ダイクン家の二女はアホの子   作:アキ山

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お待たせしました。

ジークアクスがクライマックスでトンデモない事になった反動で筆が進んだでござる。

対ガンダムとは、セガサターンの外伝やジオニックフロントをほうふつとさせますね。

死角から撃ち殺される苦しみ、存分に思い出せ!!(作者が)


マチュと白鳥の乙女

 原色を塗りたくったような世界の中を様々な光が流れる空間。

 

 どこかの誰かが『刻の彼方』と称した特殊な場所に、苛立ちをぶつけるように何かを叩く音が響く。

 

「また…また大佐が死んでしまった……」

 

 そう呟くのは若い女の声。

 

 その声音は美しく、普段なら聞く者に落ち着きを齎すだろう。

 

 しかし、今の彼女からはそんな穏やかさは感じられない。

 

 その声に込められているのは怨嗟と絶望、そして微かな希望だった。

 

「この世界は大佐に厳しすぎる。アムロ、それにあの子も何故そんなにも戦えるの?」

 

 ちなみに今回彼女が見たのはサイド7で木馬に強襲を掛けようとしていた赤いザクが、索敵範囲外から放たれたガンダムのビームライフルによってコックピットを撃ち抜かれるという光景だった。

 

 これもマリーによるニュータイプの測量と、ゲームで腕を上げたアムロの照準能力が噛み合ってしまったが故の悲劇だ。

 

 実際、彼女が観測しただけでもサイド7においてシャアは6回ほど死んでいる。

 

 ある時は自分の襲撃に巻き込まれて宇宙を漂う末の妹の骸を見て精神崩壊。

 

 またある時は憎悪に駆られたセイラのハンマーをザクの胴体に受けて粉砕。

 

 別の可能性ではガンダムの操縦に慣れ始めたアムロの動きについていけず、死角からビームライフルを受けて爆散。

 

 僚機である二機のザクを落とされた後、ガンダムとガンキャノンに襲いかかられて散華した事もあった。

 

「この時点でアムロがここまで強いなんて。それに下の妹が厄介すぎる」

 

 彼女は刻の彼方で様々な世界を観測してきた。

 

 世界はそこに暮らす人たちの行動によって大樹の枝葉のように細かく分岐している。

 

 だが彼女が知りえる世界のいずれも、この時点でアムロがシャアを凌ぐ操縦技術を持っているなどという事は無かったはずだ。

 

 彼女の目的にとって、この世界はあまりにもハードルが高すぎる。

 

 普通なら早々に切り捨ててもおかしくはない。

 

 しかし彼女はこの世界に固執し続けている。

 

 その理由は偶然に垣間見えた希望の光景にあった。

 

「マリー・マス。あの子の存在が大佐をザビ家への復讐から解き放った。それはアムロとの和解に繋がる道」

 

 ホワイトベースでアムロと穏やかに談笑するシャアの姿、それはきっと少女が思い描いていた理想の姿だ。

 

 一年戦争と呼ばれる大戦において、シャアとアムロが手を取り合う可能性は現在のところ存在が確認されていない。

 

 シャアが独自勢力を起こして、それにホワイトベース隊が下るという世界は存在する。

 

 しかし、彼等がシャアの元に辿り着くのはアムロが戦死してしまったあとだった。

 

 もし、自分が垣間見た光景が実現できるのなら……。

 

「この世界の私は生きて二人の間にいられるかもしれない」

 

 彼等と共にいるのは彼女自身ではないけれど、きっと素晴らしいことだろう。

 

 そう自分を励ますと少女は再び瞑想に入る。

 

『私達の未来の為に死ねぇッッ!!』

 

『ぐわぁぁぁぁぁぁっっ!?』

 

 そんな彼女の脳裏に浮かんだ光景は、全弾持っていけと言わんばかりに改造ガンキャノンのパイルバンカーを胴体に受けてバラバラになる赤いザクの姿だった。

 

 そして苛立ちを込めて台を叩くような音が再び『刻の彼方』に響き渡った。

 

 

 

 

 こんにちは…でいいのかな?

