葉月「…っ!!やめ…やめて!!」
私の叫びも虚しく凰蓮さんは私のゲネシスドライバーを腰から外そうとゲネシスドライバーに手をかけるが、私はその手を掴んで必死に抵抗する。
凰蓮「まだ抵抗するつもりかしら?」
葉月「渡さ…ない…これは…皆を守るための力だから…」
凰蓮「皆を守る…ですって?前回ワタクシをあっさり切り捨てたのを忘れたのかしら?」
葉月「切り…捨てた…?」
凰蓮は以前、葛葉紘汰の戦極ドライバー奪還の指令で任務に失敗したとはいえ、あっさり用済みだと切り捨てられた事でプライドを傷つけられ、ユグドラシルに復讐しようと考えていた。
凰蓮「未熟な貴方もワタクシと同じ様にいずれ切り捨てられる運命なのにまだ気づかないのかしら?」
葉月「私が皆に切り捨てられる…」
凰蓮「そんな未熟な貴方が皆を守るですって?だとしたらとんだお笑いね。」
凰蓮さんの突き刺さる言葉に私は凰蓮さんの腕を掴む力がだんだんと弱くなっていきついに私の手はあっさり振り払われ、私のゲネシスドライバーを掴まれてしまう。
凰蓮「そんな未熟な貴方にはあの白く麗しいメロンの君の秘書は相応しくないわ…その過ぎた力も手放して貰うわ!!」
凰蓮さんの貴虎さんの秘書に相応しく無いと言う言葉に私は体をナイフで突き刺された様な痛みが走り、私は心がついに折れてしまい悔しくて涙を流してしまう。
凰蓮「あらら…泣いちゃったわね…やっぱり未熟ね貴方…もう終わりね。」
ついに私の腰からゲネシスドライバーが外されてしまい、マロンエナジーロックシードに続いてゲネシスドライバーも奪われてしまった。
葉月「そん…な…返…して…」
城乃内「凰蓮さん…いいんですか?」
凰蓮「何よ坊や?」
城乃内「彼女泣いちゃってますし、やっぱり無抵抗で泣いてる彼女のドライバーを無理に奪うのは心が痛いっていうか…」
凰蓮「何を言っているのかしら?戦場では敵の装備を奪ってその装備を逆に使用して反撃するのはよくあることよ。それに…」
城乃内「それに…?」
凰蓮「敵に情けは無用…アマチュアのごっこ遊びとは違うの!!油断すればこっちがやられるわ。」
凰蓮さんは私のマロンエナジーロックシードとゲネシスドライバーを持ちながらそう言うと私に背を向けて歩き始めた。
凰蓮「さぁ坊やいくわよ、もうそろそろパイ生地が焼き上がる時間よ」
私は立ち去ろうとする凰蓮さんに必死に手を伸ばしたがその時近くの壁にクラックが突如出現して中からインベスが現れて凰蓮さんへと飛びかかった。
凰蓮「っ!?何よこの子達?」
不意打ちを食らったのか凰蓮さんは体勢を崩してしまい、私のゲネシスドライバーを取り落としてしまった。
湊「葉月!!今よ!!」
葉月「湊先輩!?」
突如として湊先輩が現れ、すかさず私のゲネシスドライバーを回収して手に持っていた低ランクのロックシードをばら撒き制御を失ったインベスが一斉に凰蓮さんに襲いかかった。
葉月「先輩がインベスを呼び出したんですか?」
湊「えぇ…今のうちに行くわよ!!」
葉月(よかった…先輩が助けてくれた…私…見捨てられて無かったんだ…)
私は湊先輩に支えられながらその場から逃走し、ユグドラシル本社へと向かった。
葉月「な…何…これ…?」
私が本社に着いた時目に飛び込んで来たのはユグドラシルタワーのスカラー兵器から火の手が上がりちょうど消火活動をしているところだった。
葉月「一体何が?」
私がそう疑問を口にするとそこに慌てた様子の貴虎さんがやって来た。
貴虎「水瀬!?ちょうど良い…手伝ってもらえるか?」
葉月「はいっ!!」
私は前を歩く貴虎さんに着いていき事態の収集に努めることになった。貴虎さんから話を聞くと葛葉さんがスカラーシステムを片っ端から全て破壊してしまったのだと言う。何度心折れても立ち上がってくる精神力を少し分けて欲しいと私はふと思ってしまうのであった。
数日後
貴虎「サガラだと?」
私達は会議室に集合しDJサガラについての話題について話していた。話を聞く限りDJサガラが未知のロックシードを生み出して葛葉さんは新しいアームズを纏いスカラーシステムを破壊してしまったのだとか。
凌馬「ありえないよ。ただのネットアイドルが我々の知らないロックシードを精製出来たなんて…」
光実「葛葉紘汰がユグドラシルから脱走した時セキュリティパスとゲネシスコア用意したのもあの男だそうです。」
貴虎「馬鹿な…奴は完全に部外者だ。」
光実「でも… 葛葉紘汰が嘘をついている様子も無いんです。」
シド「あるいは奴自身が騙されているとか…」
貴虎「サガラは葛葉紘汰を操って何をしようとしている?」
光実「ヘルヘイムにはインベスの他にまだユグドラシルに見つかっていない生物がいるんだそうです。それを見つけ出すのが目的だ…とか。」
私は光実君の話に真剣に耳を傾けていたが、ふと周りを見ると貴虎さん以外のメンバーが顔を見合わせているのが見えた。
葉月「湊先輩?」
湊「っ!!何かしら?」
葉月「あの…大丈夫ですか?」
湊「えぇ…大丈夫よ…」
私は気になって話しかけると湊先輩が少し慌てた様子でありそれを見た凌馬さんが顔を顰めていた。
凌馬Side
シド「マズいなぁ…ここに来てトラブルかよ…」
凌馬「まさか部外者が割り込んで来るとはね…」
湊「サガラとか言う男何者なんでしょうか?」
凌馬「目下の問題は葛葉紘汰だ…あんな未知数な力を手に入れた上オーバーロードの存在まで知られたとなっては…」
シド「とっとと口を封じないとな…貴虎と水瀬が気付いてない内はよかったがユグドラシルに知られたら何もかも御破産だぜ」
凌馬「やってくれるかシド?」
凌馬はチェリーエナジーロックシードを取り出してシドに渡すとシドは懐から自身のイニシャルであるSと書いてあるロックシードを取り出した。
シド「こうなったら出し惜しみはしていられねぇ…切札を使うしかないか…」
凰蓮Side
凰蓮「こらーっ!!サボってないで混ぜなさーい!!生地が固まるでしょう!!」
城乃内 「ヒィィィィ!!」
葉月との戦闘の後、湊の呼び出したインベスの掃討に時間をかけてしまい、店で焼いていたパイ生地を焦がしてしまい、2人はパイ生地とケーキを作り直す作業に追われていた。
凰蓮「まったく…あんなインベスに手間取るなんて…」
2人は作業に追われていて作業場の引き出しの中に無意識で咄嗟に仕舞い込んだ葉月から奪ったマロンエナジロックシードの存在をすっかり忘れていた。
そして凰蓮が引き出しの中に仕舞い込んだ葉月のマロンエナジーロックシードの存在を思い出したのは全てが終わった1年後であり、ある事件を解決する切札になる事を今は知る由も無かった。