お話が済んだ後、俺と王ちゃんは暗闇の中をスマホのライトで照らしながらキーホルダーを探していた...
「さ、流石に探しづらいねコレ。とはいえこのスマホライト性能の高さにはビックリだけど...」
前の世界で使っていたスマホの倍ぐらいは広範囲を照らしてくれている、プラナちゃんが居るしオーパーツ的な何かの可能性もあるから全員のがこうでは無いかもだが。
「...今日はこれ以上探しても無駄かもしれん、また明日にするべきだ。今夜は雨が降る可能性もあるからな。」
「え、大丈夫?雨で流されたりすること考えるなら今日中に探した方がいいんじゃ」
「阿呆、風邪を引いて効率が落ちる方が遅くなろう、それに雨程度で流されん筈だ。ここに有ればだが」
辺りは暗いがジメジメと湿気を感じてきた。確かにそろそろ降りそうである。
「ん〜、じゃあしょうがないか。また明日合流にしようか、、、」
とはいえ帰る場所も無いのでこっそりここに残るつもりだ。見つかれば上々、見つからなくても俺が頑張れば王ちゃんが明日楽になるだろうからね。
「...ふむ、貴様さては、ここに居残ろうとしているな?」
ギクッ!な、なんでバレたし!!??
「その反応からして、我の予想は当たっているようだな。はあ、お人好しもここまで来れば厄介だな」
ため息をつきながら呆れた様子でこちらを見てくる、ほんとに何で分かるんだぁ?さとり妖怪か?
「貴様は我についてこい。どうやら我が監視するしかないようだからな」
「えっえっ!も、もしかしてお家に、、「阿呆、そんなわけがあるか」ですよね〜」
被せられたし、なんか勘違いしちゃって恥ずかしいよぉー。
「この近くに我の仮宿がある、そこで今夜は寝泊まりするぞ」
「実質家じゃん!そこは大丈夫なの、、、」
「数あるうちの一つに過ぎん、貴様一人知っていたところで何も変わらん」
"数あるうち"って、しれっとトンデモ発言するじゃんよ〜。つーかセーフハウスとかあるとか、やっぱお嬢様ではあるのかナー。
「ボサボサするな、さっきも言ったがそろそろ降って来るぞ」
そういうと王ちゃんは足早に歩いていく。アッメッチャハヤイ
「置いてかないでー!!」
「着いたぞ、ここが仮宿だ。なぜそんなにバテている?」
「い、いや、王ちゃん速すぎるって。何回置いてかれそうになったかわかんないよー!」
ぐねぐね路地を右往左往しながらついて行ったのだが、足は速いわ、なんか割と距離あったわで大変すぎた。
「はあっ、はあっ、ていうか仮宿って言う割にデカくないかコレ...」
普通に一軒家レベルなのだが、本当に仮宿なのか?
「仮宿とはいえ生活する必要があるからな、それに案外大きい方が疑われにくい、もっとも頭の悪い奴らは見境なく破壊してくるがな」
「う〜ん、経験者が語るってやつ。まあいいや、てか王ちゃんは一人暮らしなの?」
「、、、このような生活をしていれば当然だろう。誰かを巻き込む訳にはいかぬからな」
あはは、その優しさを少しでも不良の子達に分けてあげればいいのに...
「...何が言いたいかは分かる、貴様が垂れた正義の考えも覚えているが、たかが数時間で考えを変えることなどできん」
「やっぱ私の心覗いてるよね!いや私の言ったこと覚えてくれてるのは嬉しいけどさぁ!」
どういう所から読んでるのだろうか、目線?所作?でもやっぱりさとり妖怪の家系なのでは...
「貴様がわかりやすいだけだ、さっさと入れ」
茶色いモダンなドアを開け、白を基調とした玄関に入る。やっぱ高級感あふれてんなぁ
「スリッパはこれを使うといい、靴は置きっぱなしで構わん。どうせ明日も使うのだからな」
うわぁスリッパだ、恐らく前世ではトイレでしかはかなかった奴だ。てか一応監視されてんのにもてなしてもらうのはどうなんだ。
「リビングはこっちだ、不審な動きをするなよ、少しでも怪しければ出ていってもらう」
「大丈夫だって〜、うわっすげぇでけぇ!」
シャンデリアがある、めちゃくちゃでかい訳ではないけどなんか豪邸にあるイメージだからわくわくするぞ!
