仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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139話 私が存在しない世界

 

 

私達は菩提樹の1番上に降り立った筈だが突如辺りは真っ暗闇に包まれてしまい私は隣にいる皐月の手を握った。

 

葉月「どうして貴方がここに…?」

 

皐月「貴方の声が…聞こえたの…」

 

葉月「そう…ですか…」

 

皐月「それより…貴方…こんなところで諦めてどうするんですか!!」

 

葉月「へっ…」

 

皐月「まだ終わってないです…主人公である貴方がここで諦めたらゲームオーバーですよ?」

 

葉月「あの…シロちゃんも言ってましたが主人公って…?」

 

皐月「それはですね…」

 

サガラ「それはだな呉島葉月…いや、水瀬葉月…お前は既にこの物語の主人公だと言う事だぜぇ?」

 

葉月「サガラさん?」

 

突如私達の前にサガラさんが現れて私達に向かって歩み寄っていた。

 

葉月「この物語と言うのは…?」

 

サガラ「本来なら「仮面ライダー鎧武の世界」には呉島葉月、いや水瀬葉月と呼ばれる人物は存在しない…と言う事だ」

 

葉月「私が…存在しない…?」

 

サガラ「お前がいるこの世界は可能性の世界…恐らくは人々の想いが生み出した存在と言ったところか…」

 

葉月「人々の想い?」

 

サガラ「仮面ライダー鎧武」の物語の結末を知る存在が物語の展開や結末を知り、こうあって欲しかった…こいつには死んで欲しくなかった…様々な思いが交錯する中で生み出されたifの存在だと俺は思っている。」

 

葉月「そんな…事が…」

 

サガラ「こいつを見てみな?」

 

そしてサガラさんは手を翳すと空中にホログラム映像を流し始めて私達はそこに映し出される映像を見て衝撃を受けた。

 

葉月「私が…居ない…」

 

貴虎さんや湊先輩の隣には私はおらず一向に私の姿が映し出される様子は無かった。

 

葉月「本来は貴虎さんは秘書を付けないの…?」

 

サガラ「あぁ…本来はな」

 

映像はやがて貴虎さんと葛葉さんがユグドラシルにて戦う様子が映し出された。

 

 

貴虎「どんな事でも犠牲は付き物だ!!そんな事もわからないガキなのか貴様は!?」

 

紘汰「犠牲だと!!」

 

 

葉月「このシーン…私じゃなくて貴虎さんが葛葉さんと戦ってる…?」

 

次に映し出されたのは駆紋戒斗さんがオーバーロード化した時の映像だった。

 

 

ザック「決めたぜ戒斗!!俺はお前についていく!!」

 

城乃内「お前…裏切るのかよ!!」

 

戒斗「そうか…ならば…俺と共に来い!!」

 

ザック「ハアッ!!どりゃっ!!」

 

ザックさんは城乃内さんを掴んで持ち上げて空高く放り投げると湊先輩がソニックアローにロックシードを装着して技を放った。

 

(ロックオン)

 

湊「とどめよ!!ハッ!!」

 

(ピーチエナジー)

 

城乃内「ぐわああああ…」

 

 

葉月「ここでも私が居ない…だから湊先輩を止められる人が居ない…」

 

次に映し出されたのはイドゥンに変身した藤果さんとデュークに変身した凌馬さんであった。

 

 

凌馬「天樹氏によろしく伝えといてくれたまえ」

 

(ロックオン)

 

凌馬「それではさよなら…」

 

(レモンエナジー)

 

藤果「うっ…ぐああああっ…」

 

凌馬さんの一撃は藤果さんを撃ち抜き一瞬で変身を解除させ藤果さんは力尽きて地面に崩れ落ちていた。

 

凌馬「ハッハッハッハッ」

 

藤果「貴…虎…」

 

薄れゆく意識の中で藤果さんが呟いたのは貴虎さんの名前であり藤果さんは貴虎さんの名前を呟くと静かに目を閉じた。

 

葉月「と、藤果さん…そんな!!」

 

