先生×生徒ガチ勢一般男子生徒   作:妄想厨

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突発的に思いついたネタ。
誰かに続きを書いてほしいので投稿します。

お願い、だれか書いて…


原作開始前
1話 原作崩壊の始まり


「──うそ」

 

薄い緑髪の少女が思わずといった様子で呟く。

 

見上げれば砂塵が一つない青い空。

目線を下げれば、透き通った水面と自然が広がるオアシスと呼ばれるような光景がある。

 

危険だからとついてきてくれた愛しの後輩は、原因が分かっているのか一瞬固まったがすぐに納得顔になり、小さく言葉を呟いていた。

 

「あいつ、本当に叶えてくれたんだ…」

 

その言葉の意味は分からなかったけど、後輩──ホシノちゃんの視線の先。

そこにはこの光景を作り出してくれたであろうもう一人の頼れる男の子がいた。

 

「梔子先輩、小鳥遊。これできっと夢が叶います」

 

傷だらけの顔に似合わぬ満面の笑みでこちらに手を振っていた。

そして彼は私の願いであり、ホシノちゃんを怒らせてしまった言葉を宣言する。

 

「またしましょう、アビドス砂祭りを」

 

鼻の奥がツーンと痛み、目の縁から涙が染み出てくる。

でもそれは悲しい涙じゃなくて。

ゆっくりゆっくり沈んでいく現実から救われた喜びの涙だった。

 

「ユメ先輩、泣いてる場合じゃありませんよ。

 アイツの頑張りに負けないよう私たちも頑張らないと」

 

ホシノちゃんが優しく背中を撫でてくれる。

そうだ、後輩がここまで頑張ってくれたんだ。

後は先輩の私が頑張らないと──

 

「……うんっ、そうだよね。

 二人ともありがとうっ!」

 

嬉しくて、思わず私は二人に抱き着くために飛びついた。

風は優しく頬を撫で、現実のものとは思えない夢のようなひとときが流れる。

 

──けれど

 

瞳からまた、一筋の涙が零れ落ちる。

 

「…あぁ、やっぱり」

 

頼れる男の子の輪郭が曖昧になり、まるで霧の中に溶け込むように消えていく。

 

「私がもっとしっかりしてたら、こんなことにはならなかったのかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

 

気づいたら存在すら怪しい男子生徒になっていました。

 

この現実を理解できたのは、鏡を見たら頭に浮かんでいたヘイローと町で平然と歩く動物の姿を見てからだった。

 

間違いない、この世界は『ブルーアーカイブ』の世界だ。

 

ヘイロー。獣人。街のテレビに映る連邦生徒会の生徒。

 

なぜ、どうやってこの世界に。

そんなことが頭に巡るが、頬をつねって夢ではないことを確かめたのちにすぐに思考を放棄した。

 

夢じゃないなら考えても無駄だしね。

難しいことは分かりません。

 

それよりも重大なのが、ブルーアーカイブの世界にいるということだ。

ブルアカは先生と生徒によって繰り広げられる透き通った青春の物語だ。

 

「つまり、この目で直接見れるってこと…!

 彼女たちと先生の絡みを!!!」

 

何それ最高じゃん。

 

俺──廻はブルーアーカイブにハマり、原作から二次創作まで手を広げていた人間だ。

 

原作の暗くも生徒たちが必死に足掻いて成長する物語。

メモロビの先生と生徒の交流。

二次創作のIFの作品。

 

どれも非常に楽しませてもらった。

その中でも俺は大きなトラブルを解決し終わった後の先生と生徒の絡みがお気に入りだった。

 

汚い欲望を抱える大人が多い中、生徒のこと第一優先で動きまわる先生とそんな先生に反発しながらも最終的には信頼し、普段見せない甘えを見せる生徒たち。

 

う、美しい。

初めてこの作品を読んだときには歓喜に震えたものだ。

 

もっと、もっと平和な状態での先生と生徒の絡みが見たい。

その思いが二次創作に手を伸ばす動機となった。

 

同志を見つけた喜びと性癖を満たしてくれる作品の数々にはお世話になった。

だが、二次創作だと1つの問題があった。

 

それは、オリジナル男生徒とブルアカ生徒たちが絡んでいる作品の存在だ。

 

人の趣味趣向に文句はない。

文句はないが、先生×生徒第一主義の自分にとっては脳を破壊されることとなった。

 

「…おろろろろろ」

 

いかん、思い出したら吐き気が。

 

まぁ今はこんなところで考え事をしている場合ではない。

せっかくこの世界に来たのなら、実現してみたいことがあったのだ。

 

「平和な世界線での先生と生徒の絡みが見てみたい…!」

 

