ダイクン家の二女はアホの子   作:アキ山

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久々登場の主人公。

されど、今回は会話オンリーでございます。

スパロボY、面白いなりぃ……


マチュと女傑さま

【君は】一年戦争を生き抜く転生者のスレ 18スレ目【生き残ることが出来るか?】 

 

 

441 名無しのガノタ

 

どうしてこうなったぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!?

 

 

442 名無しのガノタ

 

ソロモン攻略戦ブッチって何!?

 

 

443 名無しのガノタ

 

あの作戦、連邦軍が総力を結集してやってたやん!

 

虎の子のソーラーシステム持ち出して頑張ったやん!!

 

なんでそれを途中欠席が認められんの!? 

 

 

444 名無しのガノタ

 

お前等、説明受けただろうが!

 

レビル将軍が反逆者になってグラナダを攻めようとしてるって!

 

 

445 名無しのガノタ

 

それが意味わかんねーんだよぉぉぉぉっ!

 

あの人、原作だと連邦でも良識派だったろぉぉぉぉっ!!

 

 

446 名無しのガノタ

 

いや、レビル将軍って割とヤバいぞ

 

 

447 名無しのガノタ

 

色んな外伝見てると分かるけどティターンズ程じゃなくても

 

かなりのタカ派みたいに描かれてるからな

 

あと今は准将だぞ、あの爺さん 

 

 

448 名無しのガノタ

 

え? 原作だと大将だったよね?

 

なんで降格したの?

 

 

449 名無しのガノタ

 

ペイルライダー計画の違法研究が政府のお偉いさんにバレたんだとさ

 

なんでもアイツ等ホワイトベースにいたちっちゃいマチュを実験体にしようとしたらしい

 

 

450 名無しのガノタ

 

あの子ってシャアの妹だろ!?

 

そんなんしたら隕石堕とし待ったなしやぞ!

 

 

451 名無しのガノタ

 

と…トンデモねえ! 

 

全然原作と違うじゃねーか!!

 

 

452 名無しのロイエンタール

 

狼狽えるな! 

 

俺達がいる時点でとっくに原作からは離れているだろうが!!

 

 

453 名無しのガノタ

 

お…お前はドク! 

 

ドク・ダーム!!

 

 

454 名無しのガノタ

 

ハゲで情緒不安定な雑魚という原型が行方不明になって

 

代わりに金髪マッチョでレイバンを掛けたアメリカーンな司令官になったドク(偽)!!

 

 

455 名無しのロイエンタール

 

若本御大の声帯を持って生まれたのならカッコよくなるのは義務だ!

 

目指すはオスカー・フォン・ロイエンタール!!

 

 

456 名無しのガノタ

 

ハードルたっか! 

 

 

457 名無しのロイエンタール

 

漢なら目標は高く持たねばならん!

 

それより今回ばかりは気合を入れろよ

 

下手するとこっちの方が要塞攻略よりヤバいからな

 

 

458 名無しのガノタ

 

マジで!?

 

相手はソロモン攻略戦をハブられた残りカスじゃないの?

 

 

459 名無しのロイエンタール

 

ああ レビル達はルナツーに貯蔵してあった核と

 

ソロモンエクスプレスを使ってグラナダとサイド3を殲滅するつもりだ

 

 

460 名無しのおっぱい

 

なんだって!?

 

 

461 名無しのガノタ

 

敵本国のコロニーに核攻撃とか頭ブルコスかよ!?

 

 

462 名無しのガノタ

 

拙い!

 

おっぱいのやつ、ジムに乗り込もうとしてるぞ!!

 

 

463 名無しのガノタ

 

ここから出ても推進剤がもつわけないだろうが!

 

止めろ! 止めろぉ!!

 

 

464 名無しのおっぱい

 

放せ! 

 

私はまだマシュマーとイチャイチャしたりないんだ!!

 

お風呂に入ったり一緒のベッドでぱふぱふしながら寝たりしないと!!

 

 

465 名無しのガノタ

 

なんてこった! 

 

別の意味でやべぇ!?

 

 

466 名無しのガノタ

 

マシュマーの性癖が死ぬぅっ!?

