俺と、ポケモンと、学園と。   作:爆砕肉団子

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なるべく原作と乖離しないようにしながらも、乖離するかもしれないです。
思いつきは止められねぇんだ。
許せ、サスケ。

よろしくお願いします。


1章 異世界から始まる学園ライフ
第1話 エンジョイ勢、異世界へ


 ポケットモンスター、縮めてポケモン。 1996年にゲームボーイにて発売されて、そこから莫大な人気を誇り今もなお続く人気ゲームである。その人気は小学生だけにとどまらず、中、高、果てには大人まで様々な年齢層が楽しめる。

 

 そしてここにも1人。薄暗い部屋の中、布団の上で画面に向かう少年がいた。

 

「もう少し、もう少し……」

 

 時刻は既に1時を回ろうとしていた。夜更けを平気で通り越し、深夜である。

 

「あと少しで……」

 

 あと少しで、なんだと言うのか。それは少年の持っているゲーム機と、内部のソフトを見れば分かる。

 

 彼の手に持っているのは、Switch。近年発売された新ゲーム機である。そしてそのSwitchの中には、『ポケットモンスター・バイオレット』が挿入されていた。

 

「っしゃ! ようやくカンスト(レベル100)したぁ〜!」

 

 ポケモンには、レベルの概念がある。育てたポケモンのレベルに応じて、進化したり、新しい技を覚えたりするのだ。そして彼は今、1匹のポケモンの上限レベルである100レベルにたどり着いたのだ。

 

「よし、寝るか」

 

 彼はポケモンが好きだった。初代から今のバイオレットまで、全作品を遊んでいる。その中で気に入ったポケモンを見つけては、レベル100にする事が彼のモットーであり終着点だ。

 

 所謂、『エンジョイ勢』である。

 

「あーあ、俺もポケモンの世界なら勉強も頑張れたのかもなぁ」

 

 そんな事をごちりながら少年、カケルはSwitchの電源を切りベッドに潜った。

 

(行きたいなぁ、ポケモンの世界)

 

 誰もが1度は思い描いたことがある想像の理想郷。そんな世界を羨望しながら、少年は今日も眠りについた。明日は週初め、学校に行かなければならないのだから。

 

『───、────────。』

 

 目を瞑り、脳が休息状態に入るまでの僅かな微睡みの中。カケルの耳に、その声は届いた。

 

『──て、──てく──い。』

「ん、んん…………?」

 

 寝返りをうって反対の耳にしてみるも、やはりその声は聞こえる。

 

『─きて。──てください。』

「な、なんだ…………?」

 

 自分の睡眠を邪魔する何かに、少し苛立ちげに目を開けた次の瞬間───

 

「っ!?」

 

 ───そこに“何か”がいた。

 

 白いモヤがかかってシルエットは分からない。だが、それでも確実に人では無い“何か”がそこにいるのだと、カケルは本能的に察知した。

 

 よく見れば、先程までいた自分の部屋とは似ても似つかない、真っ白な空間にいるでは無いか。

 

『ようやく、起きましたね』

「────!? ────! ─────!」

 

 そして真っ先に気づいたのは、自分が喋れないということ。

 

 否、恐らく口は動かしているのだろうが声は出ていない。

 

『汝、彼方の世界への羨望者よ。あなたにはこの世界を救って頂きます』

 

 唐突な話だった。いきなり知らない相手からこんなことを言われて信じる者は誰もいないだろう。

 

『信じないのも無理はありません。私が話しかけているこの状況こそ、本来ならば有り得なかったのですから』

 

 こちらの反応を待たず、目の前のそれは言葉を連ねる。

 

『さぁ、行きなさい希望の子よ。時間はそう長くありませんよ』

 

 瞬間、カケルの体は浮遊感に襲われた。自ら動いていないと言うのに、そのモヤからどんどん離れていく。だんだんモヤの姿は小さくなり、やがて見えなくなった。

 

 そうして何も無くなった白一色の空間で、眩い光が目を覆い、そしてそのまま意識はフェードアウトした。

 

 

 ◇

 

 

「─────ハッ!?」

 

 唐突に、意識が覚醒した。夢を見ていたらしい。妙に現実的で、脳裏に焼き付いている夢を。

 

 否、夢だと思う他ない。なぜなら知らない存在にいきなり話しかけられ、今から世界を救ってもらうなどと言われたのだから。それはまるで、巷のライトノベルに出てくる小説のようではないか。

 

 ───だって、そう思わなければ。

 

「ケムケム…………」

 

()()()()()()()()()()()()の存在を理解できない。

 

 それだけでは無い。よく見ればカケルを囲うようにして様々な()()()()がこちらを不思議そうな目で見ている。

 

「夢、だよな…………?」

 

 夢の場合、頬を抓っても痛くないとはよく言われる話だ。なので試しにカケルは自分の頬を思い切り抓ったのだが。

 

いひゃい(痛い)……」

 

 抓った場所がじんわりと痛い。それはつまり、この有り得ない光景が現実だという証明である。

 

 その現実を受け止めたカケルは、半信半疑で、しかし半ば興奮気味にポケモンを見た。

 

「パチリス、ケムッソ、イヌヌワン、コラッタ、キャモメ、エモンガ! 他にもいる!?」

 

 そして完全に興奮した状態で、ポケモン達に近寄った。人懐っこい個体達なのか、カケルが近寄っても逃げる様子はない。試しに、目の前にいたポケモンに触れようと手を伸ばした。

 

「パチ〜?」

 

【パチリス でんきりすポケモン タイプ:でんき】

 

「チパチパぁ!」

 

 何を思ったのか、パチリスは笑顔で頬を手に擦りつけてくる。パチリスと言えば、頬に電気袋を持つポケモンだ。その電気袋を使って、相手をまひ状態にする技を使うことがある。

 

 つまりこの後何が起こるかと言えば。

 

「ぎゃッ!」

 

潰されたカエルのような声を出しながら、カケルはその場にひっくり返ってしまった。

 

「じ、じびれだぁ…………」

 

 当然ながら、人間もまひ状態になる。全身が痺れてしまったため、まともに動くことが出来ない。カケルはビクビク痙攣しながらその場で目を回すのだった。

 

「おーい君達、そろそろご飯の…………って、おや?」

 

 そこに、男は現れた。Tシャツに短パン、その上から白衣を着た男性だった。その手には何やら大量の木の実を盛った皿がある。

 

「えーっと、どういう状況……?」

 

 男は困惑したように、痺れたカケルとポケモン達を交互に見るのだった。

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