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『かつての仲間達と再会する』という目標が決まり、サクとシロナは次の方針を話していた。
「さあて、んじゃどこから回るかだな……」
椅子の背もたれに体重を預けて考える姿勢に入る。
「今の居場所がほぼ確定してるポケモンはどの地方にいるの?」
シロナの言葉に仲間達の所在を思い出す。
「カントー・ジョウト地方とカロス地方で別れた2匹だ。あいつらには監視をつけて一定エリアから出られないようにしてある。特に危険な奴らだからな」
「そう……。とすると、初めはそのどちらかを探すのが無難ね。
近いのはどちらかと言えばカントー・ジョウト地方のほうかしら……」
「じゃあそっからかな。久々に帰省か。まあもう実家ねえけど」
「ジョウト・カントー地方ってことはあの子……ね。1匹目から大変なことになりそう。どこで別れたのよ?」
「両地方の境に位置する『シロガネ山』。一応ジョウト地方の土地扱いだったかな?どうでもいいが」
「当然のように危険地帯じゃない……。
……あっ!あなたが誰に監視を依頼したのかわかったわ。確かに彼以上の適任はいないかも」
シロナが得心のいったように手を合わせる。
心当たりがあるようだ。
まああんな雪山に常駐できるような変わり者など数が知れる。
「……つってもいきなり行っても門前払いだろうな。並のトレーナーじゃ太刀打ちできないってんで入場制限あるし。
シロガネ山の管理者に連絡してアポ取っとかないとな。
……管理者は、ポケモンリーグ扱いになるのか。
じゃあリーグ委員長に許可取るしか無いな。
……あのおっさんふざけた見た目して意外と頭固いから話通すの面倒なんだよな……」
アフロだったりモヒカンだったり常に奇天烈な髪型の丸メガネでちょび髭の小柄なオヤジの顔を思い浮かべる。
「仕方ないわよ。セキエイ高原に構えるジョウト・カントー地方のポケモンリーグは正式には【ポケモンリーグ
ポケモンリーグの総本山で、四天王、チャンピオン制度の始まりの場所で扱いも特別。経営者側とはいえ、事実上世界中のポケモンリーグ運営のトップよ。一つ一つの判断が慎重なのも仕方ないわ」
「ま、そうなんだけどよ……」
歯切れ悪く返事をしながらポケッチで委員長個人の連絡先を探してコールする。
10代の頃ポケモンリーグを荒らしに荒らしていた為連絡先こそ持っているが、通話するなど初めての事だ。
ややしばらくの沈黙の後、繋がった。
「……はい、私ですが……」
「あー、お久しぶりです。委員長、お元気でした?……サクです。シオンタウン出身でシンオウ地方を拠点に活動していた。
ええと、トレーナー引退したその節は大変ご迷惑をおかけしました。すいません」
敬語を使うのはやはり苦手だ、と思いつつも立場とこれからするお願いを考えて下手にでる。
「……サク君、なのか!?久しぶりだな、本当に……。色々言いたいことはあるが、君こそ元気だったのかね?
当時トレーナー引退にもポケモンを逃がしたことにも大層驚かされたが、その後失踪していたそうじゃないか。四天王やチャンピオンも心配していたぞ。『再戦できなかったらどうしよう』と」
「……気になるのは安否じゃなくてまた戦えるかの方かよ!バトルジャンキー共め……」
「それで?用件はなんだ。何も無しに連絡してくる間柄でも性格でもあるまい」
「えぇまあその通り。用件は単純です委員長。
5年前にシロガネ山に逃がした俺のポケモン、まだシロガネ山にいますよね?」
「……うむ。それで?」
「急な連絡なうえに一方的な言い分で申し訳ないんですがまた会いたいんですよ。んで、向こうも同意してくれるなら連れて帰ります。
直で行っても良かったんですが着いた先でトラブルになっても面倒なんで連絡しました。
えー、そんなわけなので、シロガネゲートに着いたらパスできるよう警備員に通達しておいてください」
「……ダメだ」
「ええ、お手数かけま……ん、今なんて?」
「ダメだ。不許可だと言ったんだ。君がかつてのパートナーと再会することは認められない」
「……は?な、何でだよ!」
若干怪しくなりつつもどうにか頑張って使っていた敬語が崩れる。
話自体はすんなり通ると思っていたため焦りで素が出てしまう。
トラブルの気配を感じたのだろう。シロナが目線で「大丈夫?」と聞いてくるので何とも言えない表情を作る。
「……サク君。シロガネ山の入山条件は覚えているかね?」
「えーと……確かジョウトかカントーのジムバッジ8個取得、又は一定以上のポケモンリーグ踏破の成績、だろ?
