仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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113話 眠る葉月

 

思い返してみれば私と葉月さんとの出会いはビートライダーズとユグドラシルの社員という本来ならば敵対していた者同士だったけど葉月さんは率先して沢芽市のために戦う女性であり私の憧れの人でもあった。

 

 

葉月(チーム鎧武の配信ずっと観てました!!私ずっとファンだったんです!!)

 

 

一緒にオーバーロードやインベスから沢芽市の人達を助けるために戦っていた時は私は彼女の手当をすることしか出来なかった。

 

チャッキー「どうしてそこまでぼろぼろになってまで戦うの?」

 

葉月「奪われた物を取り返す為です…皆さんがまたステージで踊れるように…皆さんが帰ってくる居場所を守りたいんです!!」

 

チャッキー「凄いね…葉月さんは…力の無い私じゃ葉月さんみたいになれないや…」

 

葉月「チャッキーさんだって充分頑張ってますよ…チャッキーさんがまた笑って踊れる日が来るのを私…楽しみに待ってます!!」

 

チャッキー「それは…嬉しいな…」

 

葉月「だから…チャッキーさんや皆さんがまた踊れるようになるように私も全力を尽くします!!」

 

そして葉月さんは紘汰さん達と一緒にオーバーロードとの戦いを乗り越えて沢芽市に平和をもたらしてくれた。

 

葉月「チャッキーさーん!!」

 

チャッキー「葉月さん!!観に来てくれたんだ!!」

 

ヘルヘイムの侵略から7ヶ月の月日が経ち沢芽市に活気が戻り私達はダンスパフォーマンスにて街のみんなに笑顔を届けていたとき葉月さんが私達のダンスを観に来てくれていた。

 

葉月「何か悩んでます?よかったら話を聞きますよ?」

 

チャッキー「葉月さんにはお見通しかぁ…」

 

街に活気が戻ったはいいものの私達のダンスチームにはメンバーの1人であるミッチがおらず、本人に一緒に踊ることを提案したものの断られてしまい悩んでいた。

 

葉月「光実君もですか…実は私も色々あって…」

 

チャッキー「葉月さんも…?」

 

葉月「私…戦うのが怖くなったんです…情けないですよね…」

 

話を聞けば葉月さんの先輩である湊さんと衝突してしまったそうで、その後に湊さんが葉月さんの目の前でその命を散らしてしまい葉月さんはその事がトラウマになってしまい戦えなくなってしまったとの事だった。

 

葉月「私は…もう…変身出来ない…」

 

チャッキー「そんな事ないよ!!」

 

葉月「えっ…」

 

チャッキー「葉月さんならもう一度立ち上がれるって私信じてるから!!」

 

葉月「嫌…私は…」

 

私は今だに戦いを恐れている葉月さんのポケットから桃の錠前を取り出すと葉月さんの手を握ってロックシードを握らせた。

 

葉月「嫌っ!!」

 

チャッキー「葉月さん!!」

 

私はロックシードを放り出そうとする葉月さんのロックシードを握る手を自身の手の中に包み込み強く握り締めた。

 

葉月「…あっ…」

 

チャッキー「大丈夫…私がいるから…」

 

葉月「でも…私は…」

 

チャッキー「どうか自分に負けないで葉月さん…」

 

私は最後に一言だけ励ましの言葉を残すと静かにその場を立ち去った。何となくだけど最後に葉月さんが立ち上がれるきっかけを作れるのは私では無いと思ったからだ。

 

チャッキー「ミッチ…今、葉月さんと一緒に戦えるのはミッチだけなんだよ…」

 

 

(ピーチエナジーアームズ)

 

葉月「はあああああっ!!」

 

コウガネ「ぐっ…」

 

葉月さんはミッチの説得によりついに再び立ち上がる事が出来たようで葉月さんはヴィーナスに変身出来ない中で湊さんのマリカに変身を果たして敵に戦いを挑んでおり私は近くの物陰から様子を伺っていた。

 

チャッキー(やったね…葉月さん…)

 

その後沢芽市は様々な敵の襲撃を受けてしまったが葉月さん含めてみんなで様々な危機を乗り越えて来たのでこれから何があっても葉月さんとなら乗り越えられる…そう思っていた。