 

 宇宙に出て昼夜の感覚が狂い気味なマリーです。

 

 今あたし達はルナツーから出てきた亡命艦隊という人たちと合流して、宇宙を進んでいる。

 

 ちなみに亡命艦隊だけど、装備はかなり上等なものが与えられていた。

 

 鹵獲品のムサイが二隻にホワイトベースの兄弟船であるペガサスが一隻。

 

 MSも兄ちゃんのガンダムが装備しているロケットモーター付きバックパックと簡易式のコアブロックシステムが搭載された上等なジムが30機。

 

 さらにはコアファイターに追加装備を施したコアブースターという戦闘機まであった。

 

 テムのおっちゃんはそのジムを『量産化にむけてガンダムから機能を削る過程で造った実験機を再利用した物』と当たりをつけていたっけ。

 

 そんな亡命艦隊の人達だけど、なんというか変わった人が多い。

 

 兄ちゃんやアムロのアンちゃんの事を芸能人か何かを見るみたいに遠巻きに見たり、あたしを『ちっちゃいマチュ』なんていう奴もいた。

 

 失礼極まりない話である。

 

 たしかにクラスでは身長は前の方だけど、あたしはけっして小さくない。

 

 今は成長期真っただ中だし、これから姉ちゃんみたいにグーンッと伸びる筈なのだ。

 

 あとシイコお姉さんがモテモテだったりする。

 

 というか、声を掛ける男の人がみんな『スガイ』って名字なんだけど、どんだけスガイさん多いの!?

 

 そんな珍妙奇天烈な亡命艦隊だけど、今はシミュレーターや実機でラル隊やアンディの兄ちゃんやリカルドの兄ちゃん達にガッツリしごかれています。

 

 亡命艦隊の皆の腕前はラルのおっちゃん曰く『決して腕は悪くないが、これからの戦いを生き抜くには不安がある』だそうだ。

 

 あたしやアムロのアンちゃんもシミュレーター訓練に参加しようとしたんだけど、コズンのおっちゃんから『心が折れるからやめてあげて』と言われてしまった。

 

 強い人と戦って自分の立ち位置を掴むのって重要と思うんだけどなぁ。

 

「えっと、そっちの艦隊がジオン共和国の亡命政府になるってこと?」

 

「そのように連邦政府から打診がありました。つきましては、ジオン・ダイクンの遺児たるお三方に代表になってもらいたいのです」

 

 亡命艦隊の旗艦ペガサスに乗っている向こうの代表の言葉に、あたし達は盛大に顔をしかめてしまった。

 

「マチュ、少しでいいから気持ちを隠そう」

 

「嫌だって思いっきり顔に出てるじゃねえか」

 

 そんなあたしにアムロのアンちゃんやカイさんからツッコミが入る。

 

「とは言うがな、シャアやセイラさんはともかくとしてマリーはまだ子供だろう」

 

「さすがに政府の代表として据えるのは拙いんじゃないですか?」

 

 フォローを入れてくれるリュウさんとハヤトさん。

 

 けれど、そんな二人にため息交じりにブライトさんが告げる。

 

「リュウ、ハヤト。シャアを見てみろ」

 

 その声に釣られてあたしも視線を向けると、兄ちゃんの顔は「死んでもイヤでーす!!」という内心が一目で分かるくらいに、しかめっ面になっている。

 

「忌々しそうに舌打ちすんな、愚兄」   

 

「へべっ!?」

 

 放っておくと拒絶の意思を込めてその場にタンでも吐きそうな顔をしている兄ちゃんに、姉ちゃんの右ストレートが突き刺さる。

 

「まったく、こういう事を頼まれる可能性があることは、ジャブローでゴップ大将から聞いていたでしょう」

 

「そうなんだけどさ、あたし達の顔が割れるのは拙くない?」

 

「確かにそうだ。では、私のように仮面でもつけるか?」

 

 パンチのダメージからさっきまで膝をガクガクさせていた兄ちゃんが、ズレたサングラスを直しながら提案してくる。

 

 なるほど、仮面か。

 

「仮面は仮面でも兄ちゃんのはなぁ……。あたしは般若の面にでもしようかな」

 

「なら私はベネチアンマスクで」

 

「ふむ、なら私は古代中国に伝わるという蘭陵王の面にするか」

 

『いや、さすがにそれは……』

 

 盛り上がるあたし達に亡命艦隊の代表さんは明らかに困っている。

 

