仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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172話 アイムの決意と藤果との再会

 

アイム「やめてくれ!!俺はもう戦いたく無いんだ!!」

 

その頃1人彷徨っていたアイムの元に鎮宮鍵臣の刺客が襲い掛かりアイムは攻撃を躱しながらオレンジロックシードを構えるがインベス化を恐れて変身出来ないでいた。

 

パイモン「アイム!!」

 

そこへパイモンとグシオンに貴虎が現れて刺客を撃退しアイムは周りを見回した。

 

アイム「これって…?」

 

貴虎「貴族が用済みとなったお前らを始末しようとしているようだ…」

 

アイム「っ!!」

 

貴虎「お前らは未完成の戦極ドライバーを使っての実験に利用されていた。かつてこの国で行われた実験のように…」

 

アイム「記憶が戻ったのか?」

 

貴虎「あぁ…8年前、私と鎮宮雅仁を中心になって行った実験だ。実験は失敗に終わりこの国は焼き尽くされた…」

 

アイムは貴虎の言葉を聞くと貴虎に駆け寄ってその胸倉を掴み上げて怒鳴った。

 

アイム「じゃあ…あんたのせいでこの国は!!」

 

貴虎「私を恨むは当然だ。それだけの罪を犯した…だが悪意がこの国を蝕もうとしている!!お前達はその犠牲者だ。」

 

アイム「クソッ!!勝手に使って、用が無くなったら殺すのかよ!!バカにしやがって!!

 

貴虎「……」

 

アイム「なぁ、貴虎…俺達ってなんだったんだろうな?虫ケラみたいに扱われて生きている意味あんのかよ…」

 

貴虎「意味はある!!仲間を守りたいんじゃなかったのか?」

 

アイム「あぁ!!守りたいさ!!でも俺は仲間を殺した…この手で!!お前にその気持ちがわかってたまるかぁぁ!!」

 

アイムは貴虎を突き飛ばすと地面に崩れ落ちて泣き始めた。パイモン達がアイムの側に寄り添った。

 

貴虎「泣くな…お前にはまだやるべき事がある。全てのチームを纏めろ!!貴族に反旗を翻せ!!」

 

アイム「っ!!俺は戦わない…戦うのを辞めたんだ!!」

 

アイムはそのまま立ち去ろうと歩き出すと貴虎はその背中に向かって声を上げた。

 

貴虎「私は罪を償うためにこの国にやって来た!!だから戦う…それ以外に私が罪を償える方法は無い!!」

 

アイム「勝手にすればいいだろう!!」

 

貴虎「生きる意味が無いと言ったな…生きる事でしか罪に抗えない!!それが死んでいった者達への唯一の手向けだ。」

 

アイムはそのまま立ち去ってしまいパイモンが説得しようと走り出した瞬間にインベスになりかけているフォラスが現れて貴虎達に襲い掛かった。

 

 

アイムSide

 

アイム「俺はもう戦えない…戦えないんだ!!」

 

ふとアイムは数時間前に出会った葉月の事を思い出していた。

 

アイム「そういえば葉月って奴がこんな事言ってたな…」

 

 

-1時間前-

 

リーダーをその手に掛けたアイムは泣きじゃくっておりそこに葉月が歩み寄りアイムの頭を撫でた。

 

葉月「辛かったですね…でもこれでリーダーが誰かを傷つける事はありません…貴方はリーダを救う事が出来たんですよ。」

 

アイム「俺はもう…戦いたく無い…」

 

葉月「さぁ立って…まだやるべき事はある筈です…泣いていては一向に前に進めませんよ!!」

 

アイム「俺はそこまでの強さは無い!!あんたと俺は違うんだ!!」

 

葉月「違いません!!私には大切な仲間が居ます…仲間の為なら命を掛けて助ける…貴方にも守りたい仲間がいるんじゃないですか?」

 

アイム「俺は…」

 

葉月「貴方は私の知っている人によく似ています…その人も自分の仲間をこの手に掛けた事で自分を酷く責めていました。しかし彼は再び仲間のために立ち上がる事が出来たのです!!」

 

アイム「そんな人が…」

 

葉月「葛葉紘汰さん…貴方と同じくらいの青年で貴方と同じアーマードライダーに変身して世界を救った男です。貴方もきっともう一度立ち上がれる…そう信じていますよ…」

 

 

-現実-

 

アイム「もう一度立ち上がれる…仲間を守るために…」

 

気づけばアイムは元来た道を引き返し走り出していた。その目にはもう迷いは無いようであった。

 

アイム「俺は戦う!!仲間の為に!!」

 

 

 

貴虎side

 

貴虎「くっ…万事休すか…」

 

貴虎達はインベスになりつつあるフォラスを応戦していたがフォラスの容赦の無い攻撃に全員が地面に倒されてしまった。

 

藤果「ハアッ!!」

 

そこに葉月と別れて別行動をとっていた藤果が現れて高く跳躍するとフォラスに蹴りを浴びせた。

 

パイモン「あ、さっきのもう1人の女!!」

 

藤果は地面に降り立つと貴虎の方へと視線を向けて貴虎はその顔を見て驚きの表情を見せた。

 

藤果「貴…虎…」

 

貴虎「藤…果?」

 

藤果「お久しぶり…ですね」

 

貴虎「あぁ、久しぶりだな…葉月から生きているとは聞いていたが…しかし何故?」

 

藤果「私も罪を重ねた…私も貴方と同じように罪を償う為に」

 

貴虎「何?」

 

