葉月が湊耀子と再会する少し前、葉月とときめは夏木花が居ると思われる工場へと辿り着いていた。
葉月「ここに誘拐された女の子達がいるのでしょうか?」
ときめ「メールに添付された位置情報によるとここの筈だけど…」
葉月「それじゃ…突入しましょう!!」
ときめ「待って!!」
私は工場の入口の重い扉を開けようとドアノブに手を掛けるがときめさんが私を呼び止めて私は思わず振り返った。
ときめ「湊耀子って誰?」
葉月「…何故?」
ときめ「事務所のパソコンに貴方と湊耀子のプロフィールが記載された記録があったから…知り合い?」
葉月「前の職場の先輩ですよ…私が1番お世話になった人で1番死なせたくなかった人…」
ときめ「そうだったんだ…」
葉月「さぁ…行きましょう?」
葉月は早々に話を切り上げると、ときめと一緒に工場の扉を開けて中に侵入した。
私達が最初に辿り着いたのは大きな檻であり中を覗くが誰も居なかった。
ときめ「床に足跡がある…さっきまでここに囚われてたみたいだけど逃げ出したみたい…」
葉月「きっと夏木さんやそのお仲間が助けたんでしょう」
ときめ「そうかもね…もっと奥へ行きましょう!!」
亜樹子「りんねちゃん!?玲花さん!?」
その時すぐ近くから女性の声と何やら争うような音が響いて私とときめさんは顔を見合わせると急いで声のする場所へと駆け出すと広いエリアの入口に女子学生達が固まっていた
ときめ「女子学生達が!!」
亜樹子「ときめちゃん!?何でここに…?」
ときめ「心配になって来ちゃった!!呉島さんと一緒にここまで…」
亜樹子「そうだったんだ…私は鳴海亜樹子!!貴方は確か…」
亜樹子はメモを取り出すと必死にページを捲り始めるがすぐそばにいた紗羽が声を掛けた。
紗羽「貴方は仮面ライダーヴィーナス…呉島葉月さんね?」
葉月「はい。そうです…それで今の状況はどうなってますか?」
亜樹子「それが依頼主のすみれさんが首謀者で…とにかくピンチなの!!」
葉月「すみれさん?」
私は思わず首謀者の顔を見ようと女子学生達を掻き分けて前に出ると首謀者の隣にいる人物を見て驚愕してしまった。
葉月「なっ…アーマードライダーマリカ!?」
そこにはアーマードライダーマリカがソニックアローを構えておりその隣には首謀者のすみれさんと思われる人物がおり、その目の前には若い女性3人が立っていた。
紗羽「あの仮面ライダーが今回の首謀者の協力者なのよ…」
葉月「そんな…あり得ない!!だって先輩はもう…」」
ときめ「呉島さん?」
葉月「あれが湊先輩な訳が…だってマリカに変身するためのロックシードは私が持ってるのに…」
ときめ「仮面ライダーマリカが貴方の先輩なの?もし本当だったら…」
葉月「私が先輩を止めないと…私が…やらなきゃ…」
私は信じたくもない事実に思わず握り拳を作ってしまい拳がとても震えている事に遅れて気づいてしまった。
ときめ「呉島さん…あの人と戦えるの?」
葉月「……とにかく今は先輩と直接話してみなきゃ…その為には!!」
私はゲネシスドライバーを装着させてピーチエナジーロックシードを構えると開錠した。
葉月「変身…」
(ピーチエナジー)
私はピーチエナジーロックシードを一度後ろに回してドライバーに装着するとハンガーを閉じた。
(ロックオン・ソーダ)
(ピーチエナジーアームズ)
私の体をピンクと黒のツートンカラーのアンダスーツが覆い私は桃の鎧を装着して私はアーマードライダーマリカに変身を完了させた。
ときめ「なっ…」
紗羽「葉月さんがマリカに!?」
亜樹子「えぇぇぇぇ!?呉島さんも仮面ライダーマリカに!?私聞いてない!!」
私はアーマードライダーマリカに変身を果たすとソニックアローを掴むと射撃のために弦を引き絞った。
葉月「はっ!!」
湊「なっ…ぐあっ…」
私の射撃に湊先輩はダメージを受けてふらついて私は駆け出すと湊先輩にソニックアローを叩きつけた。
湊「ハアッ!!」
葉月(この動き…信じたくはなかったけど間違いない…)
湊「貴方…何者!?」
葉月「私の事を忘れたんですか湊先輩?」
湊「その声…貴方まさか!?」
私達は同時に後ろに下がってソニックアローを構えたままゲネシスドライバーのレバーを一回押し込んだ。
((ピーチエナジースカッシュ))
湊・葉月「「ハアッ!!」」
2人の同じ技が放たれて2人の斬撃がぶつかりあって2人は衝撃波で後ろに吹き飛ばされてしまった。
湊「その強さ…やっぱり貴方…」
葉月「私ですよ…湊先輩?」
私はピーチエナジーロックシードの蓋を閉じるとマリカの変身を解除して姿を晒すと全員が驚きの表情を浮かべていた。
玲花「貴方は!?」
りんね「呉島…さん!?」
花「呉島葉月さん…どうして貴方がマリカに…?」
葉月「貴方は本物の湊先輩じゃない…一体…?」
すみれ「知りたいかしら?」
葉月「貴方はもしかしてすみれさん?」
すみれ「えぇ…そうよ?そこに居る耀子は遺伝子情報から造った改造人間よ!!」
葉月「改造人間…湊先輩の遺伝子情報を何処で…」
すみれ「全てはこの世界を手に入れるためよ?耀子は私のために力になってくれるの…」
湊「葉月…すみれこそ新たな王となるべき存在なのよ!!」
葉月「何を言って…貴方はすみれさんじゃなくて駆紋戒斗さんを王とするために戦ってたじゃないですか!!」
湊「私の王は…すみれただ1人よ!!」
葉月「ふざけないで下さい…私が目を覚まさせてあげ…」
すみれ「いいの?貴方は耀子の後輩…貴方にとって1番助けたかった人物の筈…」
葉月「っ!!」
すみれ「知ってるわよ…貴方のせいで耀子は死んだ…また耀子の敵になるつもり?」
葉月「あ…それは…」
すみれ「造られた存在とは言え耀子はかつての記憶を持っている…貴方との思い出も全部ね…」
葉月「記憶を…」
すみれ「また耀子を死なせるつもり?」
葉月「っ!!」
湊「その通りよ葉月…貴方がいるべきはこっち…でしょう?」
葉月「湊…先輩…それでも…私は…」
湊「また私の言う事に背くつもり?また私を…殺す気?」
りんね「呉島さん!!彼女の言葉に耳を貸しちゃ駄目!!」
ふと私の脳裏に以前夢に見た湊先輩が死ぬ瞬間が頭を駆け巡り私は先輩を死なせたくない気持ちが押し寄せて来た。
すみれ「ふふふ…これで呉島葉月も私の物よ!!アッハッハッ!!」
最後に湊先輩は私に向かって手を差し出して来てそれを見た私は顔が凍りついた。
葉月「湊…先輩…」
葉月(あの時手を取れなかった先輩がまた私に手を…)
湊「さぁ…葉月…私と一緒に行きましょう?」
???(葉月!!)