 どうやら仮面の指導者作戦はダメなようだ。

 

「じゃあ、演説とかする時は顔にモザイク掛けるのはどう? 声も機械音声で高くしてさ」

 

「それだとテレビの匿名インタビューになっちゃうと思うわ」

 

 仮面の次善策を出してみてもシイコお姉さんの適切なツッコミのせいでアウトになってしまった。

 

 それから話を詰めていった結果、あたし達が素顔で代表(お飾り)をする事になってしまった。

 

 こちらとしては戦争が終わった後の事を考えて顔出しNGでお願いしたかったんだけど、仮面がダメと言われてしまっては仕方がない。

 

「それで、これからあたし達は何処に行くの?」 

 

「予定では月のグラナダ方面へ向かう事になっているのだが、その前にサイド6へ寄ろうと思っている」

 

「サイド6、ジオンにも連邦にも寄らない中立を掲げている場所ですね」

 

「鹵獲したムサイは現在丸腰だからな。これから使用するにしても修理が必要になる」 

 

「その為にドックを借りようという訳ですか」

 

 あたしの問いかけにロンバートのじっちゃんが答え、姉ちゃんにブライト大尉が理由を説いたところでアンディの兄ちゃんが納得の声を上げる。

 

「えっと、ごめんね。手間を掛けさせちゃって」

 

「船を鹵獲するなら武装を沈黙させるのは当然の事だ。君は悪くないさ」

 

 捕まえる時にやり過ぎたかと謝ると、ロンバートのじっちゃんは頭を撫でてくれました。

 

「少佐。妹さん、なんというか普通にいい子ですね」

 

「あんなマネしていたから野生児みたいなのを想像していたのに。もしかして、MSに乗ったら性格が変わるタイプだったりします?」

 

「野生児などとんでもない。アルマリアは賢いからな、礼節もしっかり出来るのだ」

 

 兄ちゃんと部下ズはうっさい。

 

 

 

 

 そんな訳でやってきました、中立コロニー・サイド6!

 

 戦艦をゾロゾロ引き連れていたお陰で港に入れるのにはかなり手間が掛かったけど、何とか無事に入港できた。

 

 ここは中立だからジオンも攻めてこないだろうという事で、クルー達には休日が与えられる事になった。

 

 そんな訳であたしはアムロのアンちゃんと姉ちゃん、兄ちゃんと護衛としてアンディ・リカルドの兄ちゃんを連れて観光巡りをしています。

 

「なんか平和だね」 

 

「うん。街も住んでる人たちも凄く普通だ」

 

 サイド6に降りて最初に感じたのは、空気が違うという事だ。

 

 サイド7は連邦軍の基地があったから、平和だったけど何時も空気がピリつく感じがあった。

 

 ベルファストもジャブローも何時戦場になってもおかしくないから、常に緊張感が漂っていた気がする。

 

 だけどここは違う。

 

 本当に穏やかな空気が流れているのだ。

 

「俺はあんまり慣れないな、この空気。いるだけで身体が鈍りそうだ」

 

「そうか? 俺は気に入ってるぞ。戦争が終わったら、きれいな嫁さんとこういう場所に住んでみたいねぇ」

 

 顔をしかめるリカルドの兄ちゃんにアンディの兄ちゃんがニヤリと笑う。

 

「アンディ中尉じゃないけど、戦後はここに移住するのも悪くないかもしれないわね」

 

「そうだな」

 

 道路の横に作られた公園を見ながら姉ちゃんがそう言うと、兄ちゃんも口元に笑みを浮かべて同意する。

 

 たしかにそれも悪くないかも

 

『…ラ……ラ……』

 

「……またか」

 

「誰なんだろうね、これ」

 

 そんな事を考えながら歩いていたあたしは、頭の中に流れてきた微かな歌声のような物に首をかしげる。

 

 この声はサイド6に近付いた時から、ちょくちょく流れてくるのだ。

 

 今のところ聞こえているのはあたしとアンちゃんだけみたいだけど、本当になんなのだろうか?

