アレスくんの一途な恋   作:(TADA)

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装飾パンを食べて婚約指輪のレシピを覚える→素材をみたら作れる→速攻で作って同行していたみささぎさんにプレゼント

『〇〇(主人公名)さんのことはお慕いしていますが、そういったジョウダンはあとにひけなくなりますよ』

こっちは退くつもりねぇんだよ!!(作った婚約指輪を出荷箱にダンク)


ラスボス

 リグバースにある温泉宿『一期一会』。この温泉宿はむらくもが経営している温泉宿であった。温泉宿と言っても宿の店員は店主のむらくも一人。いつもは開店前に行っている温泉の掃除。これを今日はむらくもの他にもう一人いた。

「ねぇ、聞いてるむらくも。僕の渾身の婚約指輪を渡してのプロポーズを、みささぎさんはやっぱり冗談扱いしてきたんだよ? この世界おかしくない?」

 そう、みささぎキチのアレスくんである。

 数日前にエルシェの店で聞いたアレスくんの作戦。それはアレスくんの技術の粋を集めて作った婚約指輪を渡してプロポーズするというもの。

 それを聞いてむらくもが思ったのは『ああ、こいつまた無駄な努力するんだな(笑)』だった。

 しかし、アレスくんはガチだったらしく五日ほど材料集めに行って帰ってこず、三日間部屋に篭って婚約指輪を作っていたというのはseedリグバース署長リヴィアが言いふらしていたことだ。

 その噂を聞きつけたアレスくん大好き倶楽部(尚、本質は敵対的)の面々が水面下で戦いを始めたというのは、疲れ切った表情で温泉に入りにきたベアトリスの従者のラインハルトからむらくもは聞いていた。

「ねえ? むくらくも、聞いてる?」

「あ~、聞いてる聞いてる。無駄な努力ご苦労さん」

「ミリオンストライク!!」

「ぐぼっふぁぁ!!」

 むらくもの言葉にアレスくんの渾身の一撃がむらくもの脇腹に突き刺さる!!

 ガチ悲鳴をあげながら温泉のタイルでのたうち回るむらくも。そんなむらくもを見ながらアレスは荒ぶる鷹のポーズを決める。

「みたか、むらくも。これが槍スキルレベル87から繰り出されるデッキブラシの一撃だ」

 反論したいむらくもであったが激痛で反論できない。

 そんなむらくもをみて流石に不安そうな表情になるアレス。

「あ、あれ? そんなにきいた? だってデッキブラシだよ?」

「ぐおおおぉぉぉおぉぉぉ!! じ、尋常じゃねぇぞ」

 ようやく振り絞ったむらくもの言葉にアレスは何かに気付く。

「あ、ごめん。クリティカセブン装備してたわ」

「マジでぶち殺すぞ、てめぇ……!!」

 アレスくんの『てへ、うっかりポーズ』をみてガチの殺意が湧くむらくも。そんなむらくもをみてアレスはリュックサックをがさごそ漁る。

「ほら、むらくも。薬草あげるから」

「せ、せめて回復のポットにしろや」

「なんてことを。この薬草は今朝、畑でとれた新鮮な薬草さ!!」

「ただのゴミ処理ぃ……!!」

 アレスくんの無理やり口の中に薬草を捻じ込まれるむらくも。そして腹が立つことに『新鮮な薬草(アレスくん談)』はむらくもに迸っていた激痛を一瞬で消し去っていた。

 そのことが逆にむらくも心配になった。

「お前の畑本当に大丈夫か? なんか非合法な薬物使ってない?」

「失礼だな。合法のものしか使っていないよ」

 薬物を使っていることを否定しなかったことにむらくは軽く恐怖した。

 その時、掃除をしている温泉の扉が開く。それと同時にむらくも向いていたアレスくんの視線がぎゅるんと動いた

「むらくも、ちゃんと働いていますか?」

「おはようございます、みささぎさん!! これ、みささぎさんが好きだと言っていたお酒を王都から取り寄せておきました!! 受け取ってください!!」

「まぁ、愚弟を手伝うだけじゃなく私にプレゼントまで……いつもありがとうございます、アレスさん」

 アレスくんにしてみれば運命の相手、むらくもにしてみれば不条理の化身がやってきた。

「わぁい!! アレスくんだぁ!!」

「ぐっぼっふぅ!! きょ、今日もいいタックルだねひなちゃん!!」

 そしてみささぎの後ろから走ってきたひながアレスの鳩尾に向かってタックルする。常人であれば吹っ飛ばされたであろう勢いも、世界を救ってしまった英雄であるアレスくんは踏ん張って耐えてみせた。

 笑顔でアレスにマシンガントークを仕掛け始めたひなを尻目にみささぎは座り込んでいるむらくものところにやってくる。

「こら、むらくも。せっかくアレスさんが手伝ってくれているのに貴方がさぼっていてどうするんですか」

「いえいえ!! とんでもないです、みささぎさん!! むらくもは一人でこの温泉宿を切り盛りしているんですから、僕が手伝いに来てる時くらいゆっくり休んでもらわないと!! それに僕とむらくもは親友ですから!!」

「親友?」

 むらくもの思わず口からこぼれた疑問はアレスの鋭い視線で黙らせられる。

「僕と、むらくもは、親友。そうだよね?」

「ア、ハイ」

 一瞬だけ口から「いや、悪友だろ」という出掛かった言葉はアレスくんのチラ見せしてきたレジェンドオブルーンをみてむらくもは飲み込んだ。

 それからデレデレした表情で話すアレスと、それを笑顔で対応するみささぎに呆れながらむらくもは立ち上がる。

 それを下からひなが覗き込んできた。

「大丈夫?」

「おお、大丈夫大丈夫。俺もアレスに連れられて鍛えられているからな」

 そう、リグバースでアレスに同行する確率が一番高いのはみささぎで(そのためにみささぎの強さも尋常ではない)、次に高いのがみささぎに断られた日にやってきて「むらくもく~ん、あ~そ~ぼ~」と声をかけられるむらくもだ。

 そして基本的にむらくもも「お、いいぜ。どこ行く」と仕事をほっぽり出して遊び(モンスター討伐)に行くので普通に強い。

 ちなみにひなもみささぎと一緒に同行することが多々あるので普通に強いのはリグバース公然の秘密である。

 会話しているアレスとみささぎをみてむらくもはひなに話しかける。

「ひなからも姉上に一言言っちゃくれねぇか。このままじゃアレスが報われねぇよ」

 その言葉にひなはう~ん、と首を傾げる。

「でもひながアレスくんと結婚したいから、いくらお母さんでも渡せないかなぁ」

「!?」

 ひなの発言に驚愕するむらくも。

 そんなむらくもを見上げてひなは妖しく笑うのであった。




アレスくん
渾身の婚約指輪はみささぎから返されてそのまま出荷箱にいった

むらくも
色々な被害担当

みささぎさん
女神(兼破壊神)

ひなちゃん
アレスくんにとっての隠れたラスボス



そんな感じでまさかの続きです。これも全て何気なく作った婚約指輪をwktkしながらみささぎさんに渡したら普通に拒否られたせいです。

そしてまさかのアレスくんにとってのラスボスは未来の娘(ひなちゃん)

しかし、次回作の東の国ルーンファクトリーではひなちゃんは結婚可能な相手……シモーヌさん!! これはいったい!!

ちなみに作者のみささぎさんに拒否られた婚約指輪はそのまま出荷箱にダンクしました

こうなったら今回のプレイは独身(みささぎさんと事実婚状態という脳内設定)でストーリークリアしてやろうか!!
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