仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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109話 ヴィーナスの最期

 

葉月「そ、そんな…」  

 

倒れる私の近くにはバラバラに砕かれたピーチエナジーロックシードの破片が散らばっており、私は湊先輩から受け継いだ大切なロックシードを目の前で砕かれた事に、呆然とショックを受けてしまった。

 

シロ「お姉ちゃん!!」

 

デェジュシャシュ「これでわかっただろう?お前達如きでは私は止められないと!!」

 

シロ「う…うわあああああ!!」

 

シロちゃんは再び立ち上がると槍を手にデェジュシャシュへと駆け出して槍を思い切り振り翳すが、デェジュシャシュは自身の剣で槍を受け止めるとそのまま力任せに槍を叩き落としてしまい、シロちゃんに蹴りを繰り出してシロちゃんは地面に再び転がされてしまっていた。

 

シロ「がっ…」

 

デェジュシャシュ「貴様の抵抗も無意味だ…やれっ!!」

 

デェジュシャシュが手を翳すとクラックが出現して、中から上級インベス3体を呼び出してしまい、インベスは地面に倒れるシロちゃんに狙いを定めた。

 

デェジュシャシュ「さぁお前達…こいつに自分達の無力さを教えてやれ!!」

 

ザック「させるか!!」

 

(クルミアームズ・ミスターナックルマン!!)

 

光実「はああああああっ!!」

 

(ブドウアームズ!龍・砲・ハッハッハッ!)

 

シロに迫る3体のインベスに向かって再び変身を果たしたザックと光実がインベスへと向かって行くが、苦戦を強いられてしまい、戦う2人の間をデェジュシャシュがすり抜けて行き倒れているシロへと歩み寄っていた。

 

葉月「やめて…やめて!!」

 

デェジュシャシュ「ぬ?」

 

私はシロちゃんの危機に駆け出して生身の状態でデェジュシャシュへと挑みかかり、拳を繰り出すが受け止められてしまった。

 

葉月「ぐっ…ううううう…」

 

デェジュシャシュ「貴様を殺すのは後だ…まずは裏切り者を先に消す!!どけっ!!」

 

葉月「うっ…うわああああっ…」

 

私は胸倉を掴まれるとそのまま遠くに投げ飛ばされてしまい何度も地面を跳ねて地面に再び倒れ込んでしまった。

 

葉月「このままじゃ…ん?」

 

私が投げ飛ばされた先にはマロンエナジーロックシードが転がっており、私はマロンエナジーロックを掴み、手元へと引き寄せて回収した。

 

シロ「お姉ちゃん…」

 

デェジュシャシュ「さぁ… デェングムボシュよ…最後に何か言い残す事はあるか?」

 

デェジュシャシュがシロちゃんに剣を突きつけており、シロちゃんは目に涙を浮かべながらデェジュシャシュの方を見上げた。

 

シロ「…私はどうなってもいいから…みんなの事は助けて…」

 

デェジュシャシュ「ん…?フッハッハッハッハッ…良いだろう!!お前を消した後は人間達には手を出さない…約束してやろう。」

 

シロ「…あり…がとう…」

 

デェジュシャシュ「…とでも言うと思ったか?」

 

シロ「…えっ!?」

 

デェジュシャシュ「私をかつて倒した猿どもを許してやるものか!!貴様を殺した後は人間共も滅ぼしてくれる!!」

 

シロ「そ…そんな…」

 

デェジュシャシュ「貴様がまず…その1人になるのだ!!」

 

デェジュシャシュは黒い剣を大きく振り上げると地面に倒れているシロちゃんへと狙いを定めており、私はシロちゃんの危機に立ち上がり、シロちゃんを守る為に駆け出した。

 

葉月「シロちゃーーん!!」

 

シロ「っ!?お姉ちゃん!?」

 

 

(マロンエナジー)

 

私は走りながらマロンエナジーロックシードを開錠すると素早くロックシードをゲネシスドライバーへと装着してハンガーを閉じてレバーを押し込んだ。

 

(ロックオン・リキッド)

 

(マロンエナジーアームズ)

 

デェジュシャシュ「死ねぇぇぇ!!」

 

葉月「シロちゃーーん!!」

 

デェジュシャシュはシロちゃんの心臓に狙いを定めており、剣で心臓を貫こうと一撃を繰り出すが、私はヴィーナスに素早く変身を果たし、デェジュシャシュとシロちゃんの間に割って入ると、動けないシロちゃんを押し退けた。

 

シロ「うあっ…」

 

葉月「げふっ…」

 

直後に体に訪れる違和感、気づくと私のお腹はデェジュシャシュの剣に貫かれており、生身の体を守っていた白いアンダースーツごと貫かれてしまった。

 