 

 謎の現象に首をかしげながら進んでいると、公園の広場に人だかりが出来ているのが見えた。

 

 どうやら彼等はイベントの観客のようだ。

 

「アンちゃん、あれって……」

 

「戦火の絆の野外イベントみたいだね」

 

 そう、人だかりの向こうにあるステージの横に設置された大型モニターに映るのはあたし達がハマっているロボゲー『戦火の絆』のプレイ画面だった。

 

「あれがMSシミュレーターを基にして作られたゲームとやらか」 

 

「そうだよ。サイド7でもあんな風にイベントやってたっけ」

 

「そう言われると気になるな。少し見ていこうか」

 

「うん。姉ちゃん達もいい?」

 

「いいわ。私も少し興味があるし」

 

「MSのシミュレーターをゲームにねぇ。連邦も面白い事を考え付くもんだ」

 

「やれるのなら、ちょっとくらい触ってみてもいいかもな」

 

 という訳で、あたし達はイベント会場に足を踏み入れた。

 

 ステージにはアーケードから持ち込んだ筐体が二台置かれていて、対戦の様子が横のモニターに映るようになっていた。

 

「『サイド6チャンプ、ホワイティスワンに挑戦! 戦火の絆ゲーム大会』か」

 

「ここのチャンプってそんな名前だったっけ?」

 

 イベントの看板を読むアンちゃんにあたしは思わず首をかしげる。

 

「サイド6はネット対戦では激戦区の一つだからチャンプが変わりやすい。多分、僕達が戦場に出ている間に代替わりしたんだろう」

 

「ああ、そうだった」

 

 会場の熱気と久々に聞くBGMの所為でゲーマーに立ち戻ったあたしとアンちゃんは画面を見ながら言葉を交わす。

 

 チャンプが1Pで挑戦者が2Pみたいだけど、戦況を見るに1P側が優勢のようだ。

 

「チャンプは相当勘が鋭いみたいだね。相手が腕を動かそうとした時点で回避行動に入っている」

 

「ああ、あれは捉えるのに苦労しそうだ。2P側がバズーカをチョイスしているけど、奴を相手にするならマシンガンで弾幕を張りながら誘導するべきだ」

 

 足を止めてバズーカを連発するピンク色のザク。

 

 白のヅダを操るチャンプはランダムに近い軌道を描きながら迫りくる砲弾を躱している。

 

『ラ…ラ……』

 

「あ……」

 

「なんだ、今のは?」

 

「頭の中に女の人の声が響いた?」

 

 その光景を見ていたあたしの脳裏にさっきから断続的に聞こえる歌のような女の人の声が響く。

 

 どうやら、今回は姉ちゃんや兄ちゃんにも届いたらしい。

 

 しかしチャンプが間合いを詰めるべく加速した瞬間、あたしの頭からはそんな事は吹っ飛んでしまった。

 

 チャンプはまるで鳥が羽ばたくように両手を動かすと、ヅダ特有の大推力で宇宙を駆ける。

 

 その際に取った翼のように両手を広げる仕草、アレは間違いない!!

 

「アンちゃん、⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンだ! チャンプはあの⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンだよ!!」

 

「ああ! あの優雅かつ無駄な仕草は間違いない、⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンだ!!」

 

 ⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンとは、あたし達がかつて戦った事があるプレイヤーの一人だ。

 

 彼女が今取った加速する際の非常に無駄な動き、それがネットでまん延していたAAの『⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーン』にそっくりだったため、ロボゲープレイヤー達からは速攻でこの綽名が付けられたのだ。

 

 兄ちゃんや姉ちゃんを置き去りにして二人ではしゃいでいる間に、⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンのヅダは盾の先端についているスパイクで相手のコックピットを貫いていた。

 

「⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーン、おめでとう! チャンプになったんだね!!」

 

「おめでとう、⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーン」

 

 対戦が終わって1P側の筐体から出てきたのは、ベージュのドレスに身を包んだ黒髪に褐色の肌が特徴のアジア系のお姉さんだった。

 

 彼女がホワイティスワンこと⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンなのだろう。

 

「その呼び方はやめなさい! あれは白鳥が空を舞う優雅さを表しているの!!」

 

 しかし、あたし達の祝福を込めた声援がお気に召さなかったらしい。

 

 彼女はこちらに目を向けると、細い眉を吊り上げて抗議の声を上げる。

 

 その際に頭の中に流れていた『ラ…ラ……』という声も『フシャァァァァッ!!』という猫が威嚇する時みたいな声に変った。

 

