177話 スターパティシエ城乃内
-ヘルヘイムの森-
ある日ヘルヘイムの森の中を1人のアーマードライダーが歩いていた。白いアンダースーツに銀色の林檎の鎧を身に纏うそのアーマードライダーはアテナと呼ばれておりシロと呼ばれる生き残りのオーバーロードの少女であった。
シロ「よいしょっと…」
シロはヘルヘイムの森にてヘルヘイムの果実を植物の蔦から引き千切った。それはドングリロックシードへと変わりシロはドングリロックシードを掌で転がした。
シロ「ふぅ…このくらいでいいかな?」
シロは蔦から引き千切ったドングリロックシードを側に置いた黒いケースに詰めていく。ケースの中には様々な種類のロックシードが綺麗収められておりロックシードを詰めると蓋を閉めた。
シロ「んじゃ帰ろ…ん?」
シロはクラックを開いて元の世界に戻ろうとしたが突如どこからか気配を感じて振り返ると植物の蔦がシロに襲い掛かりシロは杖を振って蔦を振り払った。
シロ「……襲撃…もしかして例の?」
(シルバースカッシュ)
シロはカッティングブレードを1回倒して杖から銀色のリンゴのエネルギー弾を放つと蔦に命中して蔦が動きを止めたところでシロは蔦を自身の杖で巻き取ってそのまま力任せに引き千切ってしまった。
シロ「そりゃあああっ!!」
シロは千切れたヘルヘイムの蔦と蔦に付いていた果実を手に取ると辺りを再び見渡した。
シロ「気配が消えた…この植物を操ってる何者かがいる筈…」
シロは果実と植物を研究用に持ち帰るために袋に詰めると黒いケースを手にして再びクラックを開いた。
シロ「お姉ちゃんの言った通り、嫌な予感がする…」
葉月Side
藤果さんと謎のヘルヘイムの実の変種らしきものが発見されてから私はすぐに貴虎さんとシロちゃんに事態を報告して本格的に調査を始めていた。
葉月「ヘルヘイムの実の変種か…一体誰が何のために?」
私は聞き込みやネットの情報などあらゆる方法で情報を探っていたが特に手掛かりが得られず途方に暮れていた。
葉月「ん…何これ…城乃内さん人気絶頂中の女優と熱愛報道?」
ネットを見ると大きく記事にされており私は苦笑いを浮かべながら記事に載せてある写真を見ていたが写真のある部分に気づいて目を丸くした。
葉月「あれ…城乃内さん秘書を付けたんだ?」
城乃内さんの隣にはスーツを着て眼鏡を掛けた女性がおり、私は城乃内さんがかなりの大物になった事にとても驚いていた。
葉月「城乃内さんパティシエとして大物になったんだな…」
ふとそんな事を思っていると突如車のクラクションが鳴らされてふと顔を上げると黄色い車が近くに停車しておりそこには銀色のスーツに身を包んだ城乃内さんが手を振っていた。
葉月「噂をすれば…」
-シャルモン-
葉月「ん〜美味しい!!」
城乃内「なんだよ…海外から帰って来てたのなら教えてくれてもよかったじゃんか!!」
葉月「あ、それはすみません…色々と忙しかったものですから」
私はシャルモンへとやって来ており城乃内さんのケーキの試食をしていた。
城乃内「常に新しいケーキを作るために試行錯誤を繰り返していたんだ…今新しいスイーツを使ったケーキを作ろうと考えているんだけどさ」
葉月「ふむふむ…それは大変そうですね」
私は城乃内さんの話を聞きながらケーキを口に運んでいると写真で見た秘書の女性らしき人が紅茶を持って来てくれた。
葉月「あ、どうも」
城乃内「紹介するよ俺の秘書の鈴鹿君だよ」
鈴鹿「鈴鹿です。よろしくお願いします」
