仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

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189話 湊先輩の決断

 

私は誰かに揺さぶられているようでうっすらと目を開けると湊先輩が私を強く揺さぶっているようだった。

 

湊「葉月っ!!しっかり…死んじゃ駄目よ!!」

 

葉月「みな…とせ…んぱ…い」

 

私は頭から血を流しながら地面に倒れているようで湊先輩は私の体を強く抱きしめた。

 

葉月「私も…ここまで…ですね…」

 

湊「あ…あぁ…血が…嫌…駄目よ…死なないで!!」

 

珍しく湊先輩は大粒の涙を流しており私の顔に湊先輩の涙がこぼれ落ちた。

 

葉月「でも…後悔は…無いです…よ…だって…先輩を守る事が出来たんだから」

 

私の手を湊先輩が握り私は懐に手を伸ばすとゲネシスドライバーを差し出した。

 

湊「これは…?」

 

葉月「受け取って…ください…私の代わりにみんなを守ってあげてください…」

 

湊「みんなを…?」

 

葉月「私…本当は駆紋さんを殺そうとしました…」

 

湊「どうして…?」

 

葉月「この世界を壊そうとする駆紋さんさえ王にならなければ…この街は救われる…湊先輩にはそんな人の片棒を担いで欲しくなかった…」

 

湊「私のために…」

 

葉月「あの人が居なくなれば湊先輩は私の方へと振り向いてくれる…そう思ったんです…湊先輩には世界を滅ぼす人の仲間にはなって欲しくない…だって湊先輩はこの沢芽市が好きな筈です…」

 

湊「葉月…」

 

私はだんだんと意識が朦朧としているようで瞼が下がって来ておりそれを見た湊先輩は私をさらに強く抱きしめた。

 

湊「駄目っ…駄目よ!!貴方言ったじゃない…ずっと私と一緒に居るって!!」

 

葉月「はは…約束…守れなくて…ごめんなさい…」

 

私は最後に片手を差し出すと湊先輩の手を両手を掴んでぐいと引き寄せた。

 

葉月「湊先輩…沢芽市のみんなを守ってあげてください…私達の出会ったこの街を…」

 

葉月「駄目よ…私は戒斗を止めることは出来ない…私は戒斗の未来を見届けると決めたもの…」

 

葉月「先輩…私の代わりに…この街を…おねが…いし…ます」

 

私は瞼が完全に下がり湊先輩を掴んでいた手がゆっくりと落ちて湊先輩は私を再び揺さぶり始めた。

 

湊「葉月!?葉月…葉月ぃぃぃぃ!!」

 

葉月(この世界線の私は湊先輩に全てを託したんだ…自分の命を犠牲に…)

 

そのままこの世界線の私は湊先輩の前で命を散らしてしまい、今の私は映画をみているかのように視点が切り替わり次に映し出されたのは湊先輩が私を抱き上げて海岸沿いのベンチに座らせている様子が映し出された。

 

湊「葉月…」

 

湊先輩は私の体をベンチを座らせると、私の髪を優しく撫でていた。

 

湊「……私は…」

 

湊先輩は目を瞑ると何かを考えているようで目を閉じたままじっとしていたが湊先輩は目を開いて隣で冷たくなっている私の手を握るとベンチから立ち上がった。

 

湊「……葉月…貴方の勇気を私に貸して…」

 

湊先輩は立ち上がると、どこかに歩いて行ってしまいベンチに座ったまま冷たくなっている私の髪が海風により揺れた。

 

葉月(湊先輩…何をするつもりなんだろう…まさか!?)

 

私が嫌な事を想像していると場面が切り替わって湊先輩が駆紋さんと向き合っているところだった。

 

戒斗「水瀬はどうした?」

 

湊「死んだわ…」

 

戒斗「そうか…しかし俺達は歩みを止めることは無い…後は葛葉を倒して黄金の果実を手にして…世界を作り変える!!」

 

湊「戒斗…」

 

戒斗「そのためには今のこの世界を滅ぼす…行くぞ…」

 

湊「戒斗!!」

 

駆紋さんはそのまま歩き出そうとしたが湊先輩は駆紋さんを呼び止めた。

 

湊「私は貴方の未来を見届ける…そう約束したわ…」

 

戒斗「あぁ…」

 

湊「残念ながら貴方の未来を見届けるのはここまでよ…」

 

戒斗「何?」

 

湊先輩は私から託されたゲネシスドライバーを腰に当てて装着するとポケットからマロンエナジーロックシードを取り出した。

 

湊「貴方は言ったわ…守る物も失う物も無くなった俺はもう誰にも負ける事は無い…と」

 

