Gジェネ一周年で大爆死のダメージから復帰して執筆完了でゴザル。
へへ……100回回しても00ライザーもゼロカスも来やしねえ。
こうなったら200回回してどっちかゲットしてやるぜ!!
一周年のご祝儀という事で、勘弁してつかぁさい!
さらば、渋沢さん!!
『……そうか』
「子飼いとはいえ勝手に軍を動かし、更には自ら戦場に出て討たれるとは。……あの馬鹿者め」
モニターの向こうで沈痛な表情を浮かべるドズルに、ギレンが小さくため息をつく。
『兄貴、無理はするな。今は俺以外、誰もいないのだろう?』
「たとえ総督府であっても、何処に目や耳があるか知れたものではない。無様を見せるわけにはいかんよ」
二人が話しているのは、独断で連邦軍に戦いを挑んで散ったキシリアのことだ。
直情家のドズルは号泣はしないものの眼に涙をためて悲しみを耐えている。
一方のギレンはまるで仮面のように表情を揺らがせることはない。
この光景を第三者が見れば、ギレンを冷血漢と断じるかもしれない。
しかしドズルは知っている。
家族への情が深い長兄が妹の死を悲しまないわけがないと。
「こんな事になるのなら、グラナダに帰さずに実家に閉じ込めておくべきだったか」
キシリアが功を焦ったのはアルマリアとの裏切り交渉をダイクン派に離間工作として利用され、国内での立場が無くなったからだ。
それとて、キシリアがグラナダにいなければ起こり得なかったこと。
父が妹の謹慎を解こうとした際に反対を押し通していれば、この悲劇は起きなかったかもしれない。
『自分を責めるな、兄貴。キシリアの気性を思えば、閉じ込めたら余計に反発したろうよ』
ドズルの言葉にギレンは悔恨に浸りそうになった己を律する。
弟の言う通り、押さえつければ意固地になるのが妹だった。
仮に謹慎を続ければ、公王の意志に反したという大義名分を手に奴は自分へ反旗を翻していただろう。
そうなればグラナダでキシリアの部下が挙兵し、内戦という最悪の事態を招いていた危険性もあったのだ。
「すまんな、ドズル。決戦を前にしたお前に辛気臭い話をしてしまった」
『身内の訃報だ、仕方あるまい。ショックがないと言えば嘘になるが、隠されて後で知るよりマシよ』
気を取り直したギレンの言葉にドズルは不敵に笑ってみせる。
どちらも空元気なのはお互い分かっている。
だが、今必要なのはその虚勢なのだ。
「死ぬなよ、ドズル。お前にはゼナ君とミネバがいるのだからな」
『兄貴こそ人の事を言えた義理ではあるまいに。そちらも気を付けろよ』
それが叶わぬ事と覚悟しながらも、互いに相手の無事を祈って通信を切るザビ家の兄弟。
そうしてドズルとの会話が終わるとほぼ同時に、親衛隊の隊員が総督室へ駆け込んでくる。
「ギレン総帥、大変です! サイド3の各地でダイクン派が決起を開始しました」
「指令室へ伝令! 反乱分子は警察部隊を使って鎮圧せよ! 相手の勢いが強ければ軍を出動させても構わん! 私もすぐに向かう!」
「はっ!」
指示を出せば親衛隊員は敬礼を返すと踵を返した。
「アンリ・シュレッサーめ、機を読むのが上手い」
再び一人になった総帥室でギレンは小さく呟く。
彼は近々ダイクン派の決起が起こる事を予測していた。
戦争では劣勢を強いられ、更にはキシリアの戦死。
ザビ家凋落と新たなジオンが必要と謳うには絶好の状況だ。
鎮圧を命じたものの首都防衛隊の隊員とて、信用が置ける者がどれだけいるか分かった物ではない。
「だが、今は時期尚早だ。まだこの椅子をくれてやるわけにはいかんよ」
稀代の策謀家は優れた脳内でシナリオを早急に書き換えていく。
彼が記す脚本がどんな形でピリオドを打たれるか、それを知るのはギレン只一人だけだ。
◆
【君は】一年戦争を生き抜く転生者のスレ 23スレ目【生き残ることが出来るか?】
234 名無しのロリNT
初カキコ!
今までロム専だったから
ずっと書いてみたかったんだよね
235 名無しのガノタ
お! 新人だ!!