葉月「呉島葉月です。こちらこそよろしくお願いします…」
鈴鹿「貴方が…」
葉月「はい…?」
鈴鹿「いえ…何でもありません」
鈴鹿と呼ばれる秘書の女性は一瞬私の方をじっと見つめるとすぐにお辞儀をして店内に戻ってしまった。
葉月「……?」
城乃内「あぁ…鈴鹿君は人見知りだからね…気にしないでやってくれよ」
葉月「は、はぁ…秘書を付けるほど城乃内さんも忙しくなりましたね?」
城乃内「そうなんだよ最近忙しくてさ…マスコミにも追われるし色々大変なんだよ…」
葉月「あはは…有名人は大忙しですね!!」
城乃内「かつての仲間がほとんど沢芽から離れたからな…またみんなで集まれたら楽しいんだけどな」
葉月「みなさんそれぞれの夢を叶えようと頑張ってるんですよ」
城乃内「いつかみんなが集まる機会があったら皆を俺の作る一流のスイーツに酔わせてやるぜ!!」
私はドヤ顔で指をパチンと鳴らす城乃内さんに苦笑いを浮かべながらスイーツを再び口にしていた。
貴虎「何かわかったか?」
葉月「いえ…ただ1つだけ気になることが…」
貴虎「何だ?」
私は久しぶりに城乃内さんにお会いした事と秘書を付けている事を話すと貴虎さんは怪訝そうな表情を浮かべた。
葉月「彼女、私が名乗ると私の事を気にしている様子でした」
貴虎「……」
葉月「気のせいかもしれないですけどね…」
シロ「いやあの人はなんか怪しいよ…」
そこに黒いケースを持ったシロちゃんが現れて黒いケースを机の上に置いた。
貴虎「ご苦労だったなシロ」
シロ「頼んでいた戦極ドライバー完成したよ?」
シロちゃんが黒いケースを開けると戦極ドライバーがあり貴虎さんはドライバーを手に取った。
葉月「戦極ドライバー?」
貴虎「シロに新しいドライバーを作って貰って居たのだ…新たな脅威に対抗するためにな…」
シロ「お姉ちゃん達がトルキアに行った直後にいきなりどんぐりさんが秘書を付けたみたいだよ?」
葉月「うん」
シロ「彼女からは人間っぽくない匂いがするの…だから個人的に目をつけてたの!!」
葉月「人間っぽく無い?」
シロ「沢芽は私の庭…いろんな人を毎日見てるからわかるんだけど外から来た人ってわかりやすいんだよね」
葉月「そうなんですか?」
シロ「うん。そしてその秘書は風のように突然現れたの…気づいたらあのどんぐりさんの隣に居てすっかり馴染んでる…」
葉月「でもそれだけだと特におかしいところはないんじゃ…」
シロ「あと、彼女からは変な匂いがするんだ…」
葉月「匂い?」
シロ「シャルモンに行った時に会ったんだけどね…彼女からは私と近い匂いがしたんだ…」
葉月「近い匂い…?まさか…オーバーロード?」
シロ「うーんそれがはっきりわからないんだよね…ただ何かしらヘルヘイムと関係ある気がするんだ…」
葉月「まさか…彼女がヘルヘイムの実の変種を?」
貴虎「秘書になって城乃内に近づいたのは…まさか…」
シロ「城乃内のスイーツに例の変種を使わせ世界中にばら撒く…そう言う事だって出来るよね?彼女なら…」
貴虎・葉月「「!!」」
私達は思わず目を見合わせると貴虎さんは戦極ドライバーを手に取るとシロちゃんに再び手渡した。
貴虎「このドライバーにアーマードライダーグリドンのデータを入れてくれるか?」
シロ「わかった…」
葉月「何故グリドンなんですか?」
貴虎「ある人物に城乃内を狙わせれば彼女も何かしら行動を起こすだろう…そのためにグリドンに変身して奴らを混乱させる必要がある…」
葉月「ある人…?…ってもしかして…」
貴虎「凰蓮だ」