仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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130話 私は湊耀子

 

-現在-

 

葉月「…という事があったんですよ」

 

チャッキー「葉月さんって意外と大胆なんだね…」

 

私の変装術についての出来事を話しているとみんなが苦笑いを浮かべており私自身も恥ずかしい思い出のために思わず顔を手で覆ってしまった。

 

葉月「話したら余計に恥ずかしくなりました…」

 

ミッチ「とりあえず葉月さんが一緒にスパイしてくれるならありがたいよ」

 

葉月「それじゃ変装してきますね」

 

私は湊先輩に変装するために一度アパートに戻る事にしてガレージを飛び出した。

 

 

-アパート-

 

葉月「ジャケット良し…スカート良し…かつら良し!!」

 

私は薄く化粧をし直してから湊先輩お下がりの白いスーツを手に取るといそいそと着替え始めた。

 

葉月「私…湊先輩に近づけられたかな…?」

 

ジャケットを羽織り、白いタイトスカートを履きながら呟く。以前このスーツを着た時はまだ体が小さくスーツに着慣れていなかったが今の私は以前より身長も伸びて湊先輩と同じくらいの身長になっていた。

 

葉月「今の私ならタイトスカートだって履ける!!」

 

タイトスカートの正面にはスリットが入っておりそこから覗かせる足が私の身長が確実に以前より伸びた事を表しており、スカートの腰回りを調整しながらスカートのチャックを上げた。

 

葉月「後は…ドライバーとロックシードが…あ、ロックシード壊されたんだった…」

 

私はゲネシスドライバーを用意したところでピーチエナジーロックシードが無い事に気がついて辺りを見回すが前の戦いでデェジュシャシュに破壊された事を思い出した。

 

葉月「しまった…もうマリカに変身出来ないって事はいざって時は生身でチャッキーさんを守らないと…」

 

ヴィーナスに変身する事も考えたが敵に正体がバレてしまうのでは?と考えた私は仕方なくとりあえずゲネシスドライバーをジャケットに仕舞い準備を整えると再びチーム鎧武のガレージへと向かった。

 

 

-ガレージ-

 

葉月「お、お待たせしました…」

 

チャッキー「えっ…湊さん!?」

 

葉月「私です…」

 

チャッキー「嘘っ!?」

 

光実「これは…変装のレベルを超えてる…」

 

葉月「あはは…ただ一つ問題があって…私もうマリカに変身出来ないんです。」

 

チャッキー「あ、そういえばこの間の戦いでロックシードが…」

 

チャッキーさんが前の戦いでロックシードが破壊されたのを思い出して目を伏せるが私はチャッキーさんの手を握る。

 

葉月「大丈夫です。生身でも私は戦えます!!チャッキーさんは私が絶対に守ります!!」

 

チャッキー「葉月さん…」

 

チャッキーさんが私の手を握り返して私達は再び距離が近くなり、もう少しでキスをしてしまうと思われたところで私のスーツのジャケットをシロちゃんが引っ張って私達は我に帰る。

 

シロ「お姉ちゃんにこれを返すの忘れてた…」

 

葉月「これ…壊されたロックシード!?いつの間に…」

 

シロちゃんが手渡して来たのは破壊された筈のピーチエナジーロックシードであり綺麗に修復されており私はとても驚いた。

 

シロ「修復したついでに少し調整しておいたよ…お姉ちゃんの体に合わせてスーツを調整しておいたから前より使いやすくなってると思う!! 」

 

葉月「シロちゃん…いつの間にそこまでの技術を?もう開発者の凌馬さんレベルじゃないですか!!」

 

シロ「私はオーバーロード…人間の技術を学び成長する…オーバーロードの中でも作れるのは私ぐらいかも…」

 

葉月「シロちゃんありがとうございます!!」

 

シロ「うん…あとこれも渡しておくね?」

 

葉月「これは…?」

 

シロちゃんが手渡して来たのは戦極ドライバーであり既にフェイスプレートにはヴィーナスの顔が描かれていた。

 

シロ「ギャング達から回収した戦極ドライバーを改良してみたよ…お姉ちゃんのゲネシスドライバーのヴィーナスのデータを戦極ドライバーにコピー出来た。」

 

葉月「じゃあ戦極ドライバーでヴィーナスに変身出来る…?」

 

シロ「ううん…肝心のロックシードが無いから使えないと意味はないけど…」

 

私の手持ちは全てエナジーロックシードのために普通のロックシードを持ち合わせておらず私はどうしようかと考えた。

 

シロ「そのままじゃ使えないけどどこかで役に立つと思うから持っていって!!」

 

葉月「いえ…ありがとうございますシロちゃん!!」

 

私はピーチエナジーロックシードと戦極ドライバーを受け取ると最後の調整をするためにペットボトルを取り出した。

 

ザック「何してるんだ?」

 

葉月「湊先輩の声に近づけるために声を調整するんですよ」

 

リカ「そんな事も出来るの!?」

 

葉月「これも湊先輩から教えて頂いた特殊技能なんですよ…では…」

 

私は水を飲み湊先輩の声に似せるために喉に手を当てて発声練習を始める。

 

 

葉月「あーあーあー私は湊耀子…私の湊耀子…私で湊耀子…」

 

チャッキー「私の!?」

 

リカ「葉月さん…願望が駄々漏れ…」

 

みんなが若干ドン引きしているようだが私は一度目を閉じて湊先輩になりきるために深呼吸すると目を開いて完成された声を出した。

 

葉月「私は…湊耀子!!」

 

今この瞬間私は湊耀子になり近くで見守っているチャッキーさんの手を掴む。

 

葉月「さっさと行くわよ千秋…私に着いてきなさい!!」

 

チャッキー「え、え、えっ…葉月さん!?」

 

ペコ「うわぁ…声も仕草もあの人そのまんまじゃん…」

 

ザック「なぁミッチこれってもしかして…」

 

光実「うん…これって憑依芸…葉月さんの心の中では今でも湊さんが生き続けてるって事…?」

 

 

チャッキーSide

 

-雑居ビル-

 

私と葉月さんはミッチから教えられた黒の菩提樹の入信者が出入りしている小さな雑居ビルへとやって来て信徒として入信申請をするために受付へとやって来ていた。

 

幹部「ようこそいらっしゃいました。貴方達2人はこれから1週間のお試し期間を経て正式に信徒として登録をさせて頂きます。」

 

チャッキー「よろしくお願いします」

 

葉月「えぇ」

 

それから私は信徒になるための心得などの資料を受け取ると幹部の1人から説明を受けた。

 

チャッキー(お試し期間があるの…?)

 

私はふと隣の葉月さんの方を見ると穏やかな表情を保っており私の方を見るなり笑顔を向けた。

 

葉月「私がいるから安心しなさい…私が貴方を守ってあげるわ」

 

チャッキー「う、うん…」

 

仕草や言動まで湊さんになりきっているようで私は少しだけ不安になった。

 

葉月「狗道供界…必ず貴方に辿り着いてみせるわ!!」

 

葉月さんは腕組みをしながら少し偉そうに足を組みながらそう呟いた。普段なら絶対にしないであろう足組みは意外に様になっており白いタイトスカートのスリットからは葉月さんのスラリとした足が顔を覗かせていた。

 

チャッキー「うわぁ…完全になりきってるなぁ…」

 

私達のそれから信徒になるための1週間のお試し期間が今、スタートした。

 

 

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