EPⅠ「異世界転移~日常の崩壊」
Side?
「…」
俺の名は弌賀夜 織徒、只の学生…の筈だ。
俺は幼少の頃、不可思議な男と出会いこの奇妙な指輪を渡された。
未だに何に使う物であるのかが判明していないし…。
「織徒、何をボーッとしているの?ああ…」
「お前又その妙ちくりんな指輪持ち込んできてんのかよ…風紀の先公に見つかったら没収されちまうぞ 」
「でもさ宙人君、この学校の風紀って機能しているのかな?」
「う…そ、そう言われてみれば…」
「な!」「なー!」 「みゃー!」 「やーん!」 「ピヨ… 」
「でもなんかその指輪とっても格好良いよね!」
恋人である園部 優花に声をかけられ俺は振り返ると彼女は何時もの事かと納得する。
それから友人の一人である風間 宙人に指輪の事を言われる。
そこに彼とアイドルユニットを組んでいる日渡 星司にツッコまれる。
何故なら堂々と飼猫?やら動物を連れ込んでいるからである。
そして星司の恋人である月島 きらりに指輪の事を褒められる。
「なんだか一時でも手放せないんだよな…」
「何や?その指輪けったいな呪いでもかかっているんやないか?」
「うお!?嵐、お前何時もどっから出てきやがるんだよ!?」
友人の一人である雨宮 嵐が床下から現れたので俺達は驚く。
「イリュージョンや~!」
「もう嵐君!…」
「というか又授業サボったろ… 」
「へへ、ライブと御嬢は待ってくれないんやで…」
「あ、そういえば今日の午前中だったね!ふぶきちゃんのミニライブ!」
嵐が遠い目をしていると月島さんが思い出したかのように言う。
「私がどうかいたしまして?」
「あ、今ふぶきちゃんの話してたよ!」
「そうでしたの」
其処に嵐が今は一方的に惚れている藤堂 ふぶきが現れる。
「って雨宮君、まだ次の授業の準備してなかったのです!?早くしなさいな!」
「は、はいいい!」
彼の想いが彼女に真面に届くのは果たして何時になることやら
「…そういえばハジメは?…」
「あン?南雲なら白崎と一緒に屋上で昼飯食ってた筈だが…」
「という事は又か…星司、先生には遅れるって言っておいてくれ。
宙人いくぞ!」
「分かった!」
「お、おう!」
俺はもう一人の友人の姿が見当たらない事に気が付き頭を抱えながらも宙人と一緒に探しに向かった。
「オイコラア!又性懲りも無く下らない虐めを行っていやがるのか!檜山とその他!」
「ゲッ!?指輪野郎と風間だ!逃げろ!」
「あ!?…」
「三下が!…」
予想していた通りハジメは恋人である白崎 香織さんと別れた直後に不良グループを率いる檜山 大介を筆頭とする屑共に校舎裏に強引に連れ込まれ絡まれていた。
コイツ等ほんとに学校に何しに来てんだ…風紀はもっとしっかりしてくれよ…。
「大丈夫かハジメ?」
「う、うん…」
すぐにハジメに駆け寄り様子を見る。
やはり傷だらけだった。
「なあ南雲、これ以上アイツ等の虐めが続くようならきらりや嵐に頼んでなーさん達を護衛につけた方が良いんじゃねえのか?」
「それが良いかもなあ…猫とは到底思えない身体能力してるしあんな三下共くらいなら軽く捻ってくれると思う」
「だ、大丈夫だから…」
「そうは言ってもよお南雲…」
当の本人は強がっているのか宙人の提案を頑なに拒否していた。
無理強いは出来ないと判断した宙人はそれ以上何も言う事は出来なかった。
そして…数日後とんでもない事件が起きる。
「一体何だったんだよ今の妙な光は!?」
「皆、無事か!?」
「う、うん…」
「なな!」
「無事ではあるみたいだな…」
教室が突然奇妙な光と魔法陣に包まれて俺達は避難する間もなくそれに飲み込まれた。
「魔法陣という事は…」
「うん、恐らく僕達は違う世界、所謂異世界に召喚されたんだとみて間違い無いと思う…」
星司とハジメの考察を聞いて俺達は驚愕する。
確かに周囲の光景は異様な物だとしか表現しようがなかった。
「!誰かこっちに近付いて来ちょるようだぞ!」
嵐が何者かの接近に気が付く。
「やあやあ我等が創造神様の御使い様方ようこそおいで下さいました!」
「あン?こっちは一方的に呼び出されているんだ!どういう事なのか納得のいく説明してくれるんだよなあ?」
見るからに怪しげな雰囲気しかないオッサンが現れそう告げてくると宙人が突っかかる。
イシュタルと名乗ったオッサンは語り出す。
だがそれは到底納得のいく事柄などではなかった。
「皆!俺は戦おうと思う!」
そこでオッサンの話を一ミリも疑う事無く真に受けたクラス一のカリスマ(笑)の天之河 光輝がそう宣言し出す。
「はあー…お前ホンット馬鹿だよな…」
「なんだと!?」
そこで宙人が呆れる。
「普通の学生で一切無関係の俺達を一方的、強制的に呼び出しておいて挙句戦争に加担しろだなんて要求なんざ普通受け入れられる訳ねえだろうがよ!」
「で、でもそれじゃあイシュタルさん達が…」
宙人の言い分に天之河はたじろぐが言い返してくる。
「だから?一切無関係な俺達にわざわざ死地へ行けと?ふざけるのも大概にしろよ!」
「私も戦争なんて嫌だよ!」
宙人の反撃に月島さんも援護する。
「そうだぞ天之河、半端な正義感でそれを言っているならテメエなんざに出来る事なんざたかが知れているぞ」
「くっ!…」
そして更なる援護が入る。って…
「あれ居たのか金剛?お前確か数日前に…」
「喧嘩ならもう片を付けてきた…にしても真逆こんな事に巻き込まれるなんてよお…」
「さいでっか…という事は…」
「アタイらも居るぞ」
轟 金剛、泣く子も黙る強面の番長である。
そしてもう一つの不良グループである「轟連合」の面々も居た。
無論三下の檜山グループなどとは格が違う。
「そういう事だから天之河、あの変なオッサンとは俺達で交渉する」
「…」
天之河はそれでもあまり納得していないようだったが金剛達がオッサンを威圧してくれたおかげで最低限の事は確保出来たのだった。