Re:ゼロから始める幻想郷生活   作:半霊

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はい。めっっちゃ失踪してました。申し訳ございませんでした。理由はいろいろありますが、その一つに書き貯めがなくなったことがあります。思ってたより書くのに時間がかかるようになったんですね。もう見てくださる方がいらっしゃるかはわかりませんが、それでも完結はさせたいので不定期ながら更新再開しようと思います。今後止まることがあったら感想欄等でお叱りに来ていただけると助かります。それでは、久しぶりですがどうぞ!


E2嫌われることなんてない

「ふあぁー。」

 

相変わらず真っ暗な地霊殿の中で、エミリアは起床した。上の表現だけ見たらすんなり起きたようだが、実際はすでに起きようとしてから一時間半は経っている。世界をまたいでも寝起きの悪さは相変わらずのようだ。朝・・・なのかはわからない。というのも彼女が今いるここ、地霊殿は地底の中にあるため陽光が入ってこないのだ。

 

昨日さとりと話した後、お燐に案内されてエミリアはこの部屋に通された。中にはシングルベッドと、化粧台や机などの生活に必要なものが大体そろっている部屋だ。

 

「ここがエミリアさんの部屋だね。多分大丈夫だと思うけど、何かあったらあたいに言っておくれ。」

「こんなお部屋・・・いいの?」

「エミリアさんはもうさとり様の正式なお客さんだからね。これくらいは当然さ。」

 

突然押しかけてこんな部屋まで用意してもらって申し訳ないと思うエミリアだが、厚意を無碍にするわけにもいかないのでお言葉に甘えることにした。そのあとは夕食をごちそうになり、温泉に入ってさっさと寝て・・・今に至る。

 

「ふふっ、なんだか旅行中みたい。ちょっと楽しいわね。」

 

少々場違いな感想なのはわかっているが、起きたことだけ見れば完璧に旅行客のそれだ。そうこうしているうちに身支度も終えたエミリアだったが、一つ問題があった。

 

「えーっと、これから何しようかしら。」

 

ずばり、やることがないのだ。旅行なら日中は観光などをするのだろうが、エミリアは昨日お燐にこう言われていた。

 

「外は結構危ないからねー、地霊殿からは出ないでおくれ。」

 

他のみんなを探したいエミリアとしてはあまりいい話ではなかったが、お世話になっているのでさすがに破るわけはいかない。部屋の中でできることといえば勉強くらいだが、当然勉強道具はロズワールの屋敷にある。したがって、エミリアは部屋の中でぼんやり過ごすことしかできなかった。

「ガタッ」

そんな時、急に部屋の窓付近から物音がした。

 

「誰かいるの?」

 

気になったエミリアは窓に近づく。そして外を見てみるとーー金髪のショートボブで緑目の人物が物陰からこちらを凝視していた。

 

「えーっと、そこのあなた、何か用?」

 

とりあえずエミリアは声をかけてみることにしたが、少女は一切応えず、物陰から何かぶつぶつ言っている。

 

「そんなところにいたら寒いでしょう?こっちに来てくれたら嬉しいな。」

 

エミリアが諦めずに声をかけていると、少女はやっと物陰から出てきて、エミリアの傍に来た。

 

「綺麗な容姿に綺麗な声、おまけに性格までいいなんて、与えられすぎているわ。まったく、妬ましい妬ましい・・・」

エミリアの近くに寄ってなお少女は相変わらず何事かつぶやいている。口をはさんでいいか少し迷ったが、少女が何者かわからないとどうすればいいか分からないので、エミリアは尋ねることにした。

 

「えーっと、あなたは誰?地霊殿の人?」

「なんで私がこんなところの人にならなきゃいけないのよ、妬ましい。」

「そう、なの?」

 

いまいち要領を得ないエミリアだったが、とりあえず会話を続ける。

 

「私はエミリア。ただのエミリアよ。あなたの名前を教えてくれる?」

「・・・水橋パルスィよ。」

 

やっと名乗ってくれて、エミリアは少し上機嫌になる。

 

「パルスィ・・・すごーく、いい名前ね!」

「そ、そんなことないわよ。素直に相手を褒められるなんて、ああ妬ましい。」

 

エミリアの純真無垢な目に、パルスィは若干たじろぎながら言う。

 

「もう。そんなことないなんて言っちゃだめじゃない。名前は、すごーく大事なものなのよ。」

「そ、そう・・・」

「そう!」

 

名前の大切さを伝えられて満足したのか、エミリアはにっこりしながらベッドに座る。そうしてもともと聞きたかったことを改めて尋ねた。

 

「それじゃあ、どうしてここにいるの?」

「導かれてきたのよ。ものすごい嫉妬の気配にね。」

「嫉妬の気配?」

 

突然知らない概念が出てきて首をかしげるエミリア。そんな彼女をパルスィはまたもや恨めしそうな目で見る。

 

「あなた、まさか気づいてないの?」

「何に?」

 

突然そんなこと言われても、エミリアに心当たりは一切ない。

 

「私が誘われた嫉妬の気配は、あなたから出ているのよ。」

「私から?」

「そうよ。これだけの気配を放てるなら、どれだけ嫉妬に狂ってるやつなんだろうと期待していたんだけど・・・とてもあなたがそうには見えないし、きっと何かの間違いね。」

 

パルスィはそう見切りをつけると、さっさと立ち去ろうとする。

 

「もういっちゃうの?」

「ええ。こんなところにいる必要ももうないしね。」

「そう・・・」

 

エミリアは寂しそうに呟き、最後に、とパルスィの方を見て叫ぶ。

 