俺はチャンピオンにこそならなかったがポケモンリーグ優勝者だ。条件は満たしてるはずだ!」
「全く……。サク君。いや、『元』ポケモントレーナー サク。君はトレーナーカードを返却した身だ。早い話、君は今バッジ0個、どころかポケモントレーナーですらない。
無論君が姿を消したのに何か事情があったことは察しているとも。やむにやまれずだったということもな。だが、ルールはルール。守ってもらわねば他のトレーナーに示しがつかない!」
「……クソ!じゃあまたカントーかジョウトでバッジ8個集めなきゃならないっていうのか!」
「残念ながらそれも違う。昔と違って、現在のシロガネ山入山条件は『ジョウト・カントー地方のジムバッジ併せて計16個所持かつ、ポケモンリーグ制覇を最低1回』だ。
長い道のりになるだろうが、本気で取り戻したいと思うのなら頑張りたまえ」
「は、はぁ!?てことは事実上チャンピオンクラスのトレーナーしか山に入れないってことじゃねえか!!
なんだってそんな面倒になったんだよ!!こっちは自分のポケモンに会いたいってだけの話だ!シロガネ山がどれだけ危険だろうが俺なら問題ない!」
焦りと怒りでいよいよ生来の気質である口の悪さが取り繕えなくなってきた。
……そして。
俺の言葉にポケッチの向こうでブチッ、と血管がキレる音がした、気がする。
「なんで、だと……?
……お、ま、え、の、せ、い、だ、あああ!!
こんの問題児に問題ポケモンが!お前があんっっな危険なポケモンを放ったせいで(許可したの私だけど)並のトレーナーは山に近づくことすらできなくなったんだ!!調査隊すら派遣できん!!
人が近づけば雪崩を起こすわ、洞窟に侵入するポケモンがいたら地震で崩落させようとするわ、しまいには元より万年雪が降り積もるシロガネ山に砂嵐を発生させて、常時雪と砂が吹き荒れる異常気象を生み出しよった!
地方一番の危ない土地から世界有数の危険地域にランクアップだ!!
私だって、私だって連れ帰ってもらえるものならさっさとそうして欲しいわあぁ!!!」
「あ……す、すいません……」
誰のせいかと思えば俺のせいだったらしい……。
シロナが呆れ顔でこちらを見つめている。
委員長の声は聞こえてないはずなのに大体の話しの中身を察しているようだ。
結局ここでも自業自得か……。と頭を抱える。
10代の俺が目の前に居たらぶっ飛ばしてやりたい。
仕方ない、と覚悟を決めて再度リーグ委員長に話しかける。
「はあ……わかった、わかりましたよ……。
……やってやるよ新人トレーナーとしてイチからな。
俺は自分のポケモンと会いたいだけだってのに!
他のトレーナーやポケモンには悪いがダークライと一気に突っ切らせてもらうぞ!!」
ポケモンリーグ四天王やチャンピオン、ジムリーダーはともかくとして、大半のトレーナーはダークライの相手にならない。
バトル開始→眠らせる→終わり、だ。
移動中の野生のポケモンとのバトルも眠らせてしまえば回避できる。
最速で全てのエリアを踏破してやると息巻いていると、気まずそうな声が聞こえてきた。
「……あー、その事なんだが……。
その、ダークライは原則ポケモンバトル出場禁止だ。ポケモンバトルにダークライを使用することも認められない……」
時が止まる。
「……はあ?
待てよおい。何がどうしてそうなる!!
……まさかとは思うがよ。ダークライが排他されるべき存在だからとか言うんじゃないだろうな……!!!」
ポケッチを握り砕きそうになりながら、看過できない言葉に思わず椅子から立ち上がる。
もし『はいそうです』とでも言うのなら……。その時は自分でもどんな行動に出てしまうか分からない。
委員長は慌てて返事をした。
「ち、違う!!ダークライ以外のポケモンも含めた一部のポケモンが対象で理由も別だ!