葉月(っ!?)
湊先輩の誘いの言葉の直後に私の頭の中に凛とした声が響いて私は目を瞑るとそこは真っ白な空間になっており膝を突く私の元に湊先輩が歩いて来た。
葉月「先輩…私…」
湊「ハアッ!!」
葉月「ぐはっ…」
私の意識空間内に現れた湊先輩に私は顔を勢いよく蹴り飛ばされて地面を転がり、追い打ちをかけるように再び湊先輩が私に拳を振り上げた。
葉月「いった…何するんですか先輩!?」
湊「葉月!!」
葉月「っ!!」
私は地面に倒されてしまい私の上に先輩柄跨ると私の胸倉を思い切り掴み上げられてしまった。
湊「貴方…いつまで私の影を追っているつもり?いい加減にしなさい!!」
葉月「だって…先輩が私の脳裏に焼きついて…10年経った今でも夢に出て来て今だに先輩の事を考えちゃうんです!!」
湊「少しは成長したと思ったのだけど…貴方はあの時から一歩も前に進んでいない…いえ…進んでいると自分で思い込んでいるのよ!!」
葉月「そんな事は…」
湊「貴方はもう結婚もした…新しい仲間も出来た…そんな中でも今だに私という存在の鎖に縛られている…いつまでもそれでは一歩も前に進めないわ!!」
葉月「うるさい…」
湊「葉月!?」
葉月「うるさいうるさい!!私がどれだけ先輩を死なせなくなかったか知りもしないくせに!!」
湊「貴方…」
葉月「そうですよ!!私はあの時から何も変わってない…そんな事わかってる!!私は怖かったんだ。また先輩を失うかと思うと!!」
湊「………」
葉月「たとえ造られた存在だったとしてもまた湊先輩が死ぬのを私はもう耐えられない!!」
湊「呉島葉月!!」
突如湊先輩が大きく声を張り上げると私はすぐに立ち上がり湊先輩の顔を見た。
湊「貴方の役目は?」
葉月「貴虎さんを支えながらみんなを守る…」
湊「今、貴方がするべきことは!?」
葉月「湊先輩を倒してすみれさんの身柄を抑えてみんなを守る…」
湊「前回言った筈よ…たとえどんな相手が立ち塞がったとしても貴方の大切な人を守ってあげるのよ…たとえ私自身でも…と」
葉月「!!」
湊「もう一度言うわ葉月… 貴方は己の信じる正義を最後まで貫きなさい!!」
葉月「先輩…」
湊「それが私の最後の教えよ…さぁ…戦いなさい!!私という鎖を引きちぎって…過去は振り返らないで…貴方は前だけを見ていなさい!!」
葉月「私に出来るでしょうか?」
湊「出来るわ…だって私の後輩だもの…それに貴方もいつまでも後輩じゃないわよ?」
葉月「あの…」
ふと意識空間に先程の3人の若い女性達が映し出されてその中には出会ったばかりのりんねさんも居た。
湊「貴方はこれから先輩になるのよ?」
葉月「私が先輩になる…」
湊「さぁ…行きなさい葉月…私とこうやって会うのもこれで本当に最後よ…」
ふと振り返ると湊先輩の方を振り返ると湊先輩は姿を消しており私はピーチエナジーロックシードを握り締めた。
葉月「先輩…私はもう迷わない…先輩の事でうじうじ悩むのはこれで最後です…私は私の信じる正義を最後まで貫きます!!」
直後に私は白い空間から弾き出されて現実へと帰還してゆっくりと立ち上がると目を開けた。
湊「さぁ…葉月!!私と一緒に新たな王の誕生を見届けるわよ!!」
視線を向けると湊先輩が私に向かって手を差し出しており私はゆっくりと湊先輩に近づくと後ろにいたときめさんが声を上げた。
ときめ「駄目っ!!呉島さん!!」
湊「さぁ…一緒に…」
葉月「はあああああっ!!」
湊「ぐはあっ…」
私は差し出された手を払いのけると桃の鎧を素手で思い切り殴りつけて湊先輩を後ろに吹き飛ばした。