236 名無しのガノタ
ロリでニュータイプだと!?
素晴らしい!!
237 名無しのガノタ
ブラボー! おお、ブラボー!!
238 名無しのガノタ
落ちつけロリコン共
239 名無しのガノタ
今までロム専なのはいいとして
書き込みたかったってのはどういう事だ?
ここって思考で簡単に書き込めるはずだけど
240 名無しのロリNT
うんとさ、私今までフラナガンって研究所にいたんだよね
そこでニュータイプの訓練とかしてたんだけど
それやってるとここに繋がりにくくなるみたい
241 名無しのガノタ
そうなのか 知らんかった
242 名無しのガノタ
今までオレ等の中にガチのNTなんて生まれなかったからな
分かりようねーわ
243 名無しのガノタ
そんな事より写真UP!
244 名無しのガノタ
お前が本当にロリなら自撮りを
挙げられるはずだ!!
245 名無しのガノタ
ええい! いい加減にせんか!
ロリコン共!!
246 名無しのガノタ
そんなに荒ぶってるとロリNTが逃げるぞ!!
247 名無しのロリNT
大丈夫大丈夫
私も元オタクだからこういう雰囲気慣れっこだし
という訳でホレ!
248 名無しのガノタ
げ…げぇ……っ!?
249 名無しのガノタ
カチュア・リィス……だと?
250 名無しのロリNT
あれ? もしかして私って
原作キャラだったりする?
251 名無しのガノタ
いや原作キャラじゃない
キャラじゃないけど……
252 名無しのガノタ
Gジェネレーションっていうガンダムゲーのオリキャラ
というかロリNTはやったことないのか?
253 名無しのロリNT
私ガンダムにハマったのって死ぬ直前だったんだよね
切っ掛けはジークアクスのヒゲマン
254 名無しのガノタ
なるほど
だったら分からんわな
255 名無しのロリNT
ところでさ、この世界ってどうなってるの?
ジオン負けそうになってるし
ジークアクスだと思ってたのにおかしいよね
256 名無しのガノタ
この世界は多分初代ガンダムがベースだ
だから連邦が勝つのは間違いじゃない
257 名無しのロリNT
けどマチュいたよ?
それにフラナガン研究所にもニャアンいたし
258 名無しのガノタ
マジか!?
259 名無しのロリNT
ああ…けど私の知ってる『ニャアン』じゃなかった
野生児というか猫娘だったし
260 名無しのガノタ
ね…猫娘?
261 名無しのロリNT
行動が猫みたいに気紛れ
あと喧嘩も激つよだった
研究員を何人も病院送りにしてたし
262 名無しのガノタ
それはまた……
263 名無しのガノタ
多分並行世界の別人って奴だな
この世界のマチュだってユズリハじゃなくて
ダイクンの末娘だし
264 名無しのガノタ
つまり、ここは初代ガンダムによく似た
別世界って事ですな
265 名無しのガノタ
分岐の鍵はロリマチュ誕生ってとこかな?
266 名無しのガノタ
多分それに『褐色ゴリラ』さんだと思うぞ
彼がばら撒いたМSシミュレーターを基にしたロボゲー
サイド3以外の地球圏に広まりまくってたみたいだからな
267 名無しのガノタ
あの人スパロボガチ勢だったもんな
連邦高官になってOGと同じ策を打ったら
泥沼の宇宙世紀をマシに出来るって言ってたもん
268 名無しのガノタ
あとこの掲示板では珍しいリア充だったから
子供達により良い未来を残したいって
269 名無しのガノタ
だからスパロボだとバーニングPT使ってリュウセイ釣ったみたいに
こっちではロボゲーでロリマチュの才能を開花させたってことか
270 名無しのガノタ
