目を開くと元いた路地に戻ってきた。
「プラナちゃん、すっげぇ便利な能力持ってんなぁ」
瞬間移動的な何かでもあるよなぁ、ロマンを感じるぜ。
なんて思ったら、ポケットのスマホがブルブル震えている。
「ん?プラナちゃんかな」
取り出してみると、ポワッとホログラムのプラナちゃんが飛び出してきた。美少女はどんな姿で出ても可愛いなぁ。
「カリナ様がそちらにいる時には基本的に私はこうやってお手伝いしますので、くれぐれもスマートフォンの充電を切らさないようにお願いします」
「了解、ちなみにプラナちゃん、その状態で俺が人前で喋ると変なやつとか思われたりしない?」
流石に変人扱いされてヴァルキューレにでも通報されるのは勘弁だからなぁ。
「問題ありません、殆どの生徒さんには認識阻害が掛かり、私と話している姿や喋っている声は消すことが出来ます」
「は、はえ〜、ちょっと凄すぎやしないかプラナちゃん!?」
認識阻害とか音声シャットアウト出来るのはもうそれほぼ最強なのでは。
「ですが、その分バッテリーを消費してしまいますので、モバイルバッテリーなども必要です」
あ、やっぱりデメリットはあるんだ。てかほぼほぼシッテムの箱らしいのに充電っていう概念はあるんだなぁ。先生が使ってた方にもあったっけ?
「そこも理解したよ、でも今充電出来る機器とか持ってないからなぁ、どーしよ」
電気もねぇ、コンビニねぇ、そもそも俺にはお金がねぇとかいう文無し吉幾三状態になってしまっている俺、まずはどうするか...なんて思っていると近くに人の気配が、こんな路地に来るとか、もしやカツアゲかぁ?出来れば戦いたくないんだけど...
隠れれそうにもないのでとりあえずすみっコぐらししながら様子を伺っているとこちらに金髪?クリーム色?っぽい髪色をした女の子がやって来た。見た感じトリニティのお嬢様とかかな?
「そこの貴様、この周辺で物を落としたのだが、見ていないか?」
前言撤回、トリニティのお嬢様でもこーんな尊大な言い回しする子はいないと思う。
「い、いやー、知らないですね。どうゆう物なんですか?」
「ふむ...知らぬならばよい、我の眼前から消えるがいい」
えっ、えー、どうゆう物かさえも教えてくれねぇ。マジで怖えし、自分から話してきたじゃんかよでも困ってそうだし、沢山の人をハッピーにするって言う目標もあるしなぁ。
「良かったら手伝いますよ、屈んで探してるってことはちっちゃいものですよね?1人だと厳しいんじゃないですか?」
「...はぁ、 我は"消えろ"と言ったのだぞ?貴様の頭には脳味噌が詰まってないのか?」
ボロクソに言ってきやがるわねこの子、大声で泣いちゃうぞ?
「困ってる人を助けて自分も気持ちよくなるってのが私のモットーなんですよね〜、なんで否が応でもお助けしますよ」
「なんだその激キショなモットーは...」
ボロくそ言われた挙句ドン引きされる始末、今のところマイナス好感度しか稼げてないんですが、自分のBADコミュニケーションに震える。でも多少尊大な態度を崩せたかな?
「はぁ、もう分かった。付いてきたければ勝手にすると良い、貴様はなんなのだ...」
「え、マジですか!やった〜、じゃあお手伝いさせてもらいますね」
最悪の説得だったが、一応は手伝ってもいいらしい。普通立場逆だと思うんすけどね〜ガハハ
「それでそれで、どんな物をお探しなんですか旦那ァ」
「なんだその喋り方は、鬱陶しい。我が探しているのはキーホルダーだ」
キーホルダー!?この手の子にしちゃ珍しいな、限定品とかか?隠れペロキチか?
「どうゆうキーホルダー何ですか〜?まさかペロロとか!」
「ぺろろ?とはなんだ、我が探している物は、銃を象ったものだ」
「銃なんですね〜、サブマシンガンとか?それともアサルトライフル?とかのですかキーホルダーですか?」
「スナイパーライフルの形をしていて、材質は木材で出来ている」
ふむ、ここまで絞り込めればとりあえずは探せるかな?srのキーホルダーかぁ、そういうの昔持ってたような希ガス。
「あ、そういえばお名前聞いてなかったですね!なんて言うんですか?」
「...先ずは自分から名乗るべきではないのか」
「おっと、これは失礼。私の名前はカリナです!よろしくお願いしますね!」
「ふむ、所属は?」
「ウェッ!?あ、え、えと〜」
やばい〜、どこにも所属してないからこれなんも言えね〜。
「はあ、やはり信用ならんな。貴様に名乗る名は無い。そうだな、我の事は王と呼ぶがいい」
「よろしくね、王ちゃん!」
「貴様、順応が早過ぎないか、それとなんだその、"王ちゃん"とは...」
本日二度目のドン引かせ成功。これはなにかしらのフラグ立ちましたかね。てかやっぱり信用されてねぇなぁ〜、まあ何とかなるか(適当)
「まぁまぁ、とりあえず探してみましょうよ!まずは最近行った場所とか回ってみましょう!」
「我が最近足を運んだ場所か、そうだな、そこまで多くは無い」
「お、調べやすくて助かりますねぇ!時間は有り余ってるのでしらみ潰しに行きましょ〜」
「...不振な動きをすれば打つ、それを頭に入れておけ」