「...確かに問題はないかもしれんな、いかんせん子供すぎる」
「なっ、流石に聞き捨てならないよその発言!誰がガキじゃ誰が!」
た、確かに身長低めで王ちゃんに常に若干見下ろされてるけど!?頭一個分くらいの差あるけどさぁ!それは禁句じゃろがい!
「多分そういう事じゃないだろうけどね」
「そうだ、身長の事ではない」
「もうツッコまないからね」
「結構だ、それより貴様、汚れが目立つぞ」
...そういえば汗もかいたし、路地裏の狭い場所にはいっていったりで汚れてんなコレ...し、羞恥心が
「貴様、顔が赤くなっているぞ。もしや風邪でも引いたか」
「ち、チガウヨー。あ、あのね王ちゃん、私もしかして臭うかな...?」
王ちゃんは納得した様子で答えてくれた。
「ああ、大丈夫だ。なんというか、貴様もそういう事は気になるのだな」
女の子相手に匂いの気遣いをしないのは非常に終わっていると思うからね、しょうがないね。
「明日もあるからな、風呂に入るぞ」
「ほいほい、行ってらっしゃーい。私は後ででいいからね〜」
「何を言っているんだ貴様、我は監視のために貴様を連れてきたのだぞ。風呂にも当然着いてきてもらう」
「...へ?」
王ちゃんと、女の子と一緒にお風呂!?!?無理無理無理!!前世が男か女か分からなけどダメだよそれは!
「無理だよ王ちゃん!お風呂には1人で入って!私もうここから1ミリも動かないから!お願いします!!」
「駄目だ、風呂という何も装備できない場所に我が行けば、貴様が襲ってくることもありえる」
「そこを何とか!!!」
「うだうだ抜かすな!」
「いーーーやーーー!!!」
駄々をこねる俺の腕を引っ張りながら強制的に風呂場に移行された。服をひん剥かれた。もうお嫁にいけない。
風呂場はかなり広い、というより小さい温泉みたいな感じだ。石張りの四角形からモワモワと蒸気が上がっている。
「うう、ひん剥かれたけど凄いぃ...」
「貴様が従わんからだ、シャンプーはこれ、ボディソープはこれだ。洗顔にはコレを使うといい。湯に浸かる前に体をしっかり洗うことだ」
「いやオカンか、体をキレイにしてから入るのはそうなんだけどねぇ〜」
シャワーや鏡一式も4つある、本当に仮宿なのかこれ。
ザバーっと頭からお湯をかける、初めっからお湯が出るのか〜有難いなぁと思いながら自分の髪をすすぐ、本当に女の子になったんやなぁ、前の性別が思い出せんが。黒髪ロングのサラサラヘアー、思ったよりキレイなままだから凄い、洗うのが面倒だけど。
「男の子は裸の付き合いってのがあるらしいですけど、王ちゃんももしかしてそんな事考えてくれたり?」
「...」
洗髪に集中して私の声が聞こえないらしい、まあ確かにあの髪洗うのも大変そうだしなぁ。こっちもこっちで大変だが、女の子のシャンプーってこんなに時間かかるのかよ、髪のお手入れって大変だなぁ。
そんな感じで、髪洗ったり体洗ったりしてようやく湯船に浸かることが出来た。
「あ"あ"っ"〜、やっば、きもぢよすぎる〜」
思わず濁点が付いてしまうくらいの汚い声でお湯に浸かった喜びを表現してしまう。やっぱ、風呂って最高の文化なんやなって。
「貴様は本当に品がないな。風呂にくらい静かに浸かることができないのか?」
逆に王ちゃんは肩までじっくり浸かってはいるものの、なーんかリラックスできてない気がする。顔が引き攣ってるよぉー。
「あのね王ちゃん、泊まってる立場で言うことじゃないけど。もうちょいリラックスしてもいいんだよ?」
「何度も言うが貴様を信頼できるに値する情報が足らん、だからは我はこういう態度を取らざるを得なんだ」
「仮にも家まで連れてきてくれたのにまだ信用が足りないよぉー」
王ちゃんの信頼を勝ち取るには信用が足りていないらしい、勝ち取る方法としては、今持ってる情報を全部出すべきなのかなぁ?でもプラナに無断で言っちゃうのも、、、なぁ〜。まあ物は試しか。
「ねぇ王ちゃん、私がこの世界の人じゃないって言ったら信じる?」
「それを証明出来るのならな」