天パもだぞ
あと連邦のパイロットの腕が上がってるのも
ロボゲーが原因みたいだし
271 名無しのガノタ
ヤザンがUC版ベーオウルフに
なってるの見た時はビビった
272 名無しのガノタ
アイツのパーソナルカラーだったら
アルトアイゼンもナハトだろ
273 名無しのガノタ
という事はもしこの世界にアインストがいたら
アインスト・ヤザンになるって事か
273 名無しのガノタ
やめてください
みんなしんでしまいます
274 名無しのガノタ
与太話はともかく宇宙世紀に
トンデモねえ爪痕遺しているじゃん
あのゴリラ
275 名無しのガノタ
だから滅びた
276 名無しのガノタ
ルウム戦役で当たるはずのないヨルムンガンドの砲撃に
エンジントラブルで吸い寄せられていく時の実況
エゲツなかったもんな
277 名無しのガノタ
そういえばこの件でファイナルデスティネーションしたの
褐色ゴリラさんだけじゃないよな
278 名無しのガノタ
あの人にシミュレーターのデータを横流しした
ジオンの技師やってた転生者も逝った
279 名無しのガノタ
務めていた研究所が動力炉の爆発起こして
他の職員ごと吹っ飛んだんだっけ
280 名無しのガノタ
そう 普通は暴走しない新品の核融合炉
それが短時間でメルトダウンしたんだ
281 名無しのガノタ
原因はアレだろ
ネズミが冷却システムの配線咬み切って
そこに蓋の裏側に出来てた結露の雫が落ちてショート
282 名無しのガノタ
異常に気付いた作業員が慌てて動力炉を止めようとしたんだけど
操作中に端が欠けてたボタンに指が刺さった事でミスって
炉の出力がマックスに
283 名無しのガノタ
結果 核融合炉はメルトダウンからの大爆発を起こして
基地ごとガノタ研究員をアボンさせたと
284 名無しのガノタ
というかこのニュー速
ファイナルデスティネーション発動の時に
その様子をライブ配信するのやめてほしいよな
285 名無しのガノタ
警告のつもりなんだろうけど
見せられているこっちは恐ろしくて仕方ねえ
286 名無しのガノタ
自分だけじゃなくて周りにいる赤の他人を
何百何千の単位で巻き込むんだもんなぁ
マジ堪らん
287 名無しのガノタ
あんな惨劇は二度とごめんだ
俺達は慎ましく生きていこうぜ
288 名無しのガノタ
次は地獄のア・バオア・クーなんで生きて帰れるか
分からないんですけどね
忌憚のない意見ってやつっス
284 名無しのガノタ
ヤロウ! ぶっ殺してやる!!
285 名無しのガノタ
事実陳列罪で死刑ッッ!!
◆
あたしはプロトの中で意識を集中させる。
気の持ち方は戦場に出た時と同じ。
自分の周りに意識の幕を張って、飛んでくる攻撃も敵が放つ殺気も捉えられるように五感と勘を鋭く研いでいく。
宇宙空間に出た事で広がっていくそれが捉えるのは、こちらを狙う闘志だ。
瞬間、手がレバーを操作するよりも早くプロトは反応していた。
追加された装甲に仕込まれたアポジモーターと肩部のスラスターを吹かして横に跳ぶと同時に、プロトは左手でライフルを構えている。
その狙いはビームが飛んできた位置から少し左へズレた位置。
アームレストのトリガーを引くよりワンテンポ早く放たれたビームだけど、宇宙の蒼の中を奔る白い曳光を捉える事はない。
「躱した! 流石はアンちゃん!!」
あたしは相手を見失う前にオーバード・ブーストを掛ける。
流石にこれは思考操作という訳にはいかないらしい。
アームレストとフットペダルの操作でスラスターやバーニアの位置を調整し、全てを同時にイグニッション!