原作の限られた時間という制約上、先生は短期間で大きな事件に巻き込まれ、一人一人の生徒と向き合える時間が少ない。

それでも生徒と確かな絆を築く先生には脱帽だ。

 

しかし、その事件をメタ的な視点から防ぐ存在がいたとしたら、先生と生徒の濃密な絡みを長く見られるのではないか。

 

先生と生徒の絆は原作の事件を解決したことで強固になったことは当然理解している。

だが、同時にどれだけ事件解決に貢献したところで先生の性格が生徒第一の人間でなかった場合、生徒はあそこまで心を許さなかっただろう。

 

仲が深まるために特別な事件など必要ないのだ。

先生が『先生』ならば、きっと俺が見たい尊い絡みを見せてくれるはずだ。

 

「行動指針は決まったな」

 

自分がなぜこの世界にいるのか理由なんてどうでもいい。

 

この世界で起きる全ての悲劇を解決するとまで傲慢なことは言わない。

だが、少しでも先生の負担を減らし、生徒の悩みをある程度解決することで平和な時間を作ることくらいはやってみせる。

 

その理想郷を実現するためには俺一人の力では不可能だ。

 

「じゃ、会いにいきますか」

 

──いざゆかん、黒服のもとへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドーモ、ゲマトリア=サン。先生×生徒ガーディアンです。

 早速だけど、人体実験に興味はない?」

 

「クックック。私たちには言葉があります。会話をもっとするべきとは思いませんか…?」

 

こうして黒服と仲を深めることで人体改造をしてもらうことにより、条件はあるが一時的にキヴォトス上位勢と張り合える身体能力を手に入れた。

 

黒服を探す過程で原作までの年月も把握できた。

 

「よし、まずはトリニティに行くとしますか」

 

あの堅苦しい風土を原作開始前に少しはゆるーくしないとね。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

──浦和さん。貴方の知略こそシスターフッドに必要です。

 

──ハナコさん。貴方はサンクトゥス分派でしょう? なぜパテル分派と交流を…

 

──え、一緒に帰る…? そんな、私なんかじゃハナコちゃんに釣り合わないよ。

 

憂鬱で絶望的な気分が胃の底から頭まで広がる。

この学園に政治があるということは理解していた。

 

けれどここまで根深く、空虚(つまらない)なものだとは思っていなかった。

 

シスターフッドに必要とされるほど評価されるのは喜ばしいことです。

けれど、入信してもらうための手段が脅迫めいているのは何故なのですか?

 

政治のバランスがこの学園にはあり、他分派との交流に気を遣わなければいけないのも分かります。

でも、ただの日常会話に私だけでなく相手にまで不平不満をいう必要はないですよね。

 

私『なんか』じゃ、なんて言わないでください。

貴方と喋りたくて、仲良くなりたくて話しかけたのに距離を取らないで──

 

「辞めて、いいかもしれませんね」

 

普通の学園生活を送りたかった。

一緒に笑いあえる友達が欲しかった。

 

少し勇気を踏み出せば叶うと思っていた望みが、この学園では叶わない。

 

でも、友達を作るために絞りだした勇気を打ち砕かれた私には、退学する勇気さえ既に失われていた。

 

惰性で授業を受ける。

周りの評価を受け流し、心を透明にする。

 

そんなある日のことだった。

廊下で生徒がざわついている。

何人かは私を見てひそひそと話しているようだった。

 

…今日はテストの結果が発表される日でしたね。

 

煩わしい勧誘に巻き込まれる前に場を離れようとしたとき、ふと耳に声が届いた。

 

「あの浦和さんが1位をとれてないなんて…」

 

足がとまる。

 

「全科目で2位。全教科それぞれの順位は3位だもんね」

「あの新しくきた男の子に教えてもらった成果だってさー」

「一科目だけとはいえ浦和さんを上回るなんて…。私も教えてもらおうかな」

 

男子生徒…?

人ごみをかき分け、成績表を見ると確かに1位の横に私の名前はなかった。

 

まだ手を抜いた覚えはない。

 

周囲の声が一段と大きくなる。

振り返ると、噂の男子生徒を筆頭に私の成績を上回ったであろうグループがそこにいた。

 

何かが変わる予感がして、心臓の鼓動が早まる。

 

「ようやくこっちを認識したか、浦和ハナコ」

 

目の前の男子は不敵に笑う。

少し目をずらすと、私なんかじゃ釣り合わないと悲しそうに笑った生徒の姿もあった。

 

前回と違い、自信を持った目で私を見ている。

 

胸の鼓動が早まる。

 

「今日からお前に平穏は訪れない。

 なぜなら俺たち──ハナコに絶対負けない委員会を結成したからな」

 

入学してから初めての感情が胸を支配する。

 

「…あらあら♡」

 

この日を境に、浦和ハナコの学園生活に色がつきだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…あっぶねーーーーー!!!

