相変わらず死は唐突に、理不尽に訪れる。そしてその死がトリガーである死に戻りも、また唐突に訪れるのだ。それはまるで、テレビのチャンネルを切り替える様にーー
「スバルはどうする?」
目が覚めると、博麗神社にいた。隣にはいつもどおりベアトリス。そして目の前には魔理沙と、
「霊夢・・・」
「急に何よ、さっきからいたでしょ。」
やれやれといった風に半目でこちらを見ている、霊夢がいた。間違いなく見たことがある光景、二回目の死に戻りだ。
「あ、ああ。なんでもねえよ。」
「ふーん、そう。」
スバルがそう答えると、霊夢もそれ以上は何も言わなかった。少しの間沈黙が流れる。その空気に耐えかねたのか、魔理沙が話し出した。
「そうだそうだ。それで、どうするんだ?家、来るのか?」
「あーすまん、ちょっとやることあってな。」
スバルはとっさに答える。魔理沙には悪いが、今回も茶会には出ないことにした。やらないといけないことが、多すぎるのだ。
「スバルが行けないなら、ベティーも行けないかしら。」
「ちぇ、まあ仕方ねえか。パチュリーのやつもいないし、後日にしよう。じゃあまたなー!」
魔理沙は箒にまたがると、あっという間に飛び去ってしまった。その様子を見送りつつ、霊夢が言う。
「良かったの?別に家事のことなら気にしなくてよかったのに。」
「ああ。そうじゃなくてな・・・」
スバルは答えながら前の周回のことを考えていた。何故か異変に加担しているラム。死体こそ見ていないが、死んでしまっただろう小鈴。そしてその原因となったぺテルギウス。異変以外にも、様々なことに対処しなくてはならない。にもかかわらず猶予はたったの二日。ただの一時も、無駄にすることができない。とりあえず最初にすることは・・・
「突然で悪いんだが、今から人間の里に行けないか?」
「人間の里?なんでよ。」
「えーっと、それは・・・」
当然の霊夢の疑問だが、スバルは答えに窮する。小鈴のことは死に戻りで得た情報のため、ペナルティに触れる可能性があるからだ。
「ほら・・・もしかしたらなんかあれから見つかってたりするかもしれないだろ?小鈴の福音書のことも気になるし?」
「ふーん?まあ明日は予定ないしいいけど。」
たじたじになりながら喋るスバルを見て霊夢は訝しむような顔をするが、すぐに追及を止めた。
「よし!おーけーおーけー!そんじゃ俺は夕飯の支度してくっから、ちょっと待っててな!」
妙に声を張り上げてスバルは台所へ向かう。突如様子が変わったスバルを心配しているのか、ベアトリスはきょろきょろしながらついていこうとしていた。
「ねえ、ベアトリス?ちょっといいかしら。」
「な、何かしら。赤い小娘。」
「なんか今のスバルおかしくなかった?急に青ざめたり、かと思えば元気になったり。」
「そ、そんなことないのよ。いつも・・・いつも?あんなかんじかしら。」
「すごいわかりやすいわね。」
ベアトリスの反応は明らかに何か心当たりがありそうなものだった。霊夢は軽くため息をつくと、ベアトリスの目を見ながら言う。
「別に今更スバルを怪しんでるって訳じゃないわ。おかしいからどうこうしようってこともない。単純に心配、っていうのともし何かあるならお祓いとかそういうのした方がいいかなってだけ。だから怖がらないで教えてちょうだい。」
「・・・わかったのよ。けど、ベティーもあまり教えられることはないかしら。」
「というと?」
ベアトリスから意外な言葉が出てくる。てっきり何が起きているのか完全に知っているものだと思っていたのだが。
「今まで時々スバルは唐突な行動に出ることがあったかしら。そしてそういう時には決まって大きな事件が起こり、それをスバルが解決するのよ。まるで未来を見てきたかのように。今回のも恐らくそれかしら。」
「ということは、近いうちに何かが起こるってこと?」
「断言はできないけど、警戒するに越したことはないのよ。」
にわかには信じがたい話だが、ベアトリスは明らかに冗談を言っているような雰囲気では無かった。
「わかった。教えてくれてありがと。」
霊夢がお礼を言うと、遠くからスバルの声がした。
「二人ともー夕食できたぞー。」
「はーい、今行くわ。」
冒頭であんなこと言った割には文字数少ないんですが、リハビリだと思って許してください。