シロは研究室にて夜中になっても作業を続けており、机の上には2つのゲネシスドライバーが置かれ、1つはコードが繋がれており、シロは必死にパソコンの画面の数値をチェックしていたが、思い通りにいかずに机をバンと叩いた。
シロ「これじゃダメだ!!この数値じゃ戦極凌馬が作ったゲネシスドライバーには遠く及ばない…」
シロは耀子からゲネシスドライバーを回収して再び調整するためにデータを必死に打ち込むが、なかなか上手くいかずに繋がれているピーチエナジーロックシードを外して手に取った。
シロ「ピーチエナジーロックシードは1から作り直せたけど、ドライバー本体となかなかデータが噛み合わない…これじゃ前回と同じ結果になる…」
葉月(偽)(マリカの弱点は知ってるよ…鎧に覆われてないここが弱点なんでしょう?)
耀子(くっ…貴方!!がはっ…)
シロ「ゲネシスドライバーのアンダースーツは戦極ドライバーの時のスーツよりも防御力が上がってる筈なのに…偽お姉ちゃんの攻撃で変身が解除されるほど弱いのは私の作りが甘いせいだ…」
シロはパソコンの数値をチェックしていたが、やはり思い通りにいかずに、ついに側に置いてあった書類を乱暴に床に払い落としてしまった。
シロ「くっそ…くそっ!!あぁぁぁぁ!!」
シロは思わず拳を机に叩きつけようとしたが、その手を何者かが掴みシロは慌てて顔を上げた。
耀子「休憩しなさい…身も心も持たないわよ」
シロ「湊…さん…」
耀子は地面に落ちた書類を纏めると机の上に置いてその側にホットココアを置いた。
耀子「そんなに焦ったって上手くいかないわ!!一度冷静になりなさい」
シロ「ダメだよ…」
耀子「シロ…?」
シロ「今の私じゃやっぱり完璧なドライバーは作れない…結局、戦極凌馬の真似事じゃん!!」
シロは頭に血が昇っており、椅子から立ち上がり耀子に食ってかかるが、耀子はその手を掴み握りしめた。
耀子「シロ…落ち着きなさい!!」
シロ「今の私じゃ戦極凌馬に勝てない…あの人みたいなドライバーは作れないんだ!!」
耀子「いいえ…貴方はプロフェッサーには無いものを持ってる…純粋に人々を守りたいと思う強い想い…後はこれまでの自分とこれからの自分を信じることね」
シロ「どう言う事…?」
耀子「それじゃ…無理しないことね」
耀子はそのまま研究室を出て行ってしまい、その場にはシロ1人が残されて、コードで繋がれているピーチエナジーロックシードをじっと見つめた。
シロ「そうだ…私は彼とは違う…お姉ちゃん達やみんなを守りたい。そのためのドライバーを作りたいって思ったんだ!!」
シロはかつて戦極凌馬が使っていたノートパソコン起動させると、研究用ファイルの中の1つを開こうとクリックしたが、パスワードが掛けられており、じっと画面を見つめていた。
シロ「戦極凌馬の隠しファイル…私でも開けなかったのがあったからもう諦めてたけど…今なら開ける気がする…」
前にも一度試したことがあったのだが、パスワードの桁が多かったせいでハッキングするのに時間が掛かる事が分かっていたため、しばらくは放っておいたのだが、再びチャレンジする事にして、キーボードに指を置いて息を深く吸い込んだ。
シロ「すぅ…いざ…勝負!!」
研究室から出た耀子は自宅へ帰るために歩き始めたが、研究室の廊下に誰かがいる事に気がつくと、足を止めた。
葉月「シロちゃんはどうでした?」
耀子「思い悩んでいる様子だったわ…でもあの子はきっと立ち上がれる…そうでしょ?」
葉月「はい…シロちゃんは必ずドライバーを完成させてくれる筈です!!」
耀子「信じているのね?」
葉月「はい…シロちゃんは強い子ですから!!」
耀子「そう…貴方からシロがオーバーロードだって聞いた時は驚いたわ…あそこまで人間になりきれる子は始めてよ」
葉月「シロちゃんは人間になることを夢見てますから。いえ、私が思うにシロちゃんはもう立派な人間ですよ」
耀子「でもあの子も深く考え込みやすいタイプなのね…」
葉月「はい…だから私達が支えてあげないと…」
-数時間後-
凌馬「驚いた…このセキュリティを突発するとは…何者かは知らないがやるじゃないか!!」
シロ「来たー!!」
