葉月「狗道供界がオーバーロード…?」
凌馬「正しくはオーバーロードに近い存在だ。彼はリンゴロックシードの起動実験で肉体を失い純粋なエネルギー体となった。彼はもはや物質的な制約を受けずに神出鬼没に現れ、何度でも復活するのはそういう理屈だ」
光実「それって舞さんみたいな…?」
凌馬「だが彼は非常に希薄な存在だ。本来ならば物質世界に干渉することはできない…そう、狗道供界はまさしく幽霊だ。彼が実体を得ている要因はひとつ、彼のドライバーだ」
光実「あの奇妙なドライバーが?」
葉月と貴虎はセイヴァーとの戦いを思い出す。あのシステム自体はゲネシスドライバーの試作型であり、戦極ドライバーの拡張ユニットであるゲネシスコアに酷似している。
凌馬「もちろん私の作ったものではない。彼と戦った時、ゲネシスドライバーはまだ未完成だった。あれは存在するはずのないシステムだ」
貴虎「奴はどうやってあの力を…」
葉月・チャッキー「「あっ…」」
貴虎さんが頭を抱えると同時に私とチャッキーさんは武神の世界で会ったサガラさんの事を思い出していた。
サガラ(お前が進化の果てを目指すというのなら、俺はお前にも可能性を示そう。さあ受け取れ…)
供界(これは…?)
サガラ(武神の力と創世(ゲネシス)の力だ…)
葉月「思い出しました…あれはサガラさんから提供された物です!!」
貴虎「何?」
チャッキー「銀色の果実の試練の時にDJサガラが強化パーツを渡してるのを見たよ!!」
光実「サガラ…奴は何を企んでるんだ…」
光実君がそう呟いていたが映像の中の凌馬さんは話を続けて私は再び凌馬さんの言葉に耳を傾けた。
凌馬「狗道供界があのシステムをどうやって手に入れたかは、私にもわからない…仮説ならあるんだけどね。例えば並行世界…いや、話が逸れたな…とにかくあのドライバーが、肉体を失った狗道供界の存在を支えているんだ」
ザック「要するに奴のドライバーをぶっ壊せばいいんだな?」
凌馬「そのザクロロックシードだけどね。あれは所有者を狗道供界の精神と同調させるための装置だ。実にくだらない!彼はザクロロックシードを使って、あの実験を再現するつもりだ。」
貴虎「実験の再現だと?」
凌馬「戦極ドライバーを開発するため、私が最初に行ったのは黄金の果実の存在を確かめることだった。リンゴロックシードにより彼は擬似的な黄金の果実を再現しようと考えたのさ。理論通りにリンゴロックシードが機能すれば、すなわち黄金の果実は実在することが証明される。結果はまあ、知っての通りさ』
貴虎「起動実験でロックシードは暴走…狗道供界は死亡し肉体を失う…」
凌馬「オーバーロードと化した狗道供界は、このまま神になれるとでも勘違いしたんだろう。そのために彼の考えそうなことはひとつ…リンゴロックシードの理論を押し進めること」
チャッキー「私…話についていけないんだけど…」
葉月「そう…ですね…」
シロ「なるほど…理解した。」
葉月・チャッキー「「わかるの!?」」
シロちゃんの理解の速さにとても驚くがシロちゃんは得意げに鼻をふんと鳴らすと映像に視線を戻してしまい私達も映像に集中することに。
凌馬「そして彼の目的は、自らの手で黄金の果実を創り出すことだ」
貴虎「何だと!?」
凌馬「馬鹿馬鹿しい…あんな奴が神になどなれるものか!!たとえ黄金の果実を人工的に創り出したとしても、所詮は模造品。進化の根源たる黄金の果実そのものには遠く及ばない!!金メッキみたいなものだ…」
葉月「金メッキ…」
紘汰(黄金の果実だと…ふざけんな!!)
紘汰•葉月(お前•貴方なんて…ただの金メッキだ!!)
