仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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116話 チャッキーの覚悟

 

その頃、誰も居なくなったお通夜の会場にて棺が突然倒れて棺の中で死んだ筈の葉月の遺体が突如動き始め、収められていた花を辺りに撒き散らしながら棺から出て来て床に足を着地させた。

 

葉月「………」

 

葉月は何も発さず目を瞑ったまま裸足で入口へ向かって歩き始めており正面入口のドアをゆっくりと開けて外へと出て行ってしまった。

 

 

 

チャッキー「変身っ!!」

 

(リキッド)

 

(マロンエナジーアームズ)

 

私は再びヴィーナスへと変身を果たしソニックアローを手にするが全身に火花が走り私は堪らずソニックアローを地面に突き立てて深い吐息を漏らした。

 

チャッキー「はあっ…はあっ…」

 

リカ「む、無茶だよ…このままじゃチャッキーが…」

 

チャッキー「だい…じょうぶ…こんな…痛みぐらい…みんなが味わった痛みに比べたら!!」

 

私はなんとか立ち上がりソニックアローを構えてシロちゃんと戦っているオーバーロードに向けてソニックアローを向けた。

 

 

シロ「あぁ…うぅ…」

 

その頃シロはデェジュシャシュにより踏みつけられており必死に足を退かそうと足を叩いて抵抗していた。

 

デェジュシャシュ「残るはお前だけだデェングムボシュ!!さぁ…どうやって甚振ってやろうか?」

 

シロ「やめて…お兄…ちゃ…」

 

デェジュシャシュ「フハハハハハ!!」

 

シロは何度も体を剣で斬りつけられており体のあちこちに傷を負っており、巫女装束も所々破れており斬撃を受けて斬り裂かれた袴の一部が辺りに散乱している。

 

シロ「貴方の復讐はもう終わった筈…もう…やめて!!」

 

デェジュシャシュ「そうだな…私を倒した葛葉紘汰と天空寺タケル、そして呉島貴虎が居ないのは残念だが…」

 

シロ「だったら…」

 

デェジュシャシュ「だが足りぬ…私が倒されるのを黙って見ていた貴様を許すわけにはいかんのだ!!」

 

シロ「っ!!」

 

デェジュシャシュ(そう…今度は確実にこの世界を私の物とする為だ!!)

 

デェジュシャシュはかつて自身が倒された屈辱的な出来事を思い出していた。

 

 

-過去-

 

貴虎(犠牲と引き換えの希望などそんな物ただの絶望だ!!)

 

光実(僕達を救う神など居ない…だから僕達がヒーローにならなきゃいけないんだ!!)

 

戒斗(笑止!!貴様の世界では無い…強者達が勝ち取った世界だ!!)

 

紘汰(たとえ俺が居なくても俺の仲間が…お前のような奴からみんなを守ってくれる!!)

 

マコト(何度叩き潰されようが俺達は絶対に諦めない!!)

 

タケル(皆の命を守るため…何度だって命を燃やして何度だって変身する!!)

 

デェジュシャシュ(ほざけ!!)

 

(極スカッシュ)

 

(バナナスカッシュ)

 

(ブドウスカッシュ)

 

(メロンエナジースカッシュ)

 

(ダイカイガン!オレ・オメガドライブ!)

 

(ダイカイガン!スペクター・オメガドライブ!)

 

デェジュシャシュ(ぐわぁぁぁ…馬鹿な…私の…私の世界を!!)

 

 

-現在-

 

デェジュシャシュ「そう…今こそ確実にこの世界を私の物とし未来を…変えるのだぁ!!」

 

シロ「う…うわああああ…」

 

シロの体に大剣が突き立てられて緑色の血が流れてシロは悲鳴を上げた。

 

デェジュシャシュ「さぁ…別れの時だデェングムボシュよ…」

 

シロ「お、お兄…ちゃ…」

 

デェジュシャシュ「さらばだぁぁ!!」

 

デェジュシャシュはシロに向かって大剣を顔目掛けて振り下ろすが突如放たれた攻撃を受けて動きを止めた。

 

デェジュシャシュ「また邪魔者か…」

 

チャッキー「はぁ…はぁ…シロちゃんから離れて!!」

 

 

チャッキーSide

 

私はシロちゃんに剣が振り下ろされるのを見るなりすぐにソニックアローを構えて射撃に入り大剣目掛けて弦を引き絞った。

 