 どうやら謎の声の発生源は⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーンのようだ。

 

「おい、ララァ。あの観客を知っているのか?」

 

「ええ。多分だけどサイド7チャンプの死神コンビよ」

 

「誰が死神か。あたし達はチワワ―ズだよ」 

 

 まったくカメマンといい彼女といい、失礼にも程があるでしょ。

 

「サイド7が戦争に巻き込まれたと聞いていたから心配していたけど、元気そうで安心したわ」

 

「まあ、色々あってね」

 

 小さく微笑むたしかララァさんだっけ。

 

 彼女にあたしもニッと笑みを返す。

 

 リアルで会うのは初めてだけど、ロボゲーのプレイヤー達はチャットで会話しているのが常なので初対面とは思えないんだよなぁ。

 

「ここで再会したのも何かの縁。一戦、お手合わせ願えないかしら?」

 

「あたしとアンちゃんで?」

 

「さすがに貴方達相手に二対一で勝てると思うほど己惚れていないわ。あなたとよ、イノシシ娘さん」

 

「あたしには『パピィ』っていうハンドルネームがあるんだけど?」

 

「あなたも私の事を妙な綽名で呼んだでしょ。そのお返しよ」

 

 ジト目を返すとララァさんはおかしそうにクスクスと笑う。

 

 そう言われると目くじらを立てるわけにはいかない。

 

「いいよ。ゲームをするのは久しぶりだけど、さび落としついでに揉んであげる」

 

 そして挑まれた以上は、サイド7のゲームクイーンとして背を向けるなんて論外だ。

 

「おっと! 飛び入り参戦はまさかのサイド7チャンプの片割れにしてチャンピオンズリーグの覇者! 人食い魔猪だぁぁぁ!!」

 

「だからチワワだってば!!」

 

 さっきララァさんに話しかけていたマネージャーらしき男の人は、あたしがステージに上がるとマイク片手にテンション高く叫ぶ。

 

 チクショウ! どうして皆、あたしの事をイノシシって呼ぶんだ!?

 

「プレイは久しぶりだから、焦らずに感覚を慣らしていくんだ」

 

「あとは機体の癖も合わせないとね」

 

 セコンド代わりについてくれるアンちゃんに応えると、あたしは筐体の中へ身体を滑り込ませる。

 

 そして癖でずっと持ち歩いているデータ端末を筐体のスロットに差し込めば、ゲームの時に使っていたあたしの機体データが反映される。

 

 素体はヅダで近接武装は腰に差したヒートソードにナックルガードが付いたクラッシュシールド。

 

 射撃武器はマシンガンで、盾の裏にはスモークグレネードが仕込まれている。

 

 機体の方もヅダの特徴である大推力バックパックに加えて、両腰とふくらはぎにスラスターユニットを増設した高速仕様だ。

 

「久々のロボゲー、楽しませてもらいましょう!」

 

 そう気合を入れたあたしは、スタートボタンを押して両側にあるレバーを掴む。

 

 さあ、白鳥狩りだ!! 

          




シャア生存RTA(アホの子)

・天パが初っ端から技量(逆シャア)です。

・天パのバディが相棒並みの腕を持ってます(天パが遠距離、魔猪が近距離)

・魔猪を撃墜すると妹殺しでシャアの精神が死にます(リセット確定)

・天パとまともに戦うと死にます(サイド7での初戦と大気圏の戦いが鬼門)

・魔猪と戦うと勝っても負けても死にます

・正義の怒り(ハイパーハンマー)は長女の怨念が籠っているので、食らうと即死します

・北米の戦いを切り抜ければ、ホワイトベース合流ルートが開けます

・ですが北米の戦いの最後には天パとの3分間デスマッチが待っています

・基本、天パに意識外から狙撃されるとシャアは躱せません

・かといって近距離で戦ってもザクとガンダムの機体差で競り負けます

・なので天パを見失わないように中間距離を取って、弾幕を張りながら逃げ回るのが基本戦術です

・しかし、どれだけ対策をしても事故死は発生するので神にお祈りしましょう

そうしてシャアがホワイトベースに合流すれば、ララァ待望の両手に華の逆ハーエンドが……





「俺、マチュと結婚する事にしたんだ」





バンッ!!
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