 

 

467 名無しのガノタ

 

逃がすなよ! 絶対に逃がすんじゃねえぞ!!

 

フリじゃねーからな!!

 

 

468 名無しのガノタ

 

話ぶった切ってゴメン

 

ソロモンエクスプレスってなに?

 

聞いた事ないんだけど

 

 

469 名無しのガノタ

 

プラモ雑誌の企画で出てきたガンダムの特殊武装の一つだ

 

たしか超加速で敵要塞にカチ込んで核攻撃するヤバい兵器だったはず

 

 

470 名無しのガノタ

 

誰もが手軽に『アイ・アム・アトミック』が出来る(悪)夢のツールでございます

 

 

471 名無しおっぱい

 

まあGP-02Aの遠いご先祖様と思っとけばOK

 

 

472 名無しのガノタ

 

そんな兵器があったのか

 

知らんかった

 

465〉シャドウ様じゃねえんだから、

 

あんなヤバい技使いたいとは思わんわ!

 

 

473 名無しのガノタ

 

武装云々は後付け設定で増えるからしゃあない

 

コイツもソーラ・システム出来たから没ったらしいし

 

 

474 名無しロイエンタール

 

奴等はジムでも使えるように改造したコイツを量産して

 

ジオンの主要都市を全滅させるつもりらしい

 

奴等の作戦が成功したら俺達の家族は助からん。

 

そのうえこの戦争も地球対宇宙に変わる可能性が大だ

 

 

475 名無しのガノタ

 

やべぇ…やべえよ!? 

 

 

476 名無しのガノタ

 

宇宙世紀でそんな事になったら人類絶滅待ったなしじゃん!!

 

 

477 名無しのガノタ

 

下手したらガンダムXみたいに、

 

コロニー落とし100連発とかあり得るぞ!!

 

 

478 名無しのおっぱい

 

マシュマー! 私の可愛いマシュマーが!!

 

 

479 名無しのガノタ

 

おっぱい、ステイ!

 

今はブラコンを自重しろ!!

 

 

480 名無しのおっぱい

 

マシュマーへの愛に自重などという機能は無い!!

 

 

481 名無しのガノタ

 

見ましたか奥さん、こんなんがウチのエースです

 

 

482 名無しのガノタ

 

絶望しかねえ!!

 

 

483 名無しのガノタ

 

漫才はともかくとして、俺等にどうにか出来るのか?

 

こっちのエースはシャアとラル、あとはおっぱいぐらいだろ

 

 

484 名無しのガノタ

 

あとは例のマチュもいる

 

 

485 名無しのガノタ

 

あの子ってアレックス乗りこなすうえに

 

天パに迫る腕を持ってるんだっけ

 

本当に10歳か?

 

 

486 名無しのガノタ

 

あとはPS2のガンダム外伝の主役やってたジオン外人部隊もいる

 

だから何とかなりそうな雰囲気ではあるな

 

 

487 名無しのロイエンタール

 

今から他人頼りでどうする!

 

お前等も気合を入れんか!!

 

 

488 名無しのガノタ

 

といわれても……ん?

 

なんか艦内アラームが鳴ってるぞ

 

 

489 名無しのロイエンタール

 

こっちにジオンの艦隊が近づいてきているな

 

数は……八隻か

 

 

489 名無しのガノタ

 

八隻ってかなりの大戦力だぞ

 

いったい何者だ?

 

 

490 名無しのガノタ

 

公国からの迎撃だとしたらタイミング悪すぎだろ

 

 

491 名無しのロイエンタール

 

ちょっと待て

 

……喜べ、お前等!

 

ジオンのアイドルが来たぞ!!

 

 

492 名無しのロイエンタール

 

アイドル?

 

誰だ?

 

 

493 名無しのガノタ

 

ノイジーフェアリー隊は地上だし

 

紫ババァはアイドルに程遠い存在か

 

 

494 名無しのガノタ

 

俺のファムファタールであるプルは産まれていたら2歳だから違うか

 

 

495 名無しのガノタ

 

このロリコン共め!!

 

 

496 名無しのロイエンタール

 

まったくお前等は……

 

宇宙の蜻蛉って言ったら分かるだろう

 

 

497 名無しのガノタ

 

まさか…シーマ様!?

