「まずは自己紹介からだろ。私はご存知霧雨魔理沙!普通の魔法使いだ!」
「あんたの紹介はいいわよ。ここにいる全員が知ってるんだから。」
元気よく喋り出す魔理沙に金髪の人が冷静なツッコミをする。そしてそのままスバル達の方を向くと、
「私はアリス・マーガトロイドよ。人形を操ることを得意としているわ。」
と自己紹介する。その言葉と同時に周りにいた人形がぺこりとお辞儀をした。
「この人形も自分で作ってるのか?」
「もちろん。全て手作りよ。」
「へー。」
スバルは一体の人形をまじまじと見つめる。その作りはとても丁寧で、スバルがメイリィに作っているぬいぐるみシリーズよりも上手かもしれない。
「スバル、そこまでかしら。人形が怯えているのよ。」
ベアトリスの声で我に帰ったスバルは慌てて人形を離す。見ると、確かに人形は小さく震えていた。可愛い。
「次は私ね。私は矢田寺成美。見ての通りお地蔵さんよ。生命操作が比較的得意ね。ほら。」
そういうと成美は懐からなぜか発光している赤い物体を取り出してテーブルに置いた。するとそれが動き出し、周りに同じく赤い何かを撒き散らす。
「バレットゴーレムよ。弾幕に生命を吹き込んだの。可愛いでしょう?」
「すげぇ・・・」
「こんな、魔法が・・・。」
人形と同じく作り方も動かし方もわからないその生物を見て、スバルとベアトリスは目を見開く。心なしか、ベアトリスが早く知りたくてうずうずしているようだ。そうしてしばらく二人が眺めていると、名乗った3人の目が、次はお前たちの番だとばかりにまじまじとスバルたちに注がれる。二人は視線に気づくとポーズを決めて名乗った。
「俺は魔法使い見習いのナツキ・スバル!隣のこいつは俺のパートナー兼師匠のベアトリスだ!魔法のことはあんましよくわからないから、全部ベア子に聞いてくれ!」
「そんな堂々と言うことじゃないでしょうに。」
スバルのおちゃらけた自己紹介にアリスが冷たく突っ込む。成美はやはり驚いた顔をしながら聞いた。
「そっちの子が精霊って本当?」
「もちろん、本当だ。まあ細かいところはこの会で話していくが・・・。」
「そう。楽しみね。」
幻想郷の魔女たちからすると、やはりベアトリスのような精霊は珍しいらしい。アリスと成美はベアトリスをこれでもかと言うくらいに見つめていた。
「って、いい加減にするかしら!」
当然、そんなことされて黙っているわけもないベアトリスの怒号が飛ぶ。
「お前ら・・・気持ちはわかるがそこまでだ。話が進まん。」
そうして自己紹介を終えた5人は、本格的に魔法の話へと移っていった。
「さて、大前提だが今回の茶会は私たち、幻想郷組とスバル達の異世界組がに分かれている。二つの世界での魔法の扱われ方がどのようなものなのか、比べることによってお互い魔法への知見を高めていくことが本会の目的だ。」
魔理沙は自分が司会進行とばかりに声をあげて、口火を切る。言っている内容は特に問題なかったので、全員が軽く頷いた。
「比べるにはまずお互いがお互いの魔法について知らにゃならん!と言うことでまずは私から、ここでの魔法の常識について話していく。アリスと成美はあったら補足を入れてくれ。」
「了解よ。」
「はーい!」
二人の返事を確認すると、魔理沙は幻想郷での魔法について、話し始めた。
「幻想郷では基本的に魔法使いや、人間が使う不思議な力のことを魔法と呼んでいる。基本的には空間に満ちている魔力をどうにかして加工してできた魔法の元を、それぞれの魔道具に通して発現させている。私だったらこのミニ八卦炉だな。だから、同じ魔法を使うやつは滅多にいない。」
ベアトリスはじっと聞いていたが、スバルは今の魔理沙の発言に気になることがあったので手を挙げて質問する。
「魔法使いや人間ってどう言うことだ?魔法使いは人間じゃねぇの?」
その言葉を受けて、アリスが説明する。
「魔法使いにも種類があるのよ。それは種族としての魔法使いと職業としての魔法使い。私や成美みたいな種族としての魔法使いは定義的には妖怪に入るわ。そして魔理沙のような人間でも魔法を使う人を職業としての魔法使いと便宜上呼んでいるのね。」
その説明を聞いて、スバルは納得する。確かに、ルグニカとはかなり違うようだ。
「ま、ダラダラ話すより実際見た方がいいだろ。百聞は一見に如かずってな。」
魔理沙は突然説明を止めると、席を立って遠くに走り始めた。その言動を見て何をするつもりなのかわかったアリスは、慌てて魔理沙を止めようとする。
「ってあんた!こんなところでアレを撃つ気!?こっちも危ないでしょうが!」
「上に撃つし、離れるから大丈夫だよ。私が何年この魔法使ってると思ってるんだ。周りの衝撃ぐらい把握してるさ。」
「まあそれならいいけど。あなたたち、ちょっと離れておきなさい。」
しかし止める様子のない魔理沙に、アリスは諦めるとスバルたちに避難を促す。一体どんな魔法を使うつもりなのかとスバルが思っていると、魔理沙が大きく叫んだ。
「『恋符』マスタースパーク!」
叫んだ瞬間、魔理沙が持っているミニ八卦炉から極太のレーザーが天空に向かって放たれる。同時に衝撃が地面をつたい、スバルたちのいるところまでやってくる。そのあまりにも圧倒的な光の奔流は、軌道上にある何もかもを破壊する光景を見ているものに錯覚させた。そして5、6秒ほど経つと光量が徐々に減少していき、静かにレーザーは消えていく。一連の流れを見たスバルは、感動のあまりしばらく惚けていた。その間に魔理沙は戻ってくると、ドヤ顔で席に着く。
「とまあ、これが私の十八番のマスタースパークだ!」
「よく使うよねー。それだけお気に入りってことだと思うけど。」
「なかなか良い魔法かしら。けど、ベティーたちには敵わんのよ。」
スバルを除く魔女たちは早速感想会を開く。そうこうしているうちにスバルも衝撃から帰ってきた。
「いや、ほんとにすげぇ魔法だった。是非とも真似して見たいね。」
「それは何よりなのぜ。それじゃ、次はスバルたちの番だな。」
魔理沙はそう言うと、メモと筆記用具を取り出してスバルたちに話を振った。
魔法の設定は若干自信ないので気になるところがあれば言っていただけると助かります。