だからその殺気を放つのをやめてくれ!!」
シロナが俺に駆け寄る。
「ちょ、ちょっと落ち着きなさい!あなたに当てられてポケモン達が興奮してるわ!!」
シロナの言葉と彼女の持つモンスターボールがカタカタと揺れていること気付いてハッとする。
……ゆっくり深呼吸をひとつして椅子に座り直した。
シロナにすまん、と手刀を切る。
燻る苛立ちを底に理由を尋ねた。
「……チッ。理由を聞かせろ」
「電話越しというのになんて奴だ全く……。
ゴホン!……君が引退していた間に随分ルールも厳しくなってな。
伝説や幻と称される“種“として強すぎるポケモンの存在は、バトルの公平性を著しく阻害するとして使用が厳しく制限するべきだと声があがった。
当初は反対意見が強かったんだがそれとは別に
『いちトレーナーに使役されてしまう“伝説“のポケモンなどあってはならない、尊いポケモンに対して侮辱であり神秘性が損なわれる』と、一部の団体から苦情があってな。
私を始め各地方のチャンピオン、四天王は反対したんだが世論には勝てず……。これも時代、と言うやつなのかもな……」
「……なるほど。デカイ声出して悪かった委員長。理解したよ、納得はいかないけどな。
誰をゲットするか、どこで出会うかも含めてトレーナーの腕だろうと思うがな」
昨日から何度目になるか分からないため息をつく。身から出た錆とはいえ、当時の手持ちに会いたいだけなのに随分話が拗れてきた。
「……というか。
俺は今ダークライ1匹しか手持ちがいないんだが。どうすりゃいいんだ」
「その場合はまたポケモンを順次ゲットして行く必要があるな。
道中は自由にダークライで戦って構わない。私からはどうにか頑張ってくれというほかないな、すまん」
「まじかよ……」
自分の今後のタスクを今一度整理する。
当初の予定では
1.カントー地方に行く 2.シロガネ山に行く 3.ポケモンと再会!
だったのが、
1.カントー地方に行く 2.一からポケモンゲットの旅を始める 3.ジムリーダーに挑戦 4.ジムバッチを8つ集めて今度はジョウト地方に行く 5.バッチを更に8つ集める 6.ポケモンリーグ四天王、チャンピオンに挑戦、勝利してリーグ制覇! 7.シロガネ山に行く 8.ポケモンと再会!
になったというわけだ。
「何か月かかるんだそれ……」
道行きが途端に怪しくなってきた。
とはいえそれ以外が認められないというなら従うしかない。
ポケッチ片手に項垂れていると、成り行きを見守っていたシロナが口を開いた。
「サク。電話を替わって頂戴。話の流れはあなたの反応で大体わかったわ」
突然の言葉に目を瞬かせるも「あ、ああわかった、はい」と言われるがままポケッチを差し出した。
受け取ったシロナはリーグ委員長と話を始めた。
「もしもし、お電話代わりました。シンオウ地方チャンピオンのシロナです。お久しぶりです。……ええ、偶然彼と再会して……はい、はいそうなんです……はい、話は聞いていました……お話はご尤もなのですが……ええ、条件が厳しいかと……彼の実力はかつての実績で担保されているわけで……そこをなんとか……成程、ええ短期間であれば……はい、ありがとうございます!……はい、失礼します……はいサク。代わるわ」
何が何やら分からないが今度は言われるがままポケッチを受け取り耳に当てる。
「電話また変わったぞ。何話してたんだ?」
「今シロナ君の方からシロガネの入山を特例で認められないかと打診があった。
そのため折衷案として、条件付きで入山条件を緩和するのではどうかと提示させてもらった。私としても先程言ったようにできるものならさっさと引き取ってほしいのでな。
条件は『シンオウリーグチャンピオンシロナの同伴』だ。彼女ほどの実力者が付いている状態での入山というのなら、まあどうにか通せるだろう。
この場合に限り君はカントー地方のバッチ8個取得でシロガネ山の入山を許可する。
……どうかね?これ以上の譲歩はさすがにできないぞ」
願ってもない話に心底安堵する。必要なバッチ数が半分でチャンピオンや四天王と戦わなくて済むというならかかる時間は半分以下だ。
光明が差した。
「それで頼む!いや頼みます!!」
「分かった。優秀で親切な幼馴染に感謝することだ」
「ああ勿論!」
シロナに視線を送ると笑みを返される。……叶わないな。こいつには。
彼女に俺は何を返せるだろう、と考えていると通話を終えようとする委員長の声がした。
「ではそういうことで。君のバトルが再びこの目で見られるのを楽しみにしているよ」
「色々言っちゃいましたけど、ほんとありがとうございます。……あ、そうだ」
「ん?まだなにかあるのかね」
自分の突発的な思いつきにニヤリとする。
シロナが「悪い顔になっているわよ」とかなんとか言っているがスルー。
「委員長。これから俺が言う事をそっくりその通りにカントーのジムリーダー達に伝えておいてくれ」
それから委員長に簡単な伝言を頼んだ。
委員長がなにやら叫んでいるのを無視して一方的に通話を終えるとシロナが呆れた表情でこちらを見ている。
「なんだよ?」
