仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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168話 斬月の正体

 

プロト鎧武となったアイムがインベスと戦う中で藤果さんが私の元に歩み寄り心配そうに顔を覗き込んだ。

 

藤果「葉月さん…あれでよかったのですか?」

 

葉月「彼等はチームだったんです…そのチームの絆を私が引き裂くのは酷な事だと思いまして…」

 

私は藤果さんの隣でアイムとインベスとの戦いを見守っていたがアイムが必死に呼びかけるにも関わらずパイモン達に襲い掛かるのを見て思わず助太刀しようとしたがアイムさんが技を発動させようとカッティングブレードに触れたところで私は動きを止めた。

 

(オレンジスパーキング)

 

アイム「うおあああああ…ハアッ!!」

 

アイムの斬撃によりインベスはついに倒れてアイムは武器を投げ捨てるとインベスの方へと駆け出した。

 

アイム「リーダー!!」

 

インベス「グゥゥ…」

 

インベスはアイムに向かって手を掲げるとアイムはその手を掴み必死に呼びかけていたがインベスは動かなくなりアイムの絶叫が辺りに響き渡った。

 

アイム「ああああああああっ!!」

 

 

 

貴虎side

 

影正「お前に助けられるなんて屈辱以外の何物でも無い!!兄さんを殺したお前に!!」

 

貴虎「あいつはいつもお前の事を自慢していた…出来のいい弟だと」

 

影正「出来がいい?兄さんには敵わないや…兄さんはいつもみんなの事を考えてた!!この国の事を!!人類の事も…凄い人だった!!」

 

貴虎「あぁ…そうだ…」

 

影正「わかったような口を聞くなぁ!!お前に兄さんの何がわかる!!」

 

貴虎「理解しているつもりだ…私は奴との約束を果たす!!」

 

影正「あんたの事はずっと調べてた…ユグドラシルを率いて…世界を救った…本当ならそれは…兄さんがやるべき事だったんだぁ!!」

 

貴虎「私は世界を救った…いや違う…世界を救ったのは私では無い…世界を救ったのは…」

 

貴虎の頭の中で蘇るかつての記憶。それはかつて世界を救う為に戦い抜いた1人の青年の姿であった。

 

貴虎「世界を救ったのは… 葛葉紘汰!!私は変われなかった…」

 

そこへ足音が響いて2人が視線を向けると2人の後を追って来た斬月が現れた。

 

貴虎「お前は逃げろ!!」

 

影正「逃げる!?バカな事を言わないでよ!!このままじゃ引き下がれない!!」

 

貴虎「言う事を聞けっ!!」

 

影正「うるさいっ!!ねぇ…兄さんの格好をして…どうして僕の邪魔をするんだよぉ!!」

 

斬月「はっはっはっはっ…」

 

影正「変身を解けよ…正体を見せろ!!」

 

斬月「俺か…俺の正体を知りたいか?」

 

影正「…え…」

 

貴虎「その声は…」

 

斬月「教えてやる」

 

斬月はメロンロックシードの蓋を閉じて変身を解除するとその中から現れたのは死んだ筈の鎮宮雅仁であった。

 

雅仁「久しぶりだな」

 

貴虎「雅仁…?」

 

影正「兄さん?どうして…兄さんは死んだ筈じゃ…」

 

雅仁「死んだ…そうだ俺は死んだ!!だがここに居る… 影正…そんな危ない物から手を離せ…お前の手に血は似合わない!!」

 

雅仁は影正の手から拳銃を優しく回収すると笑みを浮かべた。

 

影正「僕は兄さんの仇を…」

 

雅仁「フフッ…いいんだ影正。仇なんて討たなくていい…ほら…俺はここに居る」

 

影正「一緒に…」

 

雅仁「さっき何故お前の邪魔をするのかと聞いたな…?教えてやる…」

 

影正「兄…さん…?どう…して…」

 

直後、雅仁は影正から取り上げた拳銃で影正を撃ち抜き影正は地面に崩れ落ちた。

 

貴虎「影正!!」

 

雅仁「貴虎をこの手で葬りたいからだよ!!影正…」

 

地面に倒れた影正をそのままに雅仁は貴虎へと向き合うと銃口を貴虎に突きつけた。

 

貴虎「雅仁…」

 

雅仁「貴虎…俺の事を思い出したか?」

 

貴虎「あぁ…」

 

雅仁「俺は未完成の戦極ドライバーを使ってインベスになろうとしていた。時は同じくしてトルキア共和国での実験はある男の悪意によって失敗に終わった…この国の人間はクラックから大量に流れた果実を食べ、感染…化け物になった…」

 

貴虎「だからお前はスカラーシステムを使ってこの国を焼き尽くした…自分自身を犠牲にして…」

 

雅仁「俺はスカラーシステムの凄まじいエネルギーに焼かれた…そして煉獄の中で一つの答えに辿り着いた…」

 

貴虎「一つの答え?」

 

雅仁「力を持つ者こそが世界の覇権を握り、人々を導かねばならないと…俺はそれに相応しい力を手に入れた!!」

 

貴虎「力だと?」

 

雅仁「そうだ…」

 

雅仁は手を翳すとその手には槍が現れて槍を大きく地面に突き立てた。

 

雅仁「俺は人間を超え…インベスを超え…新たな世界の王となる!!」

 

雅仁は槍を貴虎に振り下ろして貴虎は振り下ろされる槍を躱していく。

 

貴虎「王だと…」

 

雅仁「そうだ…力を持つものがこの世界の全てを手に入れる…」

 

貴虎「俺との約束は…?」

 

雅仁「ノブレスオブリージュか?」

 

貴虎「そうだ…それが俺達の誇りでは無かったのか!!」

 

雅仁「俺は自分に酔っていた…俺は間違っていた!!俺は気づいたんだ…弱き者は強き者に支配されてこそ己の進む道を決める事が出来る!!生きる事が出来る!!お前だってそれを分かっていた筈だ…」

 

貴虎「変わったな… 雅仁…」

 

雅仁「お前はまだ変われずにいるんだな!!」

 

再び雅仁は槍を貴虎に振り下ろすが貴虎は槍を躱しながら拳を振り上げるが槍で防がれてしまい再度槍で殴打されて地面に転がってしまった。

 

雅仁「変われぬ者に未来は無い…ここで死ね!!」

 

影正「やめてくれぇぇ…そんなの兄さんじゃ無い…」

 

雅仁「死に損ないが…お前から楽にしてやろう!!」

 

雅仁が槍を振り下そうと構えるが突如グラシャが乱入して雅仁に拳を叩きつけた。

 

グラシャ「貴様の相手はこの俺だ!!」

 

ベリト「鎮宮雅仁…じゃあ斬月の正体は?」

 

グラシャ「呉島貴虎貴様に会いに来た!!」

 

貴虎「私に?」

 

グラシャ「貴様は俺達に貴族共に反抗するための鍵だ!!こんなところで死なせはしない!!」

 

貴虎「私も戦う!!」

 

グラシャ「今は逃げろ!!すぐに追いつく!!」

 

雅仁「逃すと思うか!!」

 

グラシャ「行けっ!!」

 

 

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