チャッキー「お願い…当たって!!」

 

私の祈りは通じたようでソニックアローの一撃は大剣に当たりオーバーロードは動きを止めていた。

 

デェジュシャシュ「また邪魔者か…」

 

チャッキー「はぁ…はぁ…シロちゃんから離れて!!」

 

デェジュシャシュ「フハハハハ…私の戦う前から既に息が上がっているではないか!!」

 

チャッキー「はあっ…はあっ…あんたを止める!!」

 

シロ「…駄目…チャッキーお姉ちゃん…逃げて!!」

 

デェジュシャシュ「貴様はそのまま地面に這いつくばっていろ…奴を倒した後にゆっくりと始末してやろう!!」

 

チャッキー「始末なんて…させない!!シロちゃんは私が守る!!」

 

デェジュシャシュ「さぁ…かかって来い!!絶望をくれてやろう!!」

 

チャッキー「はああああああっ!!」

 

私はソニックアローの刃を構えてオーバーロードに繰り出すとオーバーロードは防御もせずに私の斬撃をわざと受けていた。

 

デェジュシャシュ「フハハハ…」

 

チャッキー「この…このぉ!!」

 

デェジュシャシュ「どうした?貴様の力はその程度か!!」

 

チャッキー「葉月さんを…」

 

デェジュシャシュ「何?」

 

チャッキー「葉月さんを…返してよ!!」

 

私は泣きじゃくりながら必死にソニックアローを叩きつけているがオーバーロードには通じず振り上げたソニックアローを掴まれてしまった。

 

チャッキー「なっ…くっ…離して!!」

 

デェジュシャシュ「ヴィーナスだったか?女神の名を持つアーマードライダーがこんな素人が引き継いだとは…まだ呉島葉月の方が楽しめたぞ?」

 

チャッキー「うっ…うぅぅぅぅ」

 

デェジュシャシュ「…だが呉島葉月は死んだ!!呉島貴虎も現れない!!私の勝利だぁぁ!!」

 

チャッキー「ぐふっ…がはっ…」

 

直後私のお腹に拳が叩き込まれ私の体はくの字に曲がりそのまま背中に肘を叩き込まれて私は地面に倒されてしまった。

 

光実「やめろ!!」

 

ザック「おおおおおっ!!」

 

背中を踏みつけられている私を助けようとミッチ達が生身でオーバーロードに挑むがすぐに顔面を思い切り殴られて2人とも遠くに跳ね飛ばされてしまった。

 

シロ「やめてぇぇぇ!!」

 

デェジュシャシュ「セヤアッ!!」

 

シロ「そんな…槍が…ぐはあっ…」

 

チャッキー「あぁ…ミッチ…ザック…シロちゃん…」

 

シロちゃんがオーバーロードに飛び掛かるがついに槍を片手だけで叩き折ってしまいそのまま片手から衝撃波が放たれてシロちゃんはミッチの隣まで跳ね飛ばされてしまった。

 

デェジュシャシュ「さぁ…貴様も終わりだ…」

 

チャッキー「がっ…」

 

私は鎧を掴み上げられて無理やり立ち上がらせられてしまいオーバーロードは大剣を構えて私に狙いを定めた。

 

デェジュシャシュ「ヌアッ!!」

 

チャッキー「うあっ…」

 

デェジュシャシュ「デヤアッ!!」

 

チャッキー「うっ…ぐはっ…」

 

私は連続で大剣の斬撃を受けてしまい全身から火花が散ってしまい膝を突いてしまった。

 

デェジュシャシュ「さぁ…終わりだ!!」

 

光実「チャッキー!!」

 

凰蓮「逃げるのよ!!」

 

城乃内「おいっ!!」

 

チャッキー「っ!!」

 

ぼろぼろのみんなが必死に叫ぶが私はもう体を動かす事が出来ずにそんな私に容赦なくとどめの一撃が放たれてしまった。

 

デェジュシャシュ「ハアアアアア…ハアッ!!」

 

チャッキー「ぐっ…キャァァァァ!!」

 

私は気づけば大剣の強力な一撃を受けて吹き飛ばされてしまい地面を何度も跳ねながら転がり変身が強制的に解除されてしまった。

 

チャッキー「うっ…うぅぅぅぅ…」

 