「あなたったら本当に……。そういうことばかり言っているから当時も嫌われていたのよ。無理に煽るようなことしなくてもいいじゃない」
「だからこそだよ。その方が
……て、そんなことよりありがとうよ。委員長にフォロー入れてくれてよ。本当に助かった」
「気にしなくていいわ。シロガネ山に入る時に同伴するだけだもの。大した手間じゃないわ」
「……世界有数の危険地帯って言われたの聞いてたんだよな?人のこと言えた身じゃねえけどどんな胆力してんだよ……」
数年ぶりの語らいは一度始めると止まる気配がない。
今後の方針、これまでのこと、くだらないこと、真面目な事、一日では語りつくせないがチャンピオンとして多忙なシロナがサクとこうして過ごせる時間は限られている。
後悔しないよう、二人の話はいつまでも続いた。
夜が更けていく――
・・・・・・
セキエイ高原 ポケモンリーグ本部 執務室
「これを原文ママで通達する私の身にもなれあのクソガキ……!」
自慢のアフロヘア―をわしゃわしゃしながら憤る。が、すぐに止めた。
腹は立つが、彼―サクが子供の頃の面影を損ねていなかったことに安堵してもいたからだ。
彼が『トレーナーを辞める』と本部まで告げに来た日。……あの時の彼の姿はあまり思い出したくない。
深い焦燥と諦観の念が滲んでいた。10代の子供にだ。
ポケモンがいるから、ポケモンと共に在るからまともでいられる。あれはそういう人種だっただけに、ポケモンを手放してどうなることかと危惧していたが、その必要はなかったようだ。
再び彼のバトルが見られる。そう思うだけでこみ上げて来る興奮と笑みを隠し切れない。
近年の高度化するもどこかエキサイトしきれない、そんなバトルの世界に風が吹き込むのではないかとわくわくしてくる。
風は風でも黒風だが。
椅子に身を沈めて独り言ちる。
「……帰って来るか。 ”悪童”が」
・・・・・・
朝。マサゴタウン宿屋―
「昨夜は急に泊めてくださってありがとう。チェックアウトお願いするわ」
「あぁはいはいお気になさらず。ゆうべはおたのしみでしたね」
「は、はぁあ!?なんもねがったから!!!へ、へんなこと言うなやぁ!!」
「ひぃぃすいません楽しそうにお話してた声が外まで聞こえてらっしゃったので微笑ましくてつい余計なこと言いましたすいませんでしたあああ!!!」
「朝っぱらからうるせえな……。チェックアウトするだけなのになにやってんだ……」
・・・・・・
マサゴタウン ナナカマド研究所―
「えー、そんなわけでカントー地方でジムバッチ集めることになりましたんで数日以内には発ちます。じゃあな」
「「「どんなわけ(だ)!?」」」
・・・・・・
マサゴタウン 202番道路入り口前―
コウキ、ジュン、それに昨日はあまり話せなかったナナカマド博士に今後の予定を伝えた。
その後もまあ色々あったが割愛。
コウキとジュンの質問攻めに解答したり、もういなくなるのかと泣きそうになるナナカマドをみて俺もこれまでの事をちゃんと謝罪して泣きそうになったり……まあそんな感じだった。
そしていよいよ旅立つということで、俺とシロナはコウキとジュンの見送りをしようとしていた。
「まさかサクの兄ちゃんもバッチ集めするなんてなー!!びっくりだぜ!!」
「うん……!それに、昔のポケモンと再会できそうでよかったです!!」
二人の言葉に笑みがこぼれる。最後に別れの言葉を口にした。
「コウキ、ジュン。二人ともありがとう。お前たちのお陰で俺は沢山大切なものを取り戻せたよ。
……次に会うときは二人が一端のポケモントレーナーになった時かな。その時は……俺のポケモンとも戦ってもらおう」
俺の言葉に二人が盛り上がる。
「リーグ優勝者の使うポケモン……!とっても楽しみにしてます!!ヒコだけじゃない、頼れる仲間をもっと集めて!シロナさんにも挑戦して!サクさんとも戦います!!」
「俺も!俺もだ!!サクさんもシロナさんもコウキもダディも皆倒して一番になってやるー!!!」
「そうだな……。俺も楽しみにしているよ。……それじゃあ、また」
「はい!さようなら!」「またなー!!」
二人は俺達に背を向ける。迷いの無い足取りで、その姿は少しずつ遠ざかっていった。
「昔の私達みたいじゃない?二人で旅に出た日が懐かしいわ」
見送るシロナが嬉しそうに言う。
「そうだな……本当に」
こうして、シンオウ地方での出会いは終わり、俺も、コウキもジュンも、トレーナーとして、新たな一歩を踏み出した。
~第一章 シンオウ地方編 第一部 完~
・・・・・・
その日、ポケモンリーグ委員長の名で、カントー地方のジムリーダー宛にメッセージが届いた。
『俺のいないバトルシーンでぬくぬくと眠たいバトルを繰り返すジムリーダー諸君に告ぐ。
シオンタウンのサク、ポケモンバトルに復帰することにした。
手始めにカントーを蹂躙してバッチを根こそぎ奪わせてもらう。
俺がジムの前に辿り着くまでに、ポケモンのコンディション、技構成、持ち物、あらゆることを吟味し、調整し、迎え討つ準備をしておくがいい。
チャレンジャーは俺だが、お前らが格下ってことは分かっているな?