かつてコウガネに同じ事を言い放った事を思い出すが凌馬さんも同じ事を思っていたかと思うと複雑な気分になってしまった。
凌馬「狗道供界はほんの少しだけ上からの視点を手に入れただけだ。そんなものは神ではない。ここでいう神の定義は何だと思う?」
貴虎「それは…」
凌馬「新たな世界を創り出すものだ。狗道供界にはその思想がない…何の可能性もないんだ…狗道供界は神でも救世主でもない意味のない空っぽの幽霊なのさ…」
葉月「新たな世界を創り出す…」
もはや私達の理解の及ばないところ話が進んでしまったが最後に凌馬さんは話を終わらせるつもりか一度ため息を吐いた。
凌馬「さて…話は長くなってしまったがあの三流が好き勝手にしているのは私としては気に入らない…そこで君達に彼の野望を阻止してもらいたい」
貴虎「凌馬…」
凌馬「それと…もし水瀬君がこの映像を見ているなら君に私から最後のプレゼントを送りたいと思う…」
葉月「えっ…私?」
凌馬「私の金庫に贈り物を入れてある…パスコードは…君の手の中にある…」
葉月「金庫…まさかあれ…?」
映像はそこで終了し、私は金庫の方に視線を送るとそれほど大きく無い金庫が目に入り私は金庫のパスワード入力画面を凝視した。
貴虎「葉月のために用意した物のようだな…」
チャッキー「でも葉月さんの手の中にあるって何だろう?」
葉月「私の手の中…私が手にしている物…まさか!!」
私はスーツのポケットに入れているマロンエナジーロックシードを取り出して表面を確認した。
葉月「E.L.S.-06…ロックシードのナンバーだ!!」
チャッキー「それかも!!」
私は金庫にパスワードを入力していくとあっさりと金庫が開き、中から小さなケースが現れて私はケースを金庫から取り出して机の上に置いた。
葉月「開けますよ…」
私はみんなが見守る中でケースを開けると中に入っていたのは赤いロックシードとゲネシスコアと1枚の手紙だった。
葉月「これ…イチゴロックシード…?」
それはまさしく私が初めての変身に使用したのと同じイチゴロックシードとゲネシスコアであり私はすぐに手紙を開封すると手紙の中身を読み始めた。
凌馬(このロックシードは君が最初に変身に使用したロックシードだ…コアスロットと一緒に使う事でゲネシスドライバーと同程度の力を発揮出来る筈だ…)
葉月「凌馬さん…どうして私にこれを…?」
凌馬「ヴィーナスは私が最後に完成させたアーマードライダーだ。私の研究の集大成と言ってもいい…だからこそ未来ある君に託したい…後は任せたよ」
手紙を読み終えると私は手に取るとイチゴロックシードを握りしめた。
葉月(凌馬さん…私…ヴィーナスとして頑張ります!!)
直後地面が揺れ始めて私達は一斉に顔を上げると窓から外の様子を伺った。
ザック「菩提樹が…また光ってやがる!!」
光実「どうするの兄さん!?」
貴虎「俺と光実で空中から菩提樹を攻撃する。菩提樹を攻撃すれば狗道供界も姿を現す筈だ!!」
凰蓮「じゃあワテクシと坊や達は外からね!!」
葉月「貴虎さん…私も一緒に…」
貴虎「いや…葉月、シロ…お前達は菩提樹の中に突入して中から本体を叩け!!」
シロ「任せて…」
葉月「貴虎さん、光実君…どうやって空中から攻撃するんですか?」
私が尋ねると貴虎さんはスイカロックシードを取り出して、光実君は飛行専用のロックビークルを取り出した。
貴虎「行けるか…葉月?」
貴虎さんは私の前に立ち優しく問いかけると私は貴虎さんの顔を正面に見据えながら堂々と答えた。
葉月「お任せを…私は貴方の秘書ですから!!」
貴虎さんが照れながらも手のひらを私の方に向けると私は力強く貴虎さんの手のひらを叩き気持ちに答えた。
シロ「それじゃ行こっか!!」
葉月「はい!!」
チャッキー「待って葉月さん!!」
私達は現場に向かうために行動を開始しようとしたがチャッキーさんに呼び止められて私は思わず足を止めた。
チャッキー「私も連れて行って!!」
シロ「チャッキーお姉ちゃん!?」
葉月「チャッキーさん…?駄目ですよ…もう貴方を戦いに巻き込みたく無いんです!!」
チャッキー「私だって戦えるよ!!黙ってみんなの帰りを待つ事は出来ない…」
葉月「チャッキーさん…」
ふとチャッキーさんの腰を見ると私の戦極ドライバーが今だに装着してありチャッキーさんは私の方をじっと真剣な表情で見ていた。
チャッキー「裕也さん、舞、紘汰さん…そして一度は葉月さんを死なせちゃった…私はもう誰も失いたく無いの!!」
ふとこれまでチャッキーさんと過ごしてきた日々を思い出すとチャッキーさんの強い思いが私の心に響き私はチャッキーさんに歩み寄るとイチゴロックシードを手渡した。
葉月「わかりました…私達と一緒に戦ってくれますか?」
チャッキー「うん!!」
シロ「私達3人一緒だもんね!!じゃあ改めて…お姉ちゃん達…行こう!!」
葉月・チャッキー「「はい・うん!!」」
今ここに2人のヴィーナスとアテナの仲良し3人トリオの女性ライダーチームが誕生した。