仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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138話 消えていく仲間

 

葉月達が菩提樹の中心でロイミュード幹部4人と交戦している一方で菩提樹の上空では光実、貴虎と狗道供界との激戦が繰り広げられていた。

 

貴虎「狗道供界!」

 

供界「セイヴァーシステムはここに成就する。救済の時が来るのだ」

 

貴虎「救済…黄金の果実を創り出し、お前が神になることか?」

 

供界「真理に到達したようだな、呉島貴虎よ」

 

貴虎「何?」

 

供界「私は葛葉紘汰のように人類を見捨てない。ヘルヘイムの森より追放された70億人全員を、私がこの掌で救ってみせよう!!」

 

光実「ふざけるな!紘汰さんはすべてを背負って僕たちを救ってくれた!紘汰さんが守った世界をお前は…」

 

供界「ヘルヘイムとは進化の祝福だ。だが葛葉紘汰の行動により、人類は進化の機会を永遠に失った。もはや人類はゆるやかな滅びを待つしかない」

 

光実「滅びだと…?」

 

供界「だが私は必ずや人類を究極の進化へと導いてみせる!ヘルヘイムに選ばれし沢芽市全市民のエネルギーがあれば、黄金の果実は実を結ぶ!人類は永遠の安寧を得るのだ!」

 

貴虎と光実は地下放水路で起きた出来事を思い返す。ザクロロックシードに支配された人々が肉体を失い、セイヴァーシステムを動かすエネルギーに変えられてしまった事を。

 

貴虎「させるものか!私は何度でも誓おう!世界を蝕む悪意には決して屈しないと!」

 

光実「この街は、僕たちの街だ!お前の好きにはさせない!」

 

貴虎と光実は襲いくる蔓と花弁を避けながら狗道供界に迫るが、蔓が貴虎のスイカの装甲を削り始めて貴虎は空中でぐらついてしまった。

 

(ヨロイモード)

 

貴虎「ハアアアアアッ!!」

 

供界「残念だったな…」

 

狗道供界に向かってスイカ双刃刀が振り下ろされるが、直前に蔓がスイカの鎧を貫いてしまい、貴虎は空中に放り出されてしまった。

 

貴虎「まだだ!!」

 

(メロンアームズ!天・下・御・免!)

 

貴虎は爆発するスイカの鎧から素早くメロンの鎧を身に纏うと巨大な盾であるメロンディフェンダーを呼び出し、その上に飛び乗って狗道供界に迫って行く。

 

(メロンエナジー)

 

貴虎の戦極ドライバーには既にゲネシスコアが装着されており、メロンエナジーロックシードを起動すると素早くドライバーに装着してハンガーを閉じてからブレードを倒した。

 

(メロンアームズ!天・下・御・免!)

 

(ジンバーメロン!ハハーッ!)

 

供界「何?」

 

貴虎はジンバーメロンアームズへと強化変身を遂げると、ソニックアローを手に空を駆けた。

 

供界「呉島貴虎ァァァ!!」

 

貴虎「これで終わりだ。ハアッ!!」

 

(メロンスカッシュ)(ジンバーメロンスカッシュ)

 

貴虎はソニックアローの射撃で供界のドライバーを撃ち抜き、供界は空中でぐらりとバランスを崩してしまい、最後に足場にしていたメロンディフェンダーを勢いよく蹴り飛ばした。

 

貴虎「ハァァァ!!」

 

供界「グアアアア…」

 

エネルギーを纏ったメロンの盾が狗道供界の体を粉砕し爆炎に包まれていき、空中から落下する貴虎を光実が受け止めた。

 

光実「これで終わりだよね兄さん!!」

 

貴虎「ああ、奴のドライバーは破壊した。今度こそ奴を倒した筈だ…」

 

 

供界「そうだ。終わりだ…そして始まりでもある」

 

貴虎「なっ…」

 

完全に撃破した筈の狗道供界は今だに生きており、その姿が健在である事に貴虎と光実は衝撃を受けた。

 

貴虎「馬鹿な…ドライバーを失ったお前は、自分の存在を保てないはずだ!」

 

供界「その通りだ呉島貴虎。あのドライバーこそが私を現世に留める楔だった。だがもう必要無い」

 

光実「必要無いだって?」

 

供界「そう、進化した人類にこの世界は必要ない。いまこそ人類は肉体の東縛から逃れ繰り返す生命の輪廻から解放される!!」

 

貴虎「まさかお前のいう進化とは…」

 

