ダイクン家の二女はアホの子   作:アキ山

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お待たせしました、一年戦争本編でございます。

ここから戦闘描写の嵐ですが、何とか頑張りたいと存じますです。

がんばれ、オレ!!


マチュとチェンバロ作戦前の異変

「気にするな」

 

 コンスコン少将から敗走の報告を聞いたドズルが返したのは短い一言だった。

 

「わ…私に対する罰は無いのでしょうか?」

 

 しかし、それを受けたコンスコン本人の顔に張り付いたのは戸惑いの色だ。

 

 預けられた部隊に多大な損失を出したにも拘らず、コンスコンは与えられた任務を達成できなかった。

 

 自身の出した結果は信賞必罰を旨とする軍隊では処罰の対象であり、最悪降格や左遷も覚悟していたのだから、彼の反応は当然だろう。

 

「今回の任務は相当無茶があった。敵戦力の全容を把握していないうえに、手が出せない中立地域での遭遇戦。さらに相手は赤い彗星と木馬を主軸とした混成軍だ。それで常勝を求めるほど、俺は鬼ではないぞ」

 

 そんなコンスコンの様子にドズルは不敵に笑う。 

 

「ですが負けは負けです。罰が無いのでは他に示しがつかないのでは?」

 

「状況を考えろ、コンスコン。連邦の奴等が目前に迫っているのに、そんな理由でお前を外す事など出来るものかよ。責任を感じているのなら、戦場で功を立ててそれを払拭してみせろ」

 

 コンスコンの意見をバッサリと切り捨てると、ドズルは部屋の中央にある戦略モニターを起動させる。 

 

「そういう訳でだ、早速お前に頼みたい事がある」

 

「何でしょうか?」

 

 視線で促されて戦略モニターが見えるように近づくコンスコン。

 

 そこにはソロモン要塞と周辺宙域のデータが表示されている。

 

「コンスコン、お前には遊撃部隊としてここの周りを洗ってもらいたい」

 

「ソロモン周辺の調査……?」

 

「そうだ」

 

 ドズルの出した命令を聞いた瞬間、コンスコンの頭は敗残の責任者から歴戦の将へと切り替わる。

 

「───なるほど。閣下は連邦が奥の手を備えていると考えるわけですな」 

 

「うむ。今回の作戦を指揮するのは猛将と名高いティアンムだ。いくら数的に有利だとしても、そのまま真正面から攻めてくるなどという芸の無いマネはすまい」

 

 そう言いながらドズルがモニターを操作するとソロモンの南西側が拡大される。

 

「偵察衛星やガンカメラなどから、連邦の主力と思われる艦隊がサイド4の残骸を隠れ蓑にしてSフィールドを目指している事が確認されている。だが、俺はコイツが臭いと考えている」

 

「ティアンムなら主力艦隊を陽動に利用するくらいはやってもおかしくない。──となれば、本命がいるのはサイド1宙域」

 

 コンスコンは言葉と共に戦略モニターのソロモンの北西部に当たる部分をトンと叩く。

 

 すると拡大された画面には多くの残骸が漂う宙域をCGで再現された画像が映し出される。

 

「お前もそう思うか?」

 

「ここは多数のデブリが漂っています。不意打ちの為に身を隠すには打って付けですからな」

 

 コンスコンの言葉にドズルは強面の顔に不敵な笑みを浮かべる。

 

「そこまで分かっているのなら話は早い。お前の任務はティアンム達を見つけ出し、ソロモンを狙う秘密兵器を撃てなくする事だ」

 

 そう告げるドズルにコンスコンは唖然とした表情を浮かべる。

 

「この敗残の将に防衛戦の行方を左右する大仕事を任せますか?」

 

「おうよ。汚名を返上するには十分すぎる手柄だろう」

 

 しかしそれも一瞬の事、コンスコンもまたニヤリと口角を吊り上げる。

 

 敗戦を咎める事無く、こんな重大な任務を任せてくれるのだ。

 

 クヨクヨしている場合ではない。

 

 ここで結果を出さなければ男が廃るというものだ。

 

「拝命いたしました! 見事結果を出してみせましょう!!」

 