 

 

498 名無しのロイエンタール

 

そうだ

 

しかも向こうから話し合いを持ちかけてきた

 

こっちに付く可能性もあるぞ!!

 

 

499 名無しのガノタ

 

シーマ様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 

 

 

500 名無しのガノタ

 

キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!

 

 

501 名無しのガノタ

 

キタ━━━━。゚+.ヽ(´∀`*)ノ ゚+.゚━━━━!

 

 

502 名無しのガノタ

 

やべぇ オレちょっと嬉ションした

 

 

503 名無しのロイエンタール

 

ちゃんと片付しとけよ

 

という訳で顔合わせしてくるわ

 

 

504 名無しのガノタ

 

いってら

 

 

505 名無しのガノタ

 

ちゃんと加入フラグ立てて来いよ!!

 

 

506 名無しのガノタ

 

まさかシーマ様が参戦とか胸アツすぎる

 

 

507 名無しのガノタ

 

レビル討伐がヤバそうだったからマジで助かる

 

 

508 名無しのガノタ

 

どうかシーマ様が仲間になりますように

 

 

 

 

 どうも、久々に出番が回ってきたマチュです。

 

 プロトの調整中にソロモン攻略成功という朗報が舞い込んできた。

 

 ホワイトベースの皆も無事という事で本当にめでたい。

 

 アンちゃん達がやられるとは思ってなかったけど、それはそれ。

 

 一緒に戦っていないと不安になるのは仕方ない。

 

 なので、ロンバートのじっちゃんとブライト大尉の顔を見た時は胸を撫で下ろしたものだ。 

 

「えっと、さっき見つけた艦隊って敵じゃないんだよね?」 

 

「そうらしいわ。なんでも亡命政府の代表と話し合いたいって」

 

 上手くいったソロモンとは違い、レビルとテロリストを追うあたし達は予想外のアクシデントに見舞われている。

 

 戦艦8隻からなるジオンと思われる艦隊がこちらに接触してきて、交渉を持ちかけてきたのだ。

 

「むぅ。大人同士の話なら、あたしが行かなくてもいいじゃん」

 

「私達はお飾りでも代表よ。責任は果たさないといけないわ」

 

「それで兄ちゃんは?」

 

「どこかで油を売っているんでしょう。けれど、艦内放送はあったから、愚兄も会談場所へ向かっている筈よ」

 

 そんな事を話しながらペガサスのブリッジへ到着すると、そこにはもう人が集まっていた。 

 

 こちら側はドク艦長とドレンのおっちゃん。

 

 ダグラス大佐にラルのおっちゃん。

 

 兄ちゃんと部下ズに加えて、亡命艦隊の兵士の面々もいる。

 

 そんな彼等に対峙しているのは、背中まである長い黒髪が特徴の背の高い美人さんを筆頭にした20人ほどの部隊の面々。

 

 向こうの兵隊さん達はこっちと違って、みんな腕っぷしに自身がありそうな荒くれ者って感じだ。

 

「同じジオン軍だったとはいえ、ここにいる面々とは初めましてになるねぇ。私はシーマ・ガラハウ。ジオン公国軍突撃機動軍でコイツ等海兵隊を率いていたロクデナシさ」

 

 羽が付いた扇を手に不敵な笑みを浮かべたまま自己紹介を始めるシーマさん。

 

 自分で自分を貶めるようなことを言っているけど、その堂々とした態度からは卑屈さは全く見られない。

 

 ただ、あたしの第六感的なアレが少し妙な物を拾っているのだ。

 

 罪悪感に後悔、あとは怒りか?