すると増えた装甲の重さなんて何のそのと言わんばかりにプロト、いやアレックス・アサルトは爆発的な加速で宇宙を駆ける。
装甲と一緒に増設されたバーニアやら何やらのお陰で、ブースト時の速度は前より増した。
けど、このアサルトパックってカメマンのフルアーマーガンダムを参考にしているらしいんだよね。
か弱い少女を野獣と一緒にするとか、G-4チームはあたしを何だと思ってるんだ。
【ちぃっ! オーバード・ブーストか!? ならば!】
おお、アンちゃんの思考が流れてきたと思ったら、対戦相手であるアレックス1号機改めアレックス・ラピッドリーはこちらに背を向けるとデブリの陰に隠れる。
踏み込みはともかく総合的な機動力だと向こうが上なので、ここで逃がすとエグい射撃の的になりかねない。
アンちゃんを追ってデブリの陰に入ったあたしを待っていたのは、落としたかのように宙を漂うハイパーバズーカ。
すわっ!? 置きバズ二択かと思って辺りに注意を向けようとした瞬間、あたしの背筋に冷たいものが奔った。
次の瞬間、反射的にこちらが掲げた右腕から増加装甲が高速でパージされ、あたしの代わりにバズーカから放たれた砲弾を受け止める。
これがアサルトに足された装甲の役割。
リアクティブ・アーマーのような火薬じゃなくて、マグネットコーティングを利用した電磁加速で飛び出し、避けられない攻撃を機体に届く前に受ける防御機構だ。
『避けたっ!?』
通信機から漏れるアンちゃんがあげた驚きの声。
同時にバズーカからは遠隔操作に使ったんだろう、通信用の細いワイヤーが巻き取られていく。
置きバズ二択じゃなくて出会いがしらの虚を自分の手で突く事で、確実に仕留める気だったのか。
事前に仕込んでいる遅延発射命令より、アンちゃん自身にタイミングを合わせられる方がキツい。
「相変わらず戦術がエゲツないなぁ!」
逃げようとするアンちゃんとの間合いを詰めたあたしは右手からビームトンファーを伸ばして斬りかかる。
『そう言いながらも避けてたじゃないか!!』
機動力と運動性なら向こうに負けるけど、直線の加速ならこっちが上だ。
バックステップで間合いを広げようとしていたラピッドリーは逃げきれずに、右腕の手甲部分をトンファーが掠める。
これが実戦だったら追加装甲ごと切り飛ばされている筈だ。
『ダミー装置が!? このぉっ!!』
こちらが続けてはなった横薙ぎの斬撃をバク宙で回避するアンちゃん。
しかもその最中に背中に背負ったバズーカまで撃ってきた!
「マジか!? ええぃ!!」
手が操作するより早く、あたしの焦りによってアサルトは砲弾へ向かって頭部バルカンを発射する。
大型の模擬弾へ次々と突き刺さるペイント弾。
すると、コクピットの内壁に映し出されていたモニターの半分がブラックアウトする。
機体コンディション画面の情報だと、今の迎撃で爆発したであろうバズーカの破片がメインカメラを傷つけたという判定らしい。
それでもあのまま食らっていたら頭か、下手をすると胴体が吹っ飛ばされていたんだ。
この程度で済むなら御の字だろう。
「当たれぇ!!」
あたしは再度のオーバードブーストでバズーカ発射の反動で出来たアンちゃんとの距離を詰めると、逆立ちの状態で下へ逃げようとしていたラピッドリーの右足をビームトンファーで薙ぐ。
横殴りにフラれた光剣は右足の膝のすぐ下あたりを通り過ぎ、それによって噴出していた脹脛と足裏のスラスターが死ぬ。
『あの状態から間に合ったのか!? だが、まだ!!』
「とわっ!?」
右足が死んだ影響を一瞬で立て直したアンちゃんは、下へ距離を取りながら連続でライフルを撃ってくる。
今度はこっちが宙返りするような形で回避を強いられて、その内の一発が左腕に当たって肘から下の機能が停止してしまった。
装甲にはビームコーティングが施されているのに運悪く肘関節に当たったのか!?
いや、違う!
アンちゃんめ、狙ってやったな!
とにかく、このままだといい的にされちゃう!
あたしは小さく舌打ちをしながらもアームレストの手前にあるコンソールに指を走らせる。
すると小さなサブモニターに浮かぶのはウエポンセレクト画面。
選ぶのはフラッシュ・バンだ!
エンターキーを押し込むと同時にバックパックの上部が開いて軽い衝撃と共に一つの砲弾が発射される。
それはビームを掻い潜ってラピッドリーの近くまで飛ぶと、弾けて強烈な閃光を生み出した。
『うわっ!?』
同時に通信機から聞こえてくるアンちゃんの悲鳴。
あたしは目を閉じていたけど、むこうはそうはいかないのだろう。
そしてそれは致命的な隙だ!
「はぁぁぁっ!!」
そのチャンスを逃さずに突撃したあたしは再びこちらの土俵へ持ち込むべくビームトンファーを振るう!