「うむ。だが、くれぐれも無理はしてくれるなよ。お前の指揮と知略はソロモン防衛に欠かせんのだからな」

 

「秘密兵器の破壊とティアンムの首、その二つを取ればいいという事ですな」

 

「馬鹿モン! 秘密兵器の破壊だけで十分だ!!」

 

 そうして大声で笑い合うドズルとコンスコン。

 

 会議室の中には重くるしい雰囲気は漂ってはいなかった。

 

 

 

 

 ソロモンの医務室から格納庫へ続く道、それを険しい顔で一人の男が行く。

 

 銀の髪を後ろで纏めたその青年はアナベル・ガトー。

 

 少し前に友の献身で九死に一生を得た男だ。

 

「ケリィ、すまん……」

 

 彼の脳裏に過るのは医療ポッドに収められた右腕を付け根から、そして左足を膝の下から無くした戦友の姿だ。

 

 あんな状態でケリィ・レズナーは扱いの難しいMAを操り、止めを刺されるばかりであった自分を救ってくれた。

 

 この恩に報いる為には、彼の犠牲を無駄にしない為にもジオンを勝利に導くしかない。

 

 その為の第一歩として、裏切者のシャア・アズナブルに借りを返すつもりだった。

 

「この私が後ろに下げられると……情けない!」

 

 しかし、彼に命じられたのは迎撃ではなくソロモンの直衛部隊への配置。

 

 つまりは後詰めだ。

 

 ガトーにとって、これは受け入れ難いモノだった。

 

 しかし彼に拒否する権利はない。

 

 軍人にとって上官からの命令は絶対だからだ。

 

 故に普段であれば絶対に吐くことが無い愚痴が口をついてしまう。

 

 もちろん、普段の彼なら自身の無様な姿を余人に晒すような愚は犯さない。

 

「ずいぶんとご機嫌斜めだな」

 

 しかし、この時ばかりは勝手が違ったようだ。

 

「誰だ!?」

 

 警戒と怒りを以て視線を巡らせると、そこにいたのは金髪が特徴の精悍な色男だった。

 

 不機嫌さを隠さなかったガトーだが、男の軍服に付いた階級が少佐だと気付くと直ぐに居住まいを正す。

 

「失礼しました、少佐殿! アナベル・ガトー大尉であります!!」

 

「ジョニー・ライデン少佐だ。同じ戦場で戦う事になる仲間なんだ、そう固くなるなよ」

 

 教科書に乗せてもいいような敬礼を取るガトーに、ライデンは苦笑いを浮かべる。

 

 そして次の瞬間には、その笑みをひっこめると真剣な顔で口を開いた。

 

「亡命政府との戦いの事は聞いた。仲間が再起不能にされたんだ、お前さんの気持ちはよく分かる。だがな、上も何の考えも無しにお前さんを引っ込めたわけじゃないぜ」

 

「と、申しますと?」

 

「俺達キマイラ隊はキシリア閣下旗下の突撃宇宙軍だ。だから、このソロモン要塞の事はよくわからん。防衛に回しても、砲の配置も分からなけりゃ要塞側との連携だって取るのは難しい。だから、一番槍で敵に飛びこむくらいしか使い道が無いのさ。けど、お前さんは違うだろう?」

 

「たしかに……」

 

 ガトーは一年戦争前よりソロモンで勤務している。

 

 砲台の位置も完全に暗記しているし、要塞側の司令部とも以心伝心で連携が取れる自信もある。

 

「それにな、お前さんが任されるのはソロモンの最後の護りだ。ボロボロになった連邦を押し返すにせよ、ドズル閣下を始めとする要人が逃げる時間を稼ぐにせよ、その役目は馬鹿みたいに突撃するだけの俺等よりよっぽど重要度が高い。それを担うんだから腐っている暇はない筈だぜ?」

 

 ライデンの励ましに、ガトーは敗戦からずっと霧がかかっていたかのような視界が開ける感覚を憶えた。

 

 そうだ、ジオンの勝利に貢献するなら上の決定に不満を持つなど言語道断!

