凌馬「頼まれていたやつだよ」
葉月「あ…ありがとうございます!!」
数週間後、私は凌馬さんにマロンエナジーロックシードを再び作成してもらい私は完成したマロンエナジーロックシードを受け取った。
凌馬「事前にロックシードを奪われる前に戦闘データを収集していたからね。作成にはそう時間はかからなかったよ。しかし湊君の分も一緒となると流石に骨が折れたね…」
話を聞くと湊先輩もピーチエナジーロックシードを奪われていた様で湊先輩のロックシードと一緒に作成していたのだという。
私は自分の元へ戻って来た相棒を握りしめた。しばらくは戦闘が出来なかったため書類作業に没頭していたのだ。戦うのが苦手もあって苦ではなかったが…
私が喜びを爆発させている一方で凌馬さんはパソコンの画面を見ながらぶつぶつと呟いていた。
凌馬「面倒な事になったね…これはまた想定外だ…」
数日後
貴虎「オーバーロードと呼ばれる知性を持つインベスが発見された。そのオーバーロードがヘルヘイムの生態について我々以上の知識を持っているとしたら、侵食を食い止める手段が見つかるかも知れない。」
会議室にて貴虎さんはオーバーロードと呼ばれる存在を明らかにした。普段私はヘルヘイム側には行かないので突如としてのこの発表にはびっくりしてしまう。
貴虎「どうした凌馬?お前なら喜びそうな発見だと思うが…」
凌馬「大変興味深い…だけど私は科学者だからね、しっかりこの目で確かめるまではなんとも言えないんだよ」
貴虎「冷静だな…納得が行くまで確かめてくれ是非とも見解が聞きたい。葛葉紘汰がどうやってこの事実を知ったかは定かではない。だが確実に言えることは…もはや彼は敵では無いと言う事だ。」
葉月(よかった…これで葛葉さんと争わないで済む…)
私はオーバーロードの存在の登場で葛葉さんと協力しあえるんじゃないかと思った。これ以上ぶつかることはどうしても避けたかったのだ。
湊「しばらくは我々だけの秘密という事ですか?」
貴虎「そうだ、これは我々に初めて与えられた絶望以外の選択肢だ。試してみる価値は、大いにある…幸いプロジェクトアークが本格始動するまではまだ時間はあるんだ。」
葉月「オーバーロードの探索ですか?」
湊「えぇ…これからヘルヘイムに入りオーバーロードを調査する事が決まったわ。」
葉月「じゃあ…私も一緒に…」
湊「いいえ…貴方には留守をお願いしたいわ…我々の戦力がヘルヘイムに集中してしまうと本部の守りが手薄になってしまう…貴方には念の為本部へ残って欲しいの。」
葉月「そう…ですか…それは残念です…湊先輩や貴虎さんと一緒に探索するの楽しみだったんですけど…」
湊「無事に帰って来たら一緒に食事にでもいきましょう?だから我慢してくれるかしら?」
葉月「約束ですよ!!絶対に全員で無事に帰って来てください。」
湊「え…えぇ…わかっているわ…」
数時間、巨大クラックの前に貴虎さん率いる探索チームが集結した。私はお見送りのために一緒に貴虎さんの側にいた。
貴虎「じゃあ留守は任せたぞ水瀬…」
葉月「貴虎さんも…気をつけてください…!!」
貴虎「あぁ」
貴虎Side
貴虎「これは一体なんの真似だ?」
シド「なーに簡単な理由さ…単にアンタが目障りなだけだよ!!」
貴虎「血迷ったか…シド!!」
ヘルヘイムに入ってしばらくすると何故かシドが突然襲い掛かり貴虎はソニックアローの斬撃を受けてよろめいたが、すぐに体勢を立て直し圧倒的な力でシドを圧倒し岩の柱までシドを投げ飛ばしてシドは岩の柱を破壊しながら吹き飛ばされた。
シド「ハッやっぱアンタ半端ねぇな…」
貴虎「言い分は後で聞こう…大人しく投降しろ…」
そこにマリカに変身した葉月の先輩である湊が現れ、貴虎は一緒に取り押さえる様に指示を出すが湊も突如として貴虎にソニックアローで斬りつけて貴虎は受け身もとれずに岩下へと落下してしまう。
貴虎「湊…貴様まで…」
シド「ふぅ〜助かったぜ!!」
湊「真面目にやりなさい!!相手はあの呉島貴虎よ!!」
シド「手厳しいねぇ…それじゃあちゃちゃっと片付けますか!!」
葉月Side
葉月「終わった〜!!」
私は探索チームの帰還を待ちながら書類の作業をしていた。危険なオーバーロードの探索に行くと言っていたがやはり自分1人だけ留守番にされたのが寂しかった。
葉月「早く帰って来ないかな…貴虎さん…湊先輩…」