供界「70億全人類が私と同じ存在になる。生死を超越した存在…真のオーバーロードに」

 

光実「オーバーロードだって!?」

 

光実が聞き返した瞬間、供界から黄金色の光が放たれて光実と貴虎を呑み込んでしまい、続けてそれは菩提樹全てのそこに集う人々を呑み込んでしまった。

 

供界「この菩提樹の下、全人類が悟りを得るのだ!救済の時は来た!私がこの狗道供界こそが救世主だ!」

 

 

葉月Side

 

一方私達はロイミュード4体に押されていたが、突如菩提樹が黄金色に輝いたかと思うと4体のロイミュードは突如消滅してしまった。私達は呆気に取られてしまったが、貴虎さんが無事に狗道供界を倒したと思い慌てて穴の空いた外を確認した。

 

シロ「何かおかしい…」

 

葉月「貴虎さんが狗道供界を倒したんじゃ!?」

 

直後に上空から貴虎さんと狗道供界の声が聞こえて来て、私達は話してる内容を聞いて衝撃を受けた。

 

供界「そう、進化した人類にこの世界は必要ない。いまこそ人類は肉体の東縛から逃れ繰り返す生命の輪廻から解放される!!」

 

貴虎「まさかお前のいう進化とは…」

 

供界「70億全人類が私と同じ存在になる。生死を超越した存在…真のオーバーロードに」

 

光実「オーバーロードだって!?」

 

 

シロ「しまった…それがあいつの本当の狙い!!」

 

チャッキー「ど、どういう事!?」

 

ザック「葉月!!シロ!!チャッキー!!」

 

直後に菩提樹の下からザックさん達の声が聞こえて来て慌てて菩提樹から下を見ると、ザックさんと凰蓮さんと城乃内さんの体が銀色に光り体が徐々に消滅しかかっているのを見て、私達は慌てて自身の体を確認した。

 

葉月「私は…なんとも無い…」

 

チャッキー「うぅ…あぁっ!!」

 

シロ「チャッキーお姉ちゃん!?」

 

チャッキーさんの苦しそうな声が響いて視線を送ると、チャッキーさんのヴィーナスの変身が強制的に解除されており、体が金色の光に包まれていた。

 

城乃内「うわああああっ!!」

 

ザック「俺達間に合わなかったのか…?」

 

凰蓮「無念…ね…」

 

葉月「あ、あああ駄目!!…皆さぁぁん!!」

 

ザックさん達は光に包まれるとそのまま消滅してしまい、周りにいた沢芽市の人々も光に包まれると天高く登って行った。

 

葉月「なんで…皆さん…どうなってるんですか!?」

 

シロ「狗道供界の目的は人間の肉体を消滅させてオーバーロードと同じ存在にする事だったんだ…」

 

葉月「まさか!!」

 

シロ「人類は体を失い…その魂はエネルギーとなって狗道供界と1つになる…そして沢芽市も消滅する…」

 

葉月「そんな…チャッキーさん!!」

 

私は変身を解除してチャッキーさんの方へ視線を戻すと、変身の解けたチャッキーさんは光に包まれており、私は必死にチャッキーさんを抱きしめた。

 

葉月「嫌っ!!嫌ぁぁ!!消えないで…止まって…止まってぇぇ!!」

 

チャッキー「は、葉月さん…シロちゃんが…」

 

チャッキーさんはシロちゃんの方を見ており、私もシロちゃんの方へと視線を向けるとシロちゃんも体が金色に包まれて消滅し掛けていた。

 

シロ「あー…そっか…私もダメなんだ…」

 

葉月「何で…オーバーロードであるシロちゃんまで!?」

 

シロ「さっき言ったでしょ?私の体もお饅頭を食べた影響でオーバーロードでありながら人間に近い物になってるから、ヘルヘイムの影響を受けちゃうって」

 

葉月「嘘っ…そんな!!嫌…嫌です!!」

 

思わず私は消え始めた2人を抱きしめると2人も同じように抱きしめ返してくれたが、私は納得がいかずに涙を流しながら必死にシロちゃんに問いかけた。

 

葉月「どうして…私だけなんともないんですか…?」

 

シロ「お姉ちゃんの体の中には銀色の果実がある…だから果実の力でオーバーロードに等しい存在だから無事…って事かな?」

 

葉月「嫌…そんなの納得いかない!!消えるなら私も一緒に!!」

 

シロ「ダメだよ?お姉ちゃんはこの世界の救世主…つまり主人公なんだよ…」

 