気づくと私の腰のゲネシスドライバーからマロンエナジーロックシードが外れており、外れたマロンエナジーロックシードはオーバーロードの足元へと転がりオーバーロードはロックシードを拾い上げた。

 

デェジュシャシュ「これがヴィーナスに変身するための錠前か?」

 

チャッキー「返して…それは葉月さんの大切な…」

 

デェジュシャシュ「呉島葉月の形見なのだろう?ならば…」

 

直後オーバーロードはロックシードを握る手に力を込めており私は必死に叫んだ。

 

チャッキー「やめて…やめてぇぇぇ!!」

 

デェジュシャシュ「ヌン!!」

 

私の叫びも虚しくついにマロンエナジーロックシードは砕かれてしまい、砕けたロックシードの破片がボロボロと地面に落下して私は思わず欠片を手で受け止めた。

 

チャッキー「あ…あぁぁ…そんな…」

 

デェジュシャシュ「これで貴様はヴィーナスに変身出来ない…ヴィーナスも呉島葉月と共に死んだのだぁ!!」

 

リカ「そんな…チャッキー!!」

 

チャッキー「かはっ…」

 

私は仰向けになるように蹴り飛ばされてしまいそんな私に向かってオーバーロードは大剣を振り下ろそうと構えた。

 

光実「何をする気だ!!」

 

ザック「おいっ!!やめろっ!!」

 

デェジュシャシュ「見たところ貴様は呉島葉月と親友なのだろう?」

 

チャッキー「それが…何だって言うの!?」

 

デェジュシャシュ「呉島葉月と同じあの世に送ってやろう…お前の腰のドライバーの命とお前の命を道連れにな!!」

 

チャッキー「なっ…」

 

オーバーロードの狙いはヴィーナスの力を完全に消し去るのが目的なようで私諸共ゲネシスドライバーに剣を突き刺そうと大剣を構えていた。

 

シロ「やめてお兄ちゃん!!私はどうなってもいいから…チャッキーお姉ちゃんだけは!!」

 

デェジュシャシュ「貴様はそこでこの小娘が殺されるのを黙って見ているがいい!!」

 

そしてオーバーロードは私の腰に狙いを定めると大きく大剣を振り上げた。

 

デェジュシャシュ「最後に何か言い残す事はあるか?」

 

チャッキー「それでも…私は諦めたくない…最後まで…!!」

 

デェジュシャシュ「私の…勝ちだぁぁぁ!!」

 

リカ「嫌っ…チャッキー!!」

 

長く付き合いの長い親友の叫び声が響き、ついに私に向かって大剣が振り下ろされてしまい私は死を覚悟して目を瞑った。

 

チャッキー(あぁ…私も死ぬんだ…けどもう十分頑張ったよね私…)

 

ふとこれまでの出来事が映画のように心の中で蘇り私のこれまで出会って来た仲間達の顔が浮かび上がった。

 

チャッキー(紘汰さん、舞、ミッチ、ラット、裕也さん、リカ…)

 

チーム鎧武のメンバーや他のチームの仲間が浮かび上がり最後に浮かび上がったのはやはりあの女性だった。

 

チャッキー(ごめん…葉月さん…)

 

私はついに死を覚悟してしまうがいつまでも私の体に大剣の一撃が放たれる事はなく私はゆっくりと目を開けた。

 

デェジュシャシュ「な…何だ…これは…!?」

 

チャッキー「えっ…」

 

気づけばオーバーロードの大剣を握る手がヘルヘイムの植物の蔦のような物に巻きつかれており動きを封じられているようだった。

 

光実「蔦が…!?」

 

ザック「シロか!?」

 

ヘルヘイムの植物を操れるのはオーバーロードだけなので思わずシロちゃんが助けてくれたのかと思ったがシロちゃんは倒れたままで首を横に振っていた。

 

シロ「…違う…私じゃ無い…」

 

チャッキー「じゃあ…誰が…!?」

 

植物の蔦の元を辿るとそこにはまさかの人物がおり植物の蔦を操りオーバーロードの動きを封じていた。

 

光実「なっ…」

 

ザック「嘘だろ…」

 

凰蓮「まさか!!」

 

全員がまさかの人物に息を呑んでおり私は思わずその人物の名を呟いた。

 