 

 雑念を捨てて与えられた任務に粉骨砕身で挑む事こそ、己のあるべき姿なのだ。

 

「ありがとうございます、少佐! おかげで迷いが晴れました!!」

 

「おう」 

 

 深々と頭を下げるガトーに軽く片手を上げて応じると、ライデンは格納庫の方へ歩いていく。

 

 そして彼は思い出したかのように足を止めると、振り返ってこう言った。

 

「階級が下のお前さんに難しい事を押し付ける詫びって訳じゃないが、戦友のケジメは俺が取ってやるよ」

 

 その言葉にガトーの表情も引き締まる。

 

「亡命艦隊を率いているのは彼の赤い彗星です。容易い相手ではありませんよ」

 

「そんな事は百も承知さ。だが、そろそろ決着を付けたいと思っていたところなんだ」

 

 再び前を向いたライデンの顔には、先ほどまでの好青年を思わせる笑みは無かった。

 

「───どちらが赤を纏うに相応しいかのな」

 

 そこにあったのは、獲物を見つけた幻獣が浮かべる獰猛な笑みだった。

 

 

 

 

 ルナツーの格納庫、そこには身体の各部に強化装甲と背部に身長を超す程の巨大なブースター、そして両手には身の丈に近い巨大なシュツルムファウストのような武器を備えたジム達が並んでいる。

 

 過剰な武装を纏い色も黒に統一されたジム達もそうだが、その下に並ぶ黒いパイロットスーツを着た者達もまた異様だった。

 

 誰も彼もがギラギラと目を光らせ、中には『やっとこれで家族の仇を討てる』、『クソッタレなジオン星人共をブチ殺せる』などと過激な事を口にしながら獰猛に笑う者もいる。

 

 彼等の眼に宿るのは家族や親友・恋人などの大切な人間を奪った者への憎悪と怨嗟だ。

 

「総員、傾聴!!」 

 

 格納庫の中に部隊を指揮する大佐の号令が響くと、パイロットや機体を運ぶ艦隊のクルー達は一糸乱れぬ仕草で不動の姿勢を取る。

 

 彼等の視線が集中する先、その壇上に現れたのはレビル准将だった。

 

「ジオンの悪鬼共が引き起こした惨劇からもうじき一年。数々の辛酸を舐めてきた我々だったが、ようやく奴等を裁きの業火で焼き尽くす時が来た!」

 

 レビルは普段の好々爺然とした温厚な雰囲気をかなぐり捨てて、用意されたマイクへ叫ぶ。

 

「連邦政府の役人どもは戦後の為にジオンを残そうとしているようだが、そんな事は断じて認められん! 一人でも奴等を活かしておけば、再び我々を地獄へ突き落とした悲劇が起こる可能性は消えない! そしてジオンを根絶やしにせねば、我々の戦争は終わらんのだ!!」

 

「「「「「「おおおおおおおおおっ!!」」」」」」

 

 レビルの断固とした言葉に格納庫にいたほとんどの人間から歓声が上がる。

 

 当然だ。

 

 彼等はその為だけに生きてきたのだから。

 

「諸君らも知っての通り、この作戦に帰り道は無い。だが成功すれば電撃的にグラナダを陥落させ、そこから一気にサイド3のジオン本国を殲滅する事が可能だ!! 故に我等の命は決して無駄にはならない! 私達は悪を滅する神罰の矢にして、地球に新たな平和を作る希望の一射となるからだ!!」

 

 レビルの演説と集まった兵達の鬨の声によって、普段は冷え冷えとした格納庫は汗ばむ程の熱を帯びる。

 

「作戦に参加する全ての勇者達が己の務めを全うし、胸を張って家族たちの元へ召される事を切に願って訓示の結びとさせてもらう」

 

 そうしてレビルが壇上から離れると、先ほどの大佐が再びマイクを持った。

 

「ではピースメーカー隊、出撃せよ! 胸の中で微笑む大切な人達の為にジオンに死を!!」

 

「「「「「ジオンに死を!!!!!」」」」」

 

 その指示を受けてジム達は次々とサラミスやマゼランに搬入され、腹いっぱいにMSを飲み込んだ戦艦たちはルナツーから飛び立っていく。

 

 それはレビルやルナツーに集まった過激派の高官も同じだ。

 

「今なら連邦とジオンの眼がソロモンへ向いている。この機に乗じれば、誰も我々を止める事はできん」

 