『させるか!!』
けれど、乾坤一擲の袈裟斬りは咄嗟にアンちゃんが掲げたサーベルによって防がれてしまった。
「相変わらず、普通に防いでくるなぁ! 目を潰した意味ないじゃん、コンチクショウ!!」
『伊達に君の相棒をしてないって事だよ! 勝負を掛ける時、マチュはだいたい絡め手で防げない状況を作るからね!!』
防いでいたトンファーを切り払って、返しの斬撃を放つラピッドリー。
あたしは反射的に機体に半身を取らせて、その一撃を紙一重で回避する。
「絡め手とか、アンちゃんが言うな! 毎度毎度特級呪物みたいな戦法使ってくるの、そっちじゃん!!」
ショルダーチャージで体勢を崩して相手の胴を横薙ぎすれば、アンちゃんは吹き飛んだ勢いを利用して胸の増加装甲に仕込まれた姿勢制御用のブースターを点火してクロスレンジから脱出する。
ああもう、シクった!
むこうは増加装甲の中にアホほどスラスターとかアポジモーター仕込んでるんだった!!
『僕は勝つために全力を尽くしているだけだよ! その罠を9割抜けてくるマチュが言えたことか!!』
そして持ち替えたビームライフルを三連射するラピッドリー。
これが弾幕目的じゃなくて微妙に手首の角度を変えた狙撃だから質が悪い!
「仕方ないじゃん! そういうのを抜けて、アンちゃんと鎬を削るのが楽しいんだから!!」
けど、無理な体勢で撃った所為で何時もよりほんの僅かだけど狙いが甘い!
あたしは一射目を左ステップで躱すと、二射目三射目をビームトンファーで斬り落とす。
こっちのライフルは左腕と一緒に死んだから、こうでもしないと手の打ちようがないんだよね!
『まったく、とんだ戦闘狂だな! いったい誰に影響を受けたのさ?』
「絆民ってだいたいこんな感じでしょ。というか、鬼畜天パとか呼ばれてるアンちゃんに言われたくないし!」
なんて軽口を叩きながら、あたし達は三度ビームサーベルで切り結ぶ。
瞬間、あたしの意識は半分暗くなったコクピットから例のキラキラ空間へ飛んだ。
「お、アンちゃんだ」
「マチュ」
気配を感じて目を向けると、そこにいたのはパイロットスーツじゃなくて普段着のアンちゃん。
あたしもなんでか普段着になってる。
「ここって何なんだい?」
「なんて言ったらいいんだろ。勘の良い人同士の波長が合うと偶に意識がこっちに飛んで来るみたい」
ララァの時もそうだったし。
「そうなんだ。ところで、アサルトの使い心地はどうだい?」
「いい感じ。最初は『レビルガンダム』を思い出すからフルアーマープランは嫌だったんだけど、いざ付けてみると悪くないね」
そう答えるとあたしはアンちゃんの方にも改造されたアレックスの感想を聞いた。
「こっちも良好だよ。僕の方は防御力より機動力アップに主眼が置かれているからね。アレックスの特性が上手く強化されているよ」
ここらでネタばらしをしておくと、あたし達がやっているのは最終決戦用に強化されたアレックスの試運転を兼ねた模擬戦。
あたしの方は踏み込みと近接戦闘を強化した『アレックス・アサルト』。
アンちゃんの方は機動力に全振りした『アレックス・ラピッドリー』だ。
この強化は機体そのものを弄ったわけじゃなくて、FSWS計画っていうМSに装甲と武装を追加する計画が使われてるらしい。
なので強化装甲が壊れたら、パージして素のアレックスとして運用できる優れものなんだってさ。
「ところでサイコミュの調子はどうだい?」
「うん、使えると思うよ。ぶっちゃけ、今の戦闘でも操作の前にアレックスが動いてくれたし」
あと、この二機のアレックスだけど新しいインターフェイスが積まれている。
それが『サイコ・コミュニケーターシステム』、通称サイコミュである。
実はこれ元々はジオンの技術なのだ。
テムのおっちゃん曰く『ニュータイプ、つまりは勘の良い人の特殊な脳波を受信・増幅してコンピュータ言語に翻訳することで、機械を直接操作する脳波コントロール・システム』らしい。
キシリアの部隊やララァが使っていた移動砲台や、ロケットパンチの遠隔操作もコレを利用しているそうな。