直後画面は貴虎さんと光実君との会話に切り替わってしまい私は思わず膝をついた。

 

葉月「じゃあ…私が存在しないから…この世界の藤果さんは…」

 

サガラ「残念ながら既に死んでいる…お前が存在しないから朱月藤果を救える人が誰も居ないからだ…」

 

次に映し出されたのはザックさんと光実君との会話であった。

 

ザック「奴らを放っておけるわけねぇだろ!!」

 

城乃内「その体じゃ無理だよ…それに敵にはベルトが…」

 

そこに2人の元に光実君が歩み寄りケースを開けて中身を見せていた。

 

光実「これを…」

 

ザック「これは…?」

 

ザックさんが手にしたのはマロンエナジーロックシードであり私は衝撃を受けた。

 

光実「エナジーロックシードだからゲネシスドライバーが無いと使えないんだけどね…駆紋戒斗のゲネシスドライバーは?」

 

ザック「あれはもう…けどこれで十分だ!!」

 

葉月「ど、どう言う事ですか…マロンのロックシードは私がシュラとの戦いの時にザックさんに渡す筈なのに…」

 

皐月「やはり…マロンを渡す筈の葉月が存在しないからこうやってマロンのロックシードがザックさんの手に渡るって事ですね…」

 

 

映像はそこで終わってしまい衝撃的な内容に私は頭を抱えた。

 

葉月「じゃあシロちゃんは!?」

 

サガラ「残念ながらデェングムボシュも存在しない…」

 

皐月「…と言う事は私は言わなくてもわかりますね…」

 

葉月「皐月は私から生まれた…つまり私が居ないから存在しない…」

 

サガラ「貴虎の秘書、湊耀子の後輩の不在。朱月藤果の死、マロンエナジーロックシードの譲渡、お前が存在しない事で僅かながら物語の展開が変わってしまっているんだ。」

 

葉月「私は…本当は居ないの?」

 

サガラ「この物語を見た人々が結末を変えたい…こうあって欲しいと願った結果がお前の…水瀬葉月が存在する仮面ライダー鎧武の世界が生み出されたってところだ」

 

皐月「結末を変えたい…」

 

サガラ「お前は本来は存在しない筈だったが本来の世界から分岐し、新たに生み出されたのがお前のいる水瀬葉月が存在する世界だと言うわけだな!!」

 

葉月「じゃあチャッキーさんは!?シロちゃんと皐月が居ないならチャッキーさんは!?」

 

サガラ「あの娘は確かに存在する…だが水瀬葉月が存在しないためにそこまで大きなスポットとして物語が進んだ訳ではないようだ…」

 

葉月「私達の世界ではチャッキーさんはいつも私と一緒に居たのに…」

 

サガラ「それはお前が主人公だからな…主人公を支えるヒロイン役は必要だろう?」

 

皐月「なるほどそう言う事だったのですね!!」

 

葉月「どう言う事ですか!?」

 

皐月「チャッキーさんは本来の鎧武の世界の舞さんのポジションって訳ですよ…」

 

サガラ「ま、そう言う事だな…」

 

葉月「それで話を纏めると…」

 

サガラ「お前は本来は存在しなかった…だが今、お前は確かに存在する…仮面ライダーヴィーナスとしてな!!」

 

サガラさんは私に向かって笑みを浮かべると周りの暗闇がだんだんと晴れて来ている事に気がついた。

 

サガラ「だから…お前はこれからも自分の物語を真っ直ぐ突き進みな?きっとその先に誰も見た事が無い仮面ライダー鎧武の世界が見えてくる筈だ…」

 

葉月「誰も見た事が無い…」

 

サガラ「そうだな…タイトルを付けるなら…」

 

貴虎さんは少し考える素振りを見せると何かを思いついたのか笑みを浮かべると私の方へと向いて1枚の紙を私に渡して来た。

 

サガラ「これからも俺はお前達を見守っているぜ!!」

 

サガラさんはそう言い残すと消えてしまい私はサガラさんから渡された紙を見て目を丸くした。

 

葉月「仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書…」

 

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