「その言い方なら他の世界ってのはあると思ってるんだ」
「有り得ぬ話ではないだろうなと思うくらいだ」
「うーわじゃあ何とかして証明したいなぁコレ」
とはいえ前世のものなんて持ってないし、未来のことを話そうにも転換期が来るのはかなり先だからなぁ。多分無理だぁ。
「出来たとてそれが信用に繋がる訳では無いがな」
「ごもっともだぁ」
なんて会話をしながら風呂から上がる、夕食は冷凍食品のフルコースだったのだが。
「何コレ、美味しすぎる」
〇の素もビックリの冷凍食品だった。めっちゃうまい。つーかコレあるならお店とかどうなるんだレベルだ。
「ごちそうさまでした」
あっという間に完食してしまった、ただただ美味しかった。
時間は過ぎ去ってもう寝る時間、ベッドが1つなので王ちゃんに進めたのだが。
「我は寝ない、貴様を見張る必要があるからな」
この一点張りで寝ようとしてくれない。
「ぜ〜ったい明日に支障が出るよ、寝てくれないなら私も寝ないよ」
「...何が貴様をそうさせる、我に何をしようというのだ?」
「なんもないってば、そんなに人の善意が信じられないの?」
ジトーっとした目で彼女を見つめる。いくら何でも人からの好意を拒絶し過ぎだと思う。人は生まれながらにしてこうじゃないと思うから、こういうのはだいたい後天性、つまり生きてきた過程で何かがあったんだろうと思う。あんまりこういうことに踏み込みたくはないのだが...
「王ちゃん、こういう事聞くってのはあんまり良くないと思うけど昔何かあったの?人が信じられないのはそれが理由?」
彼女の顔に若干の影が射す、まあ当たりだろう。
「貴様には関係の無い事だ」
「関係はあるよ、このままだとキーホルダー探しに影響がでる。それを解決するためにキミとの障壁は無くしたいと思ってる」
「そう言ってくる愚か者も多数見た、それらも裏切り者だ」
「私が唯一の裏切らない愚か者になるよ。少なくとも、私は王ちゃんを信じてるから、キミにも信じて欲しい」
「今持ってる情報もあるだけ話すよ、キミからの信頼を得るために今の私に出来ることは喜んでやる」
彼女の目が微かに揺れている、あと一押しかな。
「もしキミを裏切る事があれば、"殺してくれて"構わないよ」
持てる手札は全て切っただろう、あとは彼女次第だ。
「.....く」
彼女の口から声が漏れる、彼女の目が俺を捉える。
「くはははは!狂っている!貴様は狂っているぞカリナ!」
「初めて言われたかも、でも嫌じゃないよ」
しばらく大笑いを続けてようやく収まったようだ。まあ確かにくさいセリフみたいだったけど、そこまで笑われるかなぁ。
「くくく、本当に笑わせてくれるな。今まで甘言や同情でで我の信頼を得ようとした者はごまんといた。しかし命をかけると来たか!そしてその目、本気だな!」
昂った気持ちをすべて吐かんとばかりに言葉を紡ぐ、王ちゃん割と喋るタイプなんだね。知らなかった一面が知れて嬉しいよ。
「そこまで啖呵を切って見せたのは貴様が初めてだ、それも初対面の我にな」
「もう家まで来たんだから初対面とかの次元じゃないよ、友達でしょ」
「"友達"...くくっ、その言葉も久しぶりに聴いた。いいだろう、我は貴様を信用し友となってやる。しかし裏切れば本当に我は貴様を殺す。」
にこにこご満悦のようで何よりだし、どうやら信用も得られたらしい。
「言われずとも裏切らないってば、信用してくれてありがとね〜」
「くくっ、今はさっきの話は掘り返さないでおこう。もう寝る時間だ、明日にでも"別の世界"の事や今ある情報は聞かせてもらう」
「うん、それは明日でもいつでも教えるよ。それよりだいぶ眠気がヤバい、ふわぁ〜あ」
目がシパシパしてきて瞼が今にも落ちそう。電気を暗くして敷布団に身をくるんだ。
「ああそうだ、一つだけ伝えておこう。」
「なあに、頭に入りやすことなら助かるんだけど」
「...我の名前は"正義" 白日 正義(はくび せいぎ)だ」
結構なんかグダグダだし、後半めっちゃ雑いです。次回は頑張って早く書きます。