首洗って待て。びびったポケモンはボールの中で震えてな。
最強のポケモントレーナー サク』
・・・・・・
ニビシティ―
「サクのやつ元気だったのか!連絡の一つくらい寄越せ全く!心配していたんだぞ!……だが、バトルとなれば話は別。旅をして経験を積んだのがお前だけだと思うなよ!!」
『……ケッ』
・・・・・・
ハナダシティ―
「あいっかわらず偉そうなやつ!子供の時から変わらないんだから!何が最強よ!あたしの水ポケモンを簡単に倒せると思わない事ね!!!
……
・・・・・・
ヤマブキシティ
「ジ、ジムリーダー!!このような手紙が!!」
「分かっているわ。予知していたもの。エスパー使いとして、彼との戦いはとても学びになった。サク、あなたはまた私の想定を超えてくれるかしら……?フフ」
・・・・・・
タマムシシティ
「まあ。帰って来るのですね、サク様。ずっとお待ちしておりました……。楽しみですわ。愛しの殿方」
・・・・・・
クチバシティ
「HAHAHA!!!Ohサク!!帰って来るのデスね!ミーの強くなったポケモン達のFight見せまショウ!!
……ククク、なぁんてな?海路で来るならうちのジムが最初ってわけだ。上等だぜ!あの時の屈辱100倍にして返してやるよォ!!!」
・・・・・・
セキチクシティ
「最強のトレーナー、サク。確か、お父さんが言ってた凄い人……。ううん、関係ない!誰が来てもアタイの忍術でお父さんが作ったこのジムの名を下げさせやしない!」
・・・・・・
グレンジム
「そうか!サクが復活したか!!ジムの場所は変わったが儂らの燃える闘志は依然衰えず!!待っているぞ、サク!」
・・・・・・
トキワシティ
「へーぇ。アイツ生きてたのか。息巻いちゃってまあ……。最強のトレーナー、ね。……ククッ、ハハハハハ!!ガキの頃と一緒だと思うなよサク?
ポケモンバトルもカントージムリーダーも、そんなに甘くねえってこと思い知らせてやるよ!!」
・・・・・・
シロガネ山
万年雪が降り積もるその山は、限られた者にしか登ることを許されない。連絡手段もその一切が絶たれている。
故に、彼の元にその報せが届く筈は無かった。
その筈だった。
どこかで獣が吼えた。
怒りか。喜びか。
自分を捨てた者を殺そうと殺意に身を滾らせたか。
かつての主人の再来を予感して胸を弾ませたか。
それだけで全てを悟った。サクが、最高のライバルが再びこの地を遠からず訪れることになるのだと。
最強は、『赤』い帽子を深く被り直し、来るべき日を待つことにした。
傍らの小さな相棒は頬袋に紫電を迸った。
もう一度、獣は吼えた。
ご覧いただきありがとうございございました!
これにてシンオウ地方編は一旦完結です!
予定では閑話を一つ差し込んでカントー地方編を始めたいと思っています。
ここまで読んでくださり本当にありがとうございます!!
振り返るとシンオウ地方編主人公ほぼバトルしてない……。
次章から多分沢山戦います……。
今回カントーポケモンリーグ委員長を登場させたんですけど確かゲーム未登場ですよね?ポケスペ(ポケットモンスターSPECIAL)のイメージで書きました。
知らない人は是非読んでほしいです。神漫画なので!
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