それをどうやって手に入れたのかというと、キシリアによる襲撃の際に降伏したМAやヒゲマンことシャリア大尉の乗っていたキケロガに積んであったんだってさ。
でもって、テムのおっちゃんを始めとする連邦の有志達はキシリア襲撃で連邦軍が受けたダメージの修復と、地上での戦いを終えた部隊が合流してくるまでの時間を使ってサイコミュの解析に乗り出した。
正直、そんな簡単に使えるようになるのかと疑問に思ったけど、アマミヤ中尉(昇進したんだって)曰く『子供達を生き残らせる為に使えるモノは何でも使う』という執念でやってのけてくれた。
テムのおっちゃんを始めG-4チームや整備の皆、稼働試験に一番貢献したシャリア大尉には本当に頭が下がります。
ありがとう、そしてお疲れ様。
「それじゃあ、そろそろ決着といこうか」
中途半端で終わりは消化に悪い。
白黒はしっかり付けないとね
「ああ! ──マチュ!」
「やばっ!?」
上から降り注ぐような闘志と共に解除されるキラキラ空間。
弾かれるようにあたしとアンちゃんが離れると、その間を太いビームが通り過ぎていく。
直後にモニターへ映し出されるのは、蒼いフルアーマーガンダムと赤が特徴なカラーリングのアクトザクだ。
『よう! 俺達も混ぜてくれよ』
『機体の最終調整なら、大人数でやった方が効率的だろう』
通信モニターに映るのは楽しそうなカメマンと兄ちゃん。
『俺も高機動仕様に改造したジーラインにもう少し慣れておきたいんだ、付き合ってくれるよな』
『すまんが、こっちも参加させてもらう。君等が乗っていたガンダムは酷くじゃじゃ馬でな』
そしてもみあげダンディにハムタロさんまで!
『マチュ! それだけじゃない!』
「え!? なんかどんどん出てきてるんだけど!?」
そう、兄ちゃんたちの後に続いてソロモン要塞からМSが次々と飛び出してきているのだ。
『お前等が楽しそうにじゃれあってるから、絆民って奴等がドンドン触発されてるんだよ!』
『次が最後の戦いなんだ。生き残るためにも腕を上げる機会は見逃せないさね』
『私もアリアドネの調整が終わったから、参戦させてもらうわね』
カイさん! それに姉御やシイコさんまで!
『絆民大好きな祭りという奴だ。地上から上がってきたばかりで、巻き込まれるとは思ってなかったがな』
さらに続いてモニターに現れたのは金髪を七三に分けた白人のおじ…お兄さん。
ホワイトディンゴってチームのリーダーをしているサモエドさんだ。
「サモエドさんって、地上で戦ってたんだ。ハスキーや柴もいるの?」
『ああ、全員無事だ。地上戦ばかりで宇宙は不慣れなんでな、その辺の調整がてら胸を借りるぞ、チャンプ』
いやはや、みんな好きだねぇ。
「アンちゃん、どうする?」
『ここまで盛り上がってたら、僕達だけ先に上がりますとは言えないよ』
「だよね」
互いに苦笑いを浮かべたあたし達は、コンソールのキーボードに指を走らせる。
これで今までの戦いで被弾判定で疑似的にカットされていた機能は全て回復した。
「最後の戦いへの景気づけだよ! 連邦最強のパイロットを決めようじゃん!!」
『『『『『『おおっ!!』』』』』』
あたしの号令で一斉に近場の敵に武器を向ける参加者たち。
あっという間にソロモン周辺はМS同士の血で血を洗う乱戦会場へと変貌した。
『俺はこの戦争を終わらせるんだ! その為にも宇宙仕様にしたEz8、使いこなしてみせる!!』
最初にあたし達の前に現れたのは、頭の形が特徴的なガンダムタイプの機体だ。
『あれはおピンクゾンビ! おピンクゾンビじゃないか!!』
『戦場で敵兵にホレて、絆チャットで相談してきた伝説の恋愛脳野郎!』
『スパイ容疑掛けられたとか聞いたけど、生きとったんかワレェ!?』
『疑いは晴れたし、皆に話していた彼女とも手を取り合えた! アイナの為にも愛と勇気で強くなってやる!!』
並々ならない気合と共に向かってくるおピンクゾンビ。
彼がゾンビと呼ばれている理由は、戦火の絆で機体がどれだけボロボロになっても最後まで諦めずに勝利を掴む土壇場の強さから来ている。
「おめでとう! これ、ご祝儀!」
『ぐわぁっ!?』
なので、彼を倒すには足掻く暇を与えずに一気に叩くのが最適解だ。
『僕からもおめでとうございます!』