凌馬「やぁ…このファイルを開けていると言うことはゲネシスドライバーについての情報が欲しいと言ったところかな?」
シロ「はぁ…はぁ…やっと開けた…」
シロは数時間の格闘の末、凌馬のパソコンのフォルダのセキュリティを突破してアクセスしようとした時に、動画が再生され始めたのだ。
凌馬「この動画を貴虎が見ていないことを祈るばかりだが…このセキュリティ突破したのを察するに、おそらく貴虎か水瀬君の協力している発明家と言ったところか…私のゲネシスドライバーの事について知りたいようだね?」
シロ「うわ…当たってるよ……」
凌馬「しかし残念ながら私以外の発明など認めない…ましてや私の最高傑作を模倣するなど、この私が許さない…」
シロ「くっ…簡単には教えてはくれないか…」
凌馬「…と思っていたのだが狗道供界の件があるからね…あんな厄介な奴を野放しにしてしまっていた私にもその責任がある。そう言う事で奴に対抗するために特別にこの動画を見ている君にゲネシスドライバーについて話しておこう」
シロ「!!」
ゲネシスドライバーの詳しい設計図や詳しい説明が画面に表示されており、シロは慌てて画面の文字を側にある紙に書き殴っていく。
シロ「まさか…こんな凄いドライバーだったんだ…」
凌馬「ゲネシスドライバーは戦極ドライバーよりも性能差が桁違いだが、その分体に掛かる負担も大きい…」
シロ「…やっぱりそうだよね…」
凌馬「だが、ゲネシスドライバーは戦極ドライバーを遥かに上回る性能を持つ…もし戦極ドライバーを悪用する連中が現れたとしても、制圧する事が出来る筈だ…元々は戦極ドライバーを使用する連中を制圧するために製作したのも、私がドライバーを作った理由の1つだ…」
シロ「制圧…」
凌馬「戦極ドライバーのまま強くなった葛葉紘汰と同じく未知のシステムで変身を遂げた狗道供界だが、君達に始末を任せる事になるだろう…そのためにこの記録を残す…この設計図とデータはこの動画を見ている君に託す事にする…他の悪しき者の手に渡らないようにしてくれる事を願っているよ。」
その言葉を最後に動画は終わりシロは書き殴った記録をじっと見つめた。
シロ「この記録があれば…きっと作れる!!」
シロは製作途中のゲネシスドライバーに再びコードを繋ぐと、パソコンでカタカタと打ち込んでいく。
シロ「そっか…ここをこうすれば…よかったんだ!!」
シロの作業は夜明けまで続き、ドライバーとエナジーロックシードの製作が終わったタイミングで耀子が研究室へと訪れると、思わずため息を吐いた。
耀子「まったく…無理しないでって言ったのに、結局朝まで作業していたのね?」
シロ「うん…でもこれ!!」
耀子「これは…」
シロは完成した耀子専用のゲネシスドライバーとピーチエナジーロックシードを差し出すと、耀子は目を丸くした。
シロ「戦極凌馬はやっぱりゲネシスドライバーについての記録を残してた…前に見たゲネシスドライバーの設計図のさらに詳しい情報が乗ったデータがあったよ」
耀子「プロフェッサーが!?」
シロ「どうする?ドライバーの性能テストをしようか?」
耀子「残念ながらその時間は無いわ…葉月から連絡があったの…クラウドの研究施設の場所が分かったって仲間から連絡があってね…実戦でテストさせてもらうわ」
シロ「そっか…じゃあ私も行くよ」
耀子「でも…貴方のドライバーは破壊されて…」
シロ「ううん…私のドライバーはここに…」
シロはコードに繋がれたゲネシスドライバーを見せると、コードを外してロックシードに最後の調整のためにデータを入力していく。
シロ「戦極凌馬が残してくれたデータのお陰で私もさらにレベルアップ出来る…みんなで戦おう!!」
耀子「…分かったわ…一緒に戦いましょう」
シロ「うん!!」
シロが頷いたタイミングでエナジーロックシードの調整も完了して、シロは自身のエナジーロックシードをコードから外して手に取った。
シロ「戦極凌馬…貴方の発明は私が守るよ!!貴方の望んだ目的の為じゃないかもだけど、この世界を守るために使わせて貰うね!!」
シロは耀子と共に廊下に出ると、そこには既に準備を終えた葉月と皐月の2人が待っており、葉月はシロに手を差し伸べた。
葉月「行きましょう…シロちゃん!!」