 

目の前の少女──浦和ハナコの表情を見て、何とか作戦が成功したのだと実感する。

 

俺が立てた作戦。

それは、俺は浦和ハナコのライバル関係になりつつ、他の女子生徒とは友達になってもらうことだ。

 

俺は先生×生徒が至高だと思っているが、生徒×生徒も尊いと思っている。

俺だけがライバルでいようとする理由は、純正の生徒ではないからだ。

 

中身がショタではないショタがお姉さんキャラと交わるとき、それをおねショタと呼ぶか?

それが答えだ。

 

風土を変える目的でトリニティに来たが、たまたま見かけた浦和さんの表情があまりにも死んでいたため、急造でこの作戦を立てた。

 

プレイヤー視点でも薄々感じていたが、トリニティ学園はしがらみが多すぎる。

そのため、突出した能力を持つ生徒に一般生徒が関わろうとすると浦和さんが知らないうちに圧力をかけられていた。

 

…トリカスがよぉ。

 

ゆえに派閥に所属していない生徒を見つけ、勉強会を開き、1つでも彼女を上回ることで関わる生徒に自信を、外部には納得を与える。

あとは適度に自分が鬱陶しいキャラを演じて、生徒同士が俺をはぶいて仲良くなる。

 

完璧な作戦だ…!

 

「…うふふ♡

 それで、私に絶対負けない委員会とはどんなことをしているのですか?」

 

気づけば近くに近づいていた浦和さんがニコニコと喋りかけてくる。

…近くない?

 

「簡単なことだよ。

 放課後、すぐに図書室に集まってひたすら勉強──」

 

ハナコの顔色が少し暗くなり──

 

「するのは効率が悪いからね。

 適度に遊び、適度に勉強し、適度に休む委員会だ!」

 

満面の笑みに変わった。

 

「それはそれは…。

 とっても素晴らしい委員会ですね」

 

「当然だ。

 学生は楽しむのが本分! ()()()しがらみに囚われていては心が先に限界を迎える。

 浦和ハナコに勝つためには本気で、かつ楽しむことが必須だからな」

 

「私もそう思います。

 …あの、その委員会なんですけど」

 

何か言おうとして、すぐに口を閉ざす。

ふふ、分かっているよ浦和ハナコくん!

 

「だからこそ! 浦和さん」

 

ハナコの肩がびくっと震える。

 

「君にも俺が作った委員会に入ってほしい」

 

一瞬泣きそうな顔をした彼女は、すぐに表情を引き締めて自分がゲームでよく見た笑顔を浮かべる。

 

「私に勝つための委員会なのに…いいんですか?」

 

「敵を知るためには観察が必要不可欠。

 そのために委員会に入ってもらうのはカンペキ~だとは思わない?」

 

「…ふふっ♡

 えぇ、そういう理由があるなら、ぜひ」

 

ハナコは何かをこらえるように深呼吸をする。

 

「──私のこと、隅々までしっかり観察してくださいね…♡」

 

「言い方ぁ!!」

 

その後、いくつかの会話をした後、結成したグループの中で一番のやる気を見せていた女の子がハナコに近づく。

 

「ハナコちゃん」

 

「…あなたは」

 

確か彼女はハナコと同じクラスの生徒だったはず。

 

名は片隅エイコ。

原作では見たことがなかったが、描写されていないだけで何か交流があったのだろうか。

 

「あの時は逃げてごめん。

 もう、ハナコちゃんと釣り合わないなんて言わない。

 だから、今日は私と一緒に帰ってくれる…?」

 

ハナコの目が大きく開く。

 

「──こんな日が訪れるだなんて」

 

「…私に自信がなかったから。

 先輩が怖かったから、あの日にハナコちゃんの誘いを断っちゃったのを今でも後悔してるの。

 あの時のハナコちゃんの顔があまりにも悲しそうだったから」

 

手と手を重ね合わせる。

突然の供給に胸がぴょんぴょんしているが、今の雰囲気で口をはさむのはあまりにも空気が読めていない。

 

それに想定以上にこの作戦は成功しそうだ。

このまま自然とフェードアウトすれば浦和さんは俺のことを忘れて彼女との友情を深めてくれるはず──

 

「そんな時、廻くんが私に声をかけてくれたの」

 

ちょっと待て。

二人の視線が集中する。

 

「私にハナコちゃんと友達になる魔法をかけてあげるって。

 だから今日まで私は頑張れたの」

 

「俺は何も言ってないよね、エイコちゃん。

 全部君の勇気と努力のおかげだよ?」

 