頭にあたしのビームの一撃を受けてのけ反ったところに、アンちゃんが放ったバズーカのペイント弾を受けて機能を停止するおピンクゾンビ。
『ひでぇ!?』
『愛と勇気が一瞬で哀と幽気に!?』
『まさに外道!!』
恋人にいいところを見せようとしたのに、この結果はあたし的にも酷いとは思う。
けど、これが絆民クオリティ。
『弱肉強食』『勝てば官軍』『死んだ方が悪い』がデフォの修羅の国なのだ。
現に祭り会場では『いとも容易く行われるエゲツない行為』が各所で起こっている。
という訳で、通信記録をちょっとダイジェスト。
『見ろ! あの黒いジムスナイパーⅡ、キョロちゃんだぞ!』
『踊る黒い死神の異名を持つキョロちゃんか!』
『切リ捨テゴメーンっ!!』
『ぐわぁぁぁっ!?』
『キョロちゃんが一瞬で逝ったぁぁっ!?』
『デブリに隠れて後ろから不意打ち袈裟斬りとかエグい!?』
『というか、あれってミスター・サムラーイじゃねえか!』
『ミスター・サムライって、ビームサーベルが嫌でジオンからヒートソードパクって使い続けてる狂気のブレオン野郎!』
『しかも本人は日本かぶれで、しゃくれ顎のイタリア人っていう似非侍だ!!』
『おはんの名は?』
『名を申せ!』
『アイツ等は!?』
『ブレオン大派閥! 薩摩隼人保存会!!』
『拙者ノ名ハケイン・ダナー……』
『もう言わんでよかっ!』
『チェストぉぉぉぉっ!!』
『ぐわぁぁぁぁぁっ!?』
『名乗りの途中でぶった切りやがった!?』
『何のために聞いたんだよ!』
『ハムタロさん、無事か?』
『サモエド! 仲間はどうした?』
『宇宙の操縦に慣れる前に刈り取られた』
『さすが絆プレイヤー、民度が低い。まあ、こっちも仲間はバックスタッブで倒されてしまったんだが』
『こうなったら俺達二人で切り抜けるしかない』
『裏切るなよ』
『任せておけ』
こんな事を言っておきながら乱戦中に互いを狙って相打ちになる辺り、サモエドさんもハムタロさんも戦火の絆に毒されている。
あとはこんなのもあった。
『ほう、オーストラリアで名を馳せた『荒野の迅雷』がこちらに付いてくれるとは』
『好敵手の説得で死に損なったんですよ。生き恥を晒すことになるが無様を勘弁してもらいたい、ランバ・ラル大尉』
『生き恥はお互い様よ。だが、祖国がよりよく生まれ変わるなら、恥などいくら掻いてもお釣りがくる』
『祖国をよりよく、か。ダイクンの子息にそれだけの器がありますかな?』
『彼等はこの戦争が終わったら政治から身を引く予定だよ。国の舵をザビ家から市民へ取り返してな』
『そういえば、ジオン・ダイクンの時代は民主政治でしたな』
『そういう事だ。それに三人そろってトンデモないやんちゃぶりだ。見ていて退屈せんことは保証しよう』
『それは末の姫が見せた模擬戦でよく分かりましたよ。あれに付いていくには相応の力が必要だともね!』
『ならば、見せてもらおうか。荒野の迅雷の腕前を!』
なんてやり取りがラルのおっちゃんとは別の青いゲルググとの間で行われてました。
とはいえ、あたしも他人の事を気に掛けている余裕はあんまりない。
「とわっ!?」
『今のを躱すとはさすがだな、アルマリア!』
現在、兄ちゃんに後ろを取られてドッグファイトの最中なのだから。
ちなみにアンちゃんは、カメマンに追い立てられて別の場所に行ってしまった。
「というか、よくアサルトに付いてこられるね、そのザク!」
『このアクトザク・コメットはカーウィン嬢が心血を注いだ傑作で、アルレット嬢の初作品でもある。ゲイル・ディアスや私のガンダムからのデータをフィードバックし、ジオン版アレックスを目指したそうだぞ』
アクトザクが背負ったバックパックから生えたサブアームのマシンガン、そして機体本体が放つビームバズーカの斉射を躱すあたしに兄ちゃんは楽しそうに蘊蓄を垂れる。
そういえば、自己紹介の時にアルレットは言ってたっけ。
機械とか得意って。
『今度は私がお前の新型の性能を見てやろう。掛かってくるがいい』
「OK! だったら、ゲルググ同士でやった模擬戦の決着、ここで付けてあげるよ!!」
こっちには奥の手があるんだ!
