藤果「すみません貴虎…資料を見せて頂く事になって」
貴虎「トルキアで出会ったお前の知り合いの記録を探して居るのだろう?かまわない…」
藤果「ありがとうございます」
トルキア共和国での戦いから1週間が過ぎたある日、藤果さんが私達の元へと訪ねて来て貴虎さんは快く自宅へと招き入れていた。
葉月「ん…?隠し金庫!?」
貴虎さんが資料室に藤果さんを招き入れると貴虎さんは壁画を動かすとそこには金庫のような収納スペースがあり中にはファイリングされた資料が収められていた。
葉月「こんなのよく見つけましたね?」
貴虎「以前ユグドラシルの人間を襲う未知のアーマードライダーの手掛かりを調べていた時に偶然見つけた。」
葉月「それってもしかして…藤果さん…?」
私はふと藤果さんの方に視線を移すと藤果さんは気まずそうな表情を浮かべており貴虎さんは藤果さんの肩を優しく叩いた。
貴虎「当時、そのアーマードライダーが使用していた禁断のロックシードについて調べていたんだが…その中に新型システムの実験に利用された児童保育院の児童のリストがあった。」
葉月「児童リスト?」
貴虎「しかし資料を見ている途中で襲撃にあってゆっくりと見る事は出来なかったがな…トルキアから帰って来てからリストをある資料の存在を思い出したのだ」
葉月「襲撃…?」
私は再び藤果さんの方を見ようとして再び気まずい表情を浮かべる藤果さんの姿が視界に入り再び視線を戻した。
藤果「すみません…襲撃したの私ですね…」
葉月「あ…すみません…デリカシー無くて…」
藤果「いえ…悪いのは私ですから…」
貴虎さんは金庫の中からファイリングされた資料を取り出すと私に手渡して来た。
葉月「新型システム計画?」
貴虎「恐らく藤果が使用した禁断のロックシードについての資料だろう。確か中にはその実験に関わった児童のリストがあった筈だ」
葉月「ふむふむ…沢芽児童保育院施設紹介…理事長、呉島天樹…」
藤果「天樹様…」
私はページを進めて行くと児童リストのページが現れて当時の実験に関わった保育院の児童の写真とプロフィールなどの情報があった。
葉月「鈴木健斗、高橋愛梨、斉藤大樹、石田優…身体の特徴•能力•弱点!?何ですかこれ…?」
藤果「恐らく実験を受ける上で本人の能力が重要だったんじゃないかと…」
貴虎「恐らくな…」
さらに次のページを開くと再び児童リストが現れて名前をチェックしていると藤果さんは1つの名前を見つけて指を刺した。
藤果「ありました!!
葉月「堀江三津子…三津子さんの名前がこんなところに…」
藤果「運動はほとんど出来ない、食べ物の好き嫌いは多い…学力が高い…」
葉月「感情が高ぶると特殊なエスパー能力を発揮する!?これってもしかして…」
藤果「恐らく物体を引き寄せたり瞬間移動したりトルキアで見せた芸当の事ですね…恐らくこの頃から三津子はエスパー能力に目覚めてその力を目的に人体実験に利用されてしまったのでしょう…」
葉月「じゃあこの赤い斜線は…まさか…」
藤果「実験によって犠牲になったっていう印なのでしょう…」
葉月「でも三津子さんは生きていました…私が捕まっている時に影正さんがそう話してくれました…父の鎮宮鍵臣さんが三津子さんを極秘に連れて行ったそうですよ…わざわざ死亡したと嘘の記録まで残して。」
貴虎「恐らく呉島天樹と接触する機会があり、それがきっかけで鎮宮鍵臣はその堀江三津子の能力に気づいたのだろう…そして今度は自身の野望のために彼女を利用した…」
葉月「三津子さん…このままだと実験によって命が狙われると思って鎮宮鍵臣の指示に従っていたのかな…?」
藤果「…貴虎…ありがとうございました」
貴虎「あぁ…藤果…大丈夫か?」
藤果さんは何か心の中のモヤモヤが残っているようで私の方へと視線を向けた。
藤果「葉月さん…私と一緒に行って欲しい場所があるのです…」
葉月「はい…?」
-翌日-
私と藤果さんはかつて訪れた沢芽児童保育院へと再び足を踏み入れていた。
以前より中は荒れ果てており児童が過ごした遊び場を通り過ぎると木の板で封じられた扉があり中を再びこじ開けて中に入っていった。
葉月「前回来た時はこの場所をよく見ていなかったのですが酷いですねこれ…」
私達は最深部の実験施設へとやって来るとベッドなどの機材がそのまま放置されており辺りは荒れ果てていた。
葉月「ヘルヘイムの植物は流石に無いですね…」
以前は研究用のヘルヘイムの蔦が絡まっていたが完全に無くなっており藤果さんは辺りを見渡していた。
藤果「やはり三津子はここで辛い実験を…やはり呉島天樹の残酷な思想は認められない…」
ふとベッドの方を見るとベッドに札が付いており札には児童の名前が書いてあった。
葉月「藤果さんこれ!!」
藤果「これは…」
真ん中のベッドの札には堀江三津子の名前がありベッドの上には謎の頭に付けるへッドギアのような物がありその隣には小さな子供の服が置いてあった。
葉月「これ当時の三津子さんの?」
藤果「恐らく…」
藤果さんは三津子さんの服を持ち上げると目を瞑って、私は側で藤果さんの様子を見守っていた。
藤果「すみません…もう大丈夫です…改めてお別れを言えました。」
葉月「そう…ですか…」
藤果さんは私の方へと視線を向けると私の手を握って来たので私も優しく手を握り返した。
藤果「葉月さん…あなたには本当に感謝しています…ありがとう…」
葉月「えっ…」
藤果「本来なら私はあの時、禁断のロックシードの副作用でこの場所で死んでいる筈でした…しかし貴方のお陰で私はこうして生きています。」
葉月「あっ…」
藤果「貴方の戦極凌馬に対して放った言葉が今でもよく覚えています」
葉月「それは…」
凌馬(やれやれ…どうして助けるんだい…君や貴虎を襲った奴だろう?)
