127話 黒の菩提樹
私が貴虎さんと初めての大喧嘩から数週間後に貴虎さんは再びロシアにて違法に作られているロックシードと戦極ドライバーの制作工場へと調査のために旅立ってしまい私は再び貴虎さんと別れて沢芽市の防衛の任務についていた。
葉月「はあっ!!」
ギャング「ぐあああっ…」
沢芽市内はもはやギャングの巣窟になってしまい「インフェルノ」以外のギャングが街中に現れておりその中でもどこからか横流しされているザクロロックシードと戦極ドライバーの出所を調べながらギャングを問い詰めていた。
葉月「このザクロのロックシード一体どこから手に入れたんですか!?」
ギャング「言えねぇ…」
葉月「言いなさい!!」
私はギャングの胸倉を掴み上げるがギャングは完全に戦意を喪失してしまったのか地面で項垂れてしまった。
-チーム鎧武ガレージ-
葉月「やっぱり駄目でした…」
チャッキー「お疲れ様!!」
私はギャングを警察に引き渡すと彼が所持していたロックシードと戦極ドライバーを机の上に置いた。
葉月「いろんなギャング達に幅広く流通してしまってますね…」
チャッキー「一体誰がこんな事を…」
葉月「恐らくドライバーとロックシードを作ったのは黒の菩提樹と呼ばれるカルト集団です。」
チャッキー「指導者は一体…?」
葉月「私達が前に武神の世界で会ったあの人ですよ黒いスーツの男性です。」
私の頭に浮かぶのは私がアーマードライダーとして戦う事になったきっかけとなる人物で私にトラウマを植え付けたあの男だった。
葉月「名前は狗道供界。かつて凌馬さんと同じ研究者だった男性です…実験中に亡くなった筈ですが…」
チャッキー「そして何度も現れた…そうだよね?」
葉月「恐らく彼は何か特別な力があってそれで何度も復活してるのかもしれません…」
私達が狗道供界の話をしているとそこに同じく偵察に出ていた光実君達が帰還して机の上に大きなトランクケースを置いた。
ザック「戻ったぜ!!」
ミッチ「そっちはどうでした?」
私は光実君に回収した戦極ドライバーを見せるが首を横に振って何も情報が得られなかった事を伝えた。
ミッチ「葉月さん…こっちは悪い知らせだよ…狗道供界がまた現れた!!」
葉月「やはり…ですか…」
ザック「それに奴はアーマードライダーにも変身出来る…めちゃくちゃ手強いぞ…」
葉月「彼のドライバーは以前凌馬さんが完全に破壊した筈…」
ミッチ「恐らくドライバーはまた作り直したみたい…それを作ったのが黒の菩提樹って事らしい…」
ザック「奴は不死身なのか!?」
葉月「それを知るためにはまだ情報が足りないです…」
光実「兄さんが回収した戦極凌馬の資料とパソコンを調べてみないと何も情報が得られない…」
そう話しながら光実君は苦い顔を見せた。貴虎さんが秘密裏に回収していた凌馬さんのパソコンにはロックが掛かっており。なかなかセキュリティが突破出来ないでいた。
葉月「あと金庫も開けられてないですよね…」
光実「うん…」
資料やパソコンの他に、凌馬さんの研究室には小さな金庫が隠されており、貴虎さんと私で自宅へと運び込んでいたのだが、鍵が掛かっていて開けられないでいた。
光実「そんなに大きな金庫じゃないから、もしかしたらロックシードとかが入ってるかもしれない」
葉月「でもパスワードを打ち込まないといけないですしパスワードが…」
金庫は意外にも真新しい物でありパスワードを打ち込んでロックを解除するタイプだったが肝心のパスワードがわからずに途方に暮れていた。
ザック「今は俺達に出来る事を少しずつしていくしか無いな…今はこいつの出所を掴むとかな!!」
ザックさんは机の上に置いた大きなトランクを開けると中には大量のザクロのロックシードが詰められていた。
ラット「これがザクロロックシードか…」
光実「あまり触らない方がいいよ長時間触れていると洗脳される恐れがある」
ザック「前にシュラが言っていたのを思い出した…セイヴァーシステムってやつで大量の人間を消すって…」
葉月「そのシステムを作るためにザクロロックシードを街中にばら撒いて人々を洗脳…そして信徒を増やしてドライバーやシステムその物を作る…そういう事ですね?」