あたしとアサルトを舐めるなよ!!
◆
ア・バオア・クーの中枢付近にある格納庫。
そこに基地司令であるドズル・ザビの姿があった。
「貴様がルロイ・ギリアム少尉か。今までの戦いでエースに恥じぬ活躍をしたと聞いているぞ」
「はっ! 憶えていただき光栄であります、閣下」
ドズルの言葉に奇麗な敬礼を取る若き士官。
彼はキシリアが追い詰められる前に、ニュータイプ研究の成果として正規軍に送り出したフラナガン機関出身のパイロットだ。
「連邦軍は近いうちに必ずここへ来る。その際には貴様にも働いて貰わねばならん。──おい」
「はっ!」
同伴していた技術士官に合図を送ると、彼は格納庫の一区画に付いていたカードリーダーを操作する。
すると閉ざされていた隔壁が開き、その奥に鎮座していた一機のМSが姿を現した。
「これは……!」
「МS-19・ドルメル。最強の機体を目指して開発されたものだ」
ドルメルという機体の骨太のデザインが醸し出す威圧感に息を呑むギリアム。
そんな彼の肩をドズルはグローブのような手でポンと叩く。
「貴様にこのドルメルを託す。これでジオンの未来を護ってくれ」
「はっ!」
自分に掛けられた期待を肌で感じたギリアムは再びドズルへ敬礼を返す。
メカニックマンと調整に入ったギリアムを背にドズルは工房の更に奥へ足を進める。
そしてたどり着いたのは最奥に設置された大型機用のドック。
総司令だけが持つことを許されたカードキーを通すと、鈍い音を立てて合金製の扉が左右に開く。
その奥にあったのは異形と呼ぶべき機動兵器だった。
「来るがいい、連邦の雑兵共。そしてダイクンの倅よ。貴様らなぞ、このサイコ・サラマンダーであっという間に叩いてみせるわ」
アレックス・アサルト
アレックス・プロトにFSWS計画に基づく増加装甲強化を施した現地改造機。
コンセプトはマリー・マスが参戦初期に乗っていたガンキャノン重装突撃型。
前への加速による踏み込みに重点が置かれており、装甲内部の各種ギミックはフルアーマーガンダムSpecⅡのデータを参考としている。
突撃の為の加速と運動性を両立させる為、増加装甲の各所にアポジモーターが仕込まれており、素体のアレックスの推力と相まって前進速度は他の追随を許さない。
武装も右手のビームトンファー出力が二倍に増幅されたハイパービームトンファー。
左手には装甲設置型のガトリングガン。
さらには右肩部に試作型ビームマシンガンを装備している。
また、ビームトンファ―はビーム兵器用弾倉であるEパックと併用する事で対МA用の奥の手を備えている。
アレックス・ラピッドリー
アレックス1号機にFSWS計画に基づく増加装甲強化を施した現地改造機。
コンセプトはアムロ・レイが参戦初期に乗っていたガンダム高機動型。
増加装甲は防御ではなく、スラスターなどの機動力と運動性の増加に重きを置いている。
その為、素体のNTー1の推力と相まって1年戦争のМSの中では突出した機動力を誇る。
本機の特徴の一つに背部バックパックに装着可能な『シュツルム・ブースター・ポッド』がある。
これは高機動故に推進剤を多量に使用する事を危惧したテム・レイが考案したもので、プロペラントタンクとバーニアスラスターが一体化したオプション装備となっている。
このシュツルム・ブースターは大型バックパックには上部に2つ、下に2つと4基装着が可能。
それによってラピッドリーは本体のプロペラントを温存したまま速やかに前線へ向かうことが出来、継戦能力が大きくアップしている。
武装はビームライフルとサーベル、ハイパーバズーカとガンダムから受け継いだ堅実なものが装備されている。
ハイパーバズーカは背筋を通すようにバックパックへ装着可能で、これによって背中に収めたまま砲撃する事もできる。