 

 シーマさんの軽口交じりの自己紹介を受けて、ドク艦長が口を開こうとした瞬間だった。 

 

 突然あたし達の後ろに控えていた亡命艦隊の兵士さんの一人がツカツカと前に出て、シーマさんの前に立ったのだ。

 

「シーマ様ぁぁぁぁっ!! 俺だぁぁ! 結婚してくれぇぇぇっ!!」

 

 そして、こんなトンデモないセリフをブチかましたのだ。

 

 これにはあたし達も唖然。

 

 亡命政府の皆も唖然。

 

 プロポーズされたシーマさんだって呆然としていた。

 

 けれど、この奇行にド肝を抜かれなかった者もいた。

 

 そう、シーマさんの後ろに控えていた海兵隊達だ。

 

 一団の中から屈強な白人と黒人の軍人さんが出てくると、彼等は左右から愛の告白をした亡命政府の兵士の腕を取った。

 

「お兄さん、ちょっとこちらへ」

 

 丁寧ながらドスの効いた声に、おバカな兵士の顔が一気に蒼褪める。

 

「ぼ…暴力は嫌いなんだ」

 

「そうかい? 俺は好きだぜぇ」

 

 亡命政府の兵士が発した言葉に輝かんほどの笑みを浮かべる黒人の海兵さん。

 

「ワイズマン伍長! そこの部屋を開けろ!!」

 

「は、はい!!」

 

 そして白人海兵さんの言葉に、海兵隊の最後尾に並んでいた他の人達より体格的に小さい金髪のお兄さんが慌ててブリッジに備わった休憩室の扉を開ける。

 

「やめて止めてやめて止めてやめて……」

 

 そしてズルズルと引き摺られながら二人に連行されていく愛の戦死……もとい戦士。

 

 三人が部屋に入った次の瞬間……。

 

「シーマ様に手を出そうたぁ、ふてぇ野郎だ!!」

 

「セーバイ! セーバイ!!」

 

「しぎゃああぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 とんでもない怒号と悲鳴が部屋から響くが、それもワイズマン伍長が扉を閉めるとパタリと聞こえなくなる。

 

「まったく惜しくない奴を亡くした」

 

「ヤムチャしやがって……」

 

「感情を処理できん人間はゴミだと、あれほど……」

 

 そして亡命政府の仲間から聞こえてきた哀悼の言葉がこれである。

 

「……ウチの兵が失礼な事をした。謹んでお詫び申し上げる」

 

「いやいや。なかなかにユニークな人材をお持ちで」

 

 苦々しい顔で頭を下げるドク艦長に、再び不敵な笑みを張り付かせて応じるシーマさん。

 

 亡命政府の兵士がシメられたことも、休憩室を勝手に使われた事も、全部原因はこっちにあるので文句なんて言えるワケがない。

 

「それでは話を戻そう。シーマ中佐、貴官はジオン共和国亡命艦隊に加入する為に我々と合流したと考えてよいのかな?」

 

「ああ。正直言ってザビ家とその下にいるクソ野郎共に、これ以上付き合っちゃいられないからね」

 

 ダグラス大佐の問いかけにシーマさんは迷うことなく頷く。

 

 ただ、何故かラルのおっちゃんは渋い顔だ。

 

「おっちゃん。あのお姉さん、何かあるの?」

 

 ちょうど左隣に立っているので、あたしは小声で聞いてみる事にした。

 

「……彼女と海兵隊に関しては軍にいた時から悪い噂を良く聞いたモノでして……」

 

「悪い噂?」

 

「キシリアやギレンの下で反政府運動やダイクン派の弾圧など、随分と汚れ仕事をしていたようです。それとブリティッシュ作戦にも参加していて、その際にコロニーへ毒ガスを注入して住民を虐殺したとも」

 

「ふむ……」

 

 ラルのおっちゃんの話を聞いて、あたしはこの会談を思い返してみる。

 

 会った時に彼女から感じたのはこれが原因なのだろうか?

 

「本来なら互いに模擬戦の一つでもして実力を確かめ合うんだろうが、今はそんな事をやっている時間はない。その代わりと言っちゃあなんだが、一つ条件を付けさせてくれないかい?」 

 

「条件? それは何かね」

 

「アンタ等のトップ、ジオン・ダイクンの子供達とサシで話をさせてほしいのさ」

 

 それを聞くとダグラス大佐やラルのおっちゃんの目つきが厳しくなる。

 

「何故かね?」 

 

「こっちだって自分や部下の命を預けるんだ。自軍の大将の腹の内を知りたいって思うのはおかしなことじゃないだろう」

 

 そんな二人の視線を真っ向から受けるシーマさん。

 

 うん、この気概も部下を気遣う度量も姉御って感じだ。

 