葉月「主人公?こんな時に何言ってるんですか!?」

 

シロ「いつかきっとわかるよ…この世界の本当の真実を…」

 

葉月「この世界の真実…?」

 

シロ「またね…お姉ちゃん…」

 

直後にシロちゃんは最後に笑みを浮かべるとそのまま消滅してしまい、その魂は空高く登って行ってしまった。

 

葉月「シロちゃああああん!!」

 

チャッキー「は、葉月さん…」

 

シロちゃんが先に消滅してしまい、悲しみのあまり泣き崩れる私にチャッキーさんの声が聞こえて来て、私はチャッキーさんをさらに強く抱きしめた。

 

チャッキー「ごめんね葉月さん…私もここまでみたい…」

 

葉月「嫌っ!!行かないでチャッキーさん!!」

 

チャッキー「葉月さんなら大丈夫…きっとこの世界を救ってくれるって私信じてるから!!」

 

葉月「あ、チャッキーさん…」

 

チャッキー「私、葉月さんと出会えて幸せだったよ…もし2度目があるなら…また親友でいて欲しいなぁ…なんて」

 

葉月「うっ…ううううう…」

 

チャッキー「どうかこの世界を救って…ヒーロー!!」

 

葉月「あ…」

 

チャッキーさんはそのまま肉体が完全に消滅してしまい、その魂は黄金色に輝き空へと登って行ってしまった。

 

葉月「チャッキーさぁぁぁん!!」

 

この瞬間、この世界に残された人間は葉月ただ1人になってしまい、葉月は握り拳を作り地面に思い切り拳を叩きつけた。

 

葉月「ぐっ…ううううう…」

 

私はふらふらと立ち上がると、穴の空いている壁までよろよろと歩み寄って登っていく沢芽市の皆さんの魂を見ながら呆然とした。

 

葉月「もう…ダメだ…私1人じゃ何も出来ない…」

 

 

湊(葉月…お別れね…貴方に会えて…私は幸せだったわ…)

 

 

葉月(ぐっ…うぅぅぅ…先輩…私も…です…)

 

 

葉月「うぅ…湊先輩…」

 

 

シロ(またね…お姉ちゃん…)

 

 

葉月「シロちゃん…」

 

 

チャッキー(葉月さんなら大丈夫…きっとこの世界を救ってくれるって私信じてるから!!)

 

葉月「チャッキーさん…」

 

 

貴虎(葉月…私はお前を愛している…)

 

葉月(貴…虎…さん…)

 

私の頭に浮かんだのは大切な人達の言葉であり、私は自分の何も出来ない自分の無力さを酷く憎んだ。

 

葉月「いらない…大切な人達の居ないこの世界なんていらない…」

 

放って置いてもこの世界が消える事は理解していたが、世界が消えるまでただ1人残されるのが苦しくて耐えられなかった私は、壊れた壁から身を乗り出すと迷いもなく飛び降りた。

 

葉月「ごめんなさい皆さん…皆さんの居ない世界なんて私には耐えられない…」

 

ヴィーナスの変身を解除しているので、生身の私はすぐに地面に落下してそのまま死ぬであろう…そう落下しながらそう思っていた。

 

 

???「駄目ぇぇぇぇ!!」

 

葉月「っ!?」

 

その時、上空から叫び声が響き落下する私に向かって1つの光が駆け抜けて、その光は私の体を受け止めると再び上空へと舞い上がった。

 

葉月「アーマードライダー?」

 

その者の腰にはゲネシスドライバーが巻かれ、黒いアンダースーツの上から赤い鎧を纏っていた。背には二つに分かれた白いマントが揺れ、広がると同時に、その身を空へと舞い上がらせた。

 

葉月「だ…れ…?」

 

私は菩提樹の1番上へと連れて来られて座り込んでしまった。私を助けたアーマードライダーはその大きなマントをひらめかせながら着地すると、エナジーロックシードの蓋を閉じてしまった。

 

葉月「っ!!貴方…は…!?」

 

変身を解除したその者は女性であり、黒い上着に私がよく履いているフレアスカートを履き、髪型は私と全く同じ外ハネのミディアムであり顔は私と全く同じ顔であった。

 

 

皐月「何してるんですか私!!貴方がこんなところで生きる事を諦めてどうするんですか!?」

 

 

葉月「さ…つき…?」

 

 

皐月「まだ諦めるには早いですよ…戦いはこれからです!!」

 

それは料理の試練の時に出会ったもう1人の私こと水瀬皐月であった。

 

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