「そんな事しないんだけどなぁ...」
「貴様が背中を撃たぬとは限らんだろう?よって先頭は貴様だ。行先への指示は出してやろう」
ガッツリにらみを効かされて、俺が先頭に立って進むことになった、背中にグサグサ視線が刺さって痛いよ〜。
「ちなみにどこ向かってるんですか?私この辺土地勘ないんですよね〜」
「ふむ、我が最近行った場所は裏路地ばかりだ。名称などは特に無い、不良どもの溜まり場だ」
「い、以外だねぇ!そんなお嬢様みたいな見た目してるのに...ちなみに何をしてるか聞いてみたり?」
「小物共の掃除だな、主に我を舐めて金銭を要求してくる阿呆などに格の差を理解させている」
「うわぁ、言っちゃあなんだけど中々えぐい事してるね、、、王ちゃん」
「我は我の正義を貫きたいだけだ、悪は必要ない。無意味なことしか生まないからだ」
「なるほどね、"正義を貫きたい"かぁ。でも難しいよね、正義って」
「それはどういう事だ?」
「正義ってのはさ、結局は個人の裁量や主観じゃん?王ちゃんが悪だと思ってる人も別の視点で見ると正義なのかもしれないよ?」
正義っていうのは難しい、これを免罪符に無関係の第三者が叩いたりするのをネットでよく見たのもある。今言ったように様々な人の視点から見れば正義と悪は表裏一体なんだってのもあるしね。
「まあそれでも悪意100%みたいなのも居るにはいると思うけどね〜、必ずしも正義と悪は表裏一体じゃないのかも?」
「...ふむ」
顎に手を置いて王ちゃんが立ち止まった、真面目な話をしてしまったからか思考モードに入っておられる。
「正義とは個人の主観か、では我の正義は正しくないと思うか?」
「私はなんとも言えないかな、直接その現場を見た訳では無いし。ただ一つあるとしたらその子たちにも理由があるかもって考えたり?それは聖人君子が過ぎるかな?」
「その考え、頭の片隅に置いておこう。」
彼女の雰囲気が少しだけ柔らかくなったような気がする。どうやら正義の考え方というものに興味があるらしい。
「そして止まれ、ここが昨日我の居た路地だ」
着いた場所はThe裏路地のような感じだ、しかし生ゴミが放置されハエやGなどが居るわけではなさそうだ、精々空き缶が転がっている程度のようだ。
「ここで不良狩りしてて、キーホルダー落としちゃったんだ。」
ゴミが散乱している訳では無いのが救いなのだが、いかんせんだいぶ入り組んでいる。たどり着くのにもそこそこ時間がかかったのもあるためこれはかなり広そうだなぁ。
「立ち尽くすでないぞ、我を手伝うと言ったのは貴様なのだからな」
彼女の持つ銃で小突かれて意識を戻す。でもやっぱめんどっち〜ぜ。
「ま、さっさ探して終わりましょうかね」
この時の俺はたかが一つの探し物と高を括っていた。
数時間後....
「アイエエエエ!ミツカラナイ!?ミツカラナイナンデ!?」
気づけば辺りがオレンジ色に染まり、夜が近づいて来た。キヴォトスに来て初めての夜がこんな探し物しててやってくるなんて思いもしなかったよこんちくしょう!
「そろそろ日が暮れるな、貴様は帰るといい。我一人で十分だ」
「なっ、そうはいかないよ!手伝うって言ったんだからには最後までやるし王ちゃんが帰るまで私も帰らないよ!」
「...貴様は何の為に我を手伝う?初対面の筈だろう、そこまでして我に手を貸すのは何故なのだ?」
鋭い眼差しで彼女が問い掛けてくる。そりゃあそうだ、何度も言うが信用が足りない。初対面だし、好きな事も嫌いなことも知らない。性格は少しは理解出来たかな?
「そうだね...まず初めに言った激キショなモットーがあるでしょ?あれは当然としてね」
困っている人は助けるしこの世界をより良い方向に向かわせたりする予定もある、これが一つの理由になる。
「それともう一つ、王ちゃんがそんなにボロボロになるまで探そうとしてる所から、相当大事な物だってことが分かるよ。他に替えのきかない物なんでしょ?」
王ちゃんはボロボロだ、初めはどっかのお嬢様と思うレベルで綺麗なふわふわで綺麗なドレス?制服?を着ていたんだけど、それも破れていたり汚れている。彼女のクリーム色でクルクル巻かれていた髪もほつれていたり、ホコリで汚れている。
「そんなになるまで探している子を、俺はほっとけないよ。見つかるまで手伝うさ。」
大切なものと言うのは、無くしてしまえば心にぽっかりと穴が空いてしまう。それはどんな医者や薬でも治すことができない一生モノの傷になってしまうだろう。そんなことにはさせない、俺が目指すのは多くの人のハッピーエンドだから。
「...つまりは同情という事か、くだらんな」
彼女の目は鋭くこちらを睨みつける。
「だが、例え同情だとしても、貴様はそれを貫くだろう。その目が証明している」
彼女からの圧が消える。
「面白い、貴様の事が気に入った。精々最後まで手伝うと良い」
ああ、初めて見る事が出来た彼女の笑顔。百点満点の笑顔とは言えないかもしれないが、それは確かに彼女からの信用が得られた証拠といっても過言ではないだろう。
うわ〜!これ多分深夜テンションで書いてるから色々めちゃくちゃです、改善点あったらどうぞお願いします!