「どうでしょう、ダイクンの方々?」

 

「ドク艦長!」

 

「彼女の言う事には理があります。一緒に戦う以上、組織のトップを見極めたいと思うのは当然でしょう」

 

「だが、彼女達がザビ家の刺客でないという確証はないのだぞ。なのにキャスバル様達との個別会談など危険すぎる!」

 

 ラルのおっちゃんの言葉に海兵隊の人達から不満のような気配が上がる。

 

 けれど、それもシーマさんが視線を向けるだけで霧散してしまった。

 

 すごいな、本当に統制がキッチリしているや。

 

「これからジオンが劣勢に傾けば、彼女達のような人間が多く現れるのは目に見えています。ジオンという国をザビ家から奪還する為には、そういった離反者を受け入れて力を蓄える必要がある。そして、そんな彼等の心を惹き付けることこそがダイクンの皆さんの使命である。───違いますかな?」

 

 シーマさんが自分の部下達の手綱を握っている間にも、ドク艦長が反対の声を上げていたラルのおっちゃんを言いくるめていた。

 

 言わんとする事はわかるんだけど、ただの神輿に期待し過ぎやしませんかね。

 

「もちろん、セキュリティの方は万全を期しますよ。シーマ中佐には非武装を確かめるためにボディチェックを受けてもらいますし、会談の部屋には有事があれば何時でも突入できるよう、兵士も付けましょう」

 

「しかしだな……」 

 

 ラルのおっちゃんは過保護だから、内心では納得していてもあたし達が心配で折れる事が出来ないみたいだ。

 

「兄ちゃん、時間が無いし受けちゃおう」

 

「いいのか?」

 

「そうね。少なくとも、私達に害意を持っているようには見えないわ」

 

 あたしが小声で兄ちゃんに水を向けると、姉ちゃんも援護射撃をしてくれた。

 

 さすがあたしの母親代わり、この辺の以心伝心は完璧である。

 

「ラル大尉、シーマ中佐の申し出を受けよう」

 

「キャスバル様!?」

 

「ドク艦長の言う通りだ。亡命政府の象徴である我々は、その人間性で味方の心を惹き付けねばならん。ならば、私達を知りたいという者の気持ちを無碍に出来んよ」

 

 ところどころ皮肉が効いた言い回しにラルのおっちゃんが口を噤む。

 

 そんなおっちゃんに兄ちゃんがサングラスを外して不敵に笑う。

 

「心配は不要だ。私がアルテイシアやアルマリアを危険に晒すわけがないだろう」

 

「……バリバリ殺しに掛かっていた人間が良く言う」

 

「姉ちゃん、ステイ」

 

 それ、兄ちゃんはこっちに気付いてなかったから無罪だし。

 

 むしろ、こっちがツッコまれるところだからね。

 

 

 

 ブリッジにある休憩室のソファにあたし達三人とシーマさんは、お茶が入ったコップが置かれた机を挟んで向かい合うように座っている。

 

 ……壁に張り付いた謎の血痕については見なかった事にしよう。

 

「さて、改めて初めましてかな。シーマ・ガラハウ中佐」 

 

「そうだね、シャア・アズナブル少佐。それともキャスバル様とでも呼べばいいかい?」

 

 そうして兄ちゃんが口火を切ると、シーマさんは手にしたティーカップを傾けながら余裕を持って答える。

 

「シャアと呼んでくれ。この件が片付くまで私は他の名前を使わないと決めている」

 

「なら私はセイラ・マスでお願いします」

 

「あたしはマリーって呼んでよ。アルマリアって名前、いまいち慣れないんだよね」

 

 兄ちゃんに便乗して返したあたし達の答えに、シーマさんは右の眉を少し上げる。

 

「アンタ等はダイクンの子って事で上に立ってるんだろ。なのに、それでいいのかい?」 

 

「赤い彗星のネームバリューは中々のモノでね。父の子という事実があれば、本名を使わなくても人がついて来てくれるのさ」

 

「あたしもガルマ殺しとか『連邦のあかいあくま』とか有名になっちゃったからねぇ。ダイクンを名乗らなくても子供がMSに乗ってたら察してくれるんだよ」

 