 

 

-現実-

 

私の目の前にあるのは棺の中で眠る葉月さんの姿であり私は葉月さんが死んでしまった事が今だに信じられなかった。

 

リカ「チャッキー…ねぇ!!」

 

チャッキー「あ…うん…」

 

さっきまで葉月さんの遺体を清めていた筈だったのに私はその間ずっと自分の世界に閉じこもっていたようで気づけば葉月さんの化粧や清拭作業も終えたようで葉月さんは白い死装束に着替えさせられて棺の中で眠っていた。

 

チャッキー「こんなの…信じられない!!」

 

リカ「私もそう思いたいよ!!でも…」

 

チャッキー「うぅ…ううううう…」

 

私は溢れ出す涙が止まらずひたすらわんわんと泣き続けていた。

 

 

数時間後

 

私達は凰蓮さんや阪東さん達大人の人達の手配により葬儀会社に連絡して早くも明日の夜にお通夜が開かれると言う話をリカから聞いていた。

 

城乃内「いない!?」

 

凰蓮「えぇ…お嬢さんの両親は何年も前に事故で亡くなっていて身内はもう誰もいないそうよ…」

 

チャッキー(そっか…葉月さん…今までひとりぼっちだったんだ…)

 

本来は葉月さんの家族に亡くなった事を連絡しないといけないが誰とも連絡が付かないので自分達で見送るという事が決定していた。

 

私はその後お通夜の会場に行き会場の設営と準備を手伝っていた。

 

チャッキー「……」

 

棺を置く台の隣の大きいデーブルには葉月さんの遺品の数々が並べられており、亡くなった当時身につけていた黒いスーツがクリーニングされて置かれておりその隣には湊さんからのお下がりの白いスーツが置かれていた。

 

葉月(湊先輩からのお下がりなんです!!)

 

チャッキー(へぇ…スリットが入っててちょっとセクシーじゃん!!)

 

葉月(でも私湊先輩みたいに足が長く無いし…まだこのスーツ着こなせないんです…)

 

チャッキー(大丈夫だよ!!いつかきっと着こなせるぐらい背が伸びるよ!!)

 

葉月(えー…だと良いんですけど…)

 

生前にそんな話をした事を私はふと思い出していた。その後私は他の遺品に目を通すとスーツの隣には砕け散った桃の錠前と亡くなる直前まで腰に装着されていたゲネシスドライバーが置かれており私はドライバーを思わず手に取った。

 

チャッキー「……」

 

赤いゲネシスドライバーは葉月さんの血が一部付着しておりヴィーナスに変身するためのマロンエナジーロックシードにも赤い血があちこちに付着していた。

 

シロ「チャッキーお姉ちゃん…ごめん…」

 

チャッキー「シロちゃん!?」

 

シロちゃんが葉月さんの棺の前にいてその手には棺の中に入れるための菊の花束があった。

 

シロ「私が全部悪いんだ…私1人の力でお兄ちゃんを止めていれば…」

 

チャッキー「シロちゃん…」

 

シロ「おじいちゃんと時と同じ…私は2度も目の前で命を助ける事が出来なかった!!」

 

シロちゃんは涙を流しており思わず私はシロちゃんを抱きしめなから自身も耐えきれずに再び涙を流した。

 

 

チャッキー「葉月さん…」

 

その後私は葉月さんの眠る棺の中に菊の花を収めていた。ふと棺の中に眠る葉月さんの顔を見ているととても死んでいるとは思えなかった。

 

チャッキー「やっぱり私…貴方を諦めきれないよ…」

 

ふと棺の中を見ると葉月さんの遺体の近くに植物の種のような物が落ちているのに気づいていくつかの種を拾い上げた。

 

チャッキー「何これ?」

 

棺の中に収められていたのは菊の花やカーネーションや百合の花など様々な花が一緒に収められておりどこからか紛れ込んだのだろうと感じた。

 

チャッキー「どっから紛れたんだろ…この種…?」

 

私は種を回収して葉月さんの棺に花を添えるとシロちゃんと一緒にお通夜の為の準備のために動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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