 航路の中にある壊滅したサイド4、通称サンダーボルト宙域は現在ガラ空きである事は調べが付いている。

 

 以前は鬱陶しいスナイパー部隊がグラナダまでの行く手を阻んでいたのだが、それもオデッサでの戦闘に駆り出されて死に絶えた。

 

 だからこそ、レビルが思い浮かべるのは宇宙の塵となって消滅するジオンという国と罪人共の無様な死に様のみ。

 

 この作戦が成功すれば全員天に召されているのだから、後の事などどうなろうが知った事ではないのだ。

 

 しかし、そうして復讐に目が眩んだ彼は気付かなかった。

 

『ゴップ大将、大変です。ルナツーを占拠したレビル准将率いるテロリスト達が出撃しました。目標はグラナダとジオン本国、奴等は例のソロモンエクスプレスを使って、両都市を壊滅させるつもりです!』

 

 自分達の信奉者の中に獅子身中の虫がいるということに。

 

 

 

 サイド6での戦いの後、船の応急処置を終えたあたし達はソロモンへ向かっていた。

 

『現在、我が艦隊はソロモンに対し第三戦闘ラインに位置している。以後、サイド4の残骸は一切無い! ソロモンからの攻撃はあっても、第二戦闘ラインまでは一切攻撃するな!! 艦隊、横一文字体形に移動!!』

 

 ホワイトベースのブリッジにいると、通信越しに本隊を指揮する偉い人からの指示が聞こえる。

 

「要塞攻めか。ロンバートのじっちゃん、これってどうなったら勝ちなの?」

 

「そうだな……我が軍がソロモン司令部を制圧すれば勝利と言えるだろうな。他にも敵軍が不利を悟って撤退すればそれも勝ちだ。敵を全滅させるという手段もあるが、あの規模の要塞相手では不可能と考えるべきか」

 

 ふむふむ。

 

 という事は要塞の中に突撃して暴れればOKという事か。

 

「敵の規模は今までとは段違いなんだ。要塞に殴り込むなんて考えるんじゃないぞ」

 

「あたしが要塞にチェストしようとしている事に気付くとは、ブライト大尉ってもしかしてニュータイプ?」

 

「オレがそんなモノであるものか。今までの行動とお前の顔を見れば誰でも気づく」

 

「マチュ、そんなだからイノシシって呼ばれるんだよ」

 

「チワワだよ!」

 

 相方のアンちゃんがそれを言ったらダメでしょうが!

 

「あの、マリーちゃん。チェストって、いったい何をする気だったの?」

 

「チェストはチェストだよ、フラウお姉さん。『チェストん意味聞くような者はチェスト出来ん!』って薩摩武士の心得に書いてあったし」

 

 チェストとは言わば感情の爆発そのものであり、その中には万の意味が込められているらしい。

 

 だから一言ではとても説明できないのだ。

 

「……セイラ、この子の手綱はしっかり握っていてね。一人にすると絶対に無茶苦茶すると思うから」

 

「ええ。分かっているわ」

 

 そして沈痛な顔で姉ちゃんに言葉を掛けるミライお姉さん。

 

 あれ、あたしの評価おかしくない?

 

「わりと妥当な判断だと思うな。その闘争心と直結している行動力とか」 

 

 シイコお姉さんまで酷いや!

 

 皆からアレな扱いをされて少しへこんでいると、フラウお姉さんが驚いたように通信機へ向き直った。

 

「ブライト艦長! ゴップ大将から緊急通信です!!」

 

「モニターに回してくれ」 

 

 ブライトさんの指示でブリッジにある通信モニターにゴップのおっちゃんの顔が浮かび上がる。

 

 いつもは胡散臭い笑みを浮かべているおっちゃんだけど、今回は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。

 

『ロンバート中佐、少々拙い事になった』

 

「何があったのですか、ゴップ閣下?」

 

『レビル准将をトップとする過激派連中にルナツーを占拠された』

 

「な…なんですって!?」

 

 ゴップのおっちゃんが憂いを含んで吐き出した言葉に、ブライト大尉が細い目を見開いて驚く。

 