チャッキ「…葉月…さ…ん?」

 

そこに立っていたのは、まさかの死んだ筈の葉月さんであり白い死装束を身に纏い裸足でこちらに歩いて来ていた。

 

デェジュシャシュ「バカな…呉島葉月…貴様は死んだ筈…なぜ!?」

 

葉月「……」

 

葉月さんは何も発さずただオーバーロードの方へと視線を向けており、片手をゆっくりとオーバーロードへと向けた。

 

デェジュシャシュ「なっ…ぐわああああ…」

 

チャッキ「葉月さん!?」

 

葉月さんの手から衝撃波が放たれてオーバーロードは呆気なく吹き飛ばされてしまった。

 

デェジュシャシュ「その力は…我らの力と同じ?」

 

チャッキ「っ!?葉月さん…目が!?」

 

私が驚く中で葉月さんのその瞳は黄金色に光っており瞳を光らせながら宙に浮かび上がり再び手をオーバーロードの方へと向けた。

 

デェジュシャシュ「ヌアアアア…何だ!?何だ…この力は!?」

 

再び衝撃波がオーバーロードを襲い、遠くに吹き飛ばしてしまった。

 

光実「葉月さん…その姿は!?」

 

葉月さんは地面に降り立つと髪色が黒髪からクリーム色のような色に変色し白い死装束が光に包まれて消えて代わりに金色の首飾りを付けて白いワンピースに黒いブーツに衣装が変わっていった。

 

光実「その姿は…舞さんと同じ!?」

 

チャッキー「えっ…舞!?」

 

神々しい姿となった葉月さんは私の方へとその黄金色の瞳を向けると私に向かって手を翳した。

 

リカ「何を!?」

 

チャッキー「あっ…ドライバーが…」

 

気づくと触れてもいないのに私の腰からゲネシスドライバーが勝手に外れてベルト帯が消失するとゲネシスドライバー本体が私の腰から離れて宙に浮かび上がり、葉月さんの腰に自動的に装着されてベルトが固定された。

 

チャッキー「葉月さん…何を!?」

 

デェジュシャシュ「呉島葉月…貴様…許さんぞぉ!!」

 

ふと視線を向けるとフラフラのオーバーロードが葉月さん目掛けて歩いて来ており葉月さんはオーバーロードの方へと視線を向けると手をゆっくりと掲げた。

 

デェジュシャシュ「バカな…」

 

手のひらの中に光が集まりそれは1つの形となり光を放ち始めて私達は堪らず目を手で覆うがすぐに光が止みその手の中には赤いロックシードが出現していた。

 

シロ「ロックシードを生み出した!?」

 

光実「まさか…あの錠前は!?」

 

葉月さんが生み出したのは赤いE.L.S.-07と記載されているロックシードであり私達が驚く中で葉月さんは赤い錠前を掲げて開錠スイッチを押してロックシードを解錠した。

 

(ドラゴンフルーツエナジー)

 

上空から赤い鎧が出現して葉月さんは赤いロックシードを持つ右手と左手を左右に広げると素早く前へと突き出してゲネシスドライバーへと装着した。

 

(ロックオン・ソーダァ!!)

 

葉月さんは黄金色の瞳を輝かせるとハンガーを閉じてレバーを片手で握り一気に押し込むといつものヴィーナス専用の白いアンダースーツが葉月さんの体を覆い、錠前が展開して上空から赤い鎧が降りて来た。

 

(ドラゴンエナジーアームズ)

 

変身音が響き渡ると赤い鎧が葉月さんのアンダースーツの上から被さり展開して変身を完了させた。

 

チャッキー「ドラゴン…エナジーアームズ!?」

 

光実「バカな…戦極凌馬の装備をどうして葉月さんが…?」

 

葉月さんが新たに変身したヴィーナスドラゴンエナジーアームズはいつもの白いヴィーナスの白い鎧の上に禍々しい赤い鎧が被さっており赤い鎧の胸にはヴィーナスの紋章が描かれており、腰の前垂れとスカートは赤く染まり表面には龍の模様が描かれており背中には同じく赤いマントが装備されていた。

 

デェジュシャシュ「呉島葉月!!貴様を消す!!」

 

オーバーロードの声にも反応も見せずに葉月さんはソニックアローを掴み取るとゆっくりとオーバーロードへと進撃を開始した。

 

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