葉月「…あ……こふっ…」

 

私は口から血を吐いてしまい、気づくとお腹からは大量に出血し、白いアンダースーツを赤く染めていた。

 

シロ「え…お姉…ちゃん…?」

 

チャッキー「いやああああああ!!葉月さん!!」

 

シロは葉月が剣で貫かれるのをみて驚きで目を見開いており、近くで戦いを見ていたであろうチャッキーが悲痛な叫び声を上げた。

 

デェジュシャシュ「仲間を庇うとは…人間の考える事はわからん…フン!!」

 

葉月「…かはっ…」

 

デェジュシャシュは私のお腹を蹴ってその反動で剣を抜くと、剣が抜かれたと同時に私のお腹からはさらに大量に出血してしまい、私は変身が解けてそのまま地面に崩れ落ちた。

 

シロ「お姉ちゃん!!」

 

チャッキー「葉月さん!!」

 

地面に倒れた私の元にシロちゃんとチャッキーさんが駆け寄って、チャッキーさんが自身のパーカーを脱いで私のお腹の傷に当てて出血を止めようと必死にパーカーを押し当てていた。

 

シロ「お姉ちゃん…私を…庇って…嘘…っ」

 

葉月「…だ…い…じょ…ぶ?…シ…ロ…ちゃ…」

 

シロ「どうして…どうして私を庇ったの?私はどうなってもよかったのに…」

 

葉月「ご…め……ん…シ…ロちゃん…はた…いせつな…仲間…だ…から」

 

私はだんだんと意識が朦朧としてきており、私は自身の命の灯火が無くなってきているのを肌で感じていた。

 

葉月「お…ねがい…あ…い…つを…止…めて…」

 

シロ「はっ!?」

 

神主(頼む…奴を止めてくれ…お前の手で…)

 

かつて神主がシロを庇って刺された事が頭をよぎりシロは涙を流した。

 

シロ「おじいちゃんに続いてお姉ちゃんまで…私は2度も…同じ過ちを…」

 

チャッキー「血が…血が止まらないよ…はっ…そうだ!!シロちゃん…銀色の果実は!?」

 

チャッキーは最後の望みに賭けて銀色の果実の力を使う事を提案したが、シロはチャッキーに視線を向けると涙を流しながら声を漏らした。

 

チャッキー「シロちゃんお願い…銀色の果実の力で葉月さんを助けて!!」

 

シロ「……駄目…」

 

チャッキー「なんで!?」

 

シロ「…もう既に果実をお姉ちゃんに使ってる…でも血が…止まらない…」

 

チャッキー「嘘っ…そんな…!?」

 

シロ「くっ…お願い…お姉ちゃんを助けて!!銀色の果実!!」

 

シロは既に銀色の果実を葉月の体に入れたようで、必死に出血を止めながら銀色の果実の力で葉月を助けようと力を込めるが、葉月の体は僅かに果実の力で発光しただけで、やがて銀色の果実は葉月の体から弾かれて体外に弾き出されてしまい、地面に転がった。

 

シロ「何で…なんでなの!?これじゃ…おじいちゃんみたいに…」

 

葉月「……」

 

気づけば葉月は既に呼吸が薄くなっており、チャッキーは自身の手を握る葉月の手がだんだんと冷たくなっており力が弱まっているのを感じた。

 

チャッキー「駄目!!葉月さん!!お願いだから…死なないで!!」

 

葉月「チャ…ッ…キーさ…ん…」

 

チャッキー「葉月…さん…?」

 

葉月「貴虎…さん…に伝…えて…」

 

チャッキー「えっ…」

 

葉月「ご…めん…な…さい…って…」

 

チャッキー「葉月さん?ねぇ!!葉月さん!!しっかりして!!」

 

シロ「嫌…死なないで…お姉ちゃん!!」

 

葉月「…………」

 

ついに葉月はゆっくりと目を閉じると、チャッキーを握りしめていた手からは力が無くなり、チャッキーの手から離れてそのまま地面に落下した。

 

シロ「お姉ちゃん…?ねぇ…起きてよ!!お姉ちゃん!!」

 

チャッキー「葉月さん!?葉月さん!!」

 

葉月「………」

 

シロとチャッキーは動かなくなった葉月を必死に揺さぶるが葉月は目を覚ます事はなく、チャッキーの悲痛な叫び声が辺りに響き渡った。

 

 

チャッキー「葉月さぁぁぁぁん!!」

 

 

あらゆる困難を乗り越えて来た筈のアーマードライダーヴィーナスこと呉島葉月は、自身の大切な仲間を守る為に侵略者オーバーロードの手によって、23歳と言う若さで命を落としてしまった。

 

 

 

 

 

 

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