葉月(それでも…私はこの人に生きていて欲しい!!こんな事…本当は望んでやりたかった事じゃ無い筈です!!)
凌馬(彼女はもう死ぬよ?助けたところで意味は…)
葉月(死なせない!!絶対に助けます!!)
葉月「あの時は必死でしたから…藤果さんみたいな優しい人がこの場所で死に、誰にも見つからずに朽ちて行くのは私には耐えられないので…」
藤果「葉月さん…」
葉月「ただ生きて欲しい…そう思ったんです!!」
藤果「当時の呉島の人間やユグドラシルを許す事は出来ない…それは今でも許せない気持ちは変わりません…」
葉月「藤果さん…」
藤果「しかし復讐は私にとっては大きな過ちでした…自分の命を削ってまで復讐を遂げるのは…」
葉月「だから…生きましょう藤果さん…犠牲になった人達の分まで…必死に生きようとした三津子さんの分まで!!」
藤果「はいっ…葉月さん!!」
藤果さんは目に涙を浮かべると私を強く抱きしめて私も同じく藤果さんの体を優しく抱きしめてあげた。
葉月「あれ…?」
藤果「葉月さんどうしました?」
葉月「あれ…」
足元にヘルヘイムの植物の蔦が生えており私は思わず蔦を掴み上げてじっと見つめた。
葉月「ヘルヘイムの植物は消滅した筈…何でここに…しかもまだ新しい?」
藤果「はっ…葉月さん危ない!!」
葉月「えっ!?きゃっ…」
突如私は藤果さんに突き飛ばされてしまい床に倒れ込むと直後に藤果さんの苦しそうな声が聞こえて来た。
藤果「かっ…あぁ…」
葉月「なっ…藤果さん!?」
どこからか天井からヘルヘイムの植物の蔦が出現して藤果さんの体に巻き付いており藤果さんは天井近くまで高く縛られて持ち上げられてしまっていた。
葉月「なっ…蔦が生きてる!?どうして…」
藤果「は…ずき…さん…がはっ…」
葉月「藤果さん!!」
私はゲネシスドライバーを装着して変身して助けようとマロンエナジーロックシードを取り出そうとしたが空中の藤果さんに変化が起こり思わず手を止めた。
藤果「………」
藤果さんを縛っているヘルヘイムの植物の蔦が怪しく黒く光ると藤果さんも体が一瞬だけ黒く染まり、藤果さんは怪しい煙に包まれるとそのまま床に落ちて来て藤果さんは着地を決めた。
葉月「藤…果さん…?」
藤果「アアアアアッ!!」
葉月「がはっ…藤…果…さ…ん?」
私は藤果さんに殴り飛ばされて床に倒れ込み藤果さんは何故か私の体に跨り私の首を締め始めた。
葉月「がっ…何…何するんですか藤果さん!!」
藤果「うううううう…」
藤果さんは唸り声をあげると私の体をベッドまで放り投げて私は機材を巻き込みながら床に倒れた。
葉月「あぁ…藤果さん…どうし…て…」
ふと視線を向けると藤果さんの腰には戦極ドライバーが装着されており青リンゴのロックシードを取り出すと開錠した。
を
藤果「変身」
(リンゴ)
(ロックオン•Come on!!)
(リンゴアームズ• デザイア フォビドゥン フルーツ)
藤果さんはイドゥンに変身を完了させると盾から剣を引き抜いて私に向かって勢いよく剣を振り上げた。
藤果「ハアッ!!」」
葉月「やめて…やめて藤果さん!!どうしてこんな事を…」
藤果「ハアアアッ!!」
容赦なく振り下ろす藤果さんの剣を避けながら私は冷静に藤果さんの方をじっと見つめた。
葉月「違う…藤果さんは操られてる!?」