仮面ライダー鎧武 呉島貴虎の秘書   作:雨風歌

206 / 281
206話 折れてまた折れて

 

葉月「お父さん…お母さん…どうして…?」

 

今まで小さい頃に両親を亡くして以来の再会であり私はまさかの父と母の登場に驚きを隠せなかった。

 

父「葉月…お前には失望したよ」

 

葉月「なっ…」

 

母「貴方は沢芽市を破滅に導くユグドラシルなんかに就職して沢芽市の人々を危険に晒した…そんな悪い会社の秘書をしていたなんて失望したわ…」

 

葉月「破滅に導く…?そんな事は…」

 

母「スカラー兵器…ボタンひとつで街を消し去れる程の圧倒的な権力を持っている…貴方はそんなところで悪事を繰り返していたのね?」

 

葉月「ち、違う…私はスカラー兵器を起動させず、犠牲者を出来るだけ出さないように貴虎さんと一緒に街を救おうって頑張ってた!!」

 

母「それに…人体実験を繰り返していた呉島家の御曹司…呉島貴虎の秘書を務めていたですって?そんな悪魔の家系の秘書になったなんて母として残念な気持ちよ」

 

葉月「っ!!貴虎さん自身はそれを望んで無かった!!貴虎さんや私がそれに気づいたのは後の話だったし貴虎さんも私もそれを望んで無かった!!」

 

母「それに…貴方…仮面ライダーになったそうね?」

 

葉月「っ!!」

 

父「実の娘に危ない橋を渡らせたくなかったんだが…いつからそんなヒーローの真似事に憧れていたんだい?」

 

葉月「真似事!?私は本当にみんなを助けたくて仮面ライダーに…」

 

母「違うわ…」

 

葉月「なっ…」

 

母「貴方は幼い頃から争い事が嫌いな優しい子だった筈…貴方はその力でくだらない正義を振り翳すためにその力に手を伸ばしたのよ!!」

 

葉月「違う…違うよ!!」

 

母「湊耀子…」

 

葉月「何を!?」

 

母「貴方の大好きな先輩は世界を破壊する存在の生き様を見届ける…つまりグルとなっていたのは知ってるわ…そんな悪い人の事を貴方は今でも想い続けている!!」

 

葉月「違う…湊先輩は…」

 

母「最低ね…貴方の先輩は…そんな人について行けばよかったんじゃないかと貴方は最近までそんな考えになっていたんじゃなかったかしら?」

 

葉月「やめて…それ以上は…」

 

父「クズだ…」

 

母「さっさとそんな悪い人の事なんて忘れなさい…葉月」

 

葉月「いや…やめて…それ以上は先輩を悪く言わないでよぅ…」

 

私は両親に先輩の事を問い詰められてしまい耳を塞ぐが父が私の首を掴み私は無理やり立たされてしまった。

 

葉月「がっ…」

 

母「葉月…呉島貴虎とは離婚しなさい。呉島の家の者とは縁を切るの!!」

 

父「そして仮面ライダーの力も捨てて…新しい人生を送りなさい…それがきっと葉月の幸せだから!!」

 

葉月(違う…違う違う違う!!お母さんもお父さんもそんな事は言わない!!目の前の2人は偽物…幻!!」

 

私は二人を消し去ろうと拳を構えて突進した。しかし父はその拳を受け止め、私の腹に膝を叩き込む。私は堪らず地面に崩れ落ちた。

 

葉月「かはっ…どうして…さっきのりんねさんみたいに実体があるの?何でここまでダメージが…」

 

母「それはね貴方の心が深いダメージを負っているからよ…」

 

葉月「心!?」

 

母「私達の言葉を受けて精神的に追い詰められている…貴方の体に影響が出るぐらいに貴方は弱ってしまっているのよ…」

 

葉月「意味が…わかんないよ!!」

 

