アークナイツRPG 実績『新人オペレーター』取得RTA any%(笑)   作:nine( ᐛ )

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RTAのようにサクサク進む作品のキャラ視点って、特に主人公だと難しくないですかね
早く日常部分書きたいなぁ


目覚め、そして

 

最近、ふと疑問に思う事がある。

メモを見るに、少なくとも1ヶ月ほど前には既に、思っていた事らしいが──どうも時々、自分の意思ではなく、何か別のものに動かされているような、誘われているような、それとも私が書き換えられているような。そんな、言葉では表しづらい何かが、常に引っかかっているのだ。寝ても覚めても忘れても、付きまとういやらしい感覚。だが、原因は何となく分かる。

 

あの、教祖だ。

アレに何かをぶち込まれてから、明らかに私は私でなくなった。自分のはずなのに、別の何かに動かされている感覚が付き纏う、まるで1つの器に塊が2個も3個も押し込まれているような。寝ているはずなのに、どこかで起きているような気もする。またスペクターも、別のナニカと繋がってしまったらしい。

 

 

また混ざって忘れてしまう前に、教祖の部屋を捜索しておきたい。だが、タイミングは考えねばならない。アレに危害を加えるのはご法度なのだから、アレの居ぬ間に探すべきだ。

……と言えど、アレが何処に何時いるのかなど知らないし、知っていたとしても忘れているだろうし、そもそも興味がない。

 

 

「─なら、確認しに、行けばいい。」

 

 

そうだ。ソレが最も近道だ。過去の私が書いたのであろう見取り図もある事だしな。

然しここで、一つ問題がある。それが、此処を徘徊するシーボーン(ゴミども)である。そいつらをどうにかせねば、私は魚の刺身食べ放題コース直行させられる事間違い無しなのは自明の理だ。

 

 

「そう、は言えど、何か、対策に、なるものは」

 

 

部屋を見回す。その中で目に付いたのは、私がすっぽり入ってしまいそうなほど巨大な、畳まれていた箱であった。

 

 

「いや、まさか、な」

 

 

 

 

 

 

 

結論から言おう。

なんとかなってしまった。

こいつら、こんなに頭まで弱かっただろうか?

 

私は今、箱に入ったままに廊下を進んでいる。つまりは今、箱に入り切らなかった大きな錨を引き摺りながら、ズルズルと進む箱が廊下の一角に存在すると言う事だ。

あからさまに怪しいはずだろ?

だがこいつらは気づかない。

今すれ違ったコイツもだ。何故だ……?

 

ム。今錨が引っ張られたか?

……いや、違う。さっきすれ違った奴が錨に引っかかって転けたのか。チッ面倒だ。箱から出る準備は整え

 

 

無視……だと…………?!?

 

は?

 

…いや、は?

 

え?

 

 

……はぁ?

 

 

 

 

駄目だ考えるのをよそう。此処のこいつらは特殊なんだ。考えるだけ無駄だ。きっとそうに違いない。さっさと進もう。そうだそれがいい。

私は何に弁明しているのだろうな……

 

ああそうだ。地図を確認しておかねばな。教祖の部屋は、一体何処であったかな。

……暗いし汚くて分かりづらい。しかも見方が合っているのなら過ぎかけているではないか。ああもう本当に面倒だな。過去の自分は何をしているのだ。

 

まあ、いい。今は今だ。

さて、教祖の部屋に着いた訳ではある。

だがしかし、どうやって教祖の存否を確認しようか。しまったな。どうやって確認するか考えていなかった。まあ、扉に耳を当てて聞き耳でも立てれば問題ないか。それで、教祖は……

 

物音一つない。

…居ないと判断して問題ないだろう。ならば話は早い、さっさと箱から出て部屋の捜索だ。

 

「─!?」

 

か、体が痛い。箱は大きかったとはいえ、体を丸めながら進んでいたのはかなり負担になっていたらしい。体を伸ばせば背骨からポキポキと小気味いい音が鳴るのが聞こえた。

ホウと息を吐いて、見回す。その中でまず目に付いたのは、棚の上に置いてある黒いラジオだった。

 

そこで、そういえば教会の外について何も知らない事を思い出した。探索ついでに、外の情勢を聞いて置くのも悪くはないだろう。

…?ボタンが多い。何を押せば良いんだ?コレか?

……ノイズが流れ出したな。故障か、接続中か。まあいい。駄目なら駄目で、別にどうでもいいからな。

 

それよりも、この部屋を調べる方が先で、そして面倒だ。一体幾つ引き出しがあるんだか。ココは?何も無い。ならこっちは?鍵?貰っておこう。じゃあこっちは?また何も無い。あえてこっち。何だこの資料?貰っておこう。

 

 

ジジジジジ……

ああ、ラジオ。生きていたのか。それで、一体何処の何が聞けるのか。少し、楽しみだ。

ピーザザザ…『ロド……サス………た。こ……』

 

 

 

クソが。まるで何も分からないじゃないか。チッ。まあ一通り漁っただろうし、さっさと帰るか。ム?扉が開いている。しまったな。開けっ放しにしてしまっていただろうか。バレて居ないと良いが。

 

 

──違う。何故気づかなかった?教祖が戻ってきたんだ。隠れるか?どこにだ。そもそもやり過ごせるか?考えろ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

…?