私はふとクラックの入口の2階からクラック入口を覗くがなかなか帰ってくる気配が無いようで不安になってしまう。
葉月「ん…?」
ふと下に視線をやると凌馬さんが何かの画面をずっと見ていたが、ふと立ち上がり、手にゲネシスドライバーを持ちクラックの中へと入って行くのが見えた。
葉月「凌馬さん…?」
貴虎Side
湊が攻撃に加わり、貴虎は2人相手に苦戦を強いられていた。シドが遠距離で射撃をし、貴虎も射撃で反撃するが湊に接近戦に持ち込まれて斬撃を受け止めるが、シドの追い討ちの射撃は防げずに貴虎はダメージを受けて地面に転がった。
シド「どうした?どうした?だらしねぇぞ貴虎!!」
貴虎はシドと湊を振り切って逃走しようとするがそこにいない筈の人物が貴虎へと呼びかけた。
凌馬「おや?どうしたんだい貴虎?そんなに慌てて。」
貴虎「凌馬…お前こそどうしてここに…?」
凌馬は質問には答えずレモンエナジーロックシードを構えて開錠した。
貴虎「まさか…お前も…?」
凌馬「変身!!」
(レモンエナジー)
凌馬はいつの間にかゲネシスドライバーを装着しており、レモンエナジーロックシードを装着してハンガーを閉じて素早くレバーを絞った。
(レモンエナジーアームズ)
凌馬はデュークと呼ばれるアーマードライダーに変身し、崖上から飛び降り貴虎を斬撃を浴びせた。貴虎は2度目の斬撃を防ぐが凌馬に少しずつ押されつつあった。
貴虎「馬鹿な…どうして…?」
凌馬「残念だ…本当に残念だよ貴虎。君となら理想を目指せると思ったのに…」
湊「ハッ!!」
シド「フッ!!」
貴虎「ぐわぁ…」
3人の斬撃を連続で受けて貴虎は大ダメージを受けて再び地面に転がったが再度立ち上がり必死に凌馬に呼びかけた。
貴虎「その為の戦極ドライバーだろ!!俺とお前で作り上げた…人類を救う為の!!」
凌馬「……」
貴虎「凌馬!!」
(ロックオン)
凌馬「君は…私の理解者では無かった…」
(レモンエナジー)
貴虎「ぐわあぁぁ!!」
凌馬はソニックアローにレモンエナジーロックシードを装着し貴虎に弓を構えて迷いもなく撃ち抜いてしまった。
貴虎「あぁ…うっ…」
貴虎は凌馬の一撃により吹き飛ばされて変身が解除され、衝撃でゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードが外れてしまい、地面に音を立てて転がった。
凌馬「友よ…名残惜しいがお別れの時だ…」
シド「ぬぅん!!」
シドが生身となった貴虎に容赦なくソニックアローを振り翳し貴虎はそれを素手で受け止めるが崖縁まで追い詰められてしまった。
貴虎「こんなところで俺は.…光実!?」
ふと視線を動かすと木の影に光実が隠れており貴虎の様子をじっと見ており、貴虎は必死に光実に呼びかけた。
貴虎「逃げろ光実!!本部に戻ってこの事を伝えるんだ!!いいか…水瀬と葛葉紘汰と共に…お前が人類を救うんだ!!頼んだぞ…光実!!」
シド「ぬあっ!!」
貴虎「うわああああああ!!」
シドの最後の一撃を受けて貴虎はバランスを崩して崖下へと落下してしまった。
湊「この高さなら助からないでしょう…」
凌馬「奇跡的に無事だったとしてもドライバーが無ければヘルヘイムの環境下では生き残れない…」
シド「流石に助けに入るかと思ったんだが…ハッ、ひっでぇな…実の兄貴を見殺しかよ…」
光実は残されたゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードを手に暗い表情をうっすらと浮かべた。
葉月Side
私は貴虎さんの職務室へと足を運んでいた。私はこの場所が好きで広く広がる風景を眺めるのが好きだった。よくこの部屋で貴虎さんと窓の外の景色を眺めながら話したりしているので思い出のある部屋だった。
葉月(早く帰ってこないかな…)
私はそう思いながらふと貴虎さんの椅子に座ってみた。
小柄な私ではなかなか大きい椅子の様で私が座ろうとした瞬間に私はバランスを崩して椅子ごと倒れてしまい床に伏せた。
葉月「いたた…ドジ踏んじゃった…」
衝撃で側に立ててあるハンガーラックを倒してしまい、そこに掛けられていた貴虎さんの黒くて大きいコートが地面にばさっと落ちた。私はスカートについた埃をパンパンと払いながらハンガーラックを元に戻して床に落ちた貴虎さんのコートを拾い上げた。
葉月「……貴虎さん…?」
その日から貴虎さんは私の前から姿を消してしまった。