「本当に不本意なのだけど、鉄球魔人の異名が独り歩きしているみたいで。ハイパーハンマーを持っていたら、それだけで恐れられてしまうの」

 

「最後のはどう考えても自業自得じゃないか。情け容赦なく敵をジャンクにする連邦の赤鬼の噂は、私だって耳にしているよ」 

 

 シーマさんのリアクションに姉ちゃんがチッと舌打ちを漏らす。

 

 赤鬼ってことは、あたしも一緒くたにされているみたい。

 

 まあ、タンデムしてるんだから当然だけどさ。

 

「世間話はこの辺にして本題に入ろうか。アンタ達の目的はなんだい?」

 

「ん? 戦争を終わらせてザビ家からジオンを取り戻す事だけど」

 

「そりゃあ亡命政府の目的だろ。その上に座っているアンタ達の目的だよ。サイド3を取り戻した後、ザビ家にとって代わるのか。それともジオンを連邦に売っ払うのか? その辺が聞きたいのさ」

 

「なるほど」

 

 そう呟くと兄ちゃんはあたしと姉ちゃんに目配せをする。

 

『どう思う?』

 

『適当にはぐらかすか? 私達の真意を知れば、態度を一変させるかもしれん』

 

『ううん、誤魔化しとかしない方がいいと思う。この人はそう言うの見抜いちゃうよ。本音で行く方が信頼を勝ち取れるんじゃないかな』

 

 アイコンタクトと勘の良さでやり取りをしたあたし達は、腹を割って話すことに決めた。

 

「貴方は私達の目的を知りたいと言っていたけど、残念ながら具体的なものは無いわ」

 

「あたし達ってぶっちゃけ担がれるだけの神輿だしね」

 

 あたし達の答えにシーマさんは驚いたように口を開けた。

 

「……いやいや。神輿にされているのは予想は付くけど、何も無いって事はないだろう。命懸けで戦ってるんだ、報酬とか代価くらいは求めるのが普通じゃないか」

 

「って言われてもなぁ。あたし達って気が付いたら、こうなっただけだし」  

 

「そもそも、この戦争に参加したのも成り行きだもの」

 

「私は父の仇を討つ為にジオンへ潜り込んでいたが、妹達に再会してそれも変わった。今はこの子達を護り、共に生きる事が目的だ」

 

「でもって、オトンの子供なあたし達が生きていると大々的に知られた以上、あたし達はザビ家を倒さないと生きられない」

 

「けれど、個人の力で一国のトップを倒すなんて不可能に近い。亡命艦隊の象徴を務めているのは、それを叶えるためでもあるわ」

 

「とはいえ、ただザビ家を滅ぼすだけではジオン本国に大きな混乱を招いてしまう。ダイクン派と亡命政府にはその辺の処理についても力を借りようと思っている」

 

「その辺はジオン本国にいるアンリって人を頼るつもりなんだ。その人はオトンの弟子らしいからね」

 

 スラスラと三人で言葉を重ねていくと、シーマさんの表情がドンドン険しくなっていく。

 

 彼女から感じるのは焦りと不安感。

 

 多分だけど、亡命政府側について戦争に勝ったら自分と部下の生活や地位の保証を求めるつもりだったのかな?

 

 まあ、この辺は当たり前の事だけどさ。

 

「アンリ? まさか、首都防衛大隊長のアンリ・シュレッサーかい!?」

 

「たしか、そんな名前だったよ」

 

 あたしが向こうの言葉に頷くと、シーマさんは乱暴に後頭部を掻きながらため息を付いた。

 

「まさか、ジオンの心臓部たるザビ家の居城を守る兵の頭がダイクン派だったとはね。獅子身中の虫どころの騒ぎじゃないじゃないか」

 

「ジオンやザビ家にとっては頭の痛い話だろうが、私達にとっては好都合だ。アンリ氏は父に最も熱心に師事していた人間、安心して戦後のかじ取りを任せられるからな」

 

 兄ちゃんの言葉に、額に手を当てて俯いていたシーマさんはハッとしたように顔を上げる。 

 

「まさかアンタ達、この戦争が終わったら雲隠れするつもりかい?」

 