藤果「私の命を救ってくれた葉月さんと貴方を助ける…そう決めたのです!!それが私に出来る唯一の償い…そう思うのです!!」

 

貴虎「まさか…葉月もこの国に居るのか?」

 

藤果「えぇ…貴方を助ける為に私と一緒にこの地下世界に…」  

 

フォラス「グアアアアッ!!」

 

藤果「っ!!」

 

貴虎「藤果!!」

 

アイム「うおおおおおっ!!」

 

貴虎「アイム!!」

 

フォラスが藤果へと襲い掛かるがそこへ剣を持ったアイムがフォラスをすれ違い様に切りつけていた。

 

アイム「貴虎!!あんたの言う通りだ!!俺達は生き残るしか無いんだ!!」

 

フォラスが再びアイムに爪を振り上げるがアイムは剣でそれをいなしその首に剣を当てた。

 

アイム「俺達は生き残る為に戦って来た…それは変わらない今までも!!これからも!!」

 

パイモンとグシオンが助太刀に入りフォラスの動きを封じてその隙にアイムがフォラスを切り付けるとフォラスは思わず後ろに下がるがアイムはフォラスに駆け寄るとその胸に剣を突き刺した。

 

アイム「でやあああああっ!!」

 

フォラス「グッ…」

 

アイム「ごめんフォラス…俺は生きる…俺達は生きる為に戦う!!」

 

フォラス「アイム…」

 

フォラスはアイムにとどめを刺されるとそのまま巨大な穴の下に落下して姿が見えなくなってしまった。

 

アイム「俺は戦ってみんなの事を救ってみせる!!」

 

貴虎「アイム…そっくりだ…私の知ってる男に…」

 

アイム「?」

 

貴虎「私に変身しろと言った男だ…」

 

直後に貴虎と藤果以外の全員が意識を失い地面に倒れ込みその場所には一筋の光が差し込み貴虎が思わず視線を向けると意識を失った筈のアイムが体を起こした。

 

アイム?「貴虎!!」

 

貴虎「何?」

 

アイム?「変身出来たみたいだな?」

 

藤果「あの方は…?」

 

貴虎「もしかして葛葉紘汰か?」

 

紘汰「この子の体を貸して貰った…」

 

貴虎「フッ…私はまだ変身出来ないようだ…」

 

紘汰「そうは見えない!!」

 

貴虎「お前や葉月と会う前から…8年前から私は何も変われていない。あいつには偉そうな事を言ったがまた雅仁に会ったら本当に戦えるのかどうか…」

 

紘汰「大丈夫…貴虎は変わったよ!!」

 

アイムの体に乗り移った紘汰は手を翳すとその手の光を貴虎のポケットの中に注ぎ込み貴虎はポケットの中を確認するとそれは緑色のロックシードであった。

 

貴虎「これは…」

 

紘汰「必要になったら使ってくれ…」

 

その言葉を最後にアイムの体は糸の切れた人形のように崩れ落ちてしまい貴虎はその手に握られた緑色のカチドキロックシードをじっと見つめた。

 

貴虎「俺は変わったか…」

 

アイム「あれ…俺どうしたんだ?」

 

貴虎「礼を言わせて貰う!!いや…なんでも無い…」  

 

藤果「貴虎…」

 

グシオン「そういえばあの女はどこ行ったんだろうな?」

 

貴虎「女?誰の事だ?」

 

パイモン「俺達を助けてくれた人だよ!!白いスーツの…確か名前は…」

 

藤果「もしかして…」

 

貴虎「葉月か?」

 

アイム「そうだ…あんたの妻を名乗ってた…名前は…呉島葉月!!」

 

貴虎「やはりか!!」

 

ベリアル「貴虎〜!!」

 

そこにベリアルが慌てた様子で転がり込み貴虎は手を差し出すとベリアルは貴虎の手を取って体を強く抱きしめ、思わず貴虎はベリアルを地面に投げ飛ばしてしまった。

 

ベリアル「痛いよぉ…本当に痛い…」

 

貴虎「何しに来た?」

 

ベリアル「鎮宮雅仁が貴方の事を呼んでたわよ」

 

貴虎「雅仁が?」

 

ベリアル「貴方に向けてメッセージよ!!」

 

ベリアルはその手に持つ端末を壁に向かって映像を投影すると映像が再生され始めた。

 

雅仁「鎮宮鍵臣は死んだ。俺が殺した…今この国の頂点には俺が立っている!!お前が自分の罪を償いたいと言うのであれば俺の元に来い!!」

 

貴虎「雅仁…」

 

雅仁は一瞬画面から離れるとそこに鎖で体を拘束され気を失った葉月の姿が映し出されて貴虎は驚愕の表情を浮かべた。

 

貴虎「葉月!?何でお前が…?」

 

雅仁「呉島葉月は人質だ。お前が来なければこいつを殺す…決着を付けよう!!この世界の頂点に立つのにどちらが相応しいか…待ってるぞ!!」

 

映像はそこで終わり貴虎は地面に落ちている剣を拾い上げて歩き出そうとした。

 

アイム「貴虎…行くの?」

 

貴虎「あぁ…自分の罪と向き合う為に…葉月を助ける為に…アイム、お前はお前の戦いをしろ!!」

 

アイム「あぁ…無事を祈ってる!!」

 

最後に貴虎は藤果の方へと視線を向けると藤果は貴虎をそっと抱きしめた。

 

藤果「無事に帰って来てください。葉月さんと一緒に…」

 

貴虎「あぁ…必ず葉月と一緒に戻って来る!!」

 

 

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