「私はしばらくここにいるから!またいつでも来てね!」

 

返事は返ってこなかった。しかしきっと伝わってるだろうと思い、満足そうに笑っていると、

 

「コンコンコン」

 

と部屋のドアがノックされる音がした。

 

「はーい。」

 

急いで出ると、そこにはさとりが立っていた。

 

「休憩がてらお菓子を食べようと思ったのですが、一緒にどうですか?」

「いいの?もちろん!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さとりがやってきてから少し、二人はテーブルを挟んで向かい合っていた。テーブルの上には軽いお菓子と、砂糖を入れたコーヒーが並べられている。

 

「さとりさんは、いままで何してたの?」

「職務ですよ。ここは幻想郷の重要施設の一つですからね。事務仕事が山のようにあります。」

「そうだったんだ。すごーく、大変ね。・・・私もなにかお手伝いできる?」

「お気持ちはありがたいですが、それには及びません。いつもやっていますし、ここのことを知らないエミリアさんには少々難しいかと。」

 

なにか恩返しができればと思ったエミリアだったが、あっさり断られてしまう。たださとりが言うことはもっともなので、何か別の方法を考えようと思った。

 

「そう言うエミリアさんは今まで何をなされていたのですか?」

「へ、私?私は・・・」

 

エミリアはパルスィのことを話すかどうかで少し悩んだ。地霊殿の人ではなかったようだし、彼女とさとりの関係も・・・

 

「へえ。あの橋姫が。」

「えっ?」

 

きょとんとしたエミリアを見て、さとりはクスクス笑いながら言う。

 

「もう私の能力をお忘れですか?」

「そっか。心を読めちゃうんだった。」

「ええ。しっかり何があったのか把握させてもらいましたよ。なかなか、珍しい相手に会いましたね。」

 

考えが筒抜けだったことに気づき、顔を赤くするエミリアを見てさとりがまた笑う。

 

「ふぅ。あの人もエミリアさんの綺麗さには根負けしましたか。相変わらずさすがというかなんというか・・・」

「えっと、パルスィさんってどんな人なの?」

「人ではないですが、まあ隣人みたいなものです。地底の、地霊殿以外のところに住んでますね。」

 

やはりパルスィは地霊殿の関係者ではなかったようだ。さとりからはあまり彼女への敵対心のようなものは感じないので、もう少し聞いてみる。

 

「彼女は嫉妬の妖怪です。常に他人をうらやみ、呪っている。他人の嫉妬心を引き出したりもします。まあ、あまり近づきたくない類ですね。」

「そうなの?ちょっと素直じゃない所はあるけど、いい子なのに。」

「エミリアさんは特殊なんですよ。普通の人は近寄りません。まあそれを言ったらここに住んでる妖怪はみんなそうですけどね。」

「それって、どういうこと?」

「この地底というところは能力などで周りから嫌われた妖怪たちが主に住んでますからね。簡単な話、地上から追い出されたって感じです。私だって、例外じゃないですよ。」

 

さとりはさも当然のように語るが、エミリアはその話が信じられなかった。地底で会った人々はみんな親切だったし、なによりそんな理由で嫌われて地上に居れなくなることなんてあってはならないと思ったからだ。

 

「だって、そんなのって・・・」

「ハーフエルフだから、という理由でのけ者にされた自分みたいではないか、ですか。」

「!?」

 

エミリアは少し慌てる。先を越されることに関しては問題ない。さとりと話す以上これは避けられないし、エミリアからしたらどうでもいいことだった。彼女が心配したのは、自分の昔の様子を見てさとりの嫌な記憶が思い出されないか、ということだった。ドキドキしながらさとりの方を見るエミリアだったが、当のさとりにそんな様子はなく、むしろ柔らかく笑って言った。

 

「エミリアさんは本当にお優しいですね。そんなに心配されなくても大丈夫ですよ。私たちは私たちで、楽しくやってますから。」

「・・・そうなのね。よかった。」

「ええ。ちなみに、幻想郷にはハーフエルフと呼ばれる種族はないので、エミリアさんも恐れる必要なんてないですからね。」

 

ナイーブな所を読んでしまったからか、さとりが補足を入れる。その心遣いは嬉しいが、同時に今のエミリアには不要なものでもあった。

 

「私はもうそのことでは悩まないわ。昔は結構気にしたけど、この見た目も、大切な人が好きって言ってくれた、大切なものだから。」

「素晴らしい方ですね。ふふっ、とてもお似合いですよ。」

「ええ、スバルはすごいの!・・・お似合いって、どういうこと?」

 

素で返すエミリアを見て、何かを察したのかさとりはそこにいない誰かに憐れみの目を向ける。

 

「これはこれは・・・なんというか、ご愁傷様ね。」

「???」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あら、もうこんな時間。そろそろ私は仕事に戻ろうかしら。」

 

あれから少し談笑してから、さとりは思い出したように告げた。

 

「ほんとだ。すごーく時間たっちゃってる。」

「楽しい時間はあっという間、ということですね。」

 

二人はカップを片付ける。

 

「台所の場所はわかるし、洗い物は私にさせて。」

「いや、私が誘ったのですから、私が片付けますよ。」

「いいの。さとりさんはもう戻ってて。私がやりたいから。」

「・・・それなら、お言葉に甘えましょうか。」

 

そうして二人が部屋を出ようとしたとき、

 

「あれれ?久しぶりに帰ってきたら、おねーちゃんと知らない人がいるよー。」

「!?」

 

誰もいないはずの所から声が聞こえてきた。

 

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