父「精神的に強くなる?結局お前はいつまでも地面に膝を付いたまま立ち上がれない、弱い人間なんだよ…」

 

葉月「やめて…それ以上は…」

 

母「それに貴方…主人公ですってね?」

 

葉月「なっ…何を!?」

 

母「サガラから聞いた筈よ…貴方のいるこの世界は可能性の世界だって…誰もがこうあって欲しかったって願った末に生まれたつまり並行世界の主人公…」

 

葉月「主人公…」

 

父「主人公であるお前がいつまでも成長を見せずに弱っちくてそろそろみんな呆れ始めた筈だよ」

 

葉月「みんなって誰の事!?意味がわからない…」

 

母「決まっているでしょう?この世界の物語を外から見ている存在よ」

 

父「主人公失格だね。本当の主人公なら今頃世界を救うためにみんなに期待されている筈だからね?」

 

葉月「世界を…救う…」

 

母「さぁ…葉月…もう呉島貴虎とも別れて仮面ライダーも辞めなさい」

 

父「それがお前とっての幸せの筈だからね…」

 

両親が私の心を折りに来ている…そう思ったはいるものの私は両親の言葉に反論する事が出来ずに私はついに膝を突いてしまった。

 

母「膝を突いた…ふふふ…もう終わりね?」

 

父「膝を突いたって事はもう完全に折れたね!!」

 

葉月「ううう…違う…貴方達は偽物…本当の両親じゃない…」

 

私は目の前が真っ暗になってしまいそのまま地面に崩れ落ちてしまいそうになるが私は何者かに肩を掴まれて私はふと顔を上げた。

 

葉月「…!!」

 

 

湊「顔を上げなさい葉月!!貴方のこれまでの人生で無駄な事は一度も無かった筈!!」

 

それはこの間、私の心の中に現れてこれで会うのは最後だと言って姿を消した筈の湊先輩であり私はまさかの湊先輩の登場に顔を上げた。

 

葉月「湊先輩…もうこれで会うのは最後だって…」

 

湊「そうね…確かにそう言ったわね…」

 

葉月「いや…ダメ…私はもう先輩には頼らないって決めた…私は私自身の力でもう一度立ち上がるって決めたんだから!!」

 

湊「そう…葉月…強くなったわね…」

 

葉月「でも…やっぱり…やっぱり先輩の優しさに甘えたい…そう言う気持ちもやっぱり嘘じゃない!!」

 

湊「葉月…」

 

母「湊耀子…貴方のせいで私の葉月は最悪な人生になった!!貴方のせいよ!!」

 

父「死んだくせに何度娘の前に現れたら気が済むんだ!!これ以上娘を誑かすのは辞めてもらおうか!!」

 

湊「お父様…お母様…」

 

母「ははっ…この物語を見ている人も同じ事を思っている筈よ!!また湊耀子頼りなのか…何度湊耀子を擦れば気が済むんだとね!!」

 

葉月「やめて!!先輩の事を悪く言わないで!!」

 

父「娘の中で貴方を想う気持ちが今でも続いている…だから貴方のような存在が今だに娘の中にいつまでも生き続けているのだよ!!」

 

葉月「そうだ…湊先輩が今だに私の心の中に現れるのは私が湊先輩の事をいつまでも引きずっているから…」

 

 

湊「違うわ」

 

葉月「えっ…」

 

母「何ですって!?」

 

父「なっ…」

 

 

湊「私が死んでからもいつまでも葉月の心の中に現れるのは葉月自身が私という存在を引きずっているからじゃないわ!!」

 

葉月「えっ…」

 

母「じゃあ一体なんなのよ!?」

 

湊「それは…」

 

ふと湊先輩はふと目を閉じて深呼吸をすると再び目を開けて私達にはっきりと言葉を投げ掛けた。

 

 

湊「私の方が死んでも尚、今だに葉月の側に居たい…貴方を支えたい…そう思ったからよ!!」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。