「閣下。レビル准将はグレイブ事件やオデッサ作戦の不備で降格の後、ジャブローで監視付きの内勤に回されていたのでは?」

 

『その監視にコロニー落としで家族を失った過激思想に取り憑かれた兵士がいたのだ。奴はその手引きでジャブローを脱出し、考えを同じとする者達と共にルナツーの占拠に成功してしまった』

 

「あれだけ大きな要塞がそんな簡単に征服されるモノなんですか?」

 

「おそらくはルナツーの中にもレビル准将と同じ考えの者がいたのだろう。ソロモン攻略の為に大半が出払っていたことに加えて、その者達が内応した為に守備隊は何もできなかったらしい」  

 

 ルナツーは連邦にとって唯一の宇宙基地だ。

 

 そこを過激派のテロで占拠されたとなれば、ジオンへの攻勢にとってデッカい障害となってしまう。

 

 けど、ゴップのおっちゃんが伝えた危機はあたし達の考えるモノよりも斜め上を行っていた。

 

『しかも奴等はルナツーの貯蔵されていた核と、ソロモンエクスプレスという要塞攻略の為に開発された熱核反応弾をMSが使用できる特攻兵器を奪ってジオン本国へ出撃してしまったのだ』 

 

「ふぁっ!?」

 

 これには思わず変な声が出てしまった。

 

 アイツ等、本気でジオンを滅ぼす気だ!

 

『オデッサでジオンが核を使用したという先例があっても、奴等の暴挙は見逃すわけにはいかん。非戦闘員がいるコロニーや月面都市に核を撃ち込んだとあっては、世論やスペースノイドからの非難は避けられない。最悪、この戦争がジオン対連邦から地球対宇宙の民族紛争へ拡大する恐れもある』

 

「ですが、我々もソロモン攻略作戦を目前に控えています。彼等を止める為の戦力は出せませんよ」 

 

『ああ、作戦を指揮するティアンム提督からもジオンを救う為に割く兵は無いと言われたよ。しかし亡命政府艦隊ならその限りではない』

 

「そっか。あっちって、ザビ家の独裁からジオンを取り戻すって集まりだもんね」 

 

『そういう事だ。祖国の救済を謳う彼等なら、レビルたちを止める為に動かしても問題はない。そこでだ、マリー嬢達も亡命艦隊と共に動いて欲しいのだ』

 

 思わぬ形で立った白羽の矢にあたしと姉ちゃんは思わず目をしばたかせた。

 

「あたし達が行っていいの?」

 

 最新鋭機のプロトも使わせてもらっているし、一応戦力の端くれくらいには数えられていると思ったんだけど。

 

『ああ。奴等は捨て身の死兵だ、生半可な腕では止めるのは難しいだろう。だからこそ、君とNT-1の力が必要なのだ』

 

「……わかった」

 

 少し考えた後、あたしはゴップのおっちゃんの言葉に頷いた。

 

 正直言ってホワイトベースの皆は心配だけど、ゴップのおっちゃんがコッチへ話を持ってきたという事はお願いじゃなくて命令だ。

 

 使われる側であるあたし達に拒否する権利は無いのである。

 

『ロンバート中佐、すまんが早急に手続きを頼む。ティアンム中将や本隊の指揮官には話は通しているのでな』

 

「了解しました。ペガサスのドク艦長とファルメルのドレン艦長に通信を開いてくれ」

 

 ゴップのおっちゃんからの通信が切れると、一気にブリッジが慌ただしくなった。

 

「ごめんね、アンちゃん。こっちの事は任せる」

 

「ああ、マチュも気を付けて」

 

 あたしが拳を突き出すと、アンちゃんも自分の拳をコツンと合わせてくれる。

 

 お互いやられるなんて考えていないからね、挨拶はこれで十分だ。

 

「それじゃあ、行ってきます! 皆も気を付けてね!!」

 

 そう言葉を残すとあたしと姉ちゃんは格納庫へブリッジを後にした。

 

 トンデモない面倒事が飛び込んできたけど、嘆いたって始まらない。

 

 大虐殺なんて胸糞の悪い事は絶対に止めてやるんだから!!

 




ピースメーカー隊を出すのはガンダムSS書きのノルマでしょ!

ノルマ、達成!!
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