全員が違法薬物のODによる死亡として処理された。普通じゃありえないタイミングだが、これもベルの認識改変だろう。

 

 俺は死んでしまったとはいえ犯罪者集団を捕らえられたお手柄として感謝状を貰った。…到底俺が手にしていいものでは無い。

 

 結局その騒動のせいで本は燃やせず終い。未だに俺の家にある。

 

「いいねぇいいねぇ、全国に広まったこのベストショット!ネットが程よく騒いでるよ!」

「いたずらとか特定とかが怖い…」

「そこら辺は任せんしゃい。どう足掻いても近づけられないようにしたから。学友とか知り合いとかは流石に無理だけどネ。」

「そっか…ありがとう。」

 

 ホント、なんでか知らんがずっと良くしてくれるな…

 

「あのさ、ベル。もう…この関係は終わりにしないか?」

「どうしたのさ急に。」

「…怖いんだ。どんな願いも叶えてくれる君がいる事で俺は…いつかきっと悪に手を染めてしまうだろうって思ってしまったんだ。」

「願われない限り勝手なことしないよ〜?」

「いや、これはベルに頼ってばかりの俺自身への決別だ。だから、明日俺は送還の儀式をする。」

「…は?ちょっと待ってよ!」

 

 予めやり方はメモをしておいたし、材料も買ってある。

 

「いつまで経っても対価を要求してこないベルに欲で目が眩みそうになる!…分かるか?俺だって浅ましい人間の一人なんだよ。」

「対価なんて___」

「ストップ、それ以上言わないでくれ。これは俺の最後の願いだ。悪魔の世界へ帰れ。」

「…やだよん。」

「っ!どうして!これは正真正銘の願いだ!」

 

 ベルは面倒くさそうに頬を掻いている。

 

「君に犯罪の片棒を担がせる訳には行かないんだ!」

「あーあ、なんて身勝手で優しいんだ今回の召喚者は。グラブジャムンよりも甘ったれだよもう。つーか私悪魔なんだよ?犯罪くらい今更なーんにも思わないっつの。」

「でも…!」

「でもじゃないの。とにかく、私は帰りませんよだ。友達になれって言ったのそっちだかんね?」

 

 そうだけど、それはもうおしまいじゃないのかよ…!?

 

「ちょっと悪魔らしくないけど、対価は記憶はそのままに私と君で過ごした日々の思い出。それも持ちきれないほどのおつりが来るレベルで貰ってるから。」

「なんだよそれ…」

「きひっ、叶える叶えない、それの対価は私の気分次第って言ったでしょ?ちなみに有効期限もね。だから友達になるって願い、その点においてはアドだったんじゃない?」

 

 ニヤリと笑い、俺の肩に撓垂れ掛かる。

 

「私にこんな感情植え付けちゃって、どう責任を取ってくれるのかなぁ?」

「ハハッ…悪魔め…」

「そうさ私は悪魔。なので永遠に付き纏います。末永く観念しやがれよ?」

 

 確かあの本によれば、誤って悪魔と友達以上の関係を結んでしまうと良からぬ事が起こるらしい。それはあながち間違いではなかった。

 

「あ、学校中に吹聴しまくって私らカップルにしといたからね。」

「重機使って外堀埋めてる?」

 





入れようかと思ったシーン
「今日はストIIね。私ベガでお前それ以外な。」
「サイコハメやめろ!鬼!悪魔!」
「私は悪魔だよぉぉ!?それそれそれぇぇ!」
「おわぁぁぁぁ!」

これ以上は怒られそうだからやめた
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