…ああ、なるほど。そういう事か。今理解した。

なぁ、教祖よ。人を操るって言うのは、どういう気分なんだ?まあさぞかし気の良かったことだろう。答えは聞かないしその質問もしない。私に干渉するな。私を止めるな。私の頭から、貴様の身軀ごと消え去るがいい。

 

 

決意する。然して語らない。背負っていた錨を構え、姿勢を落とし、気配を見ながら、ただ待つ。気を伺う。

戸が開けられ、人が部屋に入る──その時を待っていた。

錨を横なぎに体を一回転させ、そして全力で投擲する。そして、悲鳴を上げさせる暇もなく大きな音を立て、戸も枠も破壊し、向かいの壁とその周辺に赤い大きな染みを作って錨は止まった。

 

 

ああ、気分がスッキリした。今、私は、初めて自分の意思で歩を進めた気がする。壊れた戸から部屋を出て、事前に感じていたもう一つの気配の方へ向かう。

 

 

「私は、行きます。あなた、は、どうします、か?」

「あら、誘ってくださるのね。──ええ。導きもあります。連れて行ってくださるかしら?」

「ええ、ええ。任されました。」

 

 

私の意思で、彼女に協力した。ああ、気分が良い。

この気分のままに行きたい。ああ、邪魔だな。こんな壁。じゃあ、壊してしまおう。私は自由だ。何にも強制されない、縛られない。こんな壁にも。

 

 

「アハハ、ハ」

 

 

別に投げる必要もない。ただ、全力で振り下ろし叩きつける。煩い。この調子ではシーボーン(カス)が集まってしまうだろうが、まあ、問題なかろう。

 

一つ、また一つと壁を壊し部屋へ侵入する事数回。

 

 

「─外、か。」

「そのようですわね。ああ、月の光が辺りを照らして、満ちていきますわ。ウフフフフ…」

 

 

 

…うん。ご機嫌なようで何よりだ。何か別のモノが見えていた気もしなくもないが、私は何も見ていない。と言うかご機嫌のままに鋸を振り回しださないでくれ。どうせサンドバッグが来るから。いや、来る前にさっさと出てしまえた方がいいか。どちらにせよ止めてくれ。

 

それで、此処は。駐車場か。そういえば鍵を拝借していたな。車は一台しか見当たらないし、多分あの車で合っているだろう。さて問題は、私が運転できるか否か、であるが。

エンジンはかかった。ハンドルもギアも、私が覚えていなくとも体は分かっていた。問題ない。ならば出発

スペクターは何処だ?

 

…元気に搔っ捌いてるな。

……ああもう!こうなったら無理やりにでも回収してやる!アクセルベタ踏みで大振りに行けば、この距離でもドリフトは可能だろう。それで連れて行ってしまえば大人しく乗っている……はずだ。ならば実行。

 

 

まずアクセルベタ踏み。かなりのGを受けたがこの程度なら問題なし。次にドリフト。マズイこちら側が浮かび始めた。仕方ない、錨を車から下ろして無理やり均衡を取り解決する。そして回収。扉を開け忘れていたが間一髪で開けるのが間に合い、助手席に乗せさせる。仕上げに発進。

 

完璧だ。*1

 

 

それと、彼女もさっさと行く事に異論は無いようで、いそいそと席にまっすぐ座って扉を閉め、鋸の手入れを始めていた。少々釈然としなかったが、その心もさっさと切り捨てる。

 

 

「なあ、私は、どこへ向、かえばいい?」

「……北。ウルサスと炎国の間、そこにある山へ向かって頂戴」

「わかった」

 

 

此処がどの辺か分からないが、かなり北の方まで行くじゃないか。結構面倒だな。だがまあ、そういうのも、悪くはないだろう。車のコンパスで方角は分かるし、終わりの分からぬ車旅というのもそれはそれで味があろうものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふむ。暇だ。

運転中故に気を逸らす事はできない。がしかし、街並みが見られるという訳でも綺麗な自然が見られるという事もなく、荒野をただ走るだけなのは飽きが来よう。ほれ見ろ、スペクターもすぐに寝てしまっている。私も寝ようか。いや所々にある大岩や樹木にぶつかりでもしたら大変だろう。でもなあ……

 

ドン

 

 

………あ。マズイ。結局集中を切らして、あろう事か轢いてしまった。しかも5人いたのに、全員弾き飛ばしてしまった。えーと…んー…考えなければ問題ないな。よし。ここには何も居なかった。だから私も轢いていない。うん。*2

 

 

 

ん、ああ。また敵か。今度は23人か、かなり増えたな。何か言っているのが聞こえる。まあ止まれだとか金を出せだとか、そんな所だろう。

……もう既に1回轢いてしまっているのだし、もう1回轢いてしまっても変わらないな?うんそうだ。それがいい。大丈夫だ。当たり所が良ければ1週間も経てば治るぞ。躊躇う必要はないな?さあ、怪我をしたくなければどくといい。そうでなければ飛ばす。行くぞ!*3

 

 

 

よし。今回は6人飛んだな。車線上から逃げたのは2人か。ウスノロなのか蛮勇なのか。そういえばスペクターは…まだ寝ているのか。あれだけ鈍い接触音を出していたのに、余程疲れていたのだろうか。

ム、あれは、街か。*4 だが見覚えがない。多分私の知らない街だろう。今度あの街にも行ってみようか。

 

まあ何はともあれ、何か大きな事もなくスペクターの目的地へ着きたいものだな。

 

 

*1
表情は一切変わっておらずとっても分かりづらいが、本人はドヤっているつもりである。

*2
※大問題です。皆さんは眠いと思ったら運転を切り上げちゃんと仮眠を取りましょう。

*3
大問題です。皆さんは(ry

*4
一応説明。現在主人公は、日本式の車(つまりハンドルが車体右側)で、ラテラーノの東を走っています。なので、助手席のスペクターを見るついでに街にも気づけた、という訳ですね〜





テキラプの「Laters」と、EGOISTの「当事者」(本家とアークナイツmadの2種)と、ヘブバンの「Before I Rise」を聴きながら書いたらなんかサクサク進みました
問題があるとすれば別作品のネタがどんどん生まれてそっちの書きたい欲が増すことでした。
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