「うん。あたし達は元々パンピーだったんだから、それが普通でしょ」

 

「アンタ達がジオンのかじ取りをしないでどうすんだ! ジオン・ダイクンの子供だろうに!!」

 

 当然のように答えを返すと、シーマさんは慌てたように身を乗り出して来る。

 

「私達はジオン共和国を取り戻しにいくのよ。共和制なのに国主を血筋で選んでは、本末転倒ではなくって?」

 

「そもそも私達は政治家としての教育を受けていない。そんな人間が上に立ったところで誰かの傀儡にしかならんよ」

 

「というか連邦が亡命政府の後ろ盾になる条件として、あたし達はダイクンの名を棄ててジオンの政治に関わらないって事になってるんだよね。だから、どのみち向こうの事に関われないよ」

 

 こちらの答えに唖然とした後、シーマさんは大きなため息を付いて乗り出していた身を元に戻した。

 

「なんてこった。上手く懐に入れば濡れ手に粟だと思っていたのに、まさか神輿の中身が空っぽだったなんてねぇ」 

 

 そう言いながらガリガリと頭を掻くシーマさん。

 

「それって戦後の話かしら。なら、こちらで手柄を立てれば共和国になったジオンでも大事にされるのではなくって?」 

 

「そういう訳にもいかないのさ。私達は今まで上から汚れ仕事ばかりを回されてきた。その噂は軍の中にも伝わっていて、今じゃ完全に鼻つまみ者だ。そうでなくてもマハル出身者はスラム上がりやら不法滞在者なんて本国の連中から白眼視されやすい。アンタ等みたいな上からの口利きが無かったら、栄達なんて夢のまた夢だ」

 

「なるほど。その為に私達へ個別会談を申し込んだという訳か」

 

「こちとら上には散々騙されてきたからね、人となりを見抜いておきたいって肚もあったのさ」

 

 ガックリと肩を落とすシーマさん。

 

 その様子を見ていたあたしはティンとある事を思い付いた。

 

「姉ちゃん、シーマさん達も会社で雇ったら? ラルのおっちゃん達だけだと、全然人手が足りないでしょ」

 

「……そうね。戦後に活動を開始するとなれば、すぐ忙しくなりそうだし悪くないアイデアだわ」

 

「会社だって? アンタ、その年で社長さんなのかい」

 

「養父が資産家だったのです。彼が遺した物の中に凍結中の民間軍事会社があって、それを復活させようと思っていたのよ」

 

「後ろ盾には連邦軍のゴップ大将が付いているから、社員になったら連邦の国籍が取れる筈だよ。あと、仕事の方も回してくれるってさ」

 

「この戦争が終わっても、宇宙や地球が秩序を取り戻すには時間が必要だ。それに加えて連邦は戦後、軍縮を余儀なくされる。ゴップ大将はその辺も見越して、宇宙と地球を結ぶ貨物や民間船の航路の護衛などを我々に任せるつもりなのだろう」 

 

 私達の言葉を聞いて、シーマさんは口を噤む。

 

 その真剣な顔を見るに、頭の中でリターンとリスクを必死に考えているのだろう。 

 

 そうして彼女は意を決したように口を開く。

 

「分かった。アンタ達の話に乗せてもらうよ」

 

「いいの?」

 

「ジオンの体制が変わっても、上の人間のコネが無かったら私達は冷や飯食らいだ。それだったら新天地に賭けた方がマシさね。なにせ社長がダイクンの娘で、同僚には赤い彗星と10歳でMSをブン回すじゃじゃ馬がいるんだ。それに連邦軍の大将がバックに付くのなら、派手にコケる事もないだろうさ」

 

「ご期待に沿えるよう頑張るわ」

 

「あと、書類があるなら見せとくれ。特に連邦の大将が後ろ盾になってるって部分を」

 

「ちゃっかりしているな」

 

「こっちは荒くれ者の馬鹿共を山ほど抱えてんだ。嫌でも保障やら何やらに関しては目が肥えるってもんさ」

 

 少し呆れた風な兄ちゃんの言葉にニヤリと笑うシーマさん。

 

 すこししょぼくれている時もあったけど、その姿はやっぱり女傑って感じだった。

 

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