戒斗「……」

 

湊「私は…あの子が命を懸けて守ろうとしたこの世界を…最後まで守り抜くわ…」

 

戒斗「貴様…」

 

湊「だから…私は貴方との約束を破る…この世界を守るために貴方を倒すわ!!」

 

戒斗「やってみるがいい…出来る物ならな!!」

 

駆紋さんは戦極ドライバーを装着するとバナナロックシードを取り出してロックシードを構えた。

 

戒斗「変身!!」

 

(バナナ)

 

駆紋さんは慣れた手つきで戦極ドライバーにバナナロックシードを装着してハンガーを閉じると素早くカッティングブレードを倒して鎧を装着して変身を完了させた。

 

(バナナアームズ・ナイト・オブ・スピアー)

 

 

湊「葉月…私と一緒に戦って!!」

 

(マロンエナジー)

 

(ロックオン・リキッド)

 

湊「変身っ!!」

 

(マロンエナジーアームズ)

 

湊「ハアアアアアアッ!!」

 

戒斗「うおおおおおっ!!」

 

湊先輩はヴィーナスに変身を果たすとすぐにソニックアローを手に駆け出すと繰り出されたバナスピアーを弾きその鎧に斬撃を浴びせていく。

 

湊「ハア…ハッ!!」

 

戒斗「ぐわっ…」

 

やはり戦極ドライバーとゲネシスドライバーとでは性能の差が出ているようで湊先輩が駆紋さんを圧倒して最後に蹴り飛ばしてしまった。

 

(バナナスパーキング)

 

戒斗「ハアッ!!」

 

駆紋さんは地面にバナスピアーを突き刺すと地面からいつくもバナナ型のエネルギーが現れて湊先輩に迫るが湊先輩は冷静にバックステップで攻撃を躱すとゲネシスドライバーをレバーを一回押し込んだ。

 

(マロンエナジースカッシュ)

 

湊「ハアッ!!」

 

戒斗「ぐわああああっ!!」

 

湊先輩の斬撃波が駆紋さんを吹き飛ばしてしまい駆紋さんは変身を解除されて地面に倒れるがすぐに起き上がってマンゴーロックシードを開錠して素早くドライバーに装着して走り出した。

 

(マンゴーアームズ…ファイト・オブ・ハンマー)

 

マンゴーの鎧が装着され、マンゴーアームズへと姿が変わりその手には武器マンゴーパニッシャーが装備されて湊先輩に繰り出されて再び湊先輩は攻撃を回避しようとした。

 

湊「ううっ…」

 

湊先輩は繰り出された一撃を受けてしまい体勢が崩してしまい膝を突くとガラ空きとなった胸にマンゴーパニッシャーの一撃を受けて空中に跳ね上げられてしまった。

 

戒斗「終わりだ!!」

 

湊「まだよ…ハアッ!!」

 

戒斗「がっ…」

 

葉月(あれは…私が初めて駆紋さんと戦った時に使った戦法!!)

 

湊先輩は空中からソニックアローを構えると落下しながら射撃を行い駆紋さんは攻撃を受けて地面に崩れ落ちた。

 

戒斗「くっ…」

 

湊「これで終わりよ…戒斗!!」

 

(マロンエナジースパーキング)

 

湊先輩は空中に飛び上がると蹴りの態勢に入り、それを見た駆紋さんも武器を手にカッティングブレードを倒して技を発動させた。

 

(マンゴースカッシュ)

 

戒斗「せいいいい!!」

 

2人の技が激突するが湊先輩の蹴りが駆紋さんの技ごと押し込んでしまい駆紋さんは吹き飛ばされて変身が再び解除されてしまった。

 

湊「戒斗!!これで…終わりよ!!

 

戒斗「……」

 

地面に倒れ伏す駆紋さんは何も発さずにゆっくりと立ち上がると湊先輩の方をゆっくりと振り向くとニヤリと怪しげな笑みを浮かべた。

 

湊「戒斗…」

 

戒斗「ぬうううううん!!」

 

駆紋さんはオーバーロードの姿に変身を遂げるとその手に剣を握り湊先輩はソニックアローを構えたまま一歩後ろに下がった。

 

戒斗「あぁ…終わりだ…耀子!!」

 

葉月(湊先輩…駄目…逃げて…)

 

戒斗「ぬああああああっ!!」

 

湊「うっ…うわああああっ!!」

 

私は湊先輩に叫ぶがやはり声を届かず湊先輩は駆紋さんの攻撃に押され始めてしまった。

 

 

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