光実「うん…そしてこれだけのロックシードがあれば黒の菩提樹のアジトも掴めるかもしれない…でも…」
光実君はそこで押し黙ってしまう。誰かが黒の菩提樹にスパイとして入信する作戦があると聞かされており、それが非常に危険だと知らされていたからだ。
葉月「やっぱり私が行きますよ光実君!!他の人は巻き込めないです…」
光実「それは駄目だ…葉月さんは顔が割れてるし警戒される…」
葉月「でも!!」
チャッキー「黒の菩提樹に入信してスパイするでしょ?だったら私がやるよ?」
光実「チャッキー!?」
チャッキーさんが迷いもなく手を挙げたので、私達はとても驚き咄嗟に光実君が止めに入る。
チャッキー「私だったら顔も割れてないと思うしバレないと思うな?」
光実「ちょっと待って!!危険かもしれないんだよ…だったら僕が…」
チャッキー「ミッチさ…昔の事気にしてみんなに遠慮してるんでしょ。仲間なんだからちゃんと頼って欲しいな?」
光実「わかった…改めて僕の方からお願いするよ黒の菩提樹に入信して情報を探って欲しい!!」
チャッキー「うん!!任せておいて!!」
光実君は改めてチャッキーさんにスパイの役をお願いしてチャッキーさんは引き受けてくれたものの私はチャッキーさんの事がとても心配で仕方がなかった。
葉月「やっぱりチャッキーさん…私も一緒に…」
チャッキー「葉月さんだとバレちゃうし…」
葉月「でも私…チャッキーさんが心配なんです!!」
チャッキー「えっ…葉月さん!?」
私は思わずチャッキーさんの手を握るとチャッキーさんは驚いて顔を赤く染めた。
葉月「もうチャッキーさん1人に危険な目に合わせたくないんです…」
以前のデェジュシャシュとの戦いで私が死んだ後にチャッキーさんがヴィーナスに変身してデェジュシャシュと危険な戦いに挑んだ事を思い出した。
葉月「私はもう…チャッキーさんに無茶して欲しく無いです…だったら私が…」
チャッキー「ううん…だったら私が行くよ…葉月さんをもう2度と死なせたく無いから…」
今度はチャッキーさんが負けじと私の手を掴み思わず私も驚き私は顔が熱くなるのを感じた。
葉月「チャッキーさん…そこまで私の事を…」
チャッキー「葉月さん…」
葉月「チャッキーさん…」
私達はお互いの手を掴み段々と距離が近づき気づけば周りがお花畑になったような気がして私達はあと少しでキスをすると言うところまで距離を近づけたがそこで光実君の咳払いが聞こえて咄嗟に我に返り、私達は慌てて距離を離した。
チャッキー「あ、違うの…これはね信頼してるからこそって言うか…」
葉月「そ、そうなんですよ!!」
光実「葉月さんが一度亡くなってから2人の距離がさらに縮まったようだけど…」
リカ「うん…それ以来葉月さんにべったり…そして葉月さんも同じく…」
ザック「でも…確かにチャッキー1人で行かせるのは何かあった時危険なんじゃ?」
光実「確かに…でも僕達も葉月さんも顔が割れちゃてるからなぁ…」
???「…だったら変装するとかどう?」
「「「シロちゃん!?」」」
気づけば私達のガレージにシロちゃんがいつもの巫女装束姿で立っており私達はとても驚いた。
光実「変装ってどう言う事?」
シロ「そのままの意味だよ…あんまり顔が割れていなくてスパイに適した人物に変装するの」
リカ「一体誰に変装するの?そんな都合のいい人なんて…」
葉月「…あ…居ました!!顔が割れてなくてスパイに適した完璧な方が居ますよ!!」
光実「それは一体…」
葉月「湊先輩です!!」
チャッキー「そうだ…湊さんならあんまり顔が割れてないし行けるかも!!」
ザック「でもあの女の変装なんて出来るのか?」
ザックさんが心配そうに私にそう問いかけるが、私は自身を持って湊先輩を推す理由があった。
葉月「ふっふっふっ…実は湊先輩に変装するのは、今回が初めてじゃないんですよ?」
ザック「マジか!?」
シロ「お姉ちゃん…その話詳しく!!」
葉月「ふっふっふっ…それはですね…」
私はユグドラシルに所属していた頃の記憶を掘り起こしながら、湊先輩の変装をした時の状況をみんなに語り始めた。