「こんな意気地なしの、廻君に勇気をもらわないとダメダメな私だけど──友達になってくれますか?」

 

「聞いて?」

 

我慢できなかったのか、ハナコの頬に一筋の涙が流れる。

 

「断るわけ、ないじゃないですか…!」

 

「ハナコちゃん……!」

 

エイコはハナコに抱きつき、しばらく嗚咽する。

 

…素晴らしい。

エピソードに俺という不純物が入ってしまったことが心残りだが、賢い浦和さんのことだ。

 

すぐに俺のことは見限って、委員会の子と仲良くなってくれるだろう。

盛り上がる彼女たちを確認した後、俺は静かにその場を立ち去った。

 

 

 

その後、すぐに俺がいないことに気づいた浦和さんによって引きずられながら帰宅することになったが。それはまぁ、余談だろう。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

幾許かの日が経つ。

あの日以降、浦和さんと関わることが多くなった。

 

「おはようございます、廻くん♡」

 

「おはよう、浦和さん! 今日もいい天気だね」

 

「そう、ですね……?」

 

「浦和さん今日放課後暇? 駅前に新しいカフェができたんだけど委員会のみんなと──」

 

「えぇ、暇ですよ。

 …ところで廻くん」

 

「はい?」

 

「私の名前はハナコです。

 …もう忘れちゃったんですか?♡」

 

「……あっ、片隅さんだ!」

 

「忘れちゃったんですかぁ……?♡」

 

あの日の放課後から浦和さんはどういうわけか俺のことを廻くんと下の名前で呼ぶようになった。

しかもやたらと距離が近い。

 

オリ男生徒(中身成人済み)×生徒とか解釈違いなんですが…?

 

まぁ彼女のことだ。

ライバルとはいえ、気負わず話せる同級生に気持ちが浮ついているだけだろう。

 

「今日も浦和さんが楽しそうで良かったよ」

 

「……浦和?」

 

「…いいよね、浦和って。

 静かで穏やかな水辺って感じがする」

 

「うふふふふ♡」

 

なんで目が笑ってないの!? 怖い!! 

 

 

 

 

 

 

 

授業中。

こつりと頭に紙がぶつかる。

 

『廻くん、今の授業の内容分かりました?』

 

この紙を投げたであろう方向へ顔を向けると、そこには教科書で口元を隠しながら微笑むハナコがいた。

 

口パクで何かを伝えようとしている。

 

『ちなみに私は知っていました。廻くんはどうでしたか?』

 

…これは俺に対する挑戦か。

どうやらライバルとしての面子は保てているみたいだ。

 

なぜか目をキラキラさせてこちらのやり取りを見ている片隅さんが気になるが…。

 

分からなかったから後で教えてくれない?と紙で返事を返す。

 

すぐにハナコへ渡すと、彼女はクスッと笑いながら紙を渡してくる。

 

そこには綺麗にまとめられた解答があった。

 

『廻くんはもっと勉強すべきですね』

 

……ぐぬぬ。

 

 

 

 

放課後。

 

図書室の一角を貸し切りにして勉強会をする。

 

「ここはこの公式を使って──」

 

委員会の評価やハナコが丁寧に教えてくれるおかげで、他の生徒も集まってきた。

委員会を作り、彼女に入会してもらったところまでは自分の力と言ってもいいかもしれないが、あとは彼女たちの力だ。

 

やはり、自分がいなくてもきっかけさえ作れば後はすべてうまくいくのだ。

 

この様子では、きっかけ作りだけ手助けしたティーパーティやシスターフッド、救護騎士団、アリウススクワッドなどもすべていい方向に行ってくれるだろう。

 

最後の一押しはいずれ来る先生が来て万事解決!

いずれ見れる先生×生徒が楽しみで夜しか眠れないね!!

 

…本当に、安心したんだ。

当初はゲームのキャラクターとしてしか見ていなかった。

 

けれどメインキャラとか、モブキャラとかこの世界には存在しない。

 

みんな必死に生きて、みんな悩みを抱えている。

自分がしたことで彼女たちが苦しまないか、それだけが不安だった。

 

けれど結果は、生徒×生徒の素晴らしい光景が広がっている。

ここに先生がいたら完璧だったんだけどね。

 

…よし。

 

──次の先生×生徒の土台を作りにいかないとね

 

もうこの場に自分の存在は必要ない。

 

退学届けが入っている鞄を持ち、俺はその場を立ち去った。

 




本当はもっとテンポよく他の生徒との絡みも書こうと思ったんです。
でも気づけばハナコの話だけで終わっちゃってた…

これが、恋…?

あと、